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2012年8月の14件の記事

2012年8月31日 (金)

書評:福嶋隆史著『国語が子どもをダメにする』(中公新書ラクレ)~国語教育は何のために行うのか?

タイトルから刺激的な本です。
福嶋隆史氏の新著『国語が子どもをダメにする』(中公新書ラクレ)。

国語が子どもをダメにする

小学校6年間全5645時間のうち、国語科に割り当てられた時間は?
本書P.13~14によると、約26%(実際には1461時間)とのことです。
つまり、全授業のうち、約4分の1を国語科にあてることになっているのです。
しかし・・・
ここから、本書の辛辣な文章を引用します。
(P.15から引用)
 もし、全授業の五分の一以上に当たるこれら国語の授業がひどい内容だったら?
 教師が何も指導しない「放任授業」だったら?
 活動主義の美辞麗句に先導された「お遊び授業」だったら?
 そう考えると、ぞっとする。
 そのぞっとするような授業が、今の日本の学校国語の主流なのである。

(引用終)

著者の福嶋隆史氏は、元小学校教師で、
現在では「ふくしま国語塾」を主宰しています。
よって、大学教授が行う机上の空論とは違う、発言の重みがあります。

授業時数が多い=もっとも大事な教科とするならば、
国語科はあらゆる教科の「王」のような存在です。
しかし、国語科ほど、指導法が確立していない教科は他にありません。
著者はまず一例として、音読指導をやり玉にあげています。
(P.18~24)
そして、小学国語科の最大の問題点である、
「国語科は道徳なのか?」を指摘しています。

戦争の悲惨さを訴えるような作品(例:『ちいちゃんのかげおくり』、『一つの花』・・・)で、
これでもかと道徳を押し付けてくる現在の国語科教科書・・・
本書でも触れていますが、
教科書編集委員の一人である、石原千秋氏の『国語教科書の思想』(ちくま新書)では、
日本における国語教科書は道徳教育である」と断じているそうです。
(『国語教科書の思想』は2012年8月末現在、未読です。)

国語教科書の思想

戦後の一時期、日本では学校での「道徳」授業がありませんでした。
戦前の「修身」を否定するためでした。
昭和33年(1958年)には「道徳」が特設されました。

確かに、「道徳」授業の空白期間であれば、
国語科以外には「道徳」を教える場がなかったといえます。
しかし、それ以降は「道徳」という授業が別にあるわけです。
国語科で道徳を教える必要性も必然性もないはずです。

国語科で教えるべきは道徳などではなく、
論理的思考の技術を使いこなす能力(中略)端的に言えば、論理的思考力
(P.4から引用)というのが、著者の主張です。
福嶋氏の著作はこの結論を主張することで一貫していますが、
本書はあるべき国語の姿よりも、現状の国語の惨状について多くを費やしています。

北海道に住む者にとっては、思わず苦笑してしまうところもありました。
P.38~44で言及されている、
2012年4月1日付の朝日新聞・教育面に掲載された、
北海道教育大学附属釧路小学校の30代後半の女性教師による授業へのコメントです。
(P.38から引用)
「花まる先生」というコーナータイトルは、「赤点先生」に修正すべきだと思った。
隅から隅まで、ひどい授業である(記事が事実を伝えているのなら)。

(引用終)

何が問題なのかは実際に本書を読んでいただきたいので引用しませんが、
典型的な、貼りモノベタベタ授業で、何を学んだか成果がわからず、
活動を楽しんでオシマイ・・・
というものだったようですね。

第1章「感性の国語を脱却せよ」は前半で、
上記のような小学校教育の問題点を具体例を挙げて
(「内容」より「形式」を重視せよ⇒言語技術をきちんと教えよ)を述べています。

第2章の「読解偏重・難解複雑信仰・長文速読主義を排除せよ」は、
中学~大学受験の問題点を抉り出しています。
特に「物語・小説を読解問題に出すなかれ」という主張は同感でした。

第3章「国語教育はこう変えろ!」は、
著者の主張するあるべき国語教育が書かれています。
この部分は、既に出版されている著者の他の著作とダブります。
「ふくしま国語」のエッセンスとでもいうべきものです。

第3章では、「『好きです嫌いです作文』をやめよ」(P.242)というところが、
特に印象に残りました。
小学校の作文でよくあるパターンですね。

著者は昨今はやりつつある国語のPISA型授業にも警鐘を鳴らしています。
(P.264~273)
要約すれば、基礎的言語技術を教えずに、「応用力」だけを問うことへの疑問です。
基礎なくして応用ができるわけがありませんね。

ところで・・・
国語がこんな惨状なのに、「外国語活動」と称して、
ALTのカッコイイ「外人の(※アジア系は例外?)」お兄さん、お姉さんと、
「英語ごっこ」してご満悦なのが、今の学校現場です。
あまり必要性を感じませんが・・・

それはさておき、国語教育を憂慮している方、
あるべき国語教育を考えている方であれば、ぜひ手にとってお読みください。
現状の問題点がハッキリ見えてくるはずです。

以前、福嶋氏の【小学校教育が危ない】というサイトについて記事を書きました。
よろしければお読みください。
おすすめサイト~【小学校教育が危ない】(ふくしま国語塾 主宰 福嶋隆史のホームページ)

2012年8月28日 (火)

高山の古い町並みと『氷菓』~~2012年夏の旅(5)

2012年夏の旅、第5回目(最終回)です。
今回は、高山市の古い町並みと、
そこを舞台背景に使っているアニメ『氷菓』、
ならびに原作とコミック版について書きます。

氷菓』という作品の名前は知っていましたし(どこか古風な響き・・・)、
一応、BS11での放送の第1回目を録画して観たことはありましたが、
なんとなく、よくある学園モノで、ひたすらしゃべってばかりという印象が強く、
続けて観ようという気にはなれないままでした。
ましてや、舞台がどこか、ということは気にもとめていませんでした。
それゆえ、今回の旅で、高山市に泊まることを選んだのは、
決して、アニメの影響ではありませんでした。
古い町並みを見てみたかったのと、
白川郷・五箇山方面へ行く拠点地としてちょうどよかったからでした。
(白川郷まで高速経由で1時間程度)

高山では2泊しました。
1泊目は、国道158号線沿いにある、「お宿 吉野屋」でした。
トイレ・バスは共同でしたが、一応温泉もありますし(家族風呂!(*^.^*))、
何よりもオーナーがとても親切に高山市中心部のみどころを紹介してくれました。
朝食は結構豪華で、旅の気分を十分に満足させるものでしたよ。

2泊目は、高山駅近くのスパホテル アルピナ飛騨高山でした。
朝食サービスがなかなかで、窓からは崇教真光の金ピカな総本山が見えましたよ。

高山が今や『氷菓』のマチになっていることを知ったのは、
鍛冶橋付近を散策していた時にふらっと立ち寄った、
飛騨高山アンテナショップ」に、『氷菓』コーナーがあったからです。
原作者の米澤穂信さんの出身地が、高山市ということです。
アンテナショップにTVアニメ「氷菓」コーナー誕生 (2012.4.21更新)

高山市での町歩きは、日程の都合上、
夜ばかりでした。
昼間もちゃんと見ておけばよかったなぁ・・・と少し後悔しました。
(2日目の夜は強い雨が降っていました・・・)
また機会があれば行ってみたいです。

高山の古い町並みとアニメ版『氷菓』を見比べたいなら、
☆ 氷菓 聖地巡礼 ~高山編~ ☆
というサイトがオススメです。
よくここまで詳しく調べたものですね~と感心しました・・・
本町通り商店街、鍛冶橋交差点付近、
喫茶「バグパイプ」(アニメ&原作では「パイナップルサンド」)
あたりは実際に歩いてきましたよ。

