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2011年11月 4日 (金)

映画「シザーハンズ」と障がい者

2011年10月5日に、NHKBSプレミアムで、
ジョニー・デップ主演の映画「シザーハンズ」が放映されていました。
録画しておいたものをようやく観終わりました。
(録画しておくと、「いつでも観ることができるからアトで・・・」とつい思いがちになります。)
有名な映画なので、既に多くの人が感想やレビューを書いていますね。

造り主である博士の急死で、手がハサミのままになってしまった人造人間エドワード。
一人でお城に暮らしていたところ、お人よしの既婚女性に見つけられ、彼女の家庭へ。
最初は誰もが奇異の目で見ますが、
植木やペットのトリミング、はては女性の髪のカットまで、
芸術的な才能を発揮していきます。
(植木が実にユニーク!)
テレビにも取り上げられるほどの有名人になります。
エドワードは居候している家庭の娘、キムに恋します。
(その後はあえて筋は書きませんが・・・)
途中までは、ユーモア映画かな、と思えるぐらい楽しい展開です。
しかし、最後の方は、現実世界の反映ともいうべき、
少し物悲しい展開になってしまいます。

実に秀逸な、現代のおとぎ話であると同時に、
エドワードのハサミの手は、何かのメタファーなのでは?とつい考えたくなります。
ハサミは、肉体的な障がいや、知的障がいのメタファーなのでは?
そのように考えると、いっそう物語が切なく思えます。
ラストシーンのところは、涙がこぼれそうになりました・・・

映画「シザーハンズ」と障がい、というテーマで、
既に誰かが記事を書いていないか、と調べたら、
やっぱりありました・・・
あえて付け加えて書くことがないぐらい見事な内容です。
ぜひご一読を!
『シザーハンズ』(ネタバレ注意!)(ブログ名「映画兎」)

上記のブログ記事から引用します。
(引用)
エドワードを見る目線はそれぞれにある、という事です。お母さんにしてみれば、可哀想な捨て犬のような感じですし、お父さんにしてみれば一風変わったただの若者です。色情狂の中年女には刺激的な若い男で、身体が不自由な退役軍人のおじいさんにとってみれば、同じ身体障害者……この全てが間違っている訳ではありません。むしろどれも正しい。けれど、どれもエドワードの望む自分自身の姿では無いわけです。それが、お金の使い方をエドワードが考えるシーンに顕著に表れています。エドワードは「拾ったお金をどうする?」と質問されます。もちろん答えは「警察に届ける」な訳ですが、エドワードは「愛する人にプレゼントを買います」と答えます。こういった彼の美しくひたむきな言動一つ一つが、キムの心に染みていくのです。キムだけが、エドワードのあるべき姿を見抜きます。
(引用終)

観る人によってさまざまなエドワード像が形成される・・・
傑作という名にふさわしい作品です。
既に観た方も、「障がい者と社会」という視点で観てみると、
また違った相が見えてくるかもしれません。

(DVD版)


(Blu-ray版)

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