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2012年2月の26件の記事

2012年2月28日 (火)

NHK・クローズアップ現代「思いが伝わる声を作れ ~初音ミク 歌声の秘密~」(2012年2月28日放送)

先週の火曜日(2012年2月21日)は由紀さおりさんという
「ニッポンの歌姫」を特集し、
その翌週の火曜日(つまり本日、2月28日)に、
初音ミク」というもう一人(?)の新しい「ニッポンの歌姫」を特集するのか~
これって、2012年2月4日放送の「週刊・ニュース深読み」を分けただけ?
と思いましたが、ひとまず観てみました。
初音ミクに代表される「ボーカロイド」の現在の技術は興味深かったですが、
それ以上に、病気等で声を失った人々への「福音」ともいうべき、
最新の音声合成技術に驚嘆しました。

2012年2月28日放送のNHK・クローズアップ現代では、
思いが伝わる声を作れ ~初音ミク 歌声の秘密~」と題して、
前半は初音ミクに代表されるボーカロイドの大ヒットと、
現在の技術水準について特集し、
後半は、音声合成技術を応用して、
声を失った人々に声を取り戻す働きについて特集していました。
番組HPから、放送内容を転載します。
(引用)
ステージ上で歌って踊る日本発のCGキャラクター「初音ミク」。世界中でライブが開かれ、人気が急上昇している。人気の秘密は、その自然な歌声。ある声優の声を録音し、その声の素材から合成しているが、人間の脳の認知の仕組みに基づく最新技術が組み込まれているのだ。最近、音声合成技術は飛躍的に進歩し、社会に深く浸透し始めている。特に注目されているのが医療の分野。声帯の切除を行う喉頭がんや、ALSなど進行性で筋力が低下する運動ニューロン疾患などで、声をだすのが難しい人たちに、音声合成技術によって、再び自分の声を取り戻してもらおうというのだ。音声合成技術の最先端を伝える。
(引用終)

番組冒頭では、スタジオで初音ミクが歌って踊る、というのをやっていました。
FREELY TOMORROW」という曲だそうです。
(なお、番組HPの「スタッフの部屋」で、ロングバージョンの動画を視聴することができます。)
2012年02月28日 (火)「初音ミク特集」の放送を終えて・・・

ボーカロイドがなめらかに歌う技術は、音節を500ほどに分けており、
それらを組み合わせているからだそうです。
現在では、なんと演歌を歌えるようなものまで開発されている、というのにはオドロキでした。
初音ミクと演歌・・・ビミョーな組み合わせともいえますが・・・)
そのうち、オペラのベルカント唱法や詩吟ができるボーカロイドができるのかもしれませんね。

番組後半では、声帯を失った人や、難病で声を出すのが難しい人々へ、
日本の技術が今イギリスで(もちろん日本でも)役立って、
見事に「声」を取り戻す様子が映し出されていました。
私はこちらの方に感動を覚えました。
自分の声で話したい・・・という切実な願い。
少しでも多くの声を失った人々が夢を実現できるといいですね。
科学技術の進歩に感謝、感激・・・

ちなみに・・・
ご存知の方が多いとは思いますが、
初音ミク」を開発したのは、
札幌の「クリプトン・フューチャー・メディア」という会社です。
今や札幌は、雪まつりも初音ミクで盛り上げるほどの「初音ミクのマチ」となりつつあります。


2012年2月27日 (月)

牛牛(ニュウニュウ)のショスタコーヴィチ「ピアノ協奏曲第1番」とラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」~NHKBSプレミアム・特選 オーケストラ・ライブ -兵庫芸術文化センター管弦楽団演奏会-(2012年2月26日放送)

中国の天才少年ピアニスト、牛牛(ニュウニュウ)については、
以前、題名のない音楽会2012年1月15日放送で観て、
演奏に驚嘆しましたので、記事を書きました。
牛牛(ニュウニュウ)によるショスタコーヴィチ「ピアノ協奏曲第1番」に驚嘆!
~題名のない音楽会「進化し続ける14歳のピアニスト 牛牛」(2012年1月15日放送)

2012年2月26日放送のNHKBSプレミアム「特選 オーケストラ・ライブ」では、
兵庫芸術文化センター管弦楽団の2011年9月11日の演奏会を放送していました。
佐渡裕さんが情熱的に指導・指揮する若手オーケストラですね。
この演奏会、先日2月19日にNHKEテレで放送された
オーケストラの森」で一部放送されていましたが、
演奏会の目玉というべきコンチェルトの部分は放送されていませんでした。

私は今朝の番組を録画しておきましたが、
牛牛の演奏のところはオンタイムで観ました。
プログラムをNHK番組表から転載します。
※作曲者名は筆者による追記。
(引用)
「組曲“プルチネルラ”」(ストラヴィンスキー)
(管弦楽)兵庫芸術文化センター管弦楽団、(指揮)佐渡 裕
「ピアノ協奏曲 第1番 ハ短調 作品35」(ショスタコーヴィチ)
(ピアノ)ニュウ・ニュウ、(管弦楽)兵庫芸術文化センター管弦楽団、(指揮)佐渡 裕
「パガニーニの主題による狂詩曲」(ラフマニノフ)
(ピアノ)ニュウ・ニュウ、(管弦楽)兵庫芸術文化センター管弦楽団、(指揮)佐渡 裕
「バレエ組曲“三角帽子”第1部、第2部」(ファリャ)
(管弦楽)兵庫芸術文化センター管弦楽団、(指揮)佐渡 裕
「歌劇“カヴァレリア・ルスティカーナ”から間奏曲」(マスカーニ)
(管弦楽)兵庫芸術文化センター管弦楽団、(指揮)佐渡 裕

(引用終)

実のところ、「プルチネルラ」と「三角帽子」は興味がなかったので、
冒頭をチラっと観ただけですぐさま録画から削除しました。
(ブログ「ミニ音楽評2月22日記事によると、
特に「三角帽子」は「名演」だったそうです。)
観たかったのは、牛牛の演奏だけだったので・・・

ショスタコーヴィチの「ピアノ協奏曲第1番」と、
ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」。
どちらも好きな曲ですが、ともに難曲ですね。
そのどちらも、涼しい顔して弾ききる牛牛・・・
特にすばらしかったのは、ショスタコーヴィチの方でした。
題名のない音楽会では、第3楽章、第4楽章だけの演奏でしたが、
今回は曲全体を聴くことができました。
速いパッセージの鮮やかさと、時には繊細なタッチも魅力でした。
こちらは「名演」といえます。
オーケストラのサポートもよかったです。

ラフマニノフの方は、前半は合格点、
後半はさすがに疲れたのかあともう一歩、といった感じでした。
しかしトータルでは十分に合格点の演奏といえます。
「天才少年」という括りではなく、一流か準一流のアーティストの演奏、
と捉えるべきものでした。
オーケストラの方は、たとえば有名な第18変奏など、
もっと「タメ」があった方がよかった、と思えるところがありましたが、
演奏水準としては合格点といえました。

牛牛のCDや、ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番のオススメ盤については、
既に「牛牛(ニュウニュウ)によるショスタコーヴィチ「ピアノ協奏曲第1番」に驚嘆!
~題名のない音楽会「進化し続ける14歳のピアニスト 牛牛」(2012年1月15日放送)

で取り上げていますのでそちらをごらんください。
ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」は、
大・大・大好きな曲なので、いずれ改めて記事を書くつもりです。

なお、おすすめブログ「ミニ音楽評2月26日記事でも、
この演奏会の放送について取り上げていますので、ぜひお読みください。

2012年2月26日 (日)

札幌北広島クラッセホテルで冬の北海道アウトドアをつまみ食い体験~中国人観光客向けにいいかも?

先日、妻と一緒に、
北広島市の札幌北広島クラッセホテルに行ってきました。
目的は・・・妻のスキー上達のためです。
今シーズンが終わる前に、なんとかハの字ストップと、
簡単なターン(プルークボーゲン)をできるようにしてやりたい・・・
そういう願いで、超初心者向けのコース(クラッセスノーパーク)がある、
このホテルに行ったわけです。

JR札幌駅からJR北広島駅までは快速エアポートに乗ればたったの15分。
JR北広島駅から札幌北広島クラッセホテルまで、
無料のシャトルバスが日中ならだいたい1時間に1本程度運行しています。
バスで10分。

私どもは11:10北広島駅発のシャトルバスに間に合うように北広島駅へ向かいました。
着いたら、ランチバイキング(土日祝限定)と温泉のセット券2000円を買い、
早速食事にしました。
その後、ホテルのすぐそばにある「クラッセスノーパーク」で、
約2時間半スキーを楽しみました。
親子連れが多かったです。
コースは実になだらかで、基本的な技術を練習するには最適でした。
スキーで滑って、リフトに乗り、また滑る・・・
1サイクル約5分程度として、20回以上リフトに乗ることができました。
妻から「楽しかった!来てよかった!ありがとう!」と聞くことができて、
私としてもうれしかったです。
スキーが終ったらすぐホテル内にある温泉へ。
充実した半日でした。

ところで、この「クラッセスノーパーク」 には、
団体客で、レンタルのスキーウェアを着た中国人観光客の一団がいました。
ここでは、スキーやスノーボード(ゲレンデ)の他に、
スノーモービルや馬そり、四輪バギー、スノーラフティングなど、
いろいろな冬のアウトドア体験を手軽に楽しむことができます。
中国からの団体客は、それぞれ少しずついろいろなアウトドアを体験していました。
いわば、北海道冬のアウトドアの「つまみ食い」というわけです。
(ロビーでも北京語がよく聞こえていました。)

たとえば、雪を見るのも初めて、というような外国人観光客にとって、
いきなり本格的なスキー場に連れていくのは、少しムリがあります。
「スキー(スノーボード)って、ムズカシイ・・・(ワタシにはムリ)」だけで終ってしまったら、
実にもったいないことです。
むしろ、「クラッセスノーパーク」のように、
いいところを「つまみ食い」=ちょっとずつだけ体験する、
といった方が、リピートにつながると考えます。
ついでに、温泉(とおいしい料理)があれば、
「ここ1ヵ所でまるごと冬の北海道!」となるわけです。
そういう意味では、札幌北広島クラッセホテルのようなところは、
これからもっと需要が伸びるかもしれませんね。
札幌からも新千歳空港からも近いですし・・・

2012年2月25日 (土)

橋下市長の「小中学生でも留年を検討」を考える

毎日新聞 2012年2月22日 11時14分記事から引用)
 大阪市の橋下徹市長が、小中学生であっても目標の学力レベルに達しない場合は留年させるべきだとして、義務教育課程での留年を検討するよう市教委に指示していたことが分かった。法的には可能だが、文部科学省は年齢に応じた進級を基本としており、実際の例はほとんどないという。

 橋下市長は、市教委幹部へのメールで「義務教育で本当に必要なのは、きちんと目標レベルに達するまで面倒を見ること」「留年は子供のため」などと指摘。留年について弾力的に考えるよう伝えた。
(引用終)

大阪市の橋下市長には共感することが多々ありますが、
この記事を読んだときは特に「よく言ってくださった!」と思いました。
不登校で1日も学校に来ていないのに(原因はともかくとして)卒業証書が手渡されたり、
読み書き計算といった、将来的にも日常生活で必ず使う基礎能力がおろそかなまま、
進級できるという現行のシステム自体が異常であり、欠陥品なのです。
私は大いに賛成です。
大阪市のみならず、ぜひ日本全体で取り組んでほしいものです。