氷菓』については、高山市を離れてから、
まずコミック版を読んでみました。
(たぶん、高山市に行かなければ、決して読むことはない本だったでしょう・・・)
というのも、当初は「まずは原作!」と思ったものの、
語り口調がいかにもラノベだ~という感じで、
あまり作品の中に入っていけませんでした。

氷菓』の魅力のかなりの部分は、
ヒロイン・千反田えるの清純なキャラデザインによるのではないでしょうか?
コミック版を読んで、私も魅了されてしまいました・・・
(なお、コミック版はアニメ版に準拠しています。)

少なくとも原作第1作『氷菓』では、恋愛要素はまったくありません。
だからこそ、ヒロインの清純さが活きるわけです。
若い頃に、女性を情欲の対象として観るのではなく、
むしろ、女神や聖母のような存在として観るというのは、とても幸せなことデスヨ・・・

コミック版1巻

コミック版2巻

この手の作品にありがちな、妄想膨らまし系のものとは一線を画し、
「これなら、小学生にでもオススメできる!」とさえ思ったほどでした。

コミック1巻を読んでから、原作も読んでみました。
コミック1巻は原作の3章までです。
(2巻は原作第1作の終盤第6章まで。
原作第1作にないエピソードも含まれています。)

主人公のホータローはどう見ても高校生とは思えない、
少し大人びた存在ですね。
(たとえば、コーヒー通なところなど・・・)
それはともかく、作品としてはなかなか面白かった、というのが正直な感想です。

原作第1作『氷菓

それで、北海道に帰ってから、アニメを再び録画して観てみたのですが・・・
アニメとしては、細かい描写(特に高山市の街角の何気ない描写!)はさすがと思ったものの、
アニメという媒体の魅力(躍動感とか別世界の描写とか・・・)には乏しいな、と改めて思いました。
会話劇のようなものなので、実写でやっても少し地味だろうし、
あえて原作を活かせるとしたら、少人数での演劇なのかもしれませんね。
ただ、キャラクターデザインは第一級のものでは、と思いました。
原作の描写をよく活かしています。
原作をきちんとアニメで再現しているからこそ、
アニメとしての魅力が乏しくなってしまうのかもしれませんね。

よって、私にとっての重要度では、コミック>原作>アニメ、と考えます。
(アニメファンの皆様、ゴメンナサイ・・・)

アニメ Blu-ray1巻

2012年8月26日 (日)

白川郷・五箇山の世界遺産めぐり~2012年夏の旅(4)

2012年夏の旅、第4回目です。
今回は、白川郷と五箇山、世界遺産めぐりについて書きます。

今回の松本~高山~白川郷・五箇山への旅、
発案は妻でした。
「世界遺産の白川郷を見てみたい!」
愛する妻のために、本州での慣れない運転も覚悟したわけです・・・

実は、私は本州で車を運転したのは今回が初めてでした。
北海道での広く、だいたいまっすぐな道に慣れているせいか、
松本~高山間の細くウネウネとした道は少し運転が面倒でした。
(北海道の道は本州の道と比べると非常に恵まれています!)
その点、高山市郊外から白川郷ICまでの高速道路は便利で走りやすかったです。

余談ですが、十数年前、初めて箱根をバスで登ったとき、
「よくこんな道でバスを運転できるものだな~」と思いました。
半分恐怖、半分驚嘆・・・
(歩道などない中で住宅すれすれにバスが走っていくので・・・)

私どもは高山市を基点に、レンタカーで白川郷へ向かいました。
途中、道路の看板を見ると、「飛騨の里」というのがありました。
向かう方向には、金ピカの合掌造りの大きな屋根が見えました。
「あれが飛騨の里なんだな、行ってみよう!」と道路標識に沿って走りました。
あとで、その金ピカの神殿みたいなものは、「崇教真光」の総本山だと知りましたが・・・
とんだ勘違い(*´σー`)

飛騨の里」では、合掌造りの家々をじっくりと見学できました。
入場料700円は、後で考えてみるとお得でした。
というのは、白川郷で合掌造りの家を見学する場合、
1軒につき300円かかったからです。
(もし3軒見学したとすれば、900円!)
私どもはいろいろな合掌造りの家をじっくり見学できたので、
白川郷・五箇山では建物内の見学をしませんでした。

外は真夏でしたが、合掌造りの家の中は意外にもひんやりしていました。
昔の人々の知恵ですね!
飛騨の里で撮った1枚です。奥に見えるのは高山市内です。

201208hidanosato

飛騨の里を後にして、途中コンビニに寄った後、
(サークルKに寄ると、コンビニ内で釣りえさのミミズを売っていたのが独特でした・・・)
高速道路経由で白川郷へ向かいました。

白川郷に入ると駐車場に入るための渋滞がありましたが、
私どもは、最初に白川郷を一望したいと思い、
城山天守閣の「天守閣展望台」へ行きました。
ちなみに、ここは駐車料金無料!
古い町並みである萩町までは10分ぐらい坂道を行く必要がありますが、
見晴らしもいいし、オススメですよ!

白川郷で撮った写真の一部です。
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萩町で食事をしようかとも考えましたが、
結局、城山天守閣を少し下ったところにある、
ます園 文助」という店で昼食を取りました。
2012年3月21日放送のテレビ東京系「いい旅夢気分」で紹介された店とのこと。
ますなどの魚を店の池で養殖しています。
ここの「ます園定食」はとてもおいしかったですよ!

その後、五箇山へ。
ついに富山県にも足を踏み入れることができました!
五箇山で撮った写真です。

201208gokayama1

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五箇山といえば「こきりこ」。
生で聴くことは今回できませんでしたが、
「こきりこ」には思い出があります。

20代の頃、合唱団に入っていました。
定期演奏会で、岩河 三郎作詞(構成)・作曲の、
富山に伝わる三つの民」(混声合唱版)を歌いました。
その第2曲が、「こきりこ」でした。
「♪五箇山の里に 雪が降る・・・」などという歌詞がありました。
それが五箇山との「縁」といえます。

楽譜

富山は改めてきちんと行ってみたい場所です。
合掌造りの家々は、雪景色の時にみれば、もっと風情があるのでしょうね・・・

2012年8月23日 (木)

松本と安曇野、城とそば巡り~2012年夏の旅(3)

2012年夏の旅、第3回目です。
今回は、長野県松本市と安曇野市での、
観光とうまいもの(特にそば)について書きます。

松本へは、東京からの特急あずさで行き、
夕方6時少し前に着きました。
東京は猛暑でしたが、松本は小雨が振っていて少し涼しく、
ホッとしました。

宿泊は松本駅すぐそばの「エースイン松本」。
着いてすぐ、ホテルのエレベーターの中で気になる広告が・・・
「ホテル翔峰への無料送迎バスと無料日帰り入浴券」
荷物を置いて、すぐさまフロントへ行き、
無料入浴券をもらい、駅のところから出る無料送迎バスに乗りました。
ホテル翔峰まで約30分ぐらいかかりました。

着いたのはちょうど夜7時頃だったので、
大浴場は貸切状態でした。
ゆったりとくつろぐことができました。
露天風呂の岩には鳩が一羽、じっと佇んでいました。
(後でホテル従業員によって追い払われましたが・・・)
雨の中の露天風呂も風情がありました・・・

夜9時前の帰りの無料バスに乗り、ホテルへ直行。
バスに乗りながら、初めて松本城を見ました。
ライトアップしていました。
こじんまりとした印象でした・・・

帰りの道すがら、食事するのにいい店はないか、と探していました。
駅のすぐ近くを通ったとき、
パリで見かけるようなおしゃれなカフェかレストランがありました。
ホテルに到着してから、すぐさまその店を目指しました。
オー・クリヨー・ド・ヴァン (AU CRIEUR DE VIN)」という店でした。

私ども夫婦は道路に面したオープンテラスに席を取りました。
すぐ近くの席には、松本の一大イベントの一つである、
「サイトウ・キネン・フェスティバル」の関係者らしき人たちが、
フランス語で何やらしゃべっていました。
(スタッフ用Tシャツ《ポロシャツ?》を着ていました。)

