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2011年11月の23件の記事

2011年11月29日 (火)

PMFチェンバー・オーケストラ 地下鉄開業40周年記念コンサート(2011年11月29日 Kitara大ホール)

先月(2011年10月)、地下鉄に乗っていると、
PMFチェンバー・オーケストラ 地下鉄開業40周年記念コンサート
の広告が出ていました。
SAPICA(札幌市営地下鉄で使えるICカード。Suicaみたいなもの。)を持っている人なら、
誰でも応募でき、1000組合計2千名を招待ということだったので、応募してみました。
見事に当選しました。(競争率低そうかも・・・)
最近、札幌コンサートホールKitaraにはご無沙汰しているので、
妻と私にとってうれしいひと時となりました。

コンサートのプログラムは以下のとおりです。

(前半)
モーツァルト:セレナーデ第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」第1楽章
J・S・バッハ:管弦楽組曲第3番第2楽章「アリア」
J・シュトラウスⅡ世:ピチカート・ポルカ
チャイコフスキー:弦楽セレナード第1楽章
(後半)
ベートーヴェン:交響曲第7番(全曲)
(アンコール)なし
指揮:川瀬 賢太郎

19:00開演で、20:30終演でした。
全席自由で、私たち夫婦は指揮者がよく見える、
パイプオルガンの近く(オーケストラの後ろ)の席に座りました。
会場は9割ぐらいの入りでした。

あまり期待していなかったのですが、
前半のプログラムはなかなかでした。
第1曲目の「アイネ・クライネ・・・」第1楽章が、
コンサート全体で最もすばらしい演奏だったと思います。
バッハはまあまあ。
「ピチカート・ポルカ」は美しかったです。
(弦セクションだけなら結構美しかったです。)
チャイコフスキーはまあまあぐらいでした。
後半のベートーヴェンの交響曲第7番は、
弦の薄さが気になり、バランスの悪い演奏かな、とも思いました。
若い指揮者に若いオーケストラだったので、「のだめ」のR☆Sオケを想起しました。
まあ、無料で聴けたのですから、文句は言えませんね・・・
欲を言えば、弦楽合奏だけのプログラムにした方が無難だったのでは?


コンサート来場記念に、「札幌市営地下鉄開業40周年カレンダー」をもらいました。
これが一番うれしかったかも?

20111129_tikatetsu_2

コンサートの曲目で、我が家にあるCDを紹介します。

モーツァルト:セレナーデ第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
チャイコフスキー:弦楽セレナード

小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラ

愉悦感には乏しいですが、美しい演奏です。


J・S・バッハ:管弦楽組曲第3番(管弦楽組曲全曲)

バウムガルトナー指揮ルツェルン弦楽合奏団

重苦しくない、さわやかな名演です。


「アリア」に精神性を求めるなら、
カール・リヒター指揮ミュンヘン・バッハ管弦楽団のがオススメです。
重たい演奏ですが・・・

J・シュトラウスⅡ世:ピチカート・ポルカ

ロベルト・シュトルツ指揮ウィーン交響楽団他
美しく青きドナウ~ウィンナ・ワルツ名曲集(2枚組)

2枚組で安いから買った・・・というだけです。
妻はよく聴いていました。

ベートーヴェン:交響曲第7番

カルロス・クライバー指揮バイエルン国立管弦楽団

まさに爆演!!!

2011年11月25日 (金)

聖書と酒~聖職者の不祥事からの考察

北海道で、聖職者の不祥事が起こってしまいました。
「接客悪い」 神父が飲食店経営者に頭突き、逮捕
(MSN産経ニュース2011年11月25日)
朝5時まで飲酒したあげくの、まだ前途ある若い神父の大失態ですね・・・
今回はこの事件から、聖書と酒の関係を御言葉から考察します。

プロテスタント、特に福音派や聖霊派では、
禁酒禁煙が徹底されているところが多いですが、
カトリックなど伝統的な教派では、禁酒禁煙の教えはありません。
(煙草は聖書に出てこないですね。)

新共同訳聖書で、「酒」というキーワードで調べてみると、
結構たくさんありました。
(実際に調べてみたい方はコチラ
聖書のほぼ全巻のどこかに、
「酒」という言葉が含まれているといっても過言ではありません。

聖書では、飲酒について、節度を守るならばよいものだ、
ととらえていると私は思います。
たとえば・・・
(今回の聖書引用はすべて新共同訳からです。)
ぶどう酒は人の心を喜ばせ、油は顔を輝かせ
パンは人の心を支える。
」(旧約聖書詩編104:15)
食事をするのは笑うため。酒は人生を楽しむため。銀はすべてにこたえてくれる。
(旧約聖書コヘレトの言葉10:19)
聖餐式・ミサで「キリストの(御)血」とされるのは、
ぶどう酒ですね。
(プロテスタントで「ぶどうジュース」を使う教派は、神学的に間違いだと思います。
アル中患者に配慮してというなら別ですが・・・)
ぶどう酒は天地万物の創造者である主への献げ物の一つでした。
あなたの豊かな収穫とぶどう酒の奉献を遅らせてはならない。
(旧約聖書出エジプト記22:28)
そういえば、キリストの最初の奇跡は、水をぶどう酒に変えた奇跡でしたね。
(ヨハネ福音書2章)

