荻上直子監督の映画「バーバー吉野」と映画「めがね」
BS日テレで、2012年のGW中に、
荻上直子監督の映画が2本放映されていました。
1本目は4月29日の映画「バーバー吉野」。監督のデビュー作です。
2本目は5月5日の映画「めがね」です。
どちらも、もたいまさこさんが出演して、独特の存在感を醸し出しています。
(両方とも、録画して観ました。)
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「バーバー吉野」はコメディ映画としてなかなか面白かったです。
少年たちが村の「伝統」に反して、少しずつオトナの階段を歩む様子と、
村のヘンな伝統、ゆるやかな日常が描かれています。
「めがね」は、荻上直子監督の代表作「かもめ食堂」に劣らない作品といえます。
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前作「かもめ食堂」から、
小林聡美さん、もたいまさこさんという主要キャストを引き継いでいます。
舞台は南の島(鹿児島県与論島)。
あらすじは無いに等しいような感じでした。
登場人物の背景や、島に来る前は何をやっていたのかは、一切語られません。
思い切り「たそがれる」のがこの島のよさ。
セリフが少なく、島の美しい青い海や夕焼けの景色と、
食べるシーンが多いのが特徴です。
私はこの映画を観て、
日本人の休暇の過ごし方と、
西洋人のヴァカンスが実は対比されているのでは、と思いました。
日本人の休暇は、いろいろな観光名所を観てまわることが多いですね。
一方、ヨーロッパでは、ヴァカンスといえば、風光明媚なところへ行って、
一日中日光浴をする、といった過ごし方が多いですね。
ちょうど、「めがね」のキーワード「たそがれる」を
実践しているようなものです。
(ちょっと意味合いが違うかもしれませんが・・・)
あるいは、「To DO」(する)から「To BE」(ある・存在する)への価値観の転換が、
象徴的に語られているのでしょうか?
観る人によってかなり違う印象を受ける作品かもしれません。
私は気に入りましたが、妻はさすがにこのノンビリすぎる時間の流れに、
少し退屈を覚えたようでした・・・
「かもめ食堂」が楽しい、と思えた人なら大丈夫だと思います。
ところで、映画の最後のシーンですが・・・
もたいまさこさん演じる謎の女性、サクラが、
島に戻ってくる場面。
サクラは夏から冬にかけて、どこへ行っていたのでしょうか?
これは私流の勝手な解釈・想像ですが、
実はフィンランドの「かもめ食堂」に行っていたのでは?
(そんなワケないか・・・)
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