ここでは生ハムなどを食べ、ワインを味わいました。
なんだか幸せ~な旅行気分に浸ってしまいました・・・

その後、駅近辺をふらふら彷徨しているうちに、
「松本来たらそばでしょ?」ということで、
石臼挽き純手打そば 手前ざる」というお店に入りました。
深夜まで営業しています。
そばの他に、揚物なども充実しています。
私どもはあまり期待していなかったのですが、
そば、揚物ともにおいしかったです!
特にそばは、歯ごたえがあり、
「やっぱり信州そばはおいしかったんだ・・・」と思わせられました。
(昨年、軽井沢などで食べた蕎麦はイマイチだったので・・・)

翌朝(ちょうど日曜日でした)、
早朝礼拝がある教会(松本城の近くデス・・・)をあらかじめ見つけておいたので、
駅前からタクシーで教会へ行きました。
正確な住所を運転手に伝えたのですが、
見事に別な教会に「ご案~内!」でした(^-^;
しかし感心したのはそこからでした。
その運転手さんはそこでメーターを落とし、
正しい場所へきちんと連れていってくれました!
「松本の人は律儀だな~」と思いました。

礼拝後、さっそく松本城見学・・・と思いましたが、
すぐ近くに現存する日本最古の小学校建物である、
旧開智学校」があったので、そこを写真に収めてから、
松本城に向かいました。
旧開智学校についてはまた後で触れます。)

旧開智学校
201208kaichischool

さて、松本といえば松本城!!!
とてもすばらしいお城ですね!
ついつい何十枚も写真を撮ってしまいました・・・
ここに載せたのはそのほんの一部です・・・
(なお、松本城周辺では、
私ども夫婦の写真を「撮りましょうか?」と撮ってくれる方が何人もいました。
とてもすがすがしい気分でした・・・)

松本城
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ちなみに、下の写真は、映像加工したものです。
実は、今回の旅に向けて、新しいデジカメを買いました。
ソニーのCyber-shot WX50です。

油絵のようなタッチに自動で画像加工してくれます。
201208matsumotojyo1

松本城から松本駅は意外と近く、歩いて行ける距離だと実感しました。
ホテルに戻ってから、無料サービスの朝食を食べました。
なかなかのものでしたよ。

松本駅横の「駅レンタカー」でレンタカーを借りて、いざ上高地へ!
これは前回記事にしましたので省略します。
簡単に道程だけ書いておきます。
松本⇒上高地⇒岐阜県高山市(宿泊)
高山市⇒白川郷・五箇山⇒高山市(宿泊)※次回書く予定です。
高山市⇒安曇野市⇒松本市(レンタカー返却)⇒特急で東京へ

最終日の安曇野市・松本市での旅について書きます。
当日は天気があまりよくない、という天気予報だったので(実際はハズレでしたが・・・)、
本来予定していた、乗鞍高原へ行くのを諦め、
予定変更して安曇野市でわさび田を見、そばを味わうことにしました。

高山市内のホテルを出たのは朝8時すぎでした。
安曇野には11時ちょっと前に着きました。
「食べログ」で調べた「そば処 時遊庵 あさかわ」という店に直行!
しかし・・・
行ってみると、開店11:30なのにもはや「2時間待ち」の表示が・・・
残念ながら諦めました。

それなら、有名な「大王わさび農場」は?ということで、
そちらへ向かったところ、大渋滞でした・・・
残念ながらわさび農場も諦め、
近くの「早春賦」の記念碑で写真を撮り、
他にいいそば屋はないかといろいろ車で探し回りましたが、
どこも満杯・・・

通り道で見つけた「安曇野ジャンセン美術館」に併設されている、
そばカフェ La Rayonne Vert」というところに入りました。
正直、あまり期待しなかったのですが・・・
意外にも、そばが結構おいしかったです。
それ以上に、そばスコーンやそばソフトクリームなどが実においしく、
実は穴場なのでは、と思ったほどでした。

そばカフェで撮った写真です。
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201208azumino_2

松本で車を返す時間が午後2時。
ぎりぎり10分前に無事返却できました。
その後、徒歩で松本城方面にまた行きました。
初日以上に天気がよく、すばらしい眺めでした。
あいにく、松本城の見学は2時間待ちということで、
見学の方は諦めました。
その代わり、近くの旧開智学校の見学へ行きました。

旧開智学校では、明治期の松本市民の、
教育にかける情熱がひしひしと伝わってきました。
(昔も今も、国の未来を築くのは、教育なのですが・・・)

下の写真は、中町の蔵・シック館で撮ったものです。
クラシックの曲(たぶんバロック音楽)が流れる「蔵・シック館」。
なかなかステキなところでした。
201208kurashikkukan

松本での旅をシメルのは、やっぱりそば!
というわけで、通りをぶらぶら歩いていて見つけた、
そばきり みよ田」というお店に入りました。
(ホテルで「オススメの場所」と紹介していました・・・)

ここのそばもおいしかったですが、
初日に食べた「手前ざる」の方がよりおいしかったかな?
ただ、天ぷらや葉わさび漬けはとてもおいしかったです!
特に葉わさび漬け!
忘れられない味になりました・・・

そばきり みよ田の葉わさび漬
201208matsumoto_miyoda_wasabihaduke

2012年8月22日 (水)

テレビ東京系・いい旅夢気分「涼しい!夏旅シリーズ④憧れの絶景と名湯めぐり 上高地~奥飛騨」(2012年8月22日放送)と、私どもの上高地の旅~2012年夏の旅(2)

テレビ東京系の「いい旅夢気分」2012年8月22日放送で、
涼しい!夏旅シリーズ④憧れの絶景と名湯めぐり 上高地~奥飛騨
と題して、上高地や奥飛騨を紹介していました。
(詳しくは番組HPでどうぞ!)

実は、私ども夫婦も、今月(2012年8月)に、
上高地へ行ってきました。
(後で写真を紹介します。)

番組では、松本市をスタート地点に、バスで上高地へ行きました。
上高地はバスかタクシーでしか行けません。
私どもは、松本市でレンタカーを借り、
沢渡(さわんど)温泉で車を駐車し、そこからバスで行きました。

今回の旅人は、徳光和夫さんと草野仁さんでした。
お二人はバス亭「大正池」で降りて、
そこから上高地のシンボル、河童橋へと向かいました。
私どもは、バスの終点、上高地バスターミナルで降りて、
そこから大正池を目指しました。
ちょうど、逆ルートでした。
(ちなみに、夏休み中でしたら、大変混みますので、
番組で紹介したルートである、大正池⇒河童橋へ向かう方をオススメします。
私どもは、大正池のバス亭で待っていましたが、
満車でバスに何本も乗れませんでした・・・)

番組では、上高地帝国ホテルでのゼイタクなランチや、
五千尺ホテルでのスイーツも紹介していました。
(私どもは上高地帝国ホテルは入口を見ただけ・・・)
天気も最高~!
うらやましい、まさに「いい旅夢気分」そのものでした・・・

私どもはそういうゼイタクはしませんでしたが、
目だけは負けず劣らずゼイタクできたかな~と思っています。
以下は私どもの旅の記録です。

河童橋・・・
写真でみて、いつか必ず行ってみたい、と憧れていた場所でした。
すがすがしくさわやかな空気・・・
真夏の東京からしばし逃れて、リフレッシュできました。

河童橋
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河童橋から大正池へ向かう道すがら撮った写真です。

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番組でも紹介されていた「田代湖」です。
河童橋~大正池間では、最も美しい場所でした。
ここの水は特に冷たく、真夏なのにひんやりしていました。
(私はこの景色を見て、
ジョン・エヴァレット・ミレイの「オフィーリア (Ophelia)」をつい思い出してしまいました・・・)
それはともかくとして、日本というよりは、あたかもカナダにでも来ているような、
別天地の美しい光景でした・・・

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201208kamikouchi_6

※おまけ
ジョン・エヴァレット・ミレイの「オフィーリア(Ophelia)」
Ofi_3

ついに大正池・・・
河童橋~大正池間はまっすぐ歩けば1時間だそうですが、
私どもは写真を撮ったりしながらだったので、2時間半ぐらいかかりました。
絶景、絶景、また絶景・・・
ぜひまた行ってみたいなぁ・・・

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2012年8月20日 (月)

上野でフェルメールのハシゴ&渋谷のレーピン展~2012年夏の旅(1)

2012年夏もおかげさまで本州方面へ旅することができました。
神様に感謝!
今回から5回にわたって、旅シリーズを書いていきます。
第1回目は、美術ネタです。
上野公園でのフェルメールの「ハシゴ」と、
渋谷Bunkamuraザ・ミュージアムでのレーピン展を観てきました。

フェルメールの作品は世界で37作品しかありません。
そのうちの3つが東京の上野に来ているというのは、なんとスゴイことでしょう!

