J・S・バッハ:ヴァイオリン協奏曲集の聴き比べ~ヒラリー・ハーンと諏訪内晶子
アメリカの若手ヴァイオリニスト、
ヒラリー・ハーンのデビューアルバム「Plays Bach」(輸入盤)で、
すっかり彼女の演奏にトリコになった私・・・
ついつい、他の演奏もすぐに聴きたくなり、
CDを大人買い(というほどでもないですが・・・)。
(11月3日の記事に書いています。)
「Plays Bach」(輸入盤)
バッハの無伴奏パルティータとソナタ、
バーバーのヴァイオリン協奏曲のアルバムに続き、
ドイツ・グラモフォンに移籍してからのアルバムである、
「バッハ:ヴァイオリン協奏曲集」と、「エルガー:ヴァイオリン協奏曲」という
2枚のCDを購入しました。
バッハ:ヴァイオリン協奏曲集(ヒラリー・ハーン)
エルガー:ヴァイオリン協奏曲
エルガーのヴァイオリン協奏曲のCDについては、
今回軽く触れるにとどめておきます。
チェロ協奏曲に比べるとかなり知名度が落ちる、
エルガーのヴァイオリン協奏曲・・・
ヒラリー・ハーンの演奏は極上の名演といえます。
ただし、曲自体、私は第2楽章の甘美さだけで十分かな・・・
(非常に美しい曲です。ブルックナーの交響曲のアダージョのような崇高さ・・・)
今回は、バッハのヴァイオリン協奏曲集のアルバムについて取り上げます。
実は、我が家には既に、諏訪内晶子さん(以下敬称略)のヴァイオリン・指揮による、
バッハのヴァイオリン協奏曲集のCDがあります。
バッハ:ヴァイオリン協奏曲集(諏訪内晶子)
ヒラリー・ハーンと諏訪内晶子のCDの収録曲はまったく同じです。
ヴァイオリン協奏曲第1番・第2番、2つのヴァイオリンのための協奏曲、
ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲、の4曲です。
演奏時間トータルでは、
ヒラリー・ハーンの演奏は57分42秒、諏訪内晶子盤では65分26秒です。
概してヒラリー・ハーンの演奏は勢いとスピード感があり、
諏訪内晶子の演奏は、優雅さと気品があります。
共に、聴いていて飽きない演奏といえます。
(以前、バッハのヴァイオリン曲集の名盤とされる、
ヘンリク・シェリングのCDも持っていましたが、
模範的すぎて、あまり楽しめませんでした・・・)
バッハ:ヴァイオリン協奏曲集(ヘンリク・シェリング)
改めて諏訪内晶子盤も聴き直してみました。
今の私にとっては、ヒラリー・ハーン盤よりも、
まだ諏訪内晶子盤の方がすばらしく思えます。
ヨーロッパ的な香りがする、とでもいいましょうか・・・
ヒラリー・ハーンの方は、アメリカ的・スポーツ的な演奏といえます。
重苦しいバッハ、という固定観念は見事にぬぐっています。
手元にあるCDで、
「2つのヴァイオリンのための協奏曲」の演奏時間を比較してみましょう。
左が諏訪内晶子の演奏、
右がヒラリー・ハーンの演奏です。
第一楽章 3:49⇔3:15
第二楽章 6:37⇔6:50
第三楽章 7:19⇔4:13
第三楽章では、3分近くの差があります。
では、ヒラリー・ハーンのテンポは速すぎか、というと、
聴いている分には、それほど違和感を感じません。
諏訪内晶子の優雅な演奏か、
ヒラリー・ハーンの結晶化した演奏か・・・
あとは、好みの問題ですね。
両方持っていても損はないと思います。
(ヒラリー・ハーンのDGでのCDの録音は、
SONYでの録音より劣るのでは、と思いました。)
※ジャケット買いなら、諏訪内晶子盤!
なお、古楽器での演奏によるバッハが好き、という方には、
シギスヴァルト・クイケンの演奏がおすすめです。
(かつて所有していたこともあります。重たいシェリング盤よりオススメですよ。)
ただし、「ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲」は収録されていません。
バッハ:ヴァイオリン協奏曲集(シギスヴァルト・クイケン)
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