一方、酒の飲みすぎにはたびたび警告がなされています。
「ノアの箱舟」のノアは、泥酔して裸をさらすという大失態を犯しました。(創世記9章)
旧約聖書の代表的な「泥酔を避けよ」という警告箇所としては・・・
大酒を飲むな、身を持ち崩すな。」(箴言23:20)などがあります。
箴言23章は、宴会や飲酒についての考察があります。

旧約聖書続編(プロテスタントでは外典)にも記述があります。
自分が嫌なことは、ほかのだれにもしてはならない。
ぶどう酒を酔うまで飲んではならない。
また、酔うことが習慣となってはならない。
」(トビト記4:15)
「続編」に含まれるユディト記では、
泥酔のあげく首を討ち取られる哀れな将軍の話があります。
(下のカラヴァッジョの絵を参照・・・)
「シラ書(集会の書)」31章には、
酒を飲んで男っぷりを見せようとするな。酒で身を滅ぼした者は多い。」(25節)
過度の飲酒は気分を損ない、いらだちや、間違いのもととなる。」(29節)
という言葉さえあります。
何千年もの時を経ても真理ですね。


カラヴァッジョ(カラヴァッジオ)作『ホロフェルネスの首を斬るユディト
(かなり気持ちが悪い絵ですね・・・)
20111125_caravaggio_oloferne_2
(実際に首を切られることはないにせよ、
泥酔で大トラになって、「クビ」ということだってありえるわけです・・・)

新約聖書では、過度の飲酒を明確に禁じています。
たとえば・・・
夜は更け、日は近づいた。だから、闇の行いを脱ぎ捨てて光の武具を身に着けましょう。日中を歩むように、品位をもって歩もうではありませんか。酒宴と酩酊、淫乱と好色、争いとねたみを捨て、主イエス・キリストを身にまといなさい。欲望を満足させようとして、肉に心を用いてはなりません。
(ローマの信徒への手紙13:13~14)
酒に酔いしれてはなりません。それは身を持ち崩すもとです。
(エフェソの信徒への手紙5:18)
「(監督は)酒におぼれず、乱暴でなく、寛容で、争いを好まず、金銭に執着せず、
(テモテへの手紙Ⅰ3:3)
監督は神から任命された管理者であるので、非難される点があってはならないのです。わがままでなく、すぐに怒らず、酒におぼれず、乱暴でなく、恥ずべき利益をむさぼらず、
(テトスへの手紙1:7)

ところで、英語で「聖霊」を表す言葉は「(Holy)Spirit」で、
ウイスキー・ブランデーなどの強い酒を表す言葉は「spirits」ですね。
人を酔わせるもの、という意味では似ていますが、結果は違いますね。
前者は人を聖なるものとならせてくださいますが、
後者は、飲めば飲むほど、破廉恥な行いを招きます。
新約聖書には、聖霊と酒を対比している箇所があります。
酒に酔いしれてはなりません。それは身を持ち崩すもとです。
むしろ、霊に満たされ、詩編と賛歌と霊的な歌によって語り合い、
主に向かって心からほめ歌いなさい。

(エフェソの信徒への手紙5:18~19)

どの本で読んだか忘れましたが、
カトリックの神父が書いた本の中に、
飲酒について、
「飲酒しても『天使祝詞』(現:「アヴェ・マリアの祈り」)が唱えられる程度まで」
というような記述があったと記憶しています。
飲酒に寛容なカトリックでさえ、過度の飲酒は戒めているのです。
今回の事件は残念ですね・・・

私自身は、あまり酒に強くないので、
宴会に出た時に少し飲む程度で、
家では記念日とか特別な日以外はまず飲みません。
酒を飲みたい、という欲求自体が薄いのでしょうね。

酒そのものは、性のよろこびと同様、
神様からのすばらしい贈り物の一つです。
しかし、泥酔するまで飲むのは、神様のお望みではありませんね・・・
酒「spirits」に満たされるのではなく、
聖霊「(Holy)Spirit」に満たされることこそ、
神様が私たちに望んでおられることです。

2011年11月24日 (木)

洗礼を受けても一生求道者!~キリストの平和教会・岩本遠億牧師のメルマガ「元気の出る聖書の言葉:求道者‏」を読んで

キリストの平和教会岩本遠億(いわもと・えのく)牧師のメルマガ
元気の出る聖書の言葉」を以前から購読しています。
2011年11月24日は「求道者‏」というテーマでした。
とても共感しました。

メルマガ本文を引用します。
下線部は特にすばらしいと思ったところです。
(引用)
元気の出る聖書の言葉2011年11月24日


もし私たちが、キリストにつぎ合わされて、キリストの死と同じようになっているのなら、必ずキリストの復活とも同じようになるからです。ローマ6:5

+++

キリスト教会の中で使われる言葉に「求道者」というのがあります。教会に通うようになった人が、洗礼を受けるまでの間、このように呼ばれるのです。

しかし、このような意味でこの言葉を使うことは、私は間違っていると思います。

イエス様を信じ、洗礼を受けていても、私たちは生涯キリストの道を求める者です。いつまでも真理を求める求道者でなければなりません。

それは、自分の中に働く罪を憎み、イエス様の十字架の血によって日々清められて行くことを求める生活です。高慢な自分を悔い、謙遜であることを求め続ける生活です。

パウロは、これを「キリストの死と同じになる」と表現しました。自分の心の中に罪が働かなくなるほど、イエス様と一体となることを求めたのです。それでこそ、キリストの復活と同じになるのだと。

