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2011年12月 3日 (土)

映画「プロヴァンス物語 マルセルの夏/マルセルのお城」(La gloire de mon pere/Le chateau de ma mere)

NHKBSプレミアムで、2011年11月21日に、
フランス映画「プロヴァンス物語 マルセルの夏」(原題:La gloire de mon pere)が、
翌日(11月22日)に、
続編の「プロヴァンス物語 マルセルのお城」(原題:Le chateau de ma mere)が
放映されていました。
(原題:La gloire de mon pere⇒「父のお手柄」、
Le chateau de ma mere⇒「母のお屋敷(城)」)

妻は放送時に観ましたが、私は録画したものを妻と一緒に観ました。
フランスの作家、マルセル・パニョルの少年時代の回想録
少年時代の思い出」を映画化したものです。
少年時代の幸福感と、人生の複雑さを少しずつ垣間見ていくほろ苦さ・・・
譬えていうなら、
甘いケーキを味わってから苦いフレンチコーヒーを飲むような感じでしょうか。
妻は本放送を観て私に「この映画すばらしわよ!」と勧めてくれました。
期待にたがわない傑作でした。
駆け足で観るよりも、じっくりと味わってほしい作品です。

作品の内容については、以下のブログ記事が詳しく書いているので割愛します。
ぜひお読みください。
プロヴァンス物語 マルセルのお城 マルセルの夏 Marcel Pagnol (1990)
Audio-Visual Trivia

マルセルの夏」では、避暑地の別荘での楽しい思い出と、
父親の姿を描いたおり、
続編の「マルセルのお城」では、淡い初恋(?)と、
週末ごとに夏の別荘に行くようになった経緯のちょっぴりの冒険が描かれています。

事件らしいことは特に起きないのですが、
何気ない光景が、輝きを放っています。
たぶん、観た人一人ひとりが、主人公マルセルを通して、
自分の幸福な幼年時代を思い出すのではないでしょうか?

2つの映画どちらがいいかと問われれば、
第1作の「マルセルの夏」をとります。
しかし、続編の「マルセルのお城」とセットにして、
意味がより深くなるものです。

マルセルのお城」の最後は、苦い味わいです。
このラストがあるからこそ、
短くも充実した、幸福な幼年時代がいっそう輝いて見えるのでしょう。
「マルセルのお城」での淡い初恋は、
『星の王子さま』のバラと王子さまのやり取りを想起しました。

映画ではお父さん役のフィリップ・コーベールの演技が光ります。
「サザエさん」の波平さんをもう少し若くして、
怒りの要素を取り除いたような感じでしょうか。
時にコミカルだったり、自信に満ちていると思えば、意外と小心者だったり・・・
愛すべき父親像ですね。

残念ながら、この作品、DVDは新品で手に入らないようです(2011年11月末現在)。
私にとっては今までに観たフランス映画のベスト5に入れていい作品となりました。

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