ニュースを哲学で読む~遅まきながら、サンデル教授の『これからの「正義」の話をしよう 』を読んで
先日、紀伊国屋書店に立ち寄り、文庫コーナーをうろついていると、
あの大ベストセラー、
マイケル・サンデル教授の『これからの「正義」の話をしよう 』が
文庫化されて積まれていました。
実は、昨年(2010年)話題になった際に、
何度も書店で立ち読みはしており、興味を持っていたのですが、
哲学書で2000円以上しますので、買うのを躊躇していました。
今回、文庫化されたおかげで、1000円以下で手に入り、
しかも次の出版予定の本の予告編のような章までついていました。
買ってすぐに、旅行中の特急の中で、
500頁近い本を読みきることができました。
とてもわかりやすい訳で読みやすかったです。
難解で近寄りがたい「哲学」が、一気に日常レベルになったような感じです。
この本については、既にいろいろな方がコメントしていると思いますので、
あえて全体的な印象を述べるにとどめようと思います。
猟奇殺人とか、珍しい事件・事故といった三文記事的なものから、
サンデル教授は見事にカントやアリストテレス、ベンサムなどの哲学を語ります。
ニュースを、哲学というメガネで観る、とでもいいましょうか。
実にその語り口が面白く、小説を読むかのように、
この分厚い本はページをめくりたくなります。
大事なのは、カントやアリストテレスがどう考えたかとかよりも、
カントやアリストテレスの哲学を「道具」として用いて、
「今」を読み解くことだと実感しました。
文庫化を機会に、ぜひ一読をおすすめします。
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