« 人はパンだけで生きるものではない~NHK・マイケル・サンデル 究極の選択 「お金で買えるもの買えないもの」(2012年2月18日放送) | トップページ | 宇宙人ジョーンズは、実はスゴ腕連邦保安官補だった!~映画「逃亡者」(原題:The Fugitive) »

2012年2月20日 (月)

「安息日」の「日」を何と読むか?

「安息日」と書いて、あなたなら、何と読みますか?
「あんそく」?「あんそくにち」?それとも「あんそくじつ」?
実は、どれも正解なのです。

昨日(2012年2月19日)、
教会学校で「人の子は安息日の主なのである。」(マタイ12:8新共同訳)
という箇所を教えました。
(私の教会では現在『成長』(CS成長センター刊)という教会学校教案誌を使っています。)
成長』では新改訳、新共同訳どちらにも対応できるよう、
暗唱成句箇所はどちらの訳も書かれています。
昨日の箇所なら、
人の子は安息日(にち)の主です。」(新改訳)
人の子は安息日(び)の主なのである。」(新共同訳)
(どちらもマタイ12:8)でした。
それを見て、今まであまり気にしていなかった、
安息日」の「」の読み方が違うことを意識しました。

今朝、フランシスコ会訳聖書を読んでいると、
安息日」に「あんそくじつ」とルビがつけられていました。
「あんそく」、「あんそくにち」、「あんそくじつ」どれが最もいいのか・・・
今回の記事を書くきっかけになりました。

聖書―原文校訂による口語訳(フランシスコ会訳)

既にこの問題に気づいている人はいて、
ウィキペディアの「安息日」の項目を読むと、
(引用)
日本語での読み方

日本語の「安息日」には「あんそくじつ」「あんそくにち」「あんそくび」の3つの読み方がある。キリスト教関係者の間でも読み方が分かれているが、NHKでは「あんそくび」と読んでいる。
「文語訳聖書」、「口語訳聖書」、「新改訳聖書」では「あんそくにち」、「フランシスコ会訳聖書」では「あんそくじつ」、「新共同訳聖書」では「あんそくび」と振り仮名が振られている。

(引用終)
と書かれてありました。

私は「あんそく」、「あんそくにち」どちらも使うことがありますが、
どちらかといえば、「あんそく」を使うことが多いです。
さすがに「あんそくじつ」は使ったことがありません。

さて、国語的に、なおかつ一般的な用例から考えてみましょう。
」を「じつ」と読む場合は、「落日」とか「吉日」といった、
あまり一般的に使われない場合が多いですね。
「安息日」は特別な、聖なる日である、ということから、
フランシスコ会訳では詩的に「じつ」と読ませたのでは、と推測しますが、
読みとしてふさわしいとは思えません。
(同じカトリックのバルバロ訳でも「じつ」を採用しています。)

次に、新改訳(口語訳、文語訳)の「にち」を検討してみましょう。
一般的な用例から言うと、「にち」は、
「15日」、「百日」、「毎日」などのような、
数量的な使われ方をする場合が多いのでは、と考えます。
安息日」は数量的なものではなく、
むしろ「月曜」、「日曜」などの「曜日」や、
「記念」などのようなものに近いのでは、と考えます。
ということで、「じつ」や「にち」よりも、
「び」と読ませる新共同訳の方が妥当なのではないか、と結論しました。
(ただし、それぞれの教会の伝統や、慣れ親しんだ言い方があるでしょうから、
最初に述べたように、「じつ」、「にち」、「」どれも間違いではありません。)
みなさんはどう思いますか?

教会や聖書の訳によって読み方・用語が違うと不便ですね。
将来的には、統一した読み方が日本のキリスト教界で採用されることを願っています。

« 人はパンだけで生きるものではない~NHK・マイケル・サンデル 究極の選択 「お金で買えるもの買えないもの」(2012年2月18日放送) | トップページ | 宇宙人ジョーンズは、実はスゴ腕連邦保安官補だった!~映画「逃亡者」(原題:The Fugitive) »

聖なる言葉」カテゴリの記事

教会学校関係」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

2025年2月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28  

カテゴリー

にほんブログ村

  • クラシックCD鑑賞
  • にほんブログ村
無料ブログはココログ