私にとってイエス様の死と同じになるとは、どのようなことでしょう。イエス様と一体となるとはどのようなことでしょう。あなたにとって、それはどのようなことでしょう。

それを求め続ける求道者でありたいと思います。私たちは、イエス様の復活とも同じになるのです。

主イエス様。私は、いつしか自分が求道者であることを忘れてしまっていました。あなたと一体となりたいという純真な思いをどこかに置き忘れて来てしまったのです。

主よ、もう一度求める心を燃え立たせてください。あなたと一体となり、あなたの死と一つとなることがどのようなことなのか、それを体得することができますように。

自分の心の中に働く罪を、私が憎みますように。そして、罪を感じなくなるほどに、あなたに満たされますように。十字架のあなたと一体となることができますように。

被災地にある方々と、今日も共にあり、支え、生かしてください。寒くなって行く日々の中で、必要を満たしてください。お一人お一人を強めてください。

感謝して、尊いイエス様の御名によって祈ります。アーメン。

岩本遠億
(引用終)


教会で洗礼を受けたら、「求道者」生活は終わりで、
学ばなくなる人も多いようです。
洗礼はゴールではなく、スタートラインに立つにすぎないものです。
ちょうど、結婚式がゴールではなく、結婚生活の始まりであるように・・・
(どんなに豪華な結婚式を挙げても、
「成田離婚」してしまったら結婚生活はオワリですよね。)

カトリックなど、幼児洗礼を認めるところでは、
特にその傾向は顕著です。
「聖書は一生の間に一度読めば十分」とか、
「洗礼を受けた(ている)からもう学ぶ必要はない」、
などと認識している人が多いようです。
儀式は体に身について知っていても、
聖書の教えは全然知らないままとか・・・

幼児洗礼を認めないプロテスタントの教派であっても、
信仰は「成長」するものだ、という認識がないまま、
洗礼をゴールと思って安堵している人が大勢いませんか?

確か、アーサー・ホーランド牧師の本で読んだと思いますが、
「オレは一生求道者だ」(正確な引用でなくゴメンナサイ・・・)
という発言は、カッコイイと感じました。

アーサー・ホーランド著「不良牧師!―「アーサー・ホーランド」という生き方

※以前、文春文庫から出ていましたが、現在は絶版のようです。


アーサー・ホーランド著「不良牧師〈2〉鉄馬(アイアンホース)の旅

私も、洗礼は受けていますが、
聖書を学び続ける、祈り続ける、愛することを学ぶという意味では、
一生「求道者」であり続けたいと考えます。
(そもそも、「道」は究めることができるものなのでしょうか?)
だから、悪意、偽り、偽善、ねたみ、悪口をみな捨て去って、
生まれたばかりの乳飲み子のように、
混じりけのない霊の乳を慕い求めなさい。
これを飲んで成長し、救われるようになるためです。
あなたがたは、主が恵み深い方だということを味わいました。

(新約聖書ペトロの手紙Ⅰ2:1~3新共同訳)


岩本遠億牧師のメルマガが本になっています。


元気の出る聖書のことば 神さまの宝もの

元気の出る聖書のことば 神さまは見捨てない

キリストの平和教会HPでは、牧師の音声説教がダウンロードできますよ。

2011年11月23日 (水)

NHKBSプレミアム・旅のチカラ「宇津井健80歳 馬上人生を過ぐ」(2011年11月22日放送)

観る予定はなかったのですが、
NHKの番組予告編をふと目にして、
映像が美しいのでつい観てしまいました・・・

2011年11月22日放送の、
NHKBSプレミアム・旅のチカラ「宇津井健80歳 馬上人生を過ぐ」では、
俳優・宇津井健さんが80歳の誕生日に、
スペインで馬と共に過ごした数日間を美しく映像化していました。
NHK番組表から、放送内容を転載します。

(引用)
今年80歳を迎える俳優宇津井健。その俳優人生の背景には常に馬への愛があった。今回長年の夢であったスペイン・アンダルシア地方を馬に乗って旅し、人生を振り返る。

2011年に80歳を迎える俳優・宇津井健。「馬に乗れる」ことでつかんだ22歳での銀幕デビュー以来、俳優人生の背景には常に馬への愛があった。今回は、宇津井が、世界で最も美しい馬と自身が断言するスペイン純血種の馬に乗り、アンダルシア地方を旅していく。その地では、今も人と馬の密接な関係が育まれている。宇津井の人生最大の夢であったという旅。馬上で振り返る人生への思いとは、いかなるものであろうか。
(引用終)

俳優としてのキャリアを、乗馬から始めたという宇津井さん。
番組では馬への愛をあふれるほどに語り、実際に触れて表現しました。

今回の番組ディレクターであり、ナレーターを務めたのは、
映画監督の源隆志さん。
源さんと宇津井さんは、映画「大停電の夜に」で一緒に仕事をした仲。
源さんの映像作家としての腕前は見事でした。
番組最後のシーンなどは、絵になるような光景でした。