今朝(2012年2月25日)の読売新聞朝刊1面を読むと、
「平均」の意味、大学生の24%が理解せず
という記事が出ていました。
ゆとり教育の結果と、乱立しすぎている大学という制度の問題を、
数学的知識という側面から暴いた調査結果といえます。
上記記事から引用します。
(引用)
 大学生の24%が「平均」の意味を正しく理解していないなど、基礎的な数学力、論理力に大きな課題があることが、日本数学会(理事長・宮岡洋一東京大教授)が実施した初の「大学生数学基本調査」で明らかになった。

 ゆとり教育の影響のほか、少子化による大学全入時代の到来で入試の難易度が下がったことなどが、理由として指摘されている。
(引用終)

小中学校できちっと修得されていない数学的知識や、
場合によっては読み書きのたぐいを、大学や企業が尻拭いをするのはおかしな話です。
まして、教師の指導方法に問題があるなら(例:算数の問題解決型の授業をやっている等)、
なおさら、小中学校で責任をもって、しっかりと児童生徒に修得させるべきものです。
(教師の指導上の問題と
小中学生の留年の問題について考察しているオススメブログ記事を紹介します。
小中学生の留年について教務力を磨く日々 2012年02月24日記事)

日本の現行の義務教育制度では、飛び級は認められていないものの、
「原級留置」(平たく言えば「留年」)は制度上認められています。
なんらの法改正も必要なく、制度を運用できるのです。
しかし、適用されることは皆無に等しいのが現状です。
読み書き計算といった生活に必要な能力をきちっと身に付けさせないまま、
高校や大学といったより高度な学問の場や、
実社会に投げ出すのは、本人にとっても社会にとっても大きな損失です。

一方、日本では留年することは「キズモノ」になる、といった根深い社会風土があります。
留年した、ということが差別やいじめの対象になりえるかもしれません。
そのことを考察しているブログ記事を紹介します。

留年させるなら先輩後輩カルチャーも止めるべきでは?
プリンストン発 新潮流アメリカ by 冷泉彰彦 2012年02月24日(金)11時03分記事)
(引用)
 これも大阪の橋下市長の発案ですが、所定の学力に到達しない生徒はたとえ小中学生でも留年や科目の再履修をさせるべきだという案が議論されています。そもそものアイディアは教育評論家の尾木直樹氏で、小中学校での学力の底上げを図るには必要だというのです。(尾木氏ご本人は大げさに取り上げられて困惑しているようですが)

 確かに、今の日本の小中学校では、何らかの理由で全休しても卒業証書が出るという運用がされており、結果的に学力不足のまま高校へ行ってしまう子供が存在するのは防げないわけです。高校の「底辺校」では「6桁の数字が読めない」などという衝撃的なレポートもあるわけで、結果的には高校を中退することで貧困層を生み出しているとも言えるわけです。

 私は留年はともかく再履修に関しては基本的には賛成です。いじめや不登校の原因になるとか、同級生意識を壊すので可哀想だという意見もありますが、生きてゆくのに最低限必要なスキルなしで社会に放り出すことの残酷さを考えれば、やったほうがいいと思うからです。
(中略)
 この大阪発のニュースと前後して、東京からは正反対の報道がありました。東京都教育委員会は、高校1、2年生時に必要な単位が取れなくても進級する制度を検討しているというのです。中退者の多い高校を対象として、留年して「後輩」と一緒に学ぶことを嫌がる生徒たちの学習意欲引き留めを狙うというのが理由です。

 大阪の場合は小中生に多少厳しくても留年をさせる、例えば苦手な科目だけ下級生と学び直すということを考えているのに、東京は高校で「後輩と学ぶのはイヤで中退につながるから」と留年を止めようとしているというわけです。

 このニュースに関してですが、大阪と比べて「東京はぬるい」という印象を持つとしたらそれは違うと思います。そうではなくて、「先輩後輩カルチャー」は高校生になるとほぼ100%子供たちの心理を支配しているので、本当に「後輩と一緒は無理」という子が多いと見るべきです。どちらも、中退者イコール貧困化という「戦い」の中で必死である中から出てきた案なのだと思います。

 要するに「先輩後輩カルチャー」を止めるしかないのです。

 具体的には、人間を年齢や学年で区別し「上下関係を規定する」コミュニケーションを止めるということです。先輩には「ですます調」で話し、後輩には「だ、である調」を基調とした権威的な話法で通す、下から上への「異議」は認めない、「先輩」の自尊心は守られ「後輩」は自尊心上の譲歩を強いられるという「無意味なヒエラルキー」を根絶するのです。

 もう一つは、その人間の能力を評価し、そこに年齢での上下関係を持ち込まないとうことです。飛び級で大学の物理の授業を受けに来た高校生を、大学生はパーソナルな人間関係でも仲間として迎え入れねばならないし、その高校生に明らかに卓越した才能があれば、大学生は素直に賞賛すべきなのです。逆に文字式の意味が分からなくて中2なのに1年生の数学を受け直している子は、中1の出来る子に丁寧に教えを請えばいいのです。
(引用終)

冷泉氏が主張した「先輩後輩カルチャー」の廃止は社会全体で取り組むべき課題ですね。

「小中学生でも留年」を本格的に実施するなら、
法改正してでも「飛び級」を認めるべきだと思います。
一方、留年してしまう原因はいろいろあると思います。
たとえば特別支援教育の範疇に入ってしまう子どもたち。
こういうところは手厚くすべきでしょう。
(特別支援教育の範囲をもっと拡げ、
障害児だけでなく通常級にいる健常児でも
必要があれば容易に範疇に入れられるような仕組みに直したほうがいいのでは?)
教師の指導方法に明らかな問題
(水準に達しない子が一定の割合以上存在する場合等)が見られる場合は、
教員に処分を下すなどのペナルティが必要かもしれませんね。
橋下市長は、
学力低い子集めた特別学校の設置」を提案しています。
これが異質者の排除ではなく、
社会全体としての教育向上への取組となることを願っています。

2012年2月22日 (水)

NHKBSプレミアム「名曲探偵アマデウス」・フランク「ヴァイオリン・ソナタ」

今回の「名曲探偵アマデウス」は、再放送で、
フランクのヴァイオリン・ソナタでした。
事件ファイル#38「記憶をなくした男」。
突然音もなく現れた、見たことのない花を手に持った記憶喪失の男。
フランクのヴァイオリン・ソナタを手掛かりに、
男が誰で、何をしていたのかを解き明かしていきました。
ラストのオチはちょっとホラー風?
いつになくシリアスで、不思議な印象の回でした。

番組では、千住真理子さんのヴァイオリン、
藤井一興さんのピアノによる演奏と、
野平一郎さんの楽曲分析が紹介されていました。
特に、あまり目立たない第3楽章のところにも焦点をあてたのは、
新しい発見がありました。

千住真理子さんは、この曲への思い入れの強さを語っていました。
実際、番組での演奏は、不思議な感動を伴うものでした。
観ていてなぜか泣きそうになってきました。
演奏そのものというよりも、演奏の背後にある何か特別な「思い」が、
私の心の琴線に触れたのでしょうか・・・

以前、フランクのヴァイオリン・ソナタについては記事を書いたことがあります。
元々大好きな曲です。
⇒「フランクのヴァイオリン・ソナタ」(2009年10月27日記事)
この曲との出会い、私の思い入れと、名盤紹介をしています。
しかし今回、改めてAmazonやHMVで10種類以上の盤を試聴してみました。
その中ですばらしいと思った盤(過去記事で紹介したものを除く)を3枚紹介します。

まずは、千住真理子さんのアルバムです。
心に残る3つのソナタ ~フランク、フォーレ&モーツァルト・ヴァイオリン・ソナタ集~ [CD+DVD]

ゆったりとした演奏です。
番組を観て千住真理子さんの演奏に感動した人ならば、
買って間違いはないと思います。
ピアニストは番組と同じく藤井一興さんです。
今回紹介する3枚の中では一番オススメですが、値段が高いのが難点です。

2枚目は、イツァーク・パールマンとマルタ・アルゲリッチという異色顔合わせの演奏です。

ピアノの雄弁さが目立ちます。

3枚目は、樫本大進のヴァイオリン、イタマール・ゴランのピアノの盤です。
堅固な演奏といえます。

2012年2月21日 (火)

NHK・クローズアップ現代「世界を魅了する日本の歌謡曲  ~由起さおり ヒットの秘密~」(2012年2月21日放送)

由紀さおりさんといえば、
小さい頃見た「ドリフ大爆笑」の「バカ殿」で、
「年齢は15歳でございます」などというと、
志村けんさんの「殿」が「なにぃ~」というセリフが出てくるシーンを思い出します。
あとは、紅白歌合戦の童謡歌唱というイメージでした。
しかし、今や「世界の歌姫」であり、再ブレーク中の「時の人」ですね。

由紀さおりさんの歌が今なぜ再び注目されるようになったのか、
既にいくつもの番組で取り上げられていますね。
直近(2012年2月)なら、NHKの週刊・ニュース深読み(2月4日放送)と、
テレビ東京系の「ソロモン流」(2月12日放送)です。
(ソロモン流の方は番組を観ました。)
週刊・ニュース深読み(2月4日放送)では、
初音ミクと並んで、「ニッポンの歌姫」と讃えられていました。

今回(2012年2月21日放送)のクローズアップ現代では、
世界を魅了する日本の歌謡曲 ~由起さおり ヒットの秘密~」と題して、
由紀さおりさんの声の魅力と同時に、
日本語の歌の魅力も分析していました。

番組HPから、放送内容を転載します。
(引用)
今、アメリカ・カナダ・イギリスなど世界各国で、音楽チャートのトップを飾る日本語の歌のCDがある。由紀さおりの「1969」。昨年末、アメリカのジャズオーケストラ「ピンク・マルティーニ」と共演したアルバムだ。坂本九の「SUKIYAKI]以来の異例の快挙となるのではと注目されるのが、“日本語で”歌った曲が、海外の人々に受け入れられたという点だ。これまで、由紀さんが童謡や唱歌などを歌い続けることで培ってきた“日本語の歌”には、母音の使い方・イントネーション・発声方法など、世界でも稀に見る独特の“美しさ”があると見直されている。番組では、専門家による様々なアプローチで由紀さんの“日本語の”歌声を分析。世界中の人々の心をとらえる、日本語の響きと日本語の繊細な世界を、今改めて考える。
(引用終)

番組では、「パフ」という元々英語の歌を元に、
由紀さおりさんが歌った日本語訳を例にして、
英語の歌詞と日本語の訳詞の違いや音韻の違いなども分析していました。

英語やドイツ語、フランス語の歌詞を日本語の歌詞にしようとすると、
情報量は半分以下になってしまいます。
(讃美歌がいい例です。)
制約された中で情景が見えるように言葉にこだわるという日本語の特性が磨かれた、
といった内容が述べられていました。

日本語の美しさと穏やかな声の再評価といったものは
もっとされていいものです。
日本語ってすばらしいんだ、日本の歌はすばらしいんだ!
と思えるきっかけになればいいですね。
(悲しいことに、「黒船」が来ないと日本人は日本のよさ、
すばらしさに気づかないのですが・・・)

番組の中では、由紀さおりさん本人も登場し、
印象的な問いかけをします。
小学校でも歌われる「小さい秋みつけた」。
その「小さい秋」とは、どんな秋ですか?・・・
その問いかけと答えに、「なるほど~」と思わされました。
(ぜひご自分で考えてみてください。
なお、答えのヒントになるようなサイトを見つけましたので紹介します。
⇒「小さい秋みつけた
由紀さおりさんとは関係がありません。)
そういうところまで考えて、歌っていたのですね。
だからこそ、心に響く歌となっているのでしょうね。

番組でも紹介された、世界を魅了しているアルバム
1969」です。

(国内盤)

