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2012年1月10日 (火)

書評:江上剛著『聖書に学ぶビジネスの極意100』(ワニブックス【PLUS】新書)

江上剛という作家を知ったのは、
週刊ダイヤモンドのオンライン版「ダイヤモンド・オンライン」の
逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―」という連載記事によってです。
2011年11月下旬から始まったこの連載、
第1回目は中国の古典『孫子』の言葉からでしたが、
第2回目は新約聖書の言葉でした。
(第3~5回はまた中国の古典から。)
「この人、クリスチャンなのかな?」と思って読み進めましたが、
クリスチャンではないとのこと。
しかし、「覆われているもので現わされないものはない」(マタイ10:26)
という新約聖書の言葉から、当時勤めていた銀行の不祥事を隠蔽するのをやめた、
という記事を読み、感銘を受けました。
ぜひ元記事をお読みください。
⇒「其の2「覆われているもので現わされないものはない」(新約聖書)
「隠蔽の天才」と言われた私を変えた

なお、2012年1月10日の連載第6回目の記事も新約聖書からです。
⇒「其の6「木が良ければその実も良い」(新約聖書)
土台の荒らされたポストを、どう引き継ぐか

人格のおおらかさ、高潔さがにじみ出てくるような文章です。

さて、江上剛さんの著作に興味を抱き、いろいろ調べてみると、
2010年10月に『聖書に学ぶビジネスの極意100』(ワニブックス【PLUS】新書)
という本を出しているのを知り、さっそく購入して読んでみました。

著者は「まえがき」で、
 私は、キリスト教徒ではないが、聖書を愛読している。それはイエスの言葉が、ビジネスで困難に遭遇したときの判断基準、揺るぎなき背骨になるからだ。
 例えば「明日のことまで思い悩むな」明日のことは、明日自らが思い悩むであろう」という言葉に触れるだけで、どんなトラブルに巻き込まれていてもぐっすり眠ることができる。「狭い門から入りなさい。滅びに通じる門は広く、その道は広い」という言葉は安易な道を選択しようとする自分をいつも諫めてくれる。
 なぜイエスの言葉がビジネスに役立つのか。それはイエスがとてつもないオルガナイザーであり、歴史上最高の経営者だからだ。なにせ彼は全世界に20億人以上の信者を持つキリスト教を創業したのだ。

(P.3~4から引用)と書いています。

クリスチャンの立場からすると、
「イエス様が『歴史上最高の創業者』だと~」と目くじら立てる人がいるかもしれません。
(逆に、「言われてみればそのとおりかも?」と思う人もいるかも・・・私もその一人です。)
しかし、あのイエス様も、
わたしたちに逆らわない者は、わたしたちの味方なのである。」(マルコ9:40新共同訳)
という寛大な御言葉をのこしています。
クリスチャンにもそうでない人にも
、ビジネスの指針となる「強い味方」となる一冊かもしれません。
ビジネスの修羅場をくぐる確かな灯が、イエス様の言葉だったとは・・・

本書はマタイ福音書の言葉をビジネスの目で読み解いた、
徹頭徹尾「実利的な」書といえます。
時折、「主」、「神」、「イエス」といった絶対的存在を、
「経営者(であるあなた)」、「上司」、「お客様」といった存在に置き換えて読んでいるのは、
信仰者の立場としては気になりますが、
どの頁をめくっても、具体的な実例と的確な指針が書かれています。
一般的な牧師先生や神父様の「ありがたい」(けれども実用的ではない)お説教とは違って、
「聖書はこのようにも読むことができるのか・・・・」と驚嘆することが多かったです。

たとえば・・・
有名な「5つのパンと2匹の魚」(マタイ14章)の奇蹟のところから、
江上剛さんは「ビジネス上の極意」として次のように書いています。

 「手元には、5つのパンと2匹の魚しかない。それでもイエスは、聴衆に満腹させるまでパンを与えたといいます。
 この奇跡はイエスの教えが、多くの聴衆の空腹を満たしたと読むこともできると思います。たとえ少しの食材でも、多くの人々と分け合うことで、空腹が満たされ、心に深い満足を得られるという意味も込められています。
 これはビジネスそのものです。
 あなたの手には少ない資本金しかありません。しかしあなたはそれを元にしてビジネスを起業します。そして多くの人々を満足させるほどの成功をおさめます。
 ビジネスは何のためにするのでしょうか?イエスは何のために少ないパンを数千人分に増やしたのでしょうか?
 それはすべての人々の満足、満腹、幸せのためです。自分のためではないのです。あくまで他の人々のためなのです。
 増やしたパンをイエスは惜しみなく人々に与えました。自分で食べたとはどこにも書いていません。ましてや自分でため込んだなどということはありません。
 あなたのビジネスも少ないパンを元手に大きく増やし、自分が食べたり、自分がため込んだりしないで、多くの人に喜びを分かち合うものとしなければならないのです。
 イエスは、パンを自分にため込むことをせず、人々に分かち与えたため、死後もその教えは生き続け、大きな宗教へと発展していったのです。
 「パンを裂いて弟子たちにお渡しになった」というこの精神は、ビジネスで成功しようと思う者、すべてが心に刻まねばなりません。

(P.176~177から引用)

イエス様がこの本を読まれたら・・・
きっと、「あなたは、神の国から遠くない」(マルコ12:34)とおっしゃるのでは?
経営者の方へプレゼントするのに最適かもしれません。

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