映画「大停電の夜に」(DVD)

番組では、馬好きの宇津井さんが乗馬趣味を断念した理由や、
教会を見物するシーンで、
実はキリスト教の洗礼を受けていることなどを明かすなど、
意外な話が数々ありました。
それにしても、80歳過ぎても未だにお元気そうですね・・・
(どうみても、80歳には見えない・・・)

一味違った紀行番組として、
宇津井さんと共にスペインでの特別な旅をちょっぴり味わうことができました。

2011年11月22日 (火)

一足早いニューイヤーコンサート?~NHKBSプレミアム・特選オーケストラ・ライブ エッシェンバッハ指揮ウィーンフィルハーモニー(2011年11月20日放送)

ウィーン・フィルの来日演奏会のチケットを買うならば、
おそらく何万円もするのでしょうね。
プラチナチケットを買わなくても自宅でコンサートを堪能できるなんて、
とてもいい時代になったものです。

2011年11月20日早朝にNHKBSプレミアムで放映されていた、
特選オーケストラ・ライブ エッシェンバッハ指揮ウィーンフィルハーモニー
録画して視聴しました。
2011年10月13日、サントリーホールでの公演です。
テレビのスピーカーで聞くよりも、
オーディオに接続して視聴すると、音の迫力が全然違います。

曲目は、NHK番組表から転載します。

(引用)
エッシェンバッハ指揮ウィーンフィルハーモニー       
- クリストフ・エッシェンバッハ指揮           
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団演奏会 - 
                              
▽2011年10月13日サントリーホール ピアノ協奏曲第1番
(リスト)ほか
<出演>ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ラン・ラン クリストフ・エッシェンバッハ           
                              
「ピアノ協奏曲 第1番 変ホ長調」        リスト作曲
                              
「慰め 第2番」                 リスト作曲
                              
「小組曲から第1曲“小舟で”」       ドビュッシー作曲
                              
「小組曲から第4曲“バレエ”」       ドビュッシー作曲
                              
「交響曲 第2番 ハ長調 作品61」     シューマン作曲
                              
「皇帝円舞曲 作品437」     ヨハン・シュトラウス作曲
                              
「美しく青きドナウ 作品314」  ヨハン・シュトラウス作曲
                              
「雷鳴と電光 作品324」     ヨハン・シュトラウス作曲
                              
(ピアノ)ラン・ラン
<第1、2、3、4曲目>
(管弦楽)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
<第1、5、6、7、8曲目>
(指揮)クリストフ・エッシェンバッハ
<第1、5、6、7、8曲目>
(ピアノ)クリストフ・エッシェンバッハ
<第3、4曲目はラン・ランとピアノ4手連弾>
                              
~東京・サントリーホールで収録~            
<収録:2011年10月13日(木)>          
(引用終)

リストのピアノ協奏曲第1番、シューマンの交響曲第2番、
残念ながら、共にたいして好きな曲ではないし、
この演奏を聴いて、新たな魅力に気づくということもありませんでした。
ラン・ランとエッシェンバッハ(もともとすばらしいピアニストですね)が連弾で共演する、
という珍しい光景は見物でしたが・・・

シューマンの交響曲第2番を全曲通して聴くのは、
初めての機会となりました。
以前、レナード・バーンスタインが
第1回のパシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)で、
シューマンの交響曲第2番を練習しているレーザーディスクを観た以来です。
(確か、第2楽章と第3楽章)


バーンスタイン/与えるよろこび The Last Date in Sapporo 1990 [DVD]


バーンスタイン:シューマン交響曲全集

ウィーン・フィルのオーケストラの音自体は美音でしたが、
シューマンの交響曲の中でも最も不人気なこの第2番の魅力に開眼させる、
までにはいかなかったかもしれません。
第2楽章、第3楽章はよかったと思います。


この放送で最もすばらしかったのは、
ヨハン・シュトラウスⅡ世のワルツでした!
サントリーホールのすばらしい音響が良く伝わるような好録音でした。
一足早いウィーンフィルの「プチ」ニューイヤーコンサートといった感じでした。
媚びるようなヴァイオリンの音色とか、
本場ウィーンの美感あふれる音のごちそうでした。

2011年11月21日 (月)

映画「ダウト ~あるカトリック学校で~」

2011年11月20日に、BS日テレで、
映画「ダウト ~あるカトリック学校で~」が放映されていましたので、
録画して観ました。
以前から興味があった作品でした。
字幕版ではなく、吹替版での放送でした。

映画の主な登場人物は、4人です。
厳格なカトリック学校の校長シスター・アロイシアス(メリル・ストリープ)。
年若い歴史教師のシスター・ジェイムズ(エイミー・アダムス)。
進歩的で生徒達の人気も高いフリン神父(フィリップ・シーモア・ホフマン)。
そして、フリン神父と性的関係を持ったのではないかと疑われる、
黒人少年ダニエルの母(ヴィオラ・デイヴィス)。
原作はこの4人のセリフ劇だそうです。