(US盤)

番組最後には、日本語で詩を書いているアメリカ人詩人、
アーサー・ビナードさんが、
日本語の詩について、今までは違う角度でコメントをしていました。
とても流暢な日本語で、しかも深い洞察力を示していたのには驚きました。

アーサー・ビナードさんの本です。
機会があれば読んでみようかな・・・

日々の非常口 (新潮文庫)

日本語ぽこりぽこり

宇宙人ジョーンズは、実はスゴ腕連邦保安官補だった!~映画「逃亡者」(原題:The Fugitive)

2012年2月19日に、ハリソン・フォード主演の映画「逃亡者」が、
BS日テレで放送されました。
私と妻は録画して観ました。
冒頭から映画の世界に引き込まれ、
乗ったら最後の恐怖のジェットコースターのようなスリリングな展開を堪能しました。

ハリソン・フォード演じる医師キンブルが、妻殺しの疑いで捕まり、
状況証拠で有罪となり、死刑判決を受けたものの、
途中で脱走する機会があり、ジェラード連邦保安官補の執拗な追跡を受けつつも、
真犯人を突き止めていく、という物語です。

共演のトミー・リー・ジョーンズ(サントリーのBOSSのCMでおなじみ)演じる
ジェラード連邦保安官補は、主役よりも存在感がありました。
最初の登場シーンでは、つい「あっ、『宇宙人』だ!」と思わず笑ってしまいましたが、
映画が進むにつれ、『宇宙人』のイメージは消え、
どちらかというとドラマ「相棒」の杉下右京警部を想起させました。
(この映画の方が先ですが・・・)
宇宙人ジョーンズの正体は、杉下右京並みのスゴ腕刑事(正しくは「連邦保安官補」)だったとは!
この作品でアカデミー助演男優賞を獲得した名演技に脱帽でした・・・

観始めたら、1分のスキもない展開にただただ引きずり込まれていくばかり・・・
余計なコメントは要りませんね。
オススメですので、まだ観ていない人はぜひ御覧あれ!

ところで、医師キンブルは捕まってからあっという間に裁判にかけられ、
有罪判決を受けました(フィクションとはいえ)。
アメリカの裁判の結審は早いですよね。
かたや、日本では、ちょうど昨日、
光市母子殺害事件」の最高裁判決が出ましたね。
13年かけて、ようやく犯人に死刑判決が下りたわけです。
あまりにも裁判のスピードが遅いなぁ・・・と思いました。
さらには、法律において法務大臣は、
死刑確定後6ヶ月以内に刑の執行を命じることになっていますが、
守られたケースは皆無です。
裁判のスピードをもっと上げるのと、
死刑判決で冤罪の可能性がないものであれば、
きちっと執行すべきなのでは、と思います。

逃亡者(DVD)

逃亡者(Blu-ray)

スピンオフ作品として、
ジェラード連邦保安官補(トミー・リー・ジョーンズ)を主人公とした
追跡者」という作品があるのですね。
そのうち観てみようかな・・・

もともと「逃亡者」はアメリカのTVドラマだったのですね。
60年代にこういう作品を作ってしまっていたとは・・・

2012年2月20日 (月)

「安息日」の「日」を何と読むか?

「安息日」と書いて、あなたなら、何と読みますか?
「あんそく」?「あんそくにち」?それとも「あんそくじつ」?
実は、どれも正解なのです。

昨日(2012年2月19日)、
教会学校で「人の子は安息日の主なのである。」(マタイ12:8新共同訳)
という箇所を教えました。
(私の教会では現在『成長』(CS成長センター刊)という教会学校教案誌を使っています。)
成長』では新改訳、新共同訳どちらにも対応できるよう、
暗唱成句箇所はどちらの訳も書かれています。
昨日の箇所なら、
人の子は安息日(にち)の主です。」(新改訳)
人の子は安息日(び)の主なのである。」(新共同訳)
(どちらもマタイ12:8)でした。
それを見て、今まであまり気にしていなかった、
安息日」の「」の読み方が違うことを意識しました。

今朝、フランシスコ会訳聖書を読んでいると、
安息日」に「あんそくじつ」とルビがつけられていました。
「あんそく」、「あんそくにち」、「あんそくじつ」どれが最もいいのか・・・
今回の記事を書くきっかけになりました。

聖書―原文校訂による口語訳(フランシスコ会訳)

既にこの問題に気づいている人はいて、
ウィキペディアの「安息日」の項目を読むと、
(引用)
日本語での読み方

日本語の「安息日」には「あんそくじつ」「あんそくにち」「あんそくび」の3つの読み方がある。キリスト教関係者の間でも読み方が分かれているが、NHKでは「あんそくび」と読んでいる。
「文語訳聖書」、「口語訳聖書」、「新改訳聖書」では「あんそくにち」、「フランシスコ会訳聖書」では「あんそくじつ」、「新共同訳聖書」では「あんそくび」と振り仮名が振られている。

(引用終)
と書かれてありました。

私は「あんそく」、「あんそくにち」どちらも使うことがありますが、
どちらかといえば、「あんそく」を使うことが多いです。
さすがに「あんそくじつ」は使ったことがありません。

さて、国語的に、なおかつ一般的な用例から考えてみましょう。
」を「じつ」と読む場合は、「落日」とか「吉日」といった、
あまり一般的に使われない場合が多いですね。
「安息日」は特別な、聖なる日である、ということから、
フランシスコ会訳では詩的に「じつ」と読ませたのでは、と推測しますが、
読みとしてふさわしいとは思えません。
(同じカトリックのバルバロ訳でも「じつ」を採用しています。)

次に、新改訳(口語訳、文語訳)の「にち」を検討してみましょう。
一般的な用例から言うと、「にち」は、
「15日」、「百日」、「毎日」などのような、
数量的な使われ方をする場合が多いのでは、と考えます。
安息日」は数量的なものではなく、
むしろ「月曜」、「日曜」などの「曜日」や、
「記念」などのようなものに近いのでは、と考えます。
ということで、「じつ」や「にち」よりも、
「び」と読ませる新共同訳の方が妥当なのではないか、と結論しました。
(ただし、それぞれの教会の伝統や、慣れ親しんだ言い方があるでしょうから、
最初に述べたように、「じつ」、「にち」、「」どれも間違いではありません。)
みなさんはどう思いますか?

教会や聖書の訳によって読み方・用語が違うと不便ですね。
将来的には、統一した読み方が日本のキリスト教界で採用されることを願っています。

2012年2月19日 (日)

人はパンだけで生きるものではない~NHK・マイケル・サンデル 究極の選択 「お金で買えるもの買えないもの」(2012年2月18日放送)

お金で買えるもの、買えないものとは何でしょうか?
市場経済至上主義の現代にあって、冷や水を浴びせるような、
極上の知的エンターテイメントといえる番組でした。

2012年2月18日に、NHK総合で、
ハーバード白熱教室」でおなじみのマイケル・サンデル教授による、
マイケル・サンデル 究極の選択 「お金で買えるもの買えないもの
という好番組を放映していました。

番組の概要を番組HPから転載します。
(引用)
「世の中にはお金で買えないものがある」。私たちはこれまでそう考えてきた。しかし、今やお金さえ出せば、ほとんどすべてのものが手に入る時代を迎えている。たとえば、インド人女性による妊娠代行サービス。7千ドル払えば、子宮を貸してくれ、依頼人夫婦の子供を産んでくれる。毎年数百組の夫婦が先進国からインドを訪れている。教育の世界にもお金というものさしが導入され始めている。アメリカでは、よい成績を取った子供、そして先生には、賞金を与えるという試みが実験的に始まっている。またアメリカでは、消防隊も民営化され始めた。その挙げ句、家が火事になっても会員ではないからという理由で消火されず、放置されたまま家と財産を失うという事態も起こっている。
命、教育、公共サービスなど、お金という価値観が、これまで不可侵だった領域にまで次第に入り込んでいる。私たちは、どこかで市場主義の立ち入り禁止の一線を設けるべきなのだろうか。ハーバード大学マイケル・サンデル教授が、各界の著名人、そして日米中の若き知性と議論していく。
出演 ハーバード大学 マイケル・サンデル教授
ゲスト 猪瀬直樹 古田敦也 髙田明 斉藤慶子 SHELLY

(引用終)

番組では、アメリカで実際にあった事件・訴訟を元に作られたアニメを交えながら、
消防の民営化(公共サービスをどこまで民間サービスにしていいものか)や、
教育への市場原理導入(良い成績を取った生徒に報酬として現金を拠出する)、
代理母契約の問題(とお金で徴兵逃れしていいのか)を問いかけていました。

私ども夫婦も、番組(リアルタイムではなく、録画で)を観ながら、
論議しました。
(妻は最後には議論に疲れてしまいましたが・・・)

消防の民営化では、
会費を払っていない家庭が半ば見せしめ的に消火活動されないまま放置されたという
アメリカでの実例が紹介されました。
「そんなバカな?」という話なのですが、実話だ、というのが現実・・・

教育の問題は、「学問(勉強)は何のためにするのか?」という
根本的な問いかけがありました。
プロ野球選手が報酬としてもらうお金と、勉強ができる生徒への報酬はどう違うのか・・・

代理母契約の議論では、アメリカの学生からいい意見が出ました。
「代理母契約と売春は似ており、女性の尊厳を貶めるものだ」
それに対して、日本のゲストはまったく違う、と言ったり・・・
(日米中の大学生の方が、ゲストの「オトナ」たちよりもいいコメントをしていました。)

すべてがお金で買える、という市場原理至上主義は明らかに行きすぎであり、
人間の尊厳を貶めるものです。
「徳」や「信」、「命」といったお金で買えないもの、買ってはいけないものこそ、
本当に価値があるものではないでしょうか?

人はパンだけで生きるものではない」という新約聖書の言葉があります。
(文語訳聖書では、
人の生くるはパンのみに由るにあらず」(マタイ4:4)です。)
パン」は物質的な利益全般を指すものです。
この言葉には続きがあります。
神の口から出る一つ一つの言葉で生きる
「神の口から出る一つ一つの言葉」というのは、人間の道徳的価値観をさすもの、
と解釈できます。
何が本当に大切なものなのか?
星の王子さま』の言葉を借りれば、
心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。
かんじんなことは、目に見えないんだよ
」ということになります。

すべてが数値化され、お金で判断される世の中がいいのか、
それとも、名誉や徳、信義といったものが尊ばれる世の中がいいのか?
サンデル教授と一緒に考えてみる価値はありますね。

書店で見つけた、サンデル教授の「ハーバード白熱教室」の文庫版です。
2012年2月9日発売。
ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業〔上〕(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業〔下〕(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

2012年2月18日 (土)

TBS系・山オトコ☆山ガールが行く 北アルプスまるごと山遊び(2012年2月18日放送)

読売新聞の2012年2月18日朝刊のテレビ欄を読んでいると、
16時からの「山オトコ☆山ガールが行く 北アルプスまるごと山遊び
という番組を紹介していました。
長野県の白馬での季節ごとの楽しみ方を紹介した番組です。
SBC(信越放送)制作でTBS系全国ネット放送でした。
昨年の8月に、妻と一緒に白馬へ行ったので、
楽しんで観ることができました。

番組概要を、番組HPから引用します。
(引用)
 信州が誇る日本の屋根・北アルプス。高くて険しい山の世界には、足を踏み入れた者だけが触れることが出来る日常とはかけ離れた自然の素晴らしさが広がっています。しかし、山の魅力は絶景のみならず、人やモノとの出会いなど体験そのものであり、さらに思いがけない発見があれば感動や達成感は倍増します!