国立西洋美術館での「ベルリン国立美術館展」では、
真珠の飾りの少女」が、
東京都美術館の「マウリッツハイス美術館展」では、
真珠の飾りの少女」が展示されていました。
真珠の飾りの少女」と「真珠の飾りの少女」。
」と「」の一字違いですが、
2人少女の人気は雲泥の差でした。
(以下、ややこしくなるので、「首」と「耳」と略記します。)
※なお、東京都美術館では、フェルメール初期の作品も1点展示されていました。

国立西洋美術館の「首」は、私どもが行ったときには、
15人ぐらいの人が立ち止まってみていました。
一方、東京都美術館の「耳」は、
「お顔」を近くで拝見するまでに蛇状の長~い行列で10分ぐらい待つ必要がありました。
「耳」のところだけでもたぶん100人以上いたと思います。
1点の絵を観るためにこんなに行列したのは相当久しぶりでした・・・

「首」は確かに傑作なのですが、
たぶん「首」のコスプレをしてみたいと思う人は皆無でしょう。
一方、「耳」は、会場のすぐ外で、
武井咲さんが絵と同じ姿で写真をとったものが飾られていたり、
こういう衣装の全体像だったのでは、という実物展示までありました。
背景が黒で、余計なものがない分、想像力を働かせることができます。
また、映画や小説の影響も大きいのでしょう。
(映画版のスカーレット・ヨハンソンさんの方が武井咲さんより似ていますね。)

小説

映画

東京・上野「フェルメール」戦争――「耳飾り」が「首飾り」に圧勝の理由
という記事によると、
数の上でも「耳」の「マウリッツハイス美術館展」の方が「圧勝」とのことです。
(この記事、途中までしか読んでいません・・・)

ただ、「マウリッツハイス美術館展」では、
「耳」とそれを観るための行列しか印象に残りませんでしたが、
「首」の「ベルリン国立美術館展」では、
他にクラナッハによるルターの肖像画や、デューラーの作品など、
結構見ごたえがありました。
上野に行くなら、ぜひ二つとも観るのがオススメです。

渋谷のレーピン展にも行ってきました。
19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍したロシアを代表する画家の一人です。

クラシック音楽愛好家なら、
ムソルグスキーの肖像画を必ずみたことがあると思います。
あれもレーピンの作品で、今回実物を観る事ができました。
解説によると、ムソルグスキーの死の10日前ぐらいに書かれたものだそうです。

トルストイの肖像画も観ました。
絵に深い精神性が表れた傑作でした。

下の写真は、3つの美術展でおみやげに買った絵はがきを、
妻が壁に貼ったものです。
(以前行ったブリヂストン美術館のものも混ざっていますが・・・)
なお、写真の中にある、花のような編み物は、
妻がタディングレースで編んだものです。
(「タディングレース編み」は妻の趣味の一つです(*^-^))

主にフェルメールの作品
20120820no02


主にレーピン展の作品
20120820no01

2012年8月16日 (木)

「バーバパパ」は綿菓子(綿あめ)だった!~NHK・グレーテルのかまどスペシャル「ひゃっこい!なつかしい!夏スイーツ特集」(2012年8月16日放送)

小さい頃テレビで放映されていて、よく観ていた「バーバパパ」。
(たぶん再放送の方です・・・)
お父さんだから「バーバパパ」・・・と特に名前に対して疑問を持つことがなく、
今日まで来ていました。
(結構好きでした・・・)

今回放送のNHK・
グレーテルのかまどスペシャル「ひゃっこい!なつかしい!夏スイーツ特集」
の冒頭で、
バーバパパ」とは実はフランス語で「綿菓子」(綿あめ)のことである、と述べていました。
なに~~???
知らなかったよ~・・・

原題の”Barbapapa”は、Wikiによると、
(引用)
なお、日本では英語風に「バーバパパ」となっているが、仏語圏では、しいてカナ表記すれば「バルバパパ」という具合に r を発音する。仏語で Barbe à papa は元来「パパのひげ」のことで、転じて「綿菓子」をも意味する。このキャラクター名は、「綿菓子」と「パパ」の2語をかけたもの。
(引用終)
ちなみに、関西では「綿菓子」で、関東では「綿あめ」と呼称が違うのですね。
私は普段は「綿あめ」の方を使っています。

バーバパパ成立秘話なども知ることができ、
なかなかタメになりました。
子どもが喜ぶ、変幻自在の「バーバパパ」・・・


番組では、「バーバパパ」=綿菓子の他に、
アイスキャンディーやりんごあめなど、
夏(祭り)定番のお菓子がいろいろ紹介されていました。
ちょっぴり切ないスィーツの話もありました。
(漫画家・西原理恵子さんと亡き夫の思い出の味)
今回のレシピはコチラ

2012年8月14日 (火)

「いじめ=犯罪では子どもや教員萎縮」という人権感覚と、全国学力テストの骨抜き化

2012年8月13日の読売新聞掲載記事から。
中学教諭「いじめ=犯罪では子どもや教員萎縮」
(引用)
 大津市立中学2年の男子生徒の自殺問題を巡り、いじめや自殺について考える教育シンポジウムが12日、大津市打出浜の市勤労福祉センターで開かれ、教職員や保護者ら計約160人が参加、「いじめは犯罪か」について議論が白熱した。

 全教滋賀教職員組合などが主催。福井雅英・北海道教育大教授をコーディネーターに中学教諭や保護者、弁護士らが意見交換した。

 中学教諭は「いじめイコール犯罪とすると、子どもや教員が萎縮するのではないか」と発言。これに対し、「強い者が弱い者をいじめるのは犯罪だ」「いじめを犯罪ととらえることが重要で、前科がつかないレベルで対処すればいい」など反対意見が相次いだ。
(引用終)

読んで違和感を覚えました。
そもそも、あの大津市で教育者らが「いじめは犯罪か」という問いかけをする自体、
当事者意識の欠如の表れではないでしょうか?
「万引きは犯罪か?」とか「未成年者の喫煙は犯罪か?」いう問いみたいなものです。
また、暴行事件や恐喝事件のような、明らかに犯罪といえるものまで、
「いじめ」とひっくるめるから、余計混乱するわけです。
身体的な暴行を伴うようなもの、金銭を脅し取るような行為は即、犯罪です。
児童生徒だからといって、許されるものではありません。
教師の集まりなら、まず言葉の定義をきちんとすべきでしょう。

