年末年始のクラシック音楽番組あれこれ(2011-2012)
年末年始にかけて、いろいろとクラシック音楽の番組が放映されていましたね。
その中で、いくつか心に残ったものについて書きます。
2011年12月25日放送
NHK・特選オーケストラ・ライブ N響コンサート - 第1711回定期公演 -
リアルタイムでは、旅先のホテルで途中まで観ました。
ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番、
モーツァルトの交響曲第36番「リンツ」、
R・シュトラウスの「ばらの騎士」組曲という演目。
指揮は、アンドレ・プレヴィン。
出色は、ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番でした。
ホテルで観たのは、途中(第3楽章)からでしたが、
ボリュームを絞っていても、そのすばらしさがよくわかりました。
ヴァイオリン独奏は、韓国のチェ・イェウンという女性。
初耳でしたが、ショスタコーヴィチのこの曲のロマンティズムを引き出していました。
ヒラリー・ハーンの演奏で聴いたことがありましたが、
少なくとも、それほど魅力的には思えなかった(晦渋さばかり・・・)この曲の真価を、
初めて開眼させてくれた演奏といえました。
(ハチャメチャな第4楽章だけは以前から好きでしたが・・・)
ヒラリー・ハーンのCD
(メインはショスタコーヴィチのよりも、メンデルスゾーンの方です。)
ちなみに、2011年の音楽之友社・レコード・アカデミー賞で、
リサ・バティアシュヴィリ(Vn)「時の谺(こだま)」(Echoes of Time )というアルバムが、
協奏曲部門で受賞しました。
アルバムのメインは、ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番です。
そのうち聴いてみる予定です。
時の谺(Echoes of Time )
旅行から戻って、改めてこの放送を観直しました。
チェ・イェウンさんの演奏のスゴさを再度実感しました。
(チェ・イェウンさんのCDはまだ出ていないようです。)
ショスタコーヴィチからロマンティックさを引き出せるとは・・・
プレヴィンの伴奏も実にすばらしかったです。
モーツァルトの「リンツ」は平凡でしたが、
R・シュトラウスの「ばらの騎士」組曲は名演といえましょう。
(既に、N響アワーで放映済みでした。)
N響がウィーンの響きを醸し出していたような・・・
老境のプレヴィンが指揮台に上がるまでは痛々しそうですが、
音楽が始まるともうそんなことは忘れてしまい、
夢のような時間を紡ぎだしてくれました。
プレヴィンとウィーン・フィルによる「ばらの騎士」組曲のCDがあります。
「ばらの騎士」組曲も名演ですが、
カップリングの歌劇「カプリッチョ」の「序奏」、「月の光の音楽」はさらにすばらしい!
初めて聴いたときは、「世の中にこんな美しい曲があるのか」と驚いたほどです。
晩年のR・シュトラウスの作品はものすごく美しいものが多いですね。
(「4つの最後の歌」やオーボエ協奏曲、「変容」など・・・)
2011年12月31日放送
NHKEテレ「N響“第9”演奏会」
毎年恒例のN響の第9。
今年はスタニスラフ・スクロヴァチェフスキの指揮。
リアルタイムで観たかったのですが、裏番組の紅白が優先され、
第4楽章の歌が始まるところからようやく観ることができました。
この演奏では、ソリストが舞台左袖という微妙な位置に立たされていたのが???でした。
あとで録画したものを視聴しましたが、
ソリストをその位置に立たせる効果はあったのでしょうか?
第1楽章~第3楽章は平凡、第4楽章では合唱がすばらしかったのが救いでした。
2011年12月31日~2012年1月1日放送
テレビ東京・BSジャパン「東急ジルベスターコンサート2011-2012」
いつもはNHKの「ゆく年くる年」で、
除夜の鐘を聞きながら地味~に新年を迎えますが、
今年は東急ジルベスターコンサート2011-2012で
華々しくハッピーニューイヤー!
ラヴェルの「ボレロ」でぴったり新年、と思いきや、
新年の5秒前に息切れして終ってしまったのがちょっと残念・・・
ちょっと、金聖響さ~ん!・・・・・・・
今年最初に聴いた音楽は、
バーンスタインの「ウェスト・サイド物語」の「トゥナイト」でした。
幸田浩子さんの声は大変美しかったですが、
男性の方の声は???でした。
2012年1月3日放送
テレビ朝日系「新春クラシックスペシャル2012
~ラ・プティット・バンド バッハの真髄~」4:25 ~ 5:50
1月3日早朝に、サラウンド放送でやっていたこの番組。
当然、録画による視聴です。
シギスヴァルト・クイケン率いる「ラ・プティット・バンド」による
バッハの「ブランデンブルク協奏曲」から第2番、第6番、第5番、第3番の4曲の演奏。
民放でこういう「通」な番組を放送してくれるというのはうれしい限りです。
演奏は極上でした。
一番印象的なのは、トランペットが活躍する第2番。
音の危うさがあるものの、ひなびた音色が魅力でした。
古楽ファンにとっては、
クイケンによる「肩のチェロ」といわれる「ヴィオロンチェロ・ダ・スパラ」の演奏が「拝める」など、
見どころ満載でした。
クイケンとラ・プティット・バンドによる「ブランデンブルク協奏曲」のCD
SACDハイブリッド(2011年6月発売)
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