 北アルプスの麓に位置し日本の登山文化発祥の地である白馬は、スキーをはじめとするウィンタースポーツが盛んなことで知られていますが、近年、オールシーズン楽しめるおしゃれな観光地として様変わりしています。季節ごとの新しい魅力を発見する山歩き旅!俳優・永井大と女優・滝沢沙織が巡ります。
(引用終)

白馬の夏、秋、冬にわたる楽しみ方。
どれも魅力的でした。
夏は登山、秋は紅葉、冬はスキー。
妻は「白馬山荘に行ってみたい~」と言ってました。
また、「風の谷ファーム白馬」のヤギチーズを見て、
「ハイジみたい~」とヤギチーズをぜひ食べてみたくなったようです。

白馬へはまた行ってみたいなぁ・・・
日本のスイスとでもいうべきすばらしいところです。

NHK北海道・北スペシャル 目指せ“人馬一体”~ドラマ「大地のファンファーレ」の舞台裏~(2012年2月18日放送)

NHK北海道制作の「大地のファンファーレ」というドラマの前編を観ました。
帯広のばんえい競馬を舞台にした作品です。
(前編は2月17日放送済、後編は2月24日放送予定)。
新人騎手の苦悩と栄光を描く内容とのこと。
前編は「ばんば(ばんえい競馬)とは何か」という説明的な内容が多く、
ドラマもいまひとつ盛り上がりに欠けるのかな、と思いました。
絵になるシーンが多いのに、それを活かしきれていないのは少し残念でした。
後編で挽回してくれることを期待しています。
(NHK北海道はこの番組を地下鉄の中吊り広告をするぐらいの力の入れようです。)

この「大地のファンファーレ」の番組宣伝兼舞台裏を紹介した番組が、
2012年2月18日放送の
北スペシャル 目指せ“人馬一体”~ドラマ「大地のファンファーレ」の舞台裏~」という番組です。
撮影の様子、ばんえい競馬の実際や、テーマ曲の録音風景など、
ドラマそのものよりも私にとってはこちらの方が興味深かったです。
札幌交響楽団が演奏する、村松 崇継氏作曲のテーマ曲は勇壮で、
なかなかいい曲だと思いました。

実は昨年12月に、妻の家族を伴って道東に行った際、
ばんえい競馬に行ってきました。
生まれて初めて馬券というものを買った所が、帯広のばんえい競馬でした。
(残念ながら全然ハズレでしたが・・・)
スピード感はありませんが、実にパワフルなレースでした。

ばんえい競馬というものは、世界でも帯広しかやっていない、貴重な文化遺産です。
番組を通してばんえい競馬がもっと脚光を浴びたらいいな、と願っています。

2012年2月17日 (金)

NHKBSプレミアム「名曲探偵アマデウス」・チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」

今回の「名曲探偵アマデウス」は、再放送で、
チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番でした。
事件ファイル#37「アガサの就活作戦」。
就活に迷える女子大生が、名曲探偵事務所への就職を申し込んで、
チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番の謎解きをしているうちに、
本当の自分らしさを再発見する、という話でした。
名曲探偵事務所への就職を断って、今度こそ就職先を見つけたと思いきや・・・
というのがオチでした。

番組では、ピアノの女王様、マルタ・アルゲリッチのピアノ、
アントニオ・パッパーノ指揮東京藝術大学別府アルゲリッチ音楽祭特別オーケストラ
の演奏を紹介していました。
アルゲリッチはさすがに白髪が目立つものの、
豪快さは陰りもなく、ミスタッチなどものともせずに突進していくピアノが圧巻でした。
ただこの演奏、オーケストラが薄手な響きなのが残念です。
ピアノだけなら「爆演」なのでしょうね。

もともと超有名曲で、演奏される機会が多いのに、
あえてNHKがこの演奏を選んだ理由は、
NHKの子会社、NHKエンタープライズが出している
この演奏のDVD・Blu-rayがあるからなのでしょうね。

別府アルゲリッチ音楽祭 アルゲリッチ ピアノ協奏曲コンサート(DVD)

別府アルゲリッチ音楽祭 アルゲリッチ ピアノ協奏曲コンサート(Blu-ray)

番組では、小山実稚恵さんがオリジナル版のピアノ協奏曲第1番冒頭を弾いたり
(和音を壮麗雄大に響かせるのではなく、アルペジオで始まる)、
部分的な演奏を聴かせてくれました。
小山実稚恵さんは20年以上も前にチャイコフスキーのこの曲を録音していますが、
ぜひ再録音してほしいものです。

小山実稚恵 名門ロイヤル・フィルと共演

さて、この曲の名盤紹介に移りましょう。

名曲ゆえに、たくさんのピアニストが録音しています。
たぶん、第1楽章の序奏(最初の3~4分あたり)までなら、
どのピアニストの演奏でも間違いなく満足できるはずです。
しかし、それ以降が問題です。
凡庸な演奏では、退屈しやすい音楽が続くからです。
名盤とされているリヒテルとカラヤンが共演した盤とか、
ほかにいくつか聴きましたが、
どうも退屈さをぬぐうことができませんでした。
初めだけすばらしいけど、後は退屈な曲なのかな・・・
としばらくの間思っていた時期がありました。

リヒテル/カラヤン盤

序奏以降の第1楽章で、やっと「この曲はスゴイ!」と思えたのは、
モノラルではホロヴィッツとトスカニーニが共演した盤(1941年録音の方)、
ステレオではアルゲリッチとキリル・コンドラシンが共演した盤によってです。

ホロヴィッツ/トスカニーニ盤(1941年録音)

マルタ・アルゲリッチ/キリル・コンドラシン盤

ホロヴィッツ盤は、モノラルなのにすごい迫力です。
ピアノの鮮やかさとオーケストラの白熱した演奏・・・
言葉を失うような爆演で、聴いたあとしばらくノックアウト状態になります・・・
第3楽章は、なぜか「ボリショイサーカス」の猛獣ショーを連想させます。
この曲が大好きなら、アルゲリッチのCDとあわせて持っていて損がありません。

アルゲリッチの演奏は何種類か録音が出ています。
上記のCDか、アバド指揮ベルリン・フィルと共演したCDが最もすばらしいです。
上記CDは、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番の超名演とのカップリングなので、
初めて買うならオススメします。
下のCDもオススメです。

(参考)アルゲリッチ/アバド盤

アルゲリッチの上記CD(キリル・コンドラシンの方)へのAmazonでのコメントに、
ピアノ競争(狂騒)曲ともいえる演奏です。」、というものがありました。
実によくこの演奏をうまく言い表しているなぁ~と感心しましたよ。

2012年2月15日 (水)

NHK・歴史秘話ヒストリア「“カワイイ”に恋して~中原淳一と“カーネーション”の時代」(2012年2月15日放送)

中原淳一」(1913-1983)という名を知らなくても、
下の本の表紙のような美しい少女のイラストを、
どこかで見たことはありませんか?
少女マンガのキラキラ輝く瞳の原型とでも言うべきものですね。

『少女の友』創刊100周年記念号 明治・大正・昭和ベストセレクション

2012年2月15日に、NHKの「歴史秘話ヒストリア」で、
「“カワイイ”に恋して~中原淳一と“カーネーション”の時代」と題して、
中原淳一の生涯について放映していました。
実は中原淳一について知ったのはこれが初めてでした。

NHK番組表から、放送内容を転載します。
(引用)
朝の連続テレビ小説「カーネーション」のモデル・コシノ一家から、あの大女優まで。女性たちを夢中にさせた“カワイイ”ファッションの元祖、デザイナー中原淳一の一代記。

“カワイイ”表紙絵で戦前の少女たちを夢中にさせたデザイナー・中原淳一。キラキラ輝く大きな瞳と、色彩豊かなオシャレなファッション!淳一が描く“カワイイ”少女のイラストは、連続テレビ小説「カーネーション」のモデル・コシノ一家をはじめ、世界的デザイナーたちに大きな影響を与えました。さらにあの大女優誕生の影にも知られざる淳一の活躍が…。日本の女性に“カワイイ”を届けるために奮闘した、中原淳一の一代記です。
(引用終)

戦前に、男性が少女たちのオシャレ、カワイイをリードしていたことや、
戦時中や戦後の混乱期にもオシャレすることを忘れなかった精神に感銘を受けました。
ファッション、デザインという分野で、平和に貢献した偉大な人だったのですね。
最近でこそ、ニットの王子様といった、
女性が好む分野を男性がリードするというのやオネエ系の人、
あるいは少女マンガが好きな男性というのは珍しくないですが、
(私も少女マンガ好きですが・・・)70年以上も前ならかなり特異だったのでしょうね。
勇気ある生き方であった、といえるでしょう。

番組では、中原淳一の原点と言うべき牧師館での洋服とミシンとの出会いや、
精巧に作られたオシャレな人形、戦時中の苦悩、
戦前に描かれた少女の絵と戦後に書かれた少女の目の違い、
戦後の混乱期での生活指南や
1日3時間という睡眠時間を切り詰めた果ての長い療養を要する晩年にも触れていました。
オシャレのセンスの豊かさには驚嘆しました。

番組の最後に、晩年を過ごした千葉県館山市にある中原淳一の詩碑から、
詩の一部が紹介されました。

少し長めの詩であり、詩碑に色がつけられていますので、
写真の形で、詩を引用します。
こちらのブログから引用しました。
Kaonfu~getu中原淳一詩碑

20120215nakaharajyunnichi_poem

美しいものをこよなく愛し、女性文化を築いた人の至言ですね。

2012年2月14日 (火)

第63回さっぽろ雪まつり&TOYOTA BIG AIR2012(2012年2月11日~12日)

第63回さっぽろ雪まつりは2012年2月6日~12日の日程で行なわれ、
私ども夫婦は2月11日、12日に見物に行きました。
あわせて、札幌ドームで初めて開催されたスノーボードの祭典、
TOYOTA BIG AIR2012」にも行ってきました。
先月無料招待券をGETしたからです。
⇒過去記事あり。
500円のドニチカキップで地下鉄に乗り
4000円の初音ミクデザイン「TOYOTA BIG AIR 2012」招待券をGET!