原作:ダウト―疑いをめぐる寓話


シスター・アロイシアスとフリン神父は、
シベリアとイタリアぐらいの違いがあります。
カトリック教会で起こることがある小児性愛(ペドフィル)への疑い。
疑い(ダウト)はどこまでも広がり、
映画の核心を成すシスター・アロイシアスとフリン神父との
直接対決のシーンにつながります。
メリル・ストリープの鬼気迫る怪演に脱帽でした。

結局、映画を最後まで観ても、真実は何だったのかは明らかになりません。
フリン神父はシスター・アロイシアスのウソにひっかかり、
人に言えないような過去(これもよくわかりませんが・・・)を引け目に、
教区から去ります。
シスター・アロイシアスは、
単なる思い込みから人を罪に陥れたという罪責感をようやく認めるところで、
映画は終ってしまいます。

映画の舞台は1964年という設定。
アメリカでは公民権運動がようやく広がってきたり、
カトリックの世界においても、第2ヴァチカン公会議が開かれ、
カトリック教会の刷新が行われようとしていたところでした。
しかし、黒人差別や、カトリックの古臭い教義に固執する人はまだ根強かった。
そんな背景を頭に入れてみると、作品への理解を深めることができるでしょう。
特に黒人への差別は、想像以上にひどかったようです。

象徴的なのは、シスター・アロイシアスが、
教室に1950年代の教皇、ピウス(ピオ)12世の肖像写真を飾るように、
シスター・ジェイムズに命じるところです(当時の教皇はヨハネス23世)。
聖母被昇天を教義化した教皇で、
古色蒼然としたカトリック教会を代表するような人物ですね。

この作品は、9.11後のアメリカを寓話化したものだとか、
いろいろな解釈がなされているようですね。
私は政治的ドラマというよりも、教会でありえるかもしれない話として観ました。

教会でも、心の狭い人が幅を利かせることがあります。
異端審問官のように、裁くのが大好き・・・
(概して保守的で、新しいものを目の敵にしたりすることが多い・・・)
あるいは、根拠のないウワサ話をばらまくのが大好きな人も・・・

シスター・アロイシアスは極端な例ですが
(知っている限り、カトリックのシスターは心が温かい方ばかりですが・・・)、
このような闇は、多かれ少なかれ、誰の心の中にあるのかも?

人を裁くな。そうすれば、あなたがたも裁かれることがない。
人を罪人だと決めるな。
そうすれば、あなたがたも罪人だと決められることがない。
赦しなさい。そうすれば、あなたがたも赦される。

(新約聖書ルカによる福音書6:37新共同訳)
人を裁くのに熱心なものではなく、
人を赦したり、慰めたりするのに熱心な者になりたいものですね。

ところで、カトリック司祭の独身制が、小児性愛などの性的虐待を引き起こしている、
という主張がヨーロッパやアメリカでは盛んになっているようですね。
カトリック教会の権威の失墜につながっています。
私見では、独身制は聖書的根拠があまりないと思います。
一律に独身制を強要するのは、自然に反するとさえ思います。
ハリストス正教会のように、
一生独身コースと、妻帯者でも司祭になれるコースに改めていく必要があるのでは、
とも考えています。
結婚は汚らわしいものなどではなく、
神様がお造りになった、聖なるものです。
一方、独身の方が神様に仕えていきやすい、という人も確かにいます。
両方の道を備えた方がいいのは自明の理ではないでしょうか?

ダウト 〜あるカトリック学校で〜(DVD)

ダウト 〜あるカトリック学校で〜(Blu-ray)

2011年11月20日 (日)

詩編109の祈り~復讐は神様に委ねて・・・

今朝、フランシスコ会訳の聖書で、詩編109を読みました。
フランシスコ会訳では、詩編109に、
敵に呪われた義人の祈り」という見出しがつけられています。
註の(1)としては、次のような言葉が書かれています。
(引用)
本詩は、全詩編のうちでいちばん非キリスト教的なものとしてしばしば挙げられる。本詩全体が作者の言葉とみなされるものであれば、また、罪と罪人、を区別するわれわれの考え―旧約時代ではこの区別はあまりされなかった―に従って判断するなら、このことはある程度真実であろう。しかし、今日では、ほとんどの学者が、6-19節、あるいは少なくとも6-15節を、悪人の言葉とみなしている。すなわち、義人の上に有罪の宣告とあらゆる災いを祈る悪人の言葉を、作者が引用したのである。そして、この呪いが自分を訴える悪人に振り向けられるようにと、20節(あるいは16-20節)で作者は祈る。
(引用終)※旧約聖書P.1491から

本文を読んでみると、
6節から19節までに、「 」(かぎかっこ)がつけられています。
たかが「 」(かぎかっこ)ですが、私にとっては驚きでした。
今まで何十回もこの詩編を読んできましたが、
この部分は作者の悔しい・腹立たしい思いの吐露であると思って読んできました。
他人事のような「悪人の言葉」とは考えたこともありませんでした。