記事の中で最も愕然としたのは、
中学教諭は「いじめイコール犯罪とすると、子どもや教員が萎縮するのではないか」と発言。」のところです。
子どもや教員が萎縮」する???
いじめっ子(というよりは犯罪者)はのびのびしていて、
被害者は萎縮する、という倒錯した世界を容認するようなものです。
それに、「教員が萎縮」?
毅然とした対応が求められる中、何たる事なかれ主義の発言でしょうか・・・
教師の人権感覚を疑いたくなります。
メイン主催者の「全教滋賀教職員組合」は、
いじめ被害に苦しむ児童生徒の味方ではなく、
事なかれ主義教師の強~い味方なのでしょうね・・・
教え子を戦場に送るな!」よりも、
最も身近な問題である「教え子を犯罪者・犯罪被害者にするな」を叫んでほしいものです。

教員組合(的思考)が教育現場にマイナスをもたらしているものとして、
いじめ問題の他に、全国学力テストの骨抜き化が挙げられます。
全国学力テスト 日教組が無能を暴露したくないため骨抜きに- NEWSポストセブン(2012年8月14日07時00分)

(引用)
 日教組が実現させた政策の象徴が「全国学力テスト」の“骨抜き”だろう。

 「学力低下」に対処すべく、自民党政権は2007年に「全国学力テスト」を復活させた。ところが、当初予定された悉皆調査(全員が受験する調査)は、民主党政権によって、サンプリング調査に変更されてしまった。

 全員がテストを受け、自治体ごとや学校別、クラス別の成績データを公表すれば、生徒・保護者の学校選択の多様化、不適格教員の把握に繋がると期待された。しかし、「学力の把握はサンプリングで十分」という日教組の主張に沿うものに政策が歪められてしまった。

 学校やクラスごとの成績が明らかになって困るのは、指導力不足を知られたくない教員、学校経営や行政管理を問われたくない校長や教育委員会の役人である。つまり、自分たちの無能を暴露するような政策は許せないのだ。

 また、児童生徒の学力低下と同様に喫緊の課題となっている「教員の指導力低下」にも同じことが起きた。2006年に安倍政権が不適格教員の排除を目的に創設を掲げ、その後の自公政権で導入された教員免許更新制度は、政権交代とともに見直しが打ち出され、“お蔵入り”にされる方向だ。

 教員から教育委員会までが、日教組的な思想を共有する巨大な一つの利権集団化し、その利権を死守するために政治家に圧力をかけるのが日教組という構図である。

 大津市のいじめ自殺問題では、いじめと自殺の因果関係を認めようとしない学校や教育委員会に国民の批判が集中するなか、輿石氏が7月19日の会見で、「学校が悪い、先生が悪い、教育委員会が悪い、親が悪いと言っている場合じゃない」と発言した。「誰の責任も追及しませんよ」というメッセージである。こういった人物が政権中枢にいることも、政治集団としての日教組があげた“成果”の一つだと言えるだろう。

 また、日教組の政治力は、組合や教委に批判的な改革を断行しようとする候補にネガティブ・キャンペーンを張る形でも機能する。昨年11月の大阪市長選で改革を掲げた橋下徹氏の対立候補を、袂を分かったはずの日教組と全教(日教組から分裂した共産党系の教員組合)が揃って支援していたのはその典型である。
(引用終)

「日教組的思考」では、子どもの学ぶ権利・安全を守る権利が保証されません。
守るのは教師の権利ばかり・・・
日本を蝕むガンのようなものですね・・・

2012年8月11日 (土)

書評:徳善義和著『マルティン・ルター――ことばに生きた改革者』 (岩波新書)

新聞の広告で見かけた時(2012年6月)から、
ぜひ読みたいと思っていた本でした。
日本のルター研究の碩学である、
徳善義和氏(ルーテル学院大学、ルーテル神学校名誉教授)の
マルティン・ルター  ことばに生きた改革者 』(岩波新書)は、
ルターの生涯と今日的意義を知るのに絶好の入門書です。

マルティン・ルター――ことばに生きた改革者 (岩波新書)

サブタイトルにある「ことば」が本書を貫くキーワードです。
各章にはこのキーワード「ことば」が必ず出てきます。
序章 ことばに生きる
第1章 ことばとの出会い
第2章 ことばが動き始める
第3章 ことばが前進する
第4章 ことばが広がる
第5章 ことばを受けとめる
終 章 ことばに生きた改革者

簡潔ながらも、適切にポイントを絞ってルターの生涯をたどっています。
この「ことば」とはまず第一に聖書のことば(みことば)です

中世のカトリック教会という巨大な抑圧システムは、
人々から聖書の御言葉を遠ざけていました。
ルターの最大の功績は、人々に聖書の御言葉を取り戻したことです。
わけのわからない、生活と乖離したラテン語ではなく、
わかる言葉であるドイツ語で聖書を翻訳し、
教会の伝統や後世の付け加えではなく、
聖書そのものに信仰の立脚点を置いたことが、
ヨーロッパの大きな転換点となりました。

「聖書のみ、信仰のみ、恵みのみ」という思想がどのように結実していったのか、
若き日のルターの苦闘がコンパクトに窺えました。
(「奴隷意思論」はさすがに行きすぎだと思いますが・・・)
一方で、プロテスタントの人たちが陥りやすい、
ルターに対する手放しの絶賛からはほど遠く、
冷静な目で、ルターの限界をも見据えています。
(ドイツ農民戦争への対応、
ユダヤ人への悪辣な非難文書『ユダヤ人とそのいつわりについて』と、
後世のナチスへの影響など・・・)

ルターという人物は、見る立場によって違った様相を示します。
カトリック側からすると、異端や悪魔的な存在であり、
現在でもカトリック教会から破門されたままです。
一般のカトリック信者では、
未だに「ルターは地獄へ落ちた」と思っているような人がまだウジャウジャいそうです。
一方、プロテスタント側(及び中学・高校で世界史を学んだ多くの日本人)にとっては、
ルターは腐敗したカトリック教会を「改革」した「英雄」のような存在です。
前教皇であるヨハネ・パウロ二世は、ルターを「宗教的天才」と認めていました。
ルターを正当な位置に置いて適切に評価できる時代になったといえます。

この本では最後に、
東日本大震災と原発事故という未曽有の危機を迎えた現代日本に、
「ことばの回復」を呼び掛けて締めくくっています。
「ことば」のインフレ状態にある現代日本に必要なことですね。
(「信」という語に置き換えてもいいですね。
政治家のウソ八百はもうウンザリです・・・)

著者の徳善義和氏は、カトリックの百瀬文晃神父との共編著として、
カトリックとプロテスタント―どこが同じで、どこが違うか』という本も出しています。
実にエキュメニカルな本といえます。

カトリックとプロテスタント―どこが同じで、どこが違うか

2012年8月 8日 (水)

消費税増税・内閣不信任案をめぐる8紙の社説~国民の声の代弁者か、政府の代弁者か?

2012年8月8日の新聞各紙の社説では、
消費税増税法案採決と内閣不信任案をめぐる、
民主党と自民党の駆け引きについて、
一斉に論じていましたので、読み比べてみました。
対象は、読売、朝日、毎日、産経、赤旗、北海道新聞(道新)、東京新聞です。
なお、日経では、8月7日の社説で論じていますので、
これも比較考慮します。

各紙の社説見出しと記事リンク先(朝日は除く)を列挙します。

読売:内閣不信任案 一体改革を党利党略で弄ぶな
朝日:民・自対立―3党合意に立ちかえれ
毎日:混迷する国会 政争の愚を党首は悟れ
産経:【主張】野田首相 政治生命かけ解散決めよ 問責前に党首会談で打開を
日経:最優先すべきは消費増税法案の成立だ

道新:内閣不信任案 行き詰まった増税路線
東京:消費税増税法案 国民に信を問う潮時だ
赤旗:一体“改悪”法案 これで採決とはとんでもない

読売、朝日、毎日、日経は「解散よりも消費税増税法案成立を!」と、
まるで政府の代弁者となっています。
奇妙なことに、この4紙の社説はどれも、「国民」の立場は全然考慮されていません。
国民との約束である「マニフェスト」よりも、3党合意の方が大事みたいですね・・・
(自民党の谷垣総裁は、
将棋でいえば王手飛車取りぐらいの手がいくらでも打てるのに、
目が節穴のようです・・・
谷垣氏が自民党総裁である限り、私は自民党を支持することはできません。)
産経は、同じく消費税増税法案成立を主張しつつも、
法案成立後の解散総選挙にも言及しています。
この中では、かつての人権派・朝日の変節ぶりは目に余りますね。