実は私ども夫婦どちらも札幌ドームに入るのは初めてでした。

まずは雪まつりの写真から。
一番印象に残ったのは、
大通公園7丁目の「HBCインド広場」の大雪像「タージ・マハル」でした。


20120211_yukimatsuri2

2月11日夕方に会場へ行くと、ビンゴ大会をやっていました。
私と妻はビンゴカードをもらって参加しましたが、リーチにすら届かないで終ってしまいました。
特に私のカードは、ビンゴ当選者締切の時にようやく1個穴が開いたほど。トホホ・・・

4丁目の「STV・読売広場」の「雪の水族館~海からの贈りもの~」もキレイでした。
20120211_yukimatsuri1

ところで、地下鉄の大通駅で、こんなオブジェを見つけました。
雪だるまの背景はいったいどうやって描かれているでしょうか?
20120212_yukimatsuri3


上の写真をアップで撮ったものです。
実は、使用済みのウィズユーカード等を使って作られていたのです。
アイデアが抜群ですね!
20120212_yukimatsuri4

続いて、TOYOTA BIG AIR2012のことを書きます。
私ども夫婦にとって、スノーボードの大会を観戦できることよりも、
札幌ドームに初めて入ることができる、という喜びの方が大きかったです。
会場での見事な演技の写真も一応撮りましたが、
お見せできるほどのものではないので、
代わりに、アリーナ内で展示されていた初音ミクが描かれた、
TOYOTAの「AQUA」の写真をお見せします。
初音ミクはすっかり札幌を代表する「アイドル」として、
観光PRに活躍していますね。
(NHKでも特集を組んだほどです!)
ちなみに、雪まつり会場のオフィシャル・ショップでは、
初音ミクキティーちゃんが合体したものが売られていました。
キティーちゃんは何とでも合体できるのですね。
まさに日本精神そのものというべきなのか・・・

横から撮ったもの
20120212_toyota_big_air1

正面から撮ったもの
20120212_toyota_big_air2

日本人選手も健闘しましたが、やはり外国人選手の実力の方がすごかったです。
機会があればまた見たいですが、テレビで観戦した方がいいのかも・・・

2012年2月11日 (土)

NHKBSプレミアム・谷村新司のショータイム「リチャード・カーペンター」(2012年2月11日放送)

私ども夫婦はどちらもカーペンターズの曲が好きです。
60年代後半~70年代の曲なのに、全然古さを感じさせません。
唯一無二のカレンの歌声・・・
歌から「物語」が見えてくるようです。

2012年2月11日に、NHKBSプレミアムの「ショータイム」で、
リチャード・カーペンターさんをゲストにしたトーク番組を放映していました。
従来は、ゲストをスタジオに招いてインタビューする、という形式なのですが、
今回は特別に、谷村新司さんがリチャード・カーペンターさんのお宅に伺い、
インタビューする、というものでした。

既にNHKで何度かカーペンターズ特集の番組を観ましたので、
これといって目新しい情報はありませんでしたが、
カーペンターズの曲自体が好きなので、1時間半はあっという間に過ぎました。
妻は曲を口すざみながら観ていました。

番組では、カレンの魅力だけではなく、
リチャードさんのアレンジ能力の高さにも着目していました。
涙の乗車券」(原曲:ビートルズ)や「マスカレード」(原曲:レオン:ラッセル)、
愛のプレリュード」(原曲:銀行のCMソング)の例と、
谷村新司さん×石井竜也さんの新曲「風の子守歌~あしたの君へ~」を、
即興でアレンジするところは興味深かったです。
特に「涙の乗車券」のアレンジによる変化はスゴイと思いました。
ビートルズが歌った曲と同じ曲とは思えない・・・

風の子守歌~あしたの君へ~

私は1990年代ほとんどテレビを観ていなかったので、
その時代のドラマの流行には疎いのですが、
1995年の「未成年」というドラマで、カーペンターズの曲が使われて、
日本で再ヒット(300万枚!)したのですね。
番組でも紹介され、リチャードさんが「ミセイネン」という日本語をそのまま使っていました。

未成年 DVD-BOX

番組ではカーペンターズのDVDから多くの映像を放映していました。
DVDで映像を見ながら歌を聴くのもいいですね。

遥かなる影:リメンバリング・ザ・カーペンターズDVD

ゴールド:グレイテスト・ヒッツDVD

以前にNHKで放映していたカーペンターズの番組についての記事があります。
NHK・BSベスト・オブ・ベスト HV特集 伝説のミュージシャンたち
「カーペンターズ」(2010年12月23日再放送)

最近、「ダイヤモンド・オンライン」で、
カーペンターズの「イエスタデイ・ワンス・モア」についての記事を読みました。
著者は小栗勘太郎氏 [音楽愛好家]です。
【カーペンターズ「イエスタデイ・ワンス・モア」】
素敵に乱れれば、素敵な美が出来上がる

今週の音盤=心のビタミン ビジネス・パーソンのための音楽案内)第19回
「美は乱調にあり」というユニークな視点で、
カーペンターズの魅力を語ったものです。
ぜひご一読を!

2012年2月10日 (金)

ストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲聴き比べ~ハーン、カントロフ、D・オイストラフのCDで

2011年12月下旬に、DENONの「クレスト1000」第11回シリーズとして、
ジャン=ジャック・カントロフ(ヴァイオリン(以下Vn))独奏による
ストラヴィンスキーのVn協奏曲
(カップリング:チャイコフスキーのVn協奏曲)のCDが発売されました。
宇野功芳氏の『改訂新版 宇野功芳のクラシック名曲名盤総集版』で紹介されていましたが、
長らく廃盤扱いとなっていたものでしたので、再発売には期待していました。

改訂新版 宇野功芳のクラシック名曲名盤総集版

今年の1月にようやく入手し、さっそく期待して聴いてみたのですが・・・
第1楽章から重たく、あまり曲の世界に入っていけませんでした。
第1楽章の途中で聴くのを断念しました。
何度か聴くのをチャレンジしたのですが、やはり印象は変わりません。
宇野センセイがベタボメの盤なのに・・・

私は、昨年ヒラリー・ハーンによるストラヴィンスキーの同曲のCDを聴いてから、
すっかり気に入り、上記のカントロフ盤ならさぞスゴイのかな、と期待していましたから、
ちょっと残念でした。

我が家には、この曲のCDが3枚あります。
上述のカントロフ盤と、ヒラリー・ハーンのCDと、
クルト・ザンデルリンク&ベルリン放送交響楽団の5枚組CDに含まれているものです。

ヒラリー・ハーン盤(カップリング:ブラームスのVn協奏曲」)

D・オイストラフ(Vn)/ザンデルリンク指揮ベルリン放送響(5枚組)
※3枚目に含まれています。

(CD1のショスタコーヴィチのVn協奏曲第1番、交響曲第5番と、
CD5の内田光子のピアノによるモーツァルトのピアノ協奏曲第24番が名演!)

結論から言うと、3枚の中でオススメできるのは、
ヒラリー・ハーンのCDのみです。
第1楽章の早めのテンポによる快活感、第3楽章のゆったり感、
日光が燦燦と輝くような第4楽章・・・
どこをとっても、曲の楽しさ、愉悦感を十分に伝えています。
このCDで、初めてストラヴィンスキーのVn協奏曲の魅力がわかりました。

ちなみに、3種類のCDの各楽章の演奏時間を比べてみましょう。

ヒラリー・ハーン盤)
第1楽章 4:51
第2楽章 4:27
第3楽章 6:06
第4楽章 5:32

カントロフ盤)
第1楽章 5:26
第2楽章 3:53
第3楽章 4:38
第4楽章 5:45

D・オイストラフザンデルリンク盤)
第1楽章 5:32
第2楽章 4:29
第3楽章 4:50
第4楽章 6:10

比べてみると、ヒラリー・ハーン盤は第1楽章、第3楽章で
他の2枚と大きく異なります。
特に第1楽章は他の2枚がモタモタ感があるのに対して、
ヒラリー・ハーン盤は推進力があります。
Vnの音色がまさに「結晶化」したような感じで、音楽そのものだけが響いてきます。
かといって、テクニック一辺倒かといえばそうでもなく、
第3楽章の叙情性は特筆に値します。
もともとそれほど規模が大きくない作品なので、
ネヴィル・マリナー指揮
アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールド
の軽やかな音が
プラスに働いています。
少しも重苦しくなく、みずみずしい響きがします。

ヒラリー・ハーンのCDは、メインがブラームスのVn協奏曲なのですが、
こちらは残念ながらオーケストラの音色がマイナスに働いています。
ブラームスの曲なのにオーケストラが薄っぺらい響きなので、
もっぱらストラヴィンスキーのVn協奏曲を聴くためのCDと割り切ったほうがいいです。

ベートーヴェンやチャイコフスキー、メンデルスゾーン、ブラームス、シベリウスなどの
Vn協奏曲ほど知名度が高くない作品ですが、
隠れた名曲ですので、ぜひご一聴を!

2012年2月 9日 (木)

NHKBSプレミアム「名曲探偵アマデウス」・シューベルト「ピアノ五重奏曲“ます”」

今回の「名曲探偵アマデウス」は、再放送で、
シューベルトの「ピアノ五重奏曲“ます”」でした。
事件ファイル#36「ふるさとローカル線 駅弁ミステリー」。
ピアノ五重奏曲“ます”」を通して、
「愛される駅弁とは?」というテーマで謎解きが進みます。
豪華な食材を使った弁当が次々と「変奏(?)」されていくところは面白かったです。

番組では小山実稚恵さんのピアノとN響メンバーによる合奏が紹介されていました。
この曲は通常のピアノ五重奏(ピアノ+弦楽四重奏)ではなく、
ピアノ+弦楽三重奏+コントラバス、という特異な編成ですね。
コントラバスが加わる効果や、pとfを楽譜指定とは逆に演奏してみたら、
といった面白い実験は「なるほど~」と思わされました。
(演奏自体、いかにもサロン音楽、という感じで聴き易いものでした。)

この曲の名盤と言えば、
ブレンデルがクリーブランド弦楽四重奏団のメンバー+コントラバス奏者で録音したものが
愉悦感がありオススメです。
ただ、元々旋律美にあふれ親しみ易い曲ですので、
ある程度のレベルの演奏であれば、どれを買っても間違いはないと思われます。
(リヒテル盤、ギレリス盤、ゼルキン盤・・・)

ブレンデル

※昔は「DECCA」ではなく「フィリップス」だったのに・・・

2012年2月 8日 (水)

ゴルトベルク変奏曲(Goldberg Variations BWV988)のいろいろな形態の演奏と名盤

J・S・バッハの名曲「ゴルトベルク変奏曲」(BWV988)といえば、
グレン・グールドの新旧2つのアルバムが有名ですね。
その他にも名盤はいろいろありますが、
今回は、ピアノ・チェンバロ以外での変わった演奏と、最後に名盤を紹介します。

2012年2月8日早朝に、NHKBSプレミアムの「クラシック倶楽部」で、
清水靖晃&サキソフォネッツ 演奏会」を放映していました。
ゴルトベルク変奏曲」を、サキソフォン五重奏とベース4人で演奏していました。
面白い演奏だとは思ったものの、「変わりダネ」程度だったかも・・・
(今回の記事を書いてみようというきっかけにはなりました。)

チェンバロ用に作曲された「ゴルトベルク変奏曲」、
実はいろいろな編曲版があります。
(J・S・バッハの作品はいろいろな編曲版がありますね。)

一番有名なのは、「グレン・グールドを偲んで」編曲された、
シトコヴェツキーによる「弦楽三重奏曲版」です。
これはレーザーディスク(古!)で観たことがあります。
チェロのミッシャ・マイスキーが演奏する新旧2つのアルバムがあります。

(旧盤)

(新盤)

同じシトコヴェツキーによる「弦楽合奏版」もあります。

その他には、こんなCDもあります。
(サックス四重奏版)

(ハープ版)Catrin Finch

(金管五重奏版)カナディアン・ブラス

(オルガン版)エレナ・バルシャイ

探せばまだまだあると思いますが、本命の名盤に移りましょう。
まずはピアノ版から。

ゴルトベルク変奏曲といえばグールドグールドといえばゴルトベルク変奏曲・・・
新旧の2つのアルバムがあまりにも有名で、今後もこれを越えるものはないのでは、
と思っていたほどです。
(グールドの奇妙な伝記的映画「グレン・グールドをめぐる32章」は、
ゴルトベルク変奏曲の曲数(最初と最後のアリア+30の変奏)にあわせて、
その生涯を32のエピソードで紹介していました。)

映画「グレン・グールドをめぐる32章
32 SHORT FILMS ABOUT GLENN GOULD [DVD]

サウンドトラック

グレン・グールドのゴルトベルク変奏曲(1955年旧盤)

ザルツブルク・ライブ(1959年)

新盤(1981年)※オススメ!