実際、新共同訳では、8節から20節まで、
2文字下げていますが、「 」(かぎかっこ)はつけられていません。
新改訳では2文字下げるという処置はされていません。
新改訳チェーン式聖書の註では、
誰の言葉か、という区別についてはコメントしていません。
口語訳でも同様でした。
念のため、バルバロ訳で調べると、
6節から15節に「 」(かぎかっこ)がつけられています。
註として、「6節から15節までは仇の憎悪のことばともとられている。
と書かれています。(P.1009)
バルバロ訳でも一応読んでいましたが、
私にとってはバルバロ訳の「 」は全然印象に残っていなかったようです。

私にとって、詩編109は特別な思い入れがある詩編です。
今までの人生で最もつらかった夜。
絶望のどん底に突き落とされたように思いました。
詩編の言葉を借りるなら、
愛する者も友も
あなたはわたしから遠ざけてしまわれました。
今、わたしに親しいのは暗闇だけです。

(詩編88:19新共同訳)でしょうか・・・

それでも朝は来て、私がその時読んだのが詩編109でした。
(今日もそうですが、自分から選んでとか、パッと開いてではなく、
詩編1から順当に1日1章ずつ読み続けた結果です。)
確か読んでいたのは新共同訳でした。
彼の生涯は短くされ・・・・」(詩編109:6新共同訳)から始まる、
激越な呪いの言葉の羅列・・・
私の心の中にあった悔しい思い、腹立たしい思い、怒りが、
詩編の言葉を通して表面化し、神様へと吸い取られるようでした。
わたしに敵意を抱く者に対して
わたしの魂をさいなもうと語る者に対して
主はこのように報いられる。

(詩編109:20新共同訳)
この言葉に至って、渦巻いていたすべての怒りや悲しみ、嘆きは取り去られ、
不思議な、まさに神様からの平安が私の心を支配しました。

学問的には、フランシスコ会訳の註の方が正しいのかもしれません。
しかし、その時の私にとっては、分別くさい、他人事のような「 」など無用でした。
全詩編のうちでいちばん非キリスト教的なもの」である詩編109から、
たぶん現在に至るまで最高の慰めを得たのですから・・・
いや、対人関係で傷ついている人にとっては、
他人事の「悪人の言葉」ではなく、
思い切って、詩編の言葉を通して、
否定的な思い・嘆き・怒りを神様にぶつけてみてはいかがでしょうか?
ちょうど、有名な讃美歌「いつくしみふかき」の言葉のように・・・
「♪心の嘆きを 包まず述べて
などかはおろさぬ 負える重荷を

愛する人たち、自分で復讐せず、神の怒りに任せなさい。
「『復讐はわたしのすること、わたしが報復する』と主は言われる」と書いてあります。

(新約聖書ローマの信徒への手紙12:19新共同訳)
無理して、我慢して、ウソくさく「●●さんを許します」とか言い続けるよりも、
復讐」は神様にお委ね・お任せするのが、
心の健康にいいかもしれませんね・・・

聖書は「無の境地」など求めていません。
人間だから、喜怒哀楽があるのは当たり前なのです。
けれども、怒りや悲しみという状態に留まったままは、
神様のお望みではありません。
新約聖書には、
怒ることがあっても、罪を犯してはなりません。
日が暮れるまで怒ったままでいてはいけません。

(新約聖書エフェソの信徒への手紙4:26新共同訳)
という御言葉があるほどです。
怒り続けることや、恨みを抱き続けるのは、
結局、自分を蝕むだけです。

人間の怒りや悲しみを吸い取り、浄化するために、
詩編のさまざまな言葉があるのかもしれませんね・・・
神様はすべての嘆きをご存知ですが、
あえて、言葉で言い表してみませんか?

詩編の言葉を通して神様に祈る、ということに関しては、
来住 英俊神父の『目からウロコ 詩編で祈る』(女子パウロ会)という本が非常に有益です。
小著ながら、聖書的祈りの真髄を衝いていますよ。


目からウロコ 詩編で祈る

フランシスコ会訳聖書(聖書―原文校訂による口語訳)

2011年11月17日 (木)

札幌の初積雪2011年11月17日

朝起きて、窓の外を眺めると、雪が降り積もっていました。
10月下旬か11月上旬に降る初雪が、
今年(2011年)は例年より17日遅れて、11月15日に初観測。
その2日後の今日(11月17日)は、一面銀世界でした。
車を運転する人にとっては迷惑な雪ですが、
ただ眺めるだけなら、実に美しいですね!

雪景色の写真です。

20111117_winter_beginning

神は命じられる。雪には、「地に降り積もれ」雨には、「激しく降れ」と。
(旧約聖書 ヨブ記37:6新共同訳)

人工雪を世界で初めて作った、中谷宇吉郎の名言。
雪は天から送られた手紙である
天はどんな手紙を、私たちに送ってくれたのでしょうか?


