アニメ版「フランダースの犬」は教育上よくない?
北海道では、テレビ北海道(テレビ東京系)で、
世界名作劇場の「フランダースの犬」の再放送をやっています。
2012年1月13日は最終回の1話前、第51話を放送していました。
(1月16日で再放送終了です。)
実は「フランダースの犬」の再放送をきちんと観るのはこれが初めてでした。
第51話では、気になるセリフがありました。
ネロは自分で死を選んだことをうかがわせるものです。
劇場版を観た時は気になりませんでしたが、
(⇒2012年1月5日記事
「劇場版「フランダースの犬」とテレビ版「フランダースの犬」~軍配は劇場版の方!」)
アニメ版の「フランダースの犬」では、まだ「救い」があるにも関わらず、
ネロは生きるのを諦めてしまいました。
多くの人が知っていて、涙する感動の最終回は、
実のところ、緩慢な自死ということがはっきりわかって少し幻滅しました。
これじゃ、天使さんは現れてくれるはずないのでは?・・・
(フランダースの犬 メモリアルDVDボックス)
(同 完結版)
(同 劇場版)
直接のきっかけは、絵画コンクールの落選。
間接的には、身内の不幸(おじいさんの死)、世間からの誤解と貧乏。
それならば、いじめを受けたり、世間から誤解を受けたり、
受験に失敗するなら、自死は許されるのか?という思いを、
子どもに与えないでしょうか?
そういう時に死を選ぶなら、天使が迎えに来てくれるのでしょうか?
「いじめを受けたから自殺」の報道に見られるような、
「死による復讐」、「死による解放」を讃美するようなものです。
「世界名作劇場」では、激しいいじめを耐え忍ぶ「小公女セーラ」をはじめとして、
困難や貧乏に負けない姿が描かれます。
「フランダースの犬」で緩慢な死を迎えるネロの姿に涙するのは、
実は教育上よくないのではないか、という思いがしました。
(名作にかみついてゴメンナサイ・・・)
(小公女セーラ DVDメモリアルボックス)
(同 完結版)
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3chan.さん、コメントありがとうございます。
コメントに同感です。
アニメ版のネロは、まだ希望を捨ててはいけない時に、諦めてしまい、自ら死を選んだように見えますね。
「フランダースの犬ぼくのパトラッシュ」は見たことがありませんが、お気に入りなのですね。
機会があったら見てみたいです。
3chan.さんのサイト拝見しました。とってもステキですね。
当ブログではたまに世界名作劇場のネタを書きますので、また遊びにきてくださいませ。
投稿: てんしちゃん | 2012年2月 4日 (土) 23時07分
はじめまして、3chan.と申します。
初めて来たのですが、同感だと思って書き込んでしまいました。
世界名作劇場の「フランダースの犬」は雰囲気など全体としてはすごく良いアニメなのですが、ストーリー、とくに最後だけはどうも納得がいかないのです。
お金を届けたのだからコゼツ家によくしてもらってもいいはずだし、それがなくともミッシェルおじさんを頼ればいいだけのこと。
選べる選択肢はけっこう残されていた感があって、自ら死を選んだように思えてしまいます。
それを思うと、後で作られたTMS制作の「フランダースの犬ぼくのパトラッシュ」のほうがストーリー的に納得です。
投稿: 3chan. | 2012年2月 4日 (土) 22時43分