グールドゴルトベルク変奏曲(新盤)を初めて聴いたのは、高校生の時でした。
図書館で聴き、即座に気に入ったのですぐにCDを手に入れ、
以来相当な回数聴いています。
グールドのCDは約50分ですが、あっという間のように(20分ぐらい?)に過ぎていきます。
「不眠症に悩む伯爵のために書かれた」という逸話がまるで信じられないぐらい、
「目が冴える」ような演奏といえます。

グールドの演奏があまりにもすばらしいので、
「では、オリジナルのチェンバロ版はどんな演奏になるんだろう・・・」と興味を持ち、
バッハ演奏に定評のあるカール・リヒターによるモダンチェンバロ版を聴きましたが、
あまりにつまらなく、「確かに子守唄だわ・・・」と妙に納得した記憶があります。
古楽器演奏でも聴いてみた事がありますが、ツマラナイ事には変わりありませんでした。

唯一オススメできるチェンバロ版は、曽根麻矢子さんのCDです。
私が持っているのは旧盤だけですが、新盤もたぶんすばらしいと思います。

(旧盤)

(新盤)

最近、ようやくグールド盤を忘れさせるような、穏やかな魅力あるCDに出会いました。
マレイ・ペライアによる演奏です。

ゴルトベルク変奏曲にはいろいろな楽しみ方があります。
まずは、グールド盤(新盤)を入門として、多様な演奏を楽しんでみましょう!

2012年2月 7日 (火)

NHKBSプレミアム・極上美の饗宴「瞳のない美女の謎~モディリアーニ」(2012年2月6日放送)

モディリアーニの絵はお好きですか?
たとえば・・・
代表作の一つ
大きな帽子をかぶったジャンヌ・エビュテルヌ

Modigliani

モディリアーニの肖像画の特徴である、引き伸ばされた顔と、
瞳のない目が見られますね。

NHKBSプレミアム「極上美の饗宴」で、2012年2月6日に、
瞳のない美女の謎~モディリアーニ」を放映していました。
NHK番組表から放送内容を転載します。
(引用)
なぜか、女性の顔や首は縦に長く伸び、アーモンド型の目には瞳がない…。一度見たら忘れられないほど、あまりにも不思議な肖像画。描いたのは20世紀初めにパリで活躍したモディリアーニ。どうして、このような絵にしたのか? そこにはアフリカの原始美術の影響や、彫刻家を志した画家ならではの巧みな計算があった! モディリアーニ作品に深い関心を寄せる脳科学者・茂木健一郎さんがパリへ飛び、傑作の秘密を探る。
(引用終)

番組で興味深かった実験は2つありました。
1つ目は、瞳のない目に、実際に瞳を入れてみたらどう見えるか?
2つ目は、モディリアーニ晩年の傑作群のモデルとなった、
内縁の妻ジャンヌ・エビュテルヌの肖像写真(下の写真)を、
画像加工してモディリアーニの絵と同じように引き伸ばしてみたらどう見えるか?

Jeanne_hebuterne

脳科学者の茂木健一郎さんがこれらの興味深い問いに、
実測的・統計的に挑んでいました。

1つ目の実験・・・
結論は、やはりつまらない絵になってしまうということ。
あえて瞳を入れないことによって、顔だけでなく、
画面全体に視点がいくような効果もあるそうです。

2つ目の実験では、上の写真が無理やり上下に引き伸ばされてしまうと、
ちょっと怖い顔(女装趣味の男性風?)になってしまうのが興味深かったです。
モディリアーニジャンヌ・エビュテルヌの美しさを知り尽くした上で、
わざとに引き伸ばしたようですね。

実は私にとってモディリアーニの絵はそれほど魅力に感じません。
しかし、実験・科学的分析という新たなアプローチが、
モディリアーニの作品を見る視点を豊かにしてくれました。
なかなかの好番組だったといえます。

2012年2月 5日 (日)

「学びあい」という美名の下の教育の堕落~NHKEテレ・ETV特集「輝け二十八の瞳 ~学び合い 支えあう教室~」(2012年2月5日放送)

「学びあい」、「支えあう」子どもたち・・・
教育界では、こういう理想論が大好きですね。
教師が教えるよりも、自主的・能動的に子どもたちが教えあう姿・・・
権威の押し付けを嫌う日教組教育の典型なのでは?
ますます公教育の価値が下がり、塾を必要とする教育に成り下がるだけなのに・・・
(そもそも、子どもが教えあうだけでいいなら、
教室には管理する大人がいればいいだけだし、
教員免許をもった教員なんて必要ないでしょう・・・
事実はそんなに甘くないはずです。)

2012年2月5日の新聞のテレビ欄を見ていると、
NHKEテレの「ETV特集」で、
輝け二十八の瞳~学び合い 支えあう教室~
という番組が放映されることを知りました。
番組を見る前から、どうも違和感がありました。
(「学びあう」のがそんなにすばらしいなら、教師なんていらないじゃん・・・)

まずは番組HPから、放送内容を転載します。
(引用)
子どもたちが、生き生きと学ぶ小さな教室がある。
山梨県の身延町立大河内小学校3年生、14人のクラス。
担任の古屋和久先生は、一方的に教えるのではなく、 子どもたちに疑問を投げかけ、お互いに考えさせる。
子どもたちは、わからないことがあれば、必ず友だちに聞く。
聞かれた子は、自分なりの考えを一生懸命に説明する。
ここは、子どもたちがお互いに「学び合う教室」だ。
今、教育現場では、子どもたちの「考える力」や「コミュニケーションの力」の低下が 大きな課題になっている。
一方、大人の社会でも、個人と個人のつながりが分断され、他者への無関心が様々な社会問題を生んでいる。
古屋先生は、思考力や自我が芽生える時期にこそ、 お互いの考えをやりとりする「学び合い」が大切だと考えている。
そんな「学び合い」の出発点は「わからない」と問うこと。
しかし、従来の一般的な「一斉授業」では正解を求められるのが常識のため、 子どもにとって「わからない」をさらけ出すのは難しい。
子どもたちは葛藤を経験しながら、お互いの「わからないこと」を認め合い、高め合っていく。
子どもの持つ力を信じ、時に厳しく、時に暖かく、彼らを見守る古屋先生と、 お互いの個性を認め、支え合って成長していく子どもたちの、 「学び合う教室」を見つめる。
スタジオゲスト: 佐藤学(東京大学教授) 重松清(作家)

(引用終)

私が番組を観た感想です。
まず、「円」とは何かの授業。
「円」とは何か、教科書にきちんと書いてあるのに、
あれこれ迷わせる必要があるのでしょうか?
「説明」をさせるのが目的なら、国語の単元でやればいいわけだし、
知の蓄積、という文化遺産を軽視しているといえます。
2時間かけて、「円の定義」を学ぶのですか?
(教科書に書いてあることなのに・・・)
こういう授業は、可能ならば大学でやればいいようなもので、
小学生は基礎基本の定着こそ大事だということを、
なぜ教師はわかろうとしないのでしょうか?
応用問題を解けた、といっても、集団知で解けた、というだけで、
個人がすべて自力で解ける、ということではないはずです。

「教え込む」のがなぜ悪いのか、
根拠があいまいなのに、東京大学教育学部教授の佐藤学氏は、
「これこそ正しい教育!」と言わんばかりの口調でした。

そもそも、「学びあう」ことで学力が上がるという保証はあるのでしょうか?
成果があいまいなのに、全国の学校で1割導入しているというのは、
由々しきことではないでしょうか?
(問題解決型授業の変形版に過ぎないのに・・・)
ただ教育界の流行を追っているだけであって、
根拠がないものを取り入れるのは、税金のムダではないでしょうか?

私は、「学びあい」の授業がもし1年に数回程度なら、
子どもたちにとっても、「こういう学び方があるんだ」という刺激になるとは思いますが、
年中こんな教え方をするなら、学力低下が必死なのではないかと危惧します。

子どもたちが教えあう・学びあう、ということは、
子どもたちの間にいっそうの序列化を図るようにも思えます。
先生という教室の「絶対者」のもとでの「平等」の方がマシなのでは?

教育の話から、東日本大震災の話への飛躍は苦笑モノでした。
あと、算数以外の教科については取り上げられていませんでした。
効果の検証は実に甘い!・・・輝く瞳、が効果ですか?
NHKさん、もっとマシな番組作りをしてくださいよ!

教育の専門家が実際に見た(※この番組とは別の授業)
「学びあいの授業」の問題分析についてのブログ記事を紹介します。
芦田宏直さん(東海大学教授)の記事です。
高等教育改革に精通し、
Twitter等のソーシャルメディア上でその論に大変定評のある
」方だそうです。
(神戸市の講演会の案内から)
「学びあい」授業の問題点を鋭く分析しています。
授業を参観した教師とのやり取り、というより反論合戦が実に面白い!
(圧倒的に教師のボロ負け・・・)

小学校の「学び合い」授業を参観して(1) 2011年02月25日
(ブログ「芦田の毎日」から。以下同じ)
「学び合い」小学校教員からの反論がありました―謹んでご紹介します。 2011年02月26日
(続)「学び合い」小学校教員からの再反論がありました―謹んでご紹介します。 2011年02月27日
(続々)「学び合い」小学校教員からの再々反論がありました(3)―謹んでご紹介します。 2011年03月02日

この記事の中で特に興味深いのは、最初の2つです。
特に、2つ目の記事
「学び合い」小学校教員からの反論がありました―謹んでご紹介します。 2011年02月26日から少し引用します。
引用は記事のだいたい半分ですので、ぜひ全文をお読みください。

(引用)
この「反論」は、小学校の「学び合い」授業を参観して(1)http://www.ashida.info/blog/2011/02/1_3.html#more という私の記事に対するものです(まだ書きかけのものですが)。私が直接授業を参観させていただいた先生からのもの。貴重です。

1)私は「学び合い」ではそもそも毎時ごとのレフェランス(「基準値」)というものはそれほど重要ではないと考えます(これは「なくてもよい」というわけではない)。そもそも毎時ごとに基準値を達成させようとするから、多くの児童や生徒がそこからこぼれて逃げていく。児童の進度のみならず理解度も授業内でばらばらなため、相対指標しかないと言われるが、そもそも毎時ごとに達成基準を設けて児童の到達度を細かく測っても、その合計が子どもの理解の深度や確かさにつながるわけではない。

【芦田】特に毎時的である必要はない、が、ではどんなスパンでレフェランスを設けるのか? それが長いスパンであればあるほど、取り返しが付かなくなる。そもそも取り返しが付くか、付かないかをどこで判断するのか? 見せていただいた「学び合い」授業内には一切その手がかりがない。相対的な進度を放置しているだけ。日々進んでいるという名目で。だから、各生徒が伸びる伸びないもすべて各生徒の問題になってしまう。伸びたら伸びた、伸びないなら伸びない。挙げ句の果てに「脳の発達の差」にまで還元してしまう。アホな話だ。この「学び合い」教育の本当のレフェランスは「脳の発達の差」であると言ってもよい。
2)進度や理解度はそれぞれに異なることは極めて当然であると考えるが、それを芦田氏のように「子どもの個性」とか「子どもの可能性」などとは考えてはいない。能力の差は歴然とあり、それは脳の発達には差があるということに基づく。学習に子どもの個性などは基本的には関係ない。

【芦田】「脳の発達には差がある」のはたしかだろうけども(笑)、そのこととクラスの授業内で点数に差があることとの相関を科学的に証明するのは無理(仮に証明できたとしても病的な場合だけ)。「差がある」と抽象的に言ってるだけのこと。えせ科学妄想的な差別発言。結局、この「学び合い」教育は家族主義的、地域主義的な差別思想でしかない。

 
3)そもそも「学び合い」では「子どもは能力はそれぞれ違う」という前提に立たなければ成立しない。コミュニケーションは子どもの「内在する自分」との対話を引き出すためのものであり、個性教育とかコミュニケーション教育というものとは異なる。「学び合い」は人とのコミュニケーションだと思われているが、実は自分との対話なのである。
 