私が一番まともだと思った社説は、東京新聞のですので、引用します。
(引用)
 内閣不信任決議案と首相問責決議案が提出された。民主党マニフェストに違反する消費税増税の強行は許されない。野田佳彦首相にとって衆院を解散して国民に信を問う潮時ではないのか。
 不信任決議案と問責決議案を提出したのは自民、公明両党以外の野党各党だ。提案理由を「消費税増税は民主党の公約違反で、国民の声に背く野田内閣は信任に値しない」とする。
 不信任決議案はいまのところ否決される公算が大きいが、問責決議は可決される可能性がある。決議には法的拘束力はないものの、可決されればすべての国会審議が止まる。首相は重く受け止めるべきだ。
 消費税を増税する社会保障と税の「一体」改革法案は、二〇〇九年衆院選の民主党マニフェストに反する。盛り込まれておらず、消費税増税はしないと公約して政権に就いたのではなかったか。
 消費税増税に転換するのなら、衆院を解散して国民にその是非を問うのが筋だ。公約違反と理解しながら強行するのは、国民に対するだまし討ちと言ってもよい。自民党は首相が衆院解散を確約しなければ、ほかの野党とは別に不信任決議案と問責決議案を独自に提出するという。野田内閣の支持率が低迷するうちに衆院選に持ち込んだ方が党勢拡大が見込めると踏んだのだろう。
 しかし、消費税増税という民主党のマニフェスト違反に加担しながら、解散の確約がなければ「一体」改革法案の成立に協力しないというのは理解しがたい。
 社会保障改革を先送りし、政府や国会の無駄にも切り込まず、消費税だけが増税される、名ばかりの「一体」改革法案は本来、成立させるべきではない。
 とはいえ、国民の生活に大きな影響を与える消費税増税を衆院解散の取引材料にしてもよいのか。自民党の対応は、党利党略との批判を免れないのではないか。
 国権の最高機関であり、唯一の立法機関である国会の仕事は、法律をつくり、国民の生活のために政策を実現することだ。
 しかし、歳入の四割を占める赤字国債発行のための特例公債法案や、衆院「一票の格差」是正など緊急を要する案件も手付かずだ。そんな状況で、与野党は責任を果たしたと胸を張れるのだろうか。
 消費税増税前にやるべき改革、処理すべき案件は数多くある。それをやろうとしない首相にはもはや政権を委ねることはできない。

(引用終)

道新では、ご都合主義の自民党・公明党に対して辛辣な意見が書かれています。
(引用)
 自民党は「一体改革」では首相に協力する姿勢を見せながら、内閣不信任案の提出を模索している。

 国民に不人気な消費税増税は民主党政権にやらせたい。一方で今国会中に野田政権を衆院解散・総選挙に追い込めなければ谷垣禎一総裁の続投が危うい。そんな思惑がある。

 解散と増税の両方を同時に追求するのは虫のいい話だ。首相に不信任案を突きつけるなら、まず3党合意を破棄してからやるべきだ。

 公明党は3党合意の直前まで「社会保障の将来像が見えない」と政府・与党を批判していた。将来像がいまなお見えないまま関連法案の成立を目指してきたが、与党へのすりよりと見られても仕方ないだろう。

 理念が異なるにもかかわらず、数合わせで手を握った3党の協力体制にはもともと無理があった。政策の本質論議をやり直すことが肝要だ。
(引用終)

かつては共産党といえば、反対だけの党でしたが、
今や一番まともな政党なのでは、と思えるほどです。
(私は共産主義には否定的ですが、
政党としての日本共産党には、最近では共感を覚えています。)
日本共産党は、そもそも消費税という存在そのものに、
以前から反対ですね。
そこはさておき・・・
赤旗の社説からも引用します。
(引用)
 「財政再建の手段として消費税増税は適切でない」「税の正義に反する。税制にいっそう深刻なゆがみをもたらす」―。特別委員会の中央公聴会で、財政や経済の研究者から続出した消費税増税の不当性を強調する意見です。

 東京大学の醍醐聰名誉教授は、衆院段階での民自公3党の「修正」で、増税によって余裕が生まれた財源を公共事業費など社会保障以外に充てる条文が盛り込まれたことについて、「国民に対する信義にもとる」と痛烈に批判しました。消費税増税は「社会保障のため」という口実を根本から覆すものだからです。

 駒沢大学の飯田泰之准教授は、消費税の引き上げによる増税は日本の経済成長を妨げ、景気にも否定的な影響を与え、財政再建という「所期の目的は達成できない」と強調しました。スリーネーションズリサーチの植草一秀代表取締役も、日本経済が縮小するなかで消費税増税による負の影響は重大だと、巨額増税に強く反対を表明しました。いずれも消費税増税はいまおこなうべきではないという意見です。

 公聴会は、法案について幅広く国民の意見を聞く場です。とりわけ予算や税金の問題では財政民主主義のうえからも開催が義務付けられています。公聴会で消費税増税導入の問題点を根本から問う意見が次々と表明されているのに、開きさえすれば採決の条件が整ったと法案採決へ突き進む野田政権の態度は、民主主義のうえからも重大といわなければなりません。

 消費税増税はもともと総選挙での公約を踏みにじった野田政権の暴走です。消費税増税は所得の少ない人ほど負担が重く、暮らしも景気も破壊します。特別委員会が1日に栃木、愛知の両県で開いた地方公聴会でも、中小企業団体役員から「(価格転嫁できないことは)個人商店が残れない構造的問題」と不安と怒りの意見が相次ぎました。

 マスメディアの世論調査でも半数以上が増税に反対し、「今国会での成立反対」は6割を超えています。成立強行は、国民世論に真っ向から背く暴挙です。野田政権は成立を断念すべきです。
(引用終)

以上、各紙の社説の傾向を列記してみました。
いったいどれが、本当の意味での国民の声でしょうか?
(私としては、消費税増税には反対ですし、
どうしても増税すべき、というなら、解散総選挙をして国民の信を確かめてから、
増税法案を成立させるのが筋だと考えます。
今の状態での法案成立は、
国会議員になれればどんなにウソをついてもいい、という道義的に許されないものです。)
増税やむなし、という財務省の詭弁に、見事にダマされてはならないのです!
また、政治の信頼、という面からでも、
約束を公然と破るようなことが正義なのでしょうか?
民主党は国民のマニフェストを守るべきであり、
守れないなら、解散総選挙をするのが筋です。
ウソツキや詐欺師を国会議事堂に立たせ続けてはならないのです!
新聞は何も反権力になる必要はありませんが、
政府の犬になりさがってはいけないのです。
マスメディア=第4の権力⇒権力をチェックする権力、
という自らの使命を放棄したような姿勢はどこへ行ったのでしょうか?
(関連おすすめ記事⇒メディアは本当に「第四の権力」なのか

(2012年8月27日追記)
消費増税を新聞はどう報じたか。全国紙と地方紙で鮮明な違い
篠田博之の「メディアウオッチ」2012年8月18日記事)
という記事を読みました。
消費税をめぐる全国紙と地方紙の社説の差について論じています。
その記事の締めくくりには、次のような一文が・・・
(引用)
以前もブログに書いたが、遠い将来、消費税をどうすべきかという議論はあってよい。しかし、いまジャーナリズムがやるべきことは、その民意を無視した法案の通し方や、民主党の変節のひどさを批判することではないか。これだけ「主権在民」の理念が踏みにじられているのに、それを「決められない政治からの脱却」などと賛美するのは、政治と同じくらい新聞が堕落したことの象徴ではないだろうか。昨年の原発報道では、政治に対する不信がマスコミへの不信に直結していったのだが、最近の大手マスコミのひどさには、本当にため息が出る思いだ。
(引用終)