雪は天からの手紙―中谷宇吉郎エッセイ集 (岩波少年文庫)

2011年11月15日 (火)

映画「ミュージック・オブ・ハート」(Music of the Heart)

2011年11月13日に、BS日テレで、
メリル・ストリープ主演の映画
ミュージック・オブ・ハート」(Music of the Heart)が放映されていましたので、
録画して妻と一緒に観ました。
(私は一度レンタルDVDで観たことがありますが、
改めて観直すと、結構記憶が曖昧になっていることに気づきました・・・)
音楽教育についての素晴らしい映画です。

あらすじについては、BS日テレのHPから引用します。
(引用)
夫と別居し実家のニュージャージーに戻ってきたロベルタは、友人のアドバイスでバイオリンの腕を活かしてハーレム地区の小学校でバイオリン・クラスの臨時教員となる。初めは誰も真剣でなかった子供たちだが、彼女の熱心な指導でみるみる上達していった。10年後、人気授業となっていた彼女のクラスは市の予算削減のため打ち切られることになる。彼女はクラス存続の資金集めのためコンサートを企画する。しかし、開催日が迫る中、予定していた会場が使用中止になってしまう…。
(引用終)

全編、退屈することなく、一気に引き込まれてしまう構成で、
見どころは満載でしたが、
その中で観ていて特に印象に残ったところを幾つか・・・
・夫との離婚が決定的になり、せっかく得た臨時教員の仕事もやる気を失いつつあった時、
片足が義足の生徒に、レッスンを投げ出してはいけない、と諭すシーン。
生徒に言い聞かせる言葉がそのまま、
言っている本人に跳ね返ってくるのを実感します。
このシーンは観ていてジーンときました。
(このシーンのセリフに、イツァーク・パールマンの名前が出てきますが、
まさか後で本人が出てくるとは!)
・最後の、カーネギーホールでの演奏シーン。
アイザック・スターン、イツァーク・パールマン、ジョシュア・ベルといった、
世界的なヴァイオリニスト本人がステージ上に並んで立っている、
というだけで、クラシックファンには観る価値があります。
アイザック・スターン本人が語るカーネギーホールの栄光の歴史・・・
人と人とのつながりの力というのを思いました。
(イツァーク・パールマンの実演は、
札幌コンサートホールで聴いたことがあります。)
メリル・ストリープの演技が実に見事でした。

ちなみに、この映画の監督は、ウェス・クレイヴン(Wes Craven)です。
調べてみると、ホラー映画「スクリーム」シリーズなどで有名な方なのですね。

おまけとして・・・
イツァーク・パールマンのCDで、気に入っているものを一つ紹介します。
ブラームスのヴァイオリン・ソナタ全集です。
模範的で優美な演奏です。

2011年11月14日 (月)

映画「迷子の警察音楽隊」

2011年11月2日に、BS-TBSで、
イスラエル・フランス映画「迷子の警察音楽隊」が放送されていました。
カンヌ国際映画祭3部門受賞他、たくさんの映画賞を受賞した作品です。
私はテレビで放送されるまで、存在を知りませんでしたが、
珍しい「イスラエル映画」の放送ということで、録画してみました。

映画のあらすじについては、BS-TBSのHPから引用します。
(引用)
エジプトの警察音楽隊が、アラブ文化センターでの演奏を依頼されイスラエルにやってきた。しかし、なぜか空港に出迎えはない。この道25 年の堅物隊長トゥフィックは、人の助けは借りない!と、無理やりに目的地を目指すものの、目的地と一文字違いの地名の寂しい町に間違えてたどり着いてしまった。迷子の一行は町の食堂の美しい女主人ディナの厚意に甘え、翌朝までホームステイをすることに。エジプト人とイスラエル人。言葉や文化だけではない歴史の壁が立ちはだかり、それぞれが泊まる家でぎこちない時間が過ぎていく。しかし、そんな彼らを音楽がつないで、愛、誘惑、友情そして家族・・・人生を語り合う、忘れられない一夜が始まる。
(引用終)


最初は、コメディタッチかな、と思いましたが、
観終えてみると、コメディでもないし、ヒューマニズムあふれる感動的な作品、
というわけでもないのに、意外と楽しめてしまったなぁ・・・という感じでした。

DVDのパッケージの写真(何もない砂漠に取り残された警察音楽隊)が、
なんともユーモラスです。

イスラエルの人はヘブライ語、警察音楽隊の人々はアラブ語と、
そのままでは通じないので、英語によってコミュニケーションをとります。
最初はぎこちないふれあいでしたが、
一夜が終って、ほんのちょっとだけ、心の壁が低くなったようです。

大きな友好よりも、ごくささやかな助けの手こそ、
国や民族・宗教の対立の壁を低くするのかもしれませんね。

アラブの警察音楽隊の若者が、
イスラエルの若者にナンパを指南するところなどは面白かったし、
細かい描写(家庭で食事を共にするシーンでの、
ワイングラスをよく見るシーンなど)をよく見ると、いろいろとおかしさがあります。

映画のラストは、歌の形で、ほろ苦い現実を要約していました。
アラビア風珈琲のような・・・

なお、この映画についての優れたブログ記事としては、
映画のメモ帳+α」の「迷子の警察音楽隊」がオススメですよ。

エゾシカ料理と生ハム~メルキュールホテル札幌でのフレンチビュッフェランチ

先日、札幌のすすきのにある、
メルキュールホテル札幌3階のレストラン「ボルドー」で、
妻と一緒にランチをいただきました。
3回目の利用でした。
特に記念日というわけではありませんでしたが、
妻へのささやかなプレゼントです。
有能な妻を見いだすのは誰か。真珠よりはるかに貴い妻を。
(旧約聖書 箴言31:10新共同訳)

