NHKBSプレミアム・特選 オーケストラ・ライブ「ルツェルン音楽祭2011から」(2012年7月22日放送)
日曜朝のお楽しみ、NHKBSプレミアムの「特選オーケストラ・ライブ」。
2012年7月22日放送は、クラウディオ・アバド指揮・ルツェルン音楽祭管弦楽団による、
モーツァルトの交響曲第35番「ハフナー」と、ブルックナーの交響曲第5番でした。
収録は2011年8月19,20日ルツェルン文化会議センターコンサートホールです。
⇒NHK番組表
モーツァルトの「ハフナー」はなかなかの演奏だと思いました。
第2楽章はちょっとセカセカしすぎでイマイチでしたが・・・
ブルックナーの交響曲第5番は、一言で言えば「圭角が取れた」演奏でした。
柔和なブルックナー・・・まるでモーツァルトのよう?
もっとカドがほしいところでも「まろやかな」響きだったのは、
アバドらしい演奏なのでしょうね。
ただし、第2楽章はそれが成功していたといえます。
アンサンブルは精緻で美しかったです。
厳しい、峻厳な響きや粗野で荒ぶる響きが要求されるようなところでも、
「都会的」で「上品」な演奏でした・・・
(中世の城のような堅固さ、武骨さが求められるハズですが・・・)
今回の放送、ブルックナーの交響曲第5番に限っては既にDVD、Blu-ray化されています。
Symphony No. 5 [Blu-ray] [Import] (2012)
Symphony No. 5 [DVD] [Import] (2012)
演奏・録音詳細については、HMVのサイトでどうぞ。
⇒交響曲第5番 アバド&ルツェルン祝祭管弦楽団
ブルックナーの交響曲第5番は、私にとっては、
ブルックナー好きになったきっかけとなった曲です。
ただし、すぐにブルックナーのすばらしさがわかったわけではありません。
カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏とか聴いてみても、
ただ長大なだけでよくわからなかったです。
しかし、バレンボイム指揮ベルリン・フィルの演奏による交響曲第5番の演奏を聴いて、
ようやくブルックナーの真価に開眼させられました。
特に第4楽章。
第1楽章、第2楽章の主題をクラリネットが否定するところなどは、
「ああ、これはブルックナー版の『第9』(ベートーヴェンの)なんだ!」と気づきました。
ブルックナー(とシベリウス)は、わかればのめりこむ中毒性があります。
その後、私は完全にブルックナー「中毒症」になってしまいました・・・
バレンボイムのブルックナーにはあっさりと別れを告げ、
朝比奈隆やヴァント、ヨッフム、シューリヒト、クナッパーツブッシュ・・・
といった錚々たるブルックナー指揮者の名演にのめりこみ、
交響曲全集だけで何セットか持っていたこともあります。
(たしか朝比奈隆で2セット、ヨッフムで2セット、他は・・・忘れてしまいました。)
ブルックナーの交響曲第5番の名盤としてオススメは、
ギュンター・ヴァント指揮ベルリン・フィルの圧倒的な演奏です。
どちらかというとあまり人気がでないこの曲の真価をフルに引き出しています。
Symphony 5 [Import, From US]
ブルックナー:交響曲第5番 [Hybrid SACD]
(最近ではBoxセットもオトクです・・・
ヴァント指揮ベルリン・フィルによる4、5、7、8、9番のセット)
他の指揮者のでは、ヨッフムの演奏がオススメです。
Anton Bruckner Symphony No5
ヨッフムによるブルックナー交響曲全集(新)
Complete Symphonies 1-9
※5番だけなら、上記のCDの方がすばらしいです。
ブルックナーを聴く悦びを教えてくれた、バレンボイムにも敬意を表して・・・
ブルックナー:交響曲全集(9枚組)/Barenboim
※9枚組で3000円以下!?
放送の内容に戻りましょう。
アバドの指揮による演奏でしたが、
久々にブルックナーの交響曲第5番全曲を聴きました。
たぶん、十数年ぶりかもしれません。
私はキリスト教の洗礼を受ける前は熱烈なブルックナー・ファンでしたが、
洗礼を受ける前の四旬節に、
思い切って1ヶ月程度ブルックナーを聴くのをやめてみようと決めました。
洗礼を受けてから晴れて聴いてみましたが、
前ほどのめりこまなくなってしまいました・・・
以後、ブルックナーのどの交響曲も、だんだん聴く機会が減り、
10年くらい前からは、全曲を通して聴く、ということがほぼ無くなりました。
6番の第2楽章アダージョや、7番の第1楽章、
9番の第3楽章だけを取り出してたまに聴く程度です。
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