まったく同感です。

2012年8月 4日 (土)

書評:アルフォンス・デーケン著『心を癒す言葉の花束 』(集英社新書)

タイトルに偽りなし、まさに『心を癒す言葉の花束』」とあるとおり、
明日への希望が開かれるような、珠玉の一冊です。

 

心を癒す言葉の花束

 

先日、書店の新刊コーナーをふと見ていたら、
この本を見つけました。
著者はアルフォンス・デーケン氏。
上智大学名誉教授で、カトリックの司祭です。
迷わず手にとり、すぐに買い求めました。

 

40の珠玉のコトバ(聖書や有名人の言葉、著者自身の言葉など)を基に、
見開き4ページずつで構成されるエッセイ集です。
著者の専門分野である「死生学」の考え方と、
キリスト者・哲学者としての深い思索から、
深い闇の中に陥った心にやさしく寄り添いつつも、
確かな希望の光を与えてくれます。
順番に読むのが一番いいと思いますが、
どこから読んでも「効きます」!

 

特に東日本大震災の被災地で苦しむ人を意識した文が多く、
被災地に住む人にも、そうでない人にも、
慰めをもたらす言葉が多いです。

 

被災地応援のキャッチフレーズで、「がんばろう!東北」というのが使われていますが、
この本のP.62~65にある
「死別を体験した方への言葉かけ・九つのNGワード」の筆頭に、
「がんばろう」が挙げられています。
(「がんばろう!東北」とか、「」といったスローガン、
そろそろ再考の時期では?)

 

(引用)
 肉親を喪った人たちは、「がんばろう!」と励まされるのが、いちばん嫌だと口を揃えて言います。つい安易に使ってしまいがちですが、言われた側としては、口先だけの安っぽい励ましにしか聞こえません。また、言われなくとも必死でがんばっているのですから、これ以上どうがんばれと言うのか・・・・・・、ともっと落ち込みます。 (P.62から引用終)

 

その他のNGワードは、
②「泣いてはダメ!」
③「早く元気になってね」
④「私にはあなたの苦しみがよく理解できる」
⑤「あなただけじゃない」「あなたのほうがまし」
⑥「もう立ち直れた?」
⑦「時がすべてを癒すから大丈夫」
⑧「(亡くなった方が)長い間、苦しまなくてよかったね」
⑨「悪業の報いだ」「先祖のたたりだろう」
とのこと・・・(P.63~65から引用)
特に⑨なんかは最低ですね!

 

著者自身の苦しみのエピソード
(幼い妹の死、終戦後すぐに祖父が米軍に誤って射殺されたこと、自身のガン・・・)も豊富で、
単に机上の空論ではなく、切実な中から出た言葉であることがひしひしと伝わります。
「にもかかわらず(ドイツ語で"trotzdem")」
人生を肯定する、ユーモアの心を持つことの大切さを美しい日本語で優しく語り掛けます。
私自身、最近悩みが多く、そういう中で、この本から大いに慰めを受けました。
クリスチャンでない人にも、
混迷や暗闇の中で生きる意味と希望を見出す灯火となるような本です。
聖書の次の言葉も本書に引用されていますが、まさに真実ですね。
そればかりでなく、苦難をも誇りとします。
わたしたちは知っているのです、
苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生むということを。

(新約聖書ローマの信徒への手紙5:3~4新共同訳)⇒P.28に掲載。

 

 

アルフォンス・デーケン神父の著作との出会いは、
曽野綾子氏との共著『旅立ちの朝に―愛と死を語る往復書簡 』(新潮文庫)でした。
死を通して生と向き合い、ポジティブに生きる、という姿勢に感銘を受けました。
以来、主だった著作は読んでおります。
死という重苦しいテーマから、
最後にはユーモアと笑いという軽やかな精神の飛翔に向かい、
どれも読後感はさわやかで充実しているのがデーケン神父の著作の特徴です。

 

旅立ちの朝に―愛と死を語る往復書簡 (新潮文庫)

 

 

その他で、手に入れやすく、読みやすい著作をいくつか紹介します。

 

よく生き よく笑い よき死と出会う(新潮社)

 

新版 死とどう向き合うか(NHK出版)

 

ユーモアは老いと死の妙薬(講談社)

 

キリスト教書店で手に入る(Amazonでも扱いありますが・・・)本も紹介します。

 

キリスト教と私 (聖母文庫)
※キリスト教・カトリック入門の初めの一歩にオススメです。

 

デーケン教授の東西見聞録(サンパウロ)
※デーケン神父のサブテーマである「音楽」についても知ることができます。
なお、『心を癒す言葉の花束』P.235~236には、
(引用)「最期のときは、神に感謝の祈りを捧げて、マーラーの第二交響曲「復活」を聴きながら、天国に行きたいと願っています。」(引用終)という一文が書かれています。
確かに、マーラーの「復活」の終楽章は感動的ですね・・・
(マーラーの全交響曲の全楽章の中で、最も感動的だと思います。)
ちなみに、私が持っている「復活」のCDは、ショルティ指揮シカゴ交響楽団のと、
クレンペラー指揮フィルハーモニア響、そしてバーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルの3枚です。
迫力ではショルティ盤がスゴイですが、感銘ではクレンペラー盤がすばらしいです。

 

ショルティ盤

 

クレンペラー盤

 

Mahler: Symphonies Nos. 2, 4, 7 & 9; Das Lied von der Erde; Lieder [Box set, Import, from UK]

 

Bernstein: Mahler Symphonies [Box set, Import, from UK]

2012年8月 3日 (金)

読売新聞のご都合主義~消費税増税を推進しておいて、新聞は軽減税率を求めるとは?

東日本大震災以来、日本のジャーナリズムの偽善ぶりが目につきます。
原発事故と一緒に、神秘のベールがはがされて、
正体が丸見えになったからでしょう。

最近では、小沢氏の問題や消費税増税の問題での、
大新聞(朝日、読売その他)の奇妙な足並み揃えや、
ミスリードを腹立たしく思い、そろそろ新聞購読やめようかな、
なんて思ったりもしています。
(まぁ、一応は購読を続けるつもりですが・・・)

我が家では読売新聞を何年も購読し続けています。
今朝(2012年8月3日)の朝刊では、
「社説」として、次のような記事が掲載されていました。

消費税と新聞 文化と民主主義を守るために(8月3日付・読売社説)
(引用)
 欧州の事例に学び、「知識」や「教育」に対する課税は、慎重に考えるべきだろう。

 社会保障制度を安定的に維持するには、将来的に消費税率を10%超に引き上げる追加増税を視野に入れざるを得ない。

 家計の負担感をやわらげ、国民の理解を得るためにも、軽減税率の導入が効果的だ。

 「対象品目の線引きが難しく、税収減につながる恐れがある」として、財務省を中心に軽減税率への反対論がくすぶる。

 だが、軽減対象を限定すれば、大幅な税収減とはなるまい。
(引用終)

要点は・・・
ヨーロッパでは新聞等に対して軽減税率を導入している。
だから、消費税増税になっても、新聞は除外すべきである。
とのこと・・・

ここまでロコツな意見を言って、世論をリードしようとしているのはミエミエですね。
そもそも消費税増税が必要なのか、という検証もたいしたせず、
官僚情報を垂れ流しているにすぎないのに、
自分だけは適用除外してくれというあさましさ・・・
唖然としました・・・
読売新聞は、結局、自分の利益主張を守りたいだけであって、
(特に読売巨人軍?)
一般庶民のことなど実はたいして考えていない、というのが明白だった、
とてもおかしな社説でした。

ショッキングピンクなミスターゆとり教育?~寺脇研著『ロマンポルノの時代』 (光文社新書)