【芦田】「子どもは能力はそれぞれ違う」というのは顔が違う、親が違う、地域が違う、という程度のこと。それがどうした。「内在する」って誰がどんな基準で判断してるの? 「内在」って何? これも妄想。


4)全国水準を意識した学びは「学び合い」にとっても非常に大切である。それを単に「お受験」とか、「詰め込み教育」などという言葉で馬鹿にする方が愚かだと思う。しかし、進学塾で講師をしてきた経験では、特進クラスの子どもの学びはとても「学び合い」的である。授業の中での会話も非常に多い。学年が進むにつれて無言になってくるのは周りが「ライバル」になってしまうから。

【芦田】意味不明。

 
5)芦田氏は<「学び合い」教育のレフェランスは、“全国試験”では「平均より上」どまり。しかもこの“全国試験”には中の上以上の進学校は参加していない。>いうが、これは公教育である限界だが、公的な教育の成果を計る最も母数の多いのは全校学力検査しかない。そもそも「塾」で能力を身につけていることと、公的な学校教育の成果を比べること自体がナンセンスである。

【芦田】「公的な教育」であっても将来の東大生は存在する。塾へ通わなくても名門進学する生徒は存在する。公的な教育こそ、多様性を保証しなくてはならない。「子どもの能力はそれぞれ違う」と言いながら、公立と私立との区別だけはなぜかたくなに集団的に区別する? なぜ、公立学校が私学よりも低いと決めつける? きわめてご都合主義。


6)「学び合い」が特徴的なのは、平均点の向上ではない。最低点の向上である。また上位の学力の伸びも大きい。

【芦田】根拠を示して欲しい。この言明は何も言っていないに等しい。そもそも上位の生徒から「不満の声がある」ということを当日のあなたとの意見交換で、私は聞いている。そもそも上位の伸びが大きいのなら、私学の連中や塾好きの連中と戦わせればいいじゃないか。

 
7)教員のレファレンスを前面に出した授業は“落ちこぼれ”が必ず存在する。しかも、その割合は学力に反比例し、学力の低い高等学校では授業そのものが成立しなくなるようなことも起きている。しかも、レファレンスをどのように示そうとも、その寝ている生徒を目覚めされることも、ましてや学びに没頭させる力などない。

【芦田】それはウソ。取組が悪いだけのこと。高校で寝ていた生徒も私の学校ではみんな授業参加していた。先生が真っ先に割り切ってるだけのこと。相対的な進度しかない「学び合い」では落ちこぼれが目立っていないだけのこと。試験をすればあなたのあの日の授業が成り立っていないのは明らか。(あの日の知見分としては)何も教えていないのだから。
 

8)「学び合い」が特徴的なのは、下位の子どもが予習復習をするようになることだ。つまり学習に腐らない。芦田氏の言うように、もしも相対化による「見えない落ちこぼれ」が大量にあるのなら、子どもの成績も、子どもの学習意欲も向上することなどない。

【芦田】意欲はどうでもいい。犯罪にだって「意欲」は存在するのだから。そもそも成績が上がったというのをどうやって示すのか? そもそもあなたの学校でも二人の教員しか学び合いをやっていない。なぜ明々白々な成果があるのに、しかも教員が「楽(らく)」(西川)できる授業法なのに、他の教員は取り組まないのか? それを説明して欲しい。

 
9)一斉授業では一授業内で教員が採点することが多いが小学校では、そのために長蛇の列を作り、後ろでは遊んでいる子どもがいる始末である。しかも、多くの教師は採点はすれども、それをフィードバックすることもなく「ただの成績の記録」に留まっている。児童生徒が「何がどうできなかったかを理解する」のは自らが間違いを直したいという態度とそれを直せる時間と場の確保である。「学び合い」ではその場と時間を授業の中に確保している。だから私は「何度でも」やり直せる手だてを取る。

【芦田】それは採点の仕方が悪いだけ。「学び合い」でも下手な学び合い授業があるのと同じように一斉採点でも取組の仕方の悪い採点があるだけのこと。「私は『何度でも』やり直せる手だてを取る」という言明が意味を持つのは、その生徒がどんなレフェランスに基づいて反復しているのかという基準(理解目標)があってのこと。正確な診断がない反復は単なる時間つぶしにすぎない。

 
10)「学び合い」のレフェランスは〈より進んでいる、より遅れている〉かに留まるわけではない。「やらせっぱなし」の「学び合い」ならばそうかもしれないが、実際には教師の働きかけは大きい。子どもの動きを計るのは進行度でななく、子どもの深度である。

【芦田】あの一日の授業でまともな「教師の働きかけ」は一切ない。断言してもいい。
(引用終)

授業の評価基準が脳の個人差に還元されるなんて、噴飯ものですね・・・
「子どもの輝く瞳」なんてロマンティックで主観的な基準ではなく、
算数なら確実に基礎を使って応用問題が解ける、ということこそ基準です。
教員が「学びあい」(や算数の問題解決型の授業)のような
効果のない授業を金科玉条としている限り、
皮肉なことに、塾の需要は絶えることはないのでしょうね・・・
NHKさん、現在の公教育では塾が必要不可欠だということを、
間接的に「証明」してくれたことに感謝します(皮肉な意味で)・・・

ゲストの東京大学教育学部教授・佐藤学氏の入手しやすく読みやすそうな著作です。
なお、私は氏の考え方には批判的です。

学力を問い直す―学びのカリキュラムへ (岩波ブックレット)

「学び」から逃走する子どもたち (岩波ブックレット)

2012年1月スタートのアニメ~「日常」と「テルマエ・ロマエ」

日常』(作:あらゐ けいいち)という作品、
初めて知ったのは、去年教会学校に来ていた小学生たちが話題にしていたからでした。
民放の深夜アニメ放送を楽しんでいたようです。
(録画してか、それとも放映時間に起きていてかは知りませんが・・・)
その話を聞いて、私は原作コミックの1巻を購入して読んでみました。

日常 1 (角川コミックス・エース 181-1)

う~ん、後半でようやく「クスッ」と笑えるようになりましたが、
シュールすぎて、よくわからない、というのが結論でした。
その後を読んでみようという気にもなりませんでした。
前へ進むストーリー展開がないからです。

再度興味を持ったのは、
天下のNHKが、民放で放送されていたアニメをわざわざ放送する、
というニュースを去年の11月に読んでからです。
(世界名作劇場とかではないのに・・・)
来年の1月からか~
・・・といいつつ、結局1話目は見逃してしまいました。
2話目からは録画して観て、すっかりハマッてしまいました・・・
民放での放送をそのまま放映するのではなく、
全26話を全12話に再構成しての放送となっています。

なぜネコ(阪本さん)がしゃべっているのかとか全然わかりませんが、
そもそもストーリー性などないのだから、
とても巧みな再構成なのかな、と思っています。
(ネット上では評判悪いようですが・・・)

はっきり言って、よくわからないところも多いですが、
映像表現に斬新さが見られますし
(たとえば「日常の第五話」の冒頭。
セリフを使わずに緊張感と虚脱感を巧みに表現しています。)、
また、無駄なところにエネルギーを空費するような展開が私にはウケています。
(ただし、妻は「つまらない・・・」との評価・・・トホホ・・・)
日常、といいながら、全然非日常なところがオカシイですね。

オープニングの2曲は騒々しいので、早送りで画像だけ観ていますが、
エンディング曲の「Zzz」(歌:佐咲紗花 )は清純な魅力があります。
おやすみ前に聴いたら和みそう・・・

日常のブルーレイ 特装版 第1巻※民放での放送

Zzz(CD)


テルマエ・ロマエ』は私ども夫婦で共に好きなマンガです。
今年の4月には映画化されますね。
それに先立つアニメ化には少し期待していたのですが・・・
(ちなみに、北海道の地上波ではまだ放送予定がありません。
私が観たのはBSフジでの放送です。)

絵が平面的で動きが少ないのと、
秘密結社鷹の爪」風になっているところがマイナスでした。
あと、30分で2話なのはいいのですが、
1話終るごとにエンディング曲を聴かなければならないのはこれもマイナス・・・
BGMにクラシック音楽の名曲を多用しているのは評価しています。
この作品が面白いのは、アニメの力ではなく、原作の力によるものですね。
映画の宣伝の一環と位置づけた方がいいのかも・・・


テルマエ・ロマエ(アニメ)Blu-ray 1巻

テルマエ・ロマエ(アニメ)Blu-ray 2巻

原作Ⅰ

原作Ⅱ

原作Ⅲ

原作Ⅳ

2012年2月 4日 (土)

映画「ドッジボール」~小学校で習ったドッジボールとは違うけど・・・

映画「ドッジボール」が2012年2月4日に放映されていました。
小学校の体育では人気スポーツですが、
大人になってからやるスポーツ、というイメージはないので、
どんな映画になるのだろう、と少し期待していました。

セリフに下品なのが多いのは気になりますが、
バカバカしくて楽しい映画です。
スポ根的要素も結構あります。
理屈ヌキで楽しめるスポーツ映画です。

Amazonの内容紹介から、あらすじを転載します。
(引用)
<ストーリー>
とにかく冴えない"負け犬"たちばかりが集うスポーツジム<アベレージ・ジョー>。オーナーのピーターは半年間も滞納警告を無視し、30日以内に5万ドルを支払わないとジムを買収されてしまうことに。そんなジムに目をつけたのは大手フィットネスクラブのオーナー、ホワイト。ホワイトは自己中のナルシストで全てが「オレ様主義」に徹底したイヤ味な奴。そこで、ピーターのジムのメンバーは、優勝賞金5万ドルというラスベガスのドッジボール大会への出場を決意。個性あふれるメンバーを集め、かつてはドッジボール・リーグのカリスマ選手だったという謎のコーチのもと、ガムシャラで壮絶でオマヌケな? スパルタ猛特訓が始まった。
はたして、トホホ男のピーターは、ホワイトの魔の手からジムを守れるのか? 今、大興奮のバトル開始のホイッスルが鳴り響く……!

