ICRP勧告は、実は根拠がない!~NHK・追跡!真相ファイル「低線量被ばく 揺らぐ国際基準」(2011年12月28日放送)
日本政府がハッタリで主張している「生涯100ミリシーベルト」の基準。
その根拠とされるのが、ICRP(国際放射線防護委員会)の勧告です。
しかし、2011年12月28日放送の
NHK・追跡!真相ファイル「低線量被ばく 揺らぐ国際基準」では、
基準には実は科学的根拠がなく、
政策的なもので、原発・核産業にとってコスト削減となる一方、
原発労働者の被曝リスクをあげていたことを明らかにしていました。
放送内容をNHK番組表から転載します。
(引用)
人々が直面する低線量被ばくの脅威。安全の根拠とされてきた国際基準が、実際のリスクより過小評価されていた事実が浮かび上がってきた。揺らぐ安全基準の現場を追跡する。
いま全国の人々が直面している低線量被ばくの脅威。“生涯100ミリシーベルト以下はほとんど影響がない”とする国が、安全の根拠とするのが、ICRP=国際放射線防護委員会が定める「国際基準」だ。広島・長崎の被爆者の調査データを基に作られた基準だが、これまで、がんになるリスクが、実際の半分に過小評価されていた事実が浮かび上がってきた。知られざる低線量被ばくの実態と、揺らぐ国際基準の現場を追跡する。
(引用終)
※詳しい放送内容は番組HPでどうぞ。下に引用しました。
(引用)
“生涯100ミリシーベルトとされる被ばくの基準で、本当に健康への影響はないのか?”
福島をはじめ、全国の人々が現実に直面している放射能の脅威。
国は「直ちに体への影響はない」と繰り返すばかりだ。
その拠り所としているのが、ICRP(=国際放射線防護委員会)の勧告。
広島・長崎の被爆者の調査データをベースに作られ、事実上の国際的な安全基準となっている。
しかし関係者に取材を進めると、1980年代後半、ICRPが「政治的な判断」で、被ばくでガンになるリスクを実際の半分に減らしていた事実が浮かびあがってきた。
当時ICRPには、原子力産業やそれを監督する各国の政府機関から、強い反発が寄せられていたのだ。
そしていま、世界各地で低線量被ばくの脅威を物語る、新たな報告や研究が相次いでいる。
アメリカでは原発から流れ出た微量の放射性トリチウムが地下水を汚染し、周辺地域でガンが急増。
25年前のチェルノブイリ原発事故で、大量の放射性セシウムが降り注いだスウェーデンでは、ICRP基準を大きく上回るガンのリスクが報告されている。
いま、誰もが不安に感じている「低線量被ばく」による健康被害。
国際基準をつくるICRPの知られざる実態を追跡する。
(引用終)
番組は途中から観たので、前半部にはちょっとコメントできません。
海外の原発周辺の「低線量被曝」による健康被害の実態を紹介していたようです。
後半の、ICRP関係者へのインタビューは、
日本政府のハッタリを覆すに十分な証言ではないでしょうか。
番組最後に、元原発労働者の女性達の健康被害の訴えと、
原発周辺で暮らしていて、脳腫瘍になった18歳の少女の訴えが胸を打ちました。
元原発労働者の方々はともかく、18歳の少女の方は、
まるで5、6年後のフクシマの未来を予告しているのでは、とさえ思いました。
番組では、当たり障りのないように、主に海外での事例を紹介するに留めていましたが、
福島県とその周辺にとっては、決して、よそごとではないわけなのです。
旅先で、青森の地元新聞である「東奥日報」朝刊を読みました。
12月28日のコラム「天地人」(朝日新聞で言えば「天声人語」に相当)の一部を引用します。
(引用)
政府の対応も問題だらけだ。保安院は「炉心溶融の可能性」と記者発表をした。が、官邸の圧力ですぐ「不明」という表現に変えた。東電は原子炉建屋爆発後の写真を公表した。これにも官邸は「了解を得るように」とクレームをつけた。戦時中の「大本営発表」を思い出す。いわゆる情報操作である。
その弊害は大きい。「混乱しないように」と、国は放射能の流れを予測するデータさえ公表しなかった。福島県も国に歩調を合わせた。だから、知らずに放射線量の高い所へ避難した人も多かった。
「あんな線量の高い所で食事をし、子どもを遊ばせたと思えば、ゾッとする」と怒る親たち。「これは殺人罪じゃないか」。後で知り、福島県幹部に声を荒げる町長もいた。県民の生命と財産を守るのが県の使命。福島県は当然、データを公表すべきだった。国や東電と一緒に罵倒されても仕方がない。
(引用終)
来年4月から、基準を厳しくするという日本政府の怠慢・・・
遅すぎますよ!
「殺人罪ではないか!」という、福島県民の怒りの声に耳を傾けるべきです。
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