ある書店で、新書の新刊コーナーをざっと眺めていましたら、
こんなタイトルの本が・・・

ロマンポルノの時代』 (光文社新書)

タイトルだけなら、どこかのスケベさんが書いたのでしょう、で済ませたところでした。
気にとめる価値のないものです。
ふと著者名をなにげなく見ると、そこでびっくり仰天!!!w(゚o゚)w
著者は「寺脇研」と書いてありました。
えっ、「寺脇研」って、
ゆとり教育を推進した「ミスターゆとり教育」の人?
まさか?!別人でしょう?ウソ~?(゚0゚)

急いでその本を手にとって、著者肩書きを読んでみました。
本に書いてあるのと、Amazonで掲載されているものは同じですので、
引用します。
(引用)
【著者略歴】
寺脇研(てらわきけん)
映画評論家、京都造形芸術大学教授、NPO法人ジャパン・フィルム・コミッション理事長。
1952年福岡市生まれ。
東大法学部卒業後、文部省に入省。
初等中等教育局職業教育課長、広島県教育長、高等教育局医学教育課長、生涯学習局生涯学習振興課長、
大臣官房審議官などを経て、2002年より文化庁文化部長。2006年退官。
『「フクシマ以後」の生き方は若者に聞け』(主婦の友社)、『権力、価値観、天下り……「官僚」がよくわかる本』(アスコム)、
『2050年に向けて生き抜く力』(教育評論社)、
『百マス計算でバカになる』『さらば ゆとり教育』(以上、光文社ペーパーバックス)、
『韓国映画ベスト100』(朝日新書)など著書多数。

(引用終)

おいおい・・・
ゆとり教育の濫觴は、実はピンク映画だったのか~
よく教育者が使うセリフとして「教育はロマンだ」というのがありますが、
まさに「教育はロマン(ポルノ)だ」?
強烈なカミングアウト!教育者としても「アウト」?

Amazonのレビューに、著者への痛烈なコメントが書かれています。
私も同感です。

ロマンポルノの時代 (光文社新書) [新書]


(引用)

5つ星のうち 1.0
「教育者」にあるまじき本 2012/7/18

By 岸

「童貞坊や」であった19歳からロマンポルノをひたすら鑑賞し続けてきた著者による、ロマンポルノ私論。それだけならば、「エロおやじ」の「昭和うんちく話」として、楽しく読み流せるのかもしれません。

しかし、著者は、「ミスター偏差値」「ミスターゆとり教育」などと呼ばれた元文部官僚であり、現在も大学教授や「コリア国際学園」の理事などを務める「教育者」です。

そんな彼が、本書で「私のロマンポルノ・ベスト45」として挙げている作品には、心底驚きました。
『犯され志願』
『襲われる女教師』
『課外授業 熟れはじめ』
『母娘監禁 牝<めす>』
『人妻暴行マンション』等々

「ベスト○○」を挙げさせることにより、その人の人格や趣向が分かると言いますが、よくもまあ、こんな非倫理的・犯罪的・暴力的・反教育的なテーマの作品を「ベスト」に挙げるもんですね。女性や教師の尊厳をどう考えているのでしょうか?

しかも、これらの作品は、彼が文部官僚として教育をリードしていた時代のもの。こういう人物が、国や地方(広島県の教育長)の教育の頂点にいたとは…。

別に強姦や淫行ものの映画が好きであっても、鑑賞してニヤニヤする限りは何の問題もありません。しかし、それを口に出すことは、問題をはらんでいます。性被害にあわれた女性や子ども、妻子を強姦殺人で失った人などもおられる中で、こんな作品を「ベストだ」などと吹聴することは、ポリティカル・コレクトネスを完全に欠いている。教育者失格だと思いますね。

もっと驚くべきことは、発言だけにとどまらず、文化庁に在職中、『女教師 汚れた放課後』等の作品を、日本を代表する映画として、税金を使って韓国の映画祭に出展したことです。

当時から批判があったようですが、彼は、これを右翼・左翼の学者・文化人による差別的意識のあらわれだ、もっと猥褻な一般映画もある、などと一蹴しています。

私は、右でも左でもない者ですし、ロマンポルノ=低俗なもの、というプロトタイプなものの見方もしていません。しかし、女性や教師の尊厳を傷つけるようなインモラルな作品を、税金を使って海外に広めるのは、「恥の輸出」としか思えません。

本書は、日本の教育、文化行政に対する信頼を失墜させる、とても愚かな本だと思います。
(引用終)

ぜひ、「文部科学省推薦」してほしい本ではないでしょうか?(皮肉な意味で・・・)
宮崎駿や黒澤明の映画と並ぶ、これぞ日本映画という「ロマンポルノ」!
国民の血税と使って海外輸出デスカ?

個人がワイセツ映画を観るのは自由ですし、それは個人的嗜好というものです。
その点で私は寺脇研氏を非難するつもりはありません。
しかし、個人的で人に言えないような趣味嗜好のものを、
税金を使って「恥の輸出」をしていた、というなら、
これは国辱ものではないでしょうか?
ミスターゆとり教育さん、
あまりにも大胆なカミングアウトでしたね・・・
(ある意味勇気があるとも言えますが・・・)

もちろんこの本は手にとって立ち読み(著者略歴のところ)しただけです。
(買う気にならないのはもちろんのこと、かなりショックでした・・・)

寺脇研氏の著作です。
ロマンポルノの時代』と同じ著者だとは信じがたい!
(ウソだと言ってくれ~と言いたいほど・・・)

それでも、ゆとり教育は間違っていない

2050年に向けて生き抜く力

百マス計算でバカになる (光文社ペーパーバックス)

韓国映画ベスト100―「JSA」から「グエムル」まで (朝日新書 47) [新書]

berkeley さんという方のブログ「アーバン・ダイアリー」でも、
この件を取り上げていますので、ぜひご一読を!
ゆとり教育推進と、「生類憐れみの令」制定を天下の愚案と断じています。
ゆとり教育の推進者であった元文部省官僚の寺脇研が『ロマンポルノの時代』を著した愚

2012年8月 1日 (水)

2012年7月のアクセス数ベスト10記事一覧

2012年7月のアクセス数ベスト10記事は以下のとおりです:
(※トップページを除く)
ベスト3までは記事リンクをつけています。

一位.ウコンは肝臓に悪い?~NHK・ためしてガッテン「肝臓の健康を守れSP」
(2011年6月29日放送)

二位.公立学校で習熟度別授業の導入はプラスか、マイナスか?~読売新聞北海道版・連載「学力危機」第1部・札幌の格差 (10)を読んで
三位.本当は怖いピーターラビットシリーズ?~NHKEテレ・グレーテルのかまど「ひげのサムエルのローリー・ポーリー・プディング」(2012年7月7日放送)
四位.映画「コンペティション」
五位.NHK・クローズアップ現代「大人がハマる“数学ブーム”の謎」(2011年7月27日放送)
六位. 「学びあい」という美名の下の教育の堕落~NHKEテレ・ETV特集「輝け二十八の瞳 ~学び合い 支えあう教室~」(2012年2月5日放送)
七位.「いじめ」ではなく「犯罪」~大津の中学生自殺事件に思う
八位.真駒内花火大会2011
九位.富良野・美瑛を巡る旅2012夏
十位.退職すると訴訟?!社畜から奴隷へ?ブラック企業の恐怖・・・~NHK・クローズアップ現代「やめさせてくれない~急増する退職トラブル~」(2012年4月26日放送)

ベスト1はまたまたアクセス数1000件越えです。
その他は毎月変わらずNHKネタが強いようですね・・・
教育に関する記事がよく読まれているようです。

暑さももう少し・・・
アツイのはロンドンオリンピック、
アツイ方がいいのは信仰心と夫婦愛!(*^.^*)な~んて・・・
今月もご愛読よろしくお願いします。

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