(引用終)

映画「ナイトミュージアム」シリーズの主演で知られるベン・スティラーが、
イヤ味で下品な役を「怪演」しています。
(妻は初め同一人物とはわかりませんでした・・・)

ところで、この映画でのドッジボールは、
小学校で習ったものとかなり異なります。
(ドッジボールって、こんなスポーツだったっけ・・・と思わず調べてしまいました。)
一般的なドッジボールといえば・・・

・長方形のコートを2分して、相手の陣地にいる人にあてる。
ボールは1個。
当てられたらアウトで外野行き、ボールを受け取ったらセーフ・・・
(その他に細かいルールはありますが・・・)
こんなところでしょう。

しかし、この映画でのドッジボールは・・・
・6人対6人の勝負。
長方形のコートの真ん中に6個のボールを置き、
ホイッスルと同時にとりあう。
相手にぶつけるのは同じ。
相手チームを全滅させたら終了。
外野ゾーンはなし。

その他のルールとしては・・・
(「アメリカン・ドッジボール・オフィシャル・ルール・ガイド」から転載)
(引用)
●ノーバウンドでボールに当たった選手はアウト(退場)。逆にキャッチできたら投げた選手が退場となり、キャッチした側のチームメイトが1人復帰できちゃう!
●頭部を狙うのは禁止。(だけど、わざと頭でボールに当たるのは反則!)
●1つのボールが、ノ―バウンドで続けて2人以上の人に当たった場合、初めに当たった人のみがアウト!
●ノーバウンドで当てられても、味方がそのボールを地面に着く前に取ったら、当てられた人はセーフ!(名づけて“アシストキャッチ”!)
●誰にも当たらずコート外に出たボールは、投げたチームとは反対のチームのボールになる。
●コート内での味方同士のパスは禁止。パスしてしまった場合、“ダブル・パス”として、そのボールは相手ボールになってしまう。注意だ!
●投球時にコートのラインを踏んだり、相手チームのコートに入ってしまった場合はファール。また、投げた後の2歩目がラインにかかってもファールとなり、投げたボールは無効になる!
●相手コートに転がっているボールは、たとえ手が届きそうでも手をふれてはダメ! もちろん、相手チームのコートに入って取ることも反則!
●全てのボール(6個)が片方のチームに集まっている場合、5秒以内に1個以上ボールを投げないと、一時中断となり、ボールは各チーム半々ずつに分けられてしまう……
●アウトになった選手は退場する際に、転がっているボールを味方にパスしてはいけない。その場合、相手ボールとなるので注意。
●試合中の選手は、アウトの場合以外、コートから出てはならない(怖くてもガマン!)
●相手が投げてきたボールを自分が持っているボールでブロック(はじく)することができる!
●審判の指示に必ず従い、相手の選手に失礼な行動や態度をしてはいけない。

(引用終)

映画の中で観る限り、このドッジボールは結構おもしろそうでした。
ちなみに、私は小学校の時、ドッジボールでは逃げる専門でした。
だいたい最後まで生き延びる事が多かったかな・・・
(ボールを受けるのは苦手・・・)

DVD

Blu-ray

映画「ナイトミュージアム2」(原題:Night at the Museum: Battle of the Smithsonian)~教養あるドタバタ喜劇

映画「ナイトミュージアム2」が、2012年2月3日に日本テレビ系で放映されていました。
この映画、以前DVDレンタルで観たことがありますが、
何回観ても楽しい作品です。

前作の舞台はアメリカ自然史博物館で、
この作品はスミソニアン博物館が舞台です。
博物館の展示品が動く、という仕掛けだけでも面白いものですが、
「世界征服」とか一夜限りの淡い恋とかが絡むとますます楽しいものでした。
この作品、単なるドタバタと特撮のカタマリではなく、
歴史や芸術を知っていると、いっそう楽しいものになります。
いわば、「教養あるどたばた喜劇」といったところでしょうか。

ロダンの「考える人」が動いたり、絵や写真の中に入っていったりするシーンが、
美術好きの私にとっては面白かったです。

エイミー・アダムス演じるアメリア・イアハートは、
日本ではあまりなじみがないですが、
アメリカではとても有名な人なんですね。
リンドバーグに続き、女性として初めて大西洋横断を成し遂げた偉人です。
アメリア・イアハートの伝記映画まで作られているほどです。
⇒「アメリア 永遠の翼」(ヒラリー・スワンクがアメリアを演じています。)

アメリア 永遠の翼

アメリア・イヤハート―それでも空を飛びたかった女性
(愛と勇気をあたえた人びと) [単行本]

エイミー・アダムス演じるアメリア・イアハートは、
映画「魔法にかけられて」のお姫様役に次ぐキュートな役柄ですね。

魔法にかけられて

この映画では、ダースベイダーや「セサミストリート」のオスカーが出てきたりと、
「小ネタ」が満載です。
アル・カポネ(白黒!)とナポレオンとイワン雷帝、誰が「ボス」か?とか・・・
リクツ抜きで楽しめる作品です。

ちなみにいまだに私は「ナイトミュージアム」(前作)を観ていませんが(2012年2月4日現在)、
前作を観ていなくても十分に楽しめます。

ナイトミュージアム2DVD

ナイトミュージアム2 Blu-ray

前作
ナイトミュージアム DVD

ナイトミュージアム Blu-ray

2012年2月 2日 (木)

NHKBSプレミアム「名曲探偵アマデウス」・ワーグナー「ジークフリート牧歌」

今回の「名曲探偵アマデウス」は、再放送で、
ワーグナーのジークフリート牧歌でした。
事件ファイル#35「誘拐犯からのメッセージ」
例のごとく依頼人の名前から人物像が丸見えでした。
大保 志摩須(たいほ します)=刑事・・・
誘拐犯によって妻子を誘拐されたと思いきや、
家庭を顧みない依頼人に対してのあてつけとしての狂言誘拐、というのがオチでした。

番組では準・メルクル指揮、水戸室内管弦楽団の演奏がありました。
冒頭の部分はとてもいい響きを醸し出していましたが、
終盤の強奏部とかは、やはり規模が小さいせいか迫力不足が否めませんでした。
初演時(非公開)のロマンティックなエピソードに近い、
小規模編成のものをあえて番組制作者は選んだのでしょうね。
フルオーケストラ版に聴きなれた耳には物足りなかったですけど・・・
ちなみに、初演時は15名(楽員のみ)だったそうです。
(しかしこの曲は最低16名が必要です。
じゃあ、どうやって演奏したの?⇒「ヤマハの音楽日めくり」でぜひ答えを!)

この曲は、私にとってはワーグナーの作品で最も好きな曲です。
妻へのロマンティックな贈り物、というところもステキです。
愛妻家の私にとっては特別な一曲なのです。

この曲を初めて聴いたのは、
ルキーノ・ヴィスコンティ監督の長~い映画「ルートヴィヒ」によってです。
上映時間なんと5時間!

ルートヴィヒ 復元完全版 デジタル・ニューマスター [DVD]

ワーグナーの最大のパトロンであり、
ノイシュヴァンシュタイン城などの有名なお城を建てた一方、
数々の奇行で知られ、
最後は謎の死を迎える「狂王」ルートヴィヒⅡ世の生涯を描いた作品です。
後半になればなるほど見るのがツライ映画ですが、
最も印象に残ったのが、「ジークフリート牧歌」の初演を再現したところです。
クリスマスの朝(ワーグナーの妻コジマの誕生日)に階段でこじんまりと初演して、
とてもステキな朝をプレゼントする・・・
ワーグナーの生涯は大作曲家の中で最も波乱に満ち、
その言動(反ユダヤ的発言)は後世に禍根を残しましたが、
このエピソードは実にロマンティックでステキですね!

我が家には現在、「ジークフリート牧歌」が入ったCDが3枚あります。

まずは、長年愛聴している、カラヤン指揮ウィーン・フィルのCDです。

ワーグナー・ライヴ in ザルツブルク※輸入盤

AmazonよりもHMVの方が安いです。(※2012年2月1日現在)。

カラヤン最晩年の名演です。いったい何十回聴いたことやら・・・
演奏時間は19:37です。
初めて聴くならこのCDをオススメします。

続いて、最近入手した、
ハインツ・レーグナー指揮ベルリン放送交響楽団のCD。

ジークフリート牧歌/ワーグナー名演集

従来、レーグナーによる「ジークフリート牧歌」の録音は、
ワーグナーの「交響曲」(聴いたコトありません・・・)とのカップリングだったので、
イマイチ手が伸びませんでしたが、
昨年10月に発売されたこのCDで、
マイスタージンガー前奏曲」などと一緒にカップリングされました。
そのためにわざわざ買いなおしたものです。
いかにもドイツらしい職人的な音楽作りが味わえます。
こちらの演奏時間は22:22。

最後は、グレン・グールドの指揮とピアノによる「ジークフリート牧歌」です。
グールド最後の録音は、ピアノ演奏ではなく、指揮者としての録音だった・・・
指揮者デビュー盤にして、最後の録音である、とCDに明記されています。
CDでは、初演版に近い編成でのオーケストラ版の演奏と、
グールドによるピアノ版の「ジークフリート牧歌」の両方が楽しめます。
輸入盤が入手しやすいですよ。
こちらは最も遅い24:29(ピアノ版は23:31)。
グールドが好きな人、ピアノ版で聴いてみたい、という人ならオススメです。

Siegfried-Idyll

2012年2月 1日 (水)

2012年1月のアクセス数ベスト10記事一覧※附:コメントとトラックバックの扱いとリンク集の追加について

2012年1月のアクセス数ベスト10記事は以下のとおりです:
(※トップページを除く)
ベスト3までは記事リンクをつけています。

一位.NHK・ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート2012(2012年1月1日放送)
二位.ウコンは肝臓に悪い?~NHK・ためしてガッテン「肝臓の健康を守れSP」
(2011年6月29日放送)

三位.NHK・海外ドラマ「ソフィア・ローレン 母の愛 前編」(2011年1月4日放送)
四位.年末年始のクラシック音楽番組あれこれ(2011-2012)
五位.NHKBSプレミアム・プレミアムシアター
「プロムス2011 ラスト・ナイト・コンサート」(2012年1月8日放送)

六位.大金星であり大黒星でもある番組~
NHK教育・ETV特集「ネットワークで作る放射能汚染地図
福島原発事故から2か月」(2011年5月15日放送)

七位.NHK・海外ドラマ「ソフィア・ローレン 母の愛 後編」(2011年1月5日放送)
八位.NHK・クローズアップ現代「大人がハマる“数学ブーム”の謎」(2011年7月27日放送)
九位.パチンコ依存症は生活習慣病?
~NHK・追跡!真相ファイル「パチンコにハマる女たち」(2011年12月27日放送)

十位.映画「私をスキーに連れてって」※附:妻をスキーに連れてって・・・

ベスト3位まではアクセス数1000件越えでした。
テレビネタが相変わらず圧倒的に強いですね・・・
昨年書いた記事へのアクセスが多いのは、NHK効果なのでしょうね。
(というか、Google効果?)
2012年2月もご愛読よろしくお願いします。

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ミニ音楽評
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映画「ソフィーの復讐」(原題:非常完美)

BS日テレで、2012年1月29日に、
中国・韓国合作映画「ソフィーの復讐」(原題:非常完美)を放映していました。
録画して妻と一緒に観ました。

主演はアジアを代表する映画スターの一人、チャン・ツィイー(章子怡)で、
韓国の有名俳優ソ・ジソブ、台湾のピーター・ホー(何潤東)が共演です。
部屋の内装とかはフランス映画の「アメリ」を連想させますが、
CG・アニメを駆使した独特のコミカルな映像は魅力でした。
時折妄想と現実の区別がつきにくいところも多々ありますが、
そこはご愛嬌でしょう。

映画のあらすじを映画.comから転載します。
(引用)
チャン・ツィイーが主演と製作を務めるラブコメディ。共演に「映画は映画だ」のソ・ジソブ、「新宿インシデント」のファン・ビンビンほか。漫画家のソフィーは、付き合って2年になるハンサムな外科医ジェフからプロポーズされ、有頂天な日々を送っていた。しかし、人気女優ジョアンナの手術をジェフが担当したことから2人は恋に落ち、ソフィーはジェフに振られてしまう。ソフィーは予定していた2カ月後の結婚式までに、何とかしてジェフを取り戻そうとするが……。
(引用終)

あまり余計なリクツをこねまわすよりも、
素直に「アハハ~」と笑って楽しむにふさわしい映画でしょう。
チャン・ツィイーは、最初と最後のところだけさすがにきれいな人だ、と思わせますが、
後は名(迷?)コメディエンヌぶりを発揮して、キュートだけど美人という感じではありません。
その等身大のところが、また魅力であるともいえますが・・・
(カッコワル~イ映像満載?)

韓流好きも、華流好きも、そして私のように単純な映画好きも、
ニコニコ楽しめる作品です。
(韓流好きの人には物足りないようですが・・・)
なお、私の妻は、この映画の感想として、
楽しめたけど、少しくどい(やりすぎ、長い)のでは・・・というコメントをしていました。

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