「冷温停止状態」という欺瞞に騙されるな!~おすすめWEB記事「堕国論 Ⅱ」(週刊・上杉隆)【第204回】 2011年12月15日(ダイヤモンド・オンライン)他
「野田首相:「原子炉は冷温停止状態」 事故収束を宣言」(毎日新聞2011年12月16日)
という報道がありましたね。
「冷温停止状態」という言葉は、
大変誤解を招きやすい言葉ではないでしょうか?
言葉の厳密な定義を考えない、世間一般の人からすると、
「冷温停止状態」だから、もう福島原発は大丈夫・・・
と考えてしまわないでしょうか?
しかし、実際には?
上杉隆氏の記事「堕国論Ⅱ」(ダイヤモンド・オンライン)を紹介します。
先週、氏の「堕国論」をこのブログで紹介しました。
⇒続・セシウム汚染粉ミルク問題~
おすすめWEB記事「堕国論」(週刊・上杉隆)
【第202回】 2011年12月8日(ダイヤモンド・オンライン)
今回の記事も原発事故と政府の姿勢へ鋭いメスを入れています。
まずは、警戒区域の早期解除から。
(引用)
野田首相と官報複合体は国民で人体実験を行おうとしているのではないか。そこまで警戒区域の解除を早める理由はなにか。
それは、3.11の原発事故発災以降も、原子力国家のパワーエリートたちの利害が一致し、国民の健康や国家の国際的信頼を犠牲にしてでも、自らの立場を守るために公的な情報を加工・修正しているというつまらぬ面子の問題にすぎないのだ。
驚くべき国家の出現である。自国民を進んで犠牲にする国が、民主国家を標榜し、先進国の一員であると大きな顔をしているのは悪い冗談以外の何ものでもない。
(中略)
5年前(2006年5月)、東京電力福島第一原発の危険性をいち早く指摘した佐藤栄佐久福島県知事(当時)は、出席した欧州地方自治体会議で、直前に採択されたロシア・スラヴィティチ声明を知った。
筆者がキャスターを務める『ニュースの深層』(朝日ニュースター)に生出演した際、その声明に触れ、福島原発事故後の酷い情報隠蔽を嘆いた。
「スラヴィティチ声明の第4条はこう謳っているのです。原子力の管理、および事故の対応においては、『広範で継続的な情報アクセスが確立されなければならない。国際機関、各国政府、原子力事業者、発電所長は、偽りのない詳細な情報を隣接地域とその周辺、国際社会に対して提供する義務を有する。この義務は平時においても緊急時においても変わることはない』と。政府は当初、緊急時なので情報は出せない、出すとパニックになるといっていました。明確な義務違反です」
佐藤氏の指摘するように、パニックを防ぐという根拠のない理由によって、官僚、メディアなどの日本のパワーエリートたちが、こぞって情報隠蔽を続けていたのは紛れもない事実だ。
それは辞任直後に、菅直人前首相が自ら認めていることである。だが、換言すれば、そうした情報隠蔽は犯罪行為を自ら認めたに等しい。
少なくとも、スラヴィティチ声明に書かれた緊急時の情報提供義務に違反している。
(中略)
政治は結果責任である。報道も結果責任である。だが、日本のパワーエリートたちは誰一人責任を取ろうとしない。むしろ、汲々として自らの身を守ることだけを考え、結果として正しいことを発信し続けてきた多くの人々を社会的に抹殺してきたのだ。それが、日本の社会が行ったこの9ヵ月間の現実である。
政府や官報複合体が、起こりもしないパニックを理由に、原発事故の真実を知らせず、多くの国民を被曝させたという事実は決して拭えない。それらはいま次々と明らかになっている。
だが、少し手遅れだったようだ。国内の一億人以上の国民は洗脳して騙すことができても、それは世界では通用しない。
原発事故を直視できない日本という国家への疑念は、確信的な不信に変わってしまった。
(引用終)
多くの人が騙されている(洗脳されている?)「冷温停止状態」。
そして、「警戒区域解除」・・・
それはまるで、子ども同士での「暴力」を、「いじめ」と言ったり、
相撲部屋の親方による「虐待」を「かわいがり」と言ったりするような、
事実を直視せず、矮小化しようとする悪い日本精神の顕れでしょうか?
東京新聞の12月6日記事に、
「ヘンテコな原子力用語」への疑問が書かれています。
「原発用語言い換え危険な印象消す?」(東京新聞12月6日)
(引用)
福島第一原発事故をめぐる政府や東京電力の記者会見では、しばしば珍妙な用語が飛び出す。「事故」と言えばいいのに「事象」が使われる。「老朽化」は「高経年化」、「汚染水」は「滞留水」に。「危険性を隠したがる原子力界の潜在意識の表れだ」と指摘する原子力の専門家もいる。ヘンテコな原子力用語を検証した。 (谷悠己)
まず、政府がしきりに使いたがる「冷温停止状態」。
「冷温停止」の本来の意味は、定期検査などで原発の運転を止め、密閉された原子炉の中で冷却水が沸騰していない安全な状態のことだ。
政府などは「状態」を加えた「冷温停止状態」という言葉をよく用いる。事故収束に向かっていることをアピールするためのようで、細野豪志原発事故担当相は「慎重な表現を使っている」と強調する。しかし、原子炉の密閉性が失われて高濃度汚染水が大量に建屋内に残っている現状は、「冷温停止」の状態とかけ離れている。
原子力界では、言い換えや造語で、危ない印象を消し去ろうとの動きが続いてきた。
(中略)
学生に原子力の基礎知識を教える大阪大大学院の下田正教授(原子核物理学)は「都合の悪い単語を言い換えたり、記者会見を難しい用語で乗りきろうとするのは原子力界の常とう手段。福島の事故後にも使い続ける方も問題だが、メディアや市民も分かりやすい言葉を使わせるよう声を上げるべきだ」と話している。
(引用終)
安易な誤解を与えないことと、事実を直視するために、
「冷温停止状態」とかの「ヘンテコな原子力用語」を「使用停止」にすべきなのに、
マスコミは相変わらず政府と東電の情報を垂れ流すだけ・・・
今回紹介した上杉隆氏の記事の言葉を借りれば・・・
(引用)「日本は、一度、滅びないと生まれ変われないのかもしれない。」(引用終)
こちらの記事もオススメです。福島県民の方が書いた記事です。
・避難させるべきなのに汚染地域に戻そうとする民主党政権の人権侵害
(ブログ名:草莽隊日記)
人権侵害、人体実験・・・
原子力政策に関しては、旧ソ連以下で、文明国というよりは野蛮国なのでしょう?
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