「福島県民は誰も甲状腺がんにならない」(札幌医科大・高田純教授)だってさ・・・
MSN産経ニュースで、
『あの田母神氏、渡部氏も激賞
「真の近現代史観」放射線論文が最優秀賞
「福島県民は誰も甲状腺がんにならない』(2012年1月15日)
という記事を読みました。
(引用)
元航空幕僚長の田母神俊雄氏が第1回の最優秀賞に選ばれて騒然となった「真の近現代史観」懸賞論文。第4回の選考では札幌医科大の高田純教授(57)による論文「福島は広島にもチェルノブイリにもならなかった~東日本現地調査から見えた真実と福島復興の道筋」が最優秀賞(賞金300万円)となった。理系論文での異例の受賞で、現地調査を積み重ねた上での大胆な結論は世間に衝撃を与えそうだ。田母神氏も激賞する論文の中身とは…。(溝上健良)
(引用終)
「福島は広島にもチェルノブイリにもならなかった~
東日本現地調査から見えた真実と福島復興の道筋」
最初に結論ありきのスゴ~~イ論文ですねヽ( )`ε´( )ノ
こんな論文を最優秀賞に選んだ、某AP●グループというのは、
アッパッ●ーなのか、ア●なのか・・・
無策な政府の自己弁護に使われそうな内容ですね。
受賞論文から一部引用します。※下線は筆者による。
(引用)
武田邦彦氏は、被災住民の年間限度を二十ミリシーベルトに政府が上げたことを問題視している。そして、「小児がんは、チェルノブイリの事故では、被曝の四年目から出ています」と言う※8。これは明記されていないが、甲状腺がんを指している。あたかも、その程度の低線量で発生しているような誤解を読者に与えているのは大問題だ。
現地での甲状腺線量は、最大五十シーベルト、多くが数シーベルトを受けたために、こうした病気が発生したのである。ベラルーシでは、小児人口十万人年間あたり、四年後に四人、九年後に十三人と最大になり、その後減少に転じた。
福島の場合、県民の甲状腺線量は、チェルノブイリに比べ、一千分の一から一万分の一以下と低い。私が検査した六十六人の最大が八ミリシーベルト。線量から判断すると、福島県民の甲状腺がんリスクは年間一千万人あたり一人以下となる。しかし福島県の人口は二百万人なので、だれも、この低線量で甲状腺がんにならない。素人知識で福島県民や国民を脅すのもいい加減にせよ。
全身の外部被曝では、チェルノブイリ三十km圏内からの避難者の最大線量は、七日間で七百五十ミリシーベルトの高線量を受けていた※9。それに対して、福島二十km圏内からの緊急避難者たちの線量は、当時の屋外空間線量率の推移から想像して、ミリシーベルト程度とチェルノブイリの百分の一以下だ。だから、チェルノブイリの健康被害を持って、福島県民やそれ以外の日本国民の健康影響を脅すことは犯罪に近い。
(引用終)
高田純氏の言葉を返して言えば、
「犯罪に近い」のはどちらでしょうか・・・
ガンは甲状腺ガンだけではないのです。
確かに、放射線の人体への悪影響は、
統計学的に「リスクが高まる」ということだけで、
正確なことはよくわかっていないようですけども・・・
論文を読む限り、高田氏の主張の多くは論点のすり替えのように思えます。
チェルノブイリやフクシマよりも、中国の核実験による汚染の方がひどかった。
福島県は安全だ・・・
低線量被曝は問題にならない・・・
氏の主張が本当かどうか、数年後にはあきらかになるはずです。
(確かに、「被害なし」になればバンザイなのでしょうが・・・)
学問の自由は憲法で保障されていますから、こういう主張をするのは結構です。
また、気休めを求める人が多いのも事実です。
しかし、福島県民で人体実験をするのはこれ以上やめてほしい!
そう思わずにはいられません。
高田純氏の著作を少し紹介します。
福島に関するものについては、私は読むに価しないと思いますが、
お金と心に余裕がある方はどうぞ。
福島 嘘と真実―東日本放射線衛生調査からの報告 (高田純の放射線防護学入門シリーズ)
福島第一原発事故に学ぶ―放射線防護の基礎知識
世界の放射線被曝地調査 (ブルーバックス)
放射能汚染の問題は、極論を避け(まったく被害がない⇔極めて微量でも危険)、
幅広い意見を検討した上で、自分なりの妥当な安全策を考える必要がありますね。
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