NHKBSプレミアム・プレミアムシアター「聖トーマス教会合唱団 マタイ受難曲」(2012年7月23日放送)とサイモン・ラトル&ベルリン・フィルのマタイ受難曲
NHKBSプレミアムの「プレミアムシアター」で、
真夏だけどバッハの「マタイ受難曲」全曲を放映していましたので、
録画して一部観ました。
演奏は、ゲオルク・クリストフ・ビラー指揮、
聖トーマス教会合唱団&ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団で、
2012年4月5、6日、ドイツ・ライプチヒ 聖トーマス教会での収録です。
バッハの本場、本家本元ともいえる演奏だから、
少し期待していたのですが・・・
冒頭から、テンポがセカセカと早いのは、
昨今の古楽演奏によくあることなのでまぁいいとしても、
合唱が美しいけれどもキレイごとすぎるなぁ・・・と思いました。
美しいけど、心に響かない・・・
第1曲で残念なのは、ソプラノ・アルトのパートがすべて少年合唱だということです。
そうすると、第1曲のソプラノ・リピエーノ(児童合唱)が全然生きてきません。
音が女性パートと混じってしまい、埋没してしまいます。
「マタイ」での男性・女性の声が地上の嘆きや罪人らの声だとすれば、
児童合唱は天からの声なのに!
BGM的に流し聴きするには、あたりさわりがなくて最適かもしれません。
なんとなく流して聴いていたら、あっという間に第1部が終っていました・・・
しっかり聴いたのは第1曲だけでした。
どうもこの演奏に納得がいかなかったので、
我が家にある他の演奏を「視聴」してみました。
(「マタイ」のCDはカール・リヒターの1958年録音1種類があれば十分です!)
リマスター版
通常版
同輸入版
ハイライト版
今回は映像作品限定で比較してみましょう。
今年5月末に入手した、サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルによる、
「マタイ受難曲」のBlu-rayは実に刺激的な映像作品です。
詳しくはHMVのサイトでどうぞ!
改めて冒頭の第1曲のみ比較のため視聴してみると、
合唱の質の高さと、説得力がありました。
21世紀のスタンダード的な演奏になるかもしれません。
「観るマタイ」としてはこれをオススメします。
ただし、誤解を招きかねない演技が一部含まれています。
(Amazonでは取り扱いがないようです・・・)
演奏のレベルは秀逸(特に合唱!)ですが、
感銘度はやはりカール・リヒターの演奏に及びません。
「感動するマタイ」の映像作品なら、
やはりカール・リヒター指揮のがオススメです。
(以前にも記事を書いています。
⇒J・S・バッハ「マタイ受難曲」のCDとDVD
⇒NHK「名曲探偵アマデウス」・バッハ「マタイ受難曲」)
DVD
同輸入版
聖トーマス教会聖歌隊によるバッハのCDでは、
古い録音になりますが、8枚組で1500円以下で、
「マタイ」も入っているCDが発売中です。
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「題なし」の及川様、コメントありがとうございます。
「マタイ」はキリスト教徒かどうか、という狭い枠を超えた、
普遍的な感動を与える音楽ですね。
「マタイ」の録音でリヒターの1958年録音版を超えるものは、
リヒター自身の再録音を含めて、確かにありませんね・・・
いつものブログ記事とは別ページの文章、拝読しました。
「マタイ」との衝撃的な出会いが書かれていて、感動が伝わりました。
ありがとうございます。
投稿: てんしちゃん | 2012年8月 3日 (金) 22時36分
てんしな?日々さん
「題なし」の及川です。ご無沙汰しています。
マタイ受難曲の件、この日のBSの放送は見ていませんが、理由はリヒター1558年録音のものにしか価値を認めることができないでいるためです。
私はクリスチャンではないのでてんしな?日々さんとは聴き方が違うかも知れませんが、改めてリヒター1558年版を聴いたときの、恐ろしいばかりの感動を綴った記事があります。
http://homepage3.nifty.com/tkoikawa/music/opus/bach.html
お時間があればお立ち寄り頂けますと嬉しいです。
結局、この版以上のものにめぐり逢うことができずにいるわけです。
さて、記載したURLは、新設した別ページです。併せてお越しいただけますと嬉しいです。「マタイ」は入れてませんが。
投稿: 「題なし」の及川 | 2012年8月 2日 (木) 17時45分