ここのランチは、ビュッフェスタイルで、
メイン料理を一品選ぶことができます。
2011年11月のメイン料理5品の中から、
妻は「エゾシカの赤ワイン煮 林檎のピューレ添え」という料理を選びました。
(私は「鴨砂肝のコンフィ、季節野菜のサラダ 胡桃オイルのドレッシング」という料理でした。)

ここのランチビュッフェで一番おいしいものは、その場で切り落としてくれる生ハムです。
妻は恍惚とした表情で生ハムを何度も味わっていました。
最近ではスーパーでもイタリア産生ハムを売っているところが増えてきましたが、
スーパーで買ったものよりも断然おいしいです。
そのほかのビュッフェの料理も一工夫されていて、結構おいしかったです。

さて、メイン料理の「エゾシカの赤ワイン煮・・・」は、このようなものでした。
上品な味わいで、妻は「牛すじの食感に似ている」などと感想を述べていました。
牛肉料理よりもあっさりとした感じでした。

201111_ezoshika

実は、北海道では、エゾシカが増えすぎて、農林業にさまざまな被害が出ています。
その被害額は、なんと年間50億円!
生息数の増加に歯止めがかからない状態です。
(参考:【100804】エゾシカ被害:ピーク時に並ぶ50億円--09年度
ブログ名:獣害を裏返せ!

増えすぎたエゾシカというマイナスを、観光資源というプラスにするには、
このようなおいしい料理のレシピを数多く考え、
手軽に味わえるようにするのが一つの手ですね。
(後は、日本で絶滅したオオカミを山林に放つとか・・・安全上の問題はありますが・・・)

メルキュールホテル札幌のレストラン「ボルドー」は、
休日なのにあまり混んでおらず、時間制限もないので、
ゆったりと上品な時間を過ごすことができる、「穴場」だと私ども夫婦は思っています。

2011年11月13日 (日)

2011NHK杯フィギュア女子シングル~印象に残った曲はレオノワ選手使用の「弦楽のためのアダージョ」

2011NHK杯フィギュア女子シングルは、
僅差で鈴木明子選手の優勝となりましたね。
(フリーの演技を観て、「真央ちゃんが勝ったかも・・・」と思ったほどでした。)
フリーの演技よりもショートプログラムでの演技の方が見ごたえがありました。
特に鈴木選手とアリョーナ・レオノワ選手・・・

フリーでは浅田真央選手の追い上げがすごかったですね。
ジャンプが確実に決まって見事でした。
(ジャンプ以外はあまり面白くないですが・・・ファンのみなさん、ゴメンナサイ・・・)

鈴木選手のショートプログラムは、過去最高の出来で、
絶賛すべき内容でした。
音楽とスケーティングが完全にシンクロしている、見ごたえある演技でした。
前日2位のレオノワ選手の演技も迫力があってすばらしかったです。

フリーでのレオノワ選手の使用曲の前半は、
バーバーの「弦楽のためのアダージョ」でした。
とても美しい曲で、映画「プラトーン」などでも使用されていました。
各選手の使用楽曲の中で、最も印象に残りました。
レオノワ選手の演技の緊張の糸が少し切れてしまったことが残念でした。

ところで、バーバーの「弦楽のためのアダージョ」だけを集めた、
ちょっとコアなCDを見つけました。
Barber's Adagio(輸入盤)
試聴し、気に入ったので購入しました。
声楽曲に編曲された版も実に美しいですよ。

Barber's Adagio(輸入盤)

今年のNHK杯フィギュアは、
札幌市南区の真駒内セキスイハイム アイスアリーナでの開催でした。
私の地元・札幌市内での開催だったので、ぜひ会場で観戦、といきたかったですが・・・
テレビでも十分に楽しめましたよ。

2011年11月11日 (金)

安心・安心デマと被曝を拡げた枝野前官房長官は議員辞職を!~おすすめWEB記事「「ただちに影響はない」は限られた場合の話だった!? 枝野前官房長官の“問題発言”と“政治家としての責任”」(週刊・上杉隆【第199回】)

やっとシッポを出したな、というか、
尻尾はバレバレなのに、
どうしてマスコミは今までつかまなかったのだろうかと不思議でした。
マスゴミも共犯者、いや、狐そのものだからなのでしょうか?

ダイヤモンド・オンラインの「週刊・上杉隆」第199回では、
「ただちに影響はない」は限られた場合の話だった!?
枝野前官房長官の“問題発言”と“政治家としての責任”
と題して、
今年3月11日以降の枝野前官房長官(現・経済産業大臣他)の有名なセリフである、
ただちに影響がない」の真相を暴いています。
先日11月8日の国会答弁での枝野氏の発言(及び上杉隆氏のコメント)を、
記事から引用します。

(引用)
 おととい(11月8日)、枝野幸男前官房長官は、言ってはならないことを言ってしまったようだ。

 衆議院予算委員会の席上、自民党の村上誠一郎衆議院議員の質疑に対する答弁の中で、枝野氏の問題発言は明らかになった。

「わたくしは3月11日からの最初の二週間で、39回の記者会見を行っておりますが、そのうち『ただちに人体、健康に害が無い』ということを申し上げたのは全部で7回でございます。そのうちの5回は食べ物、飲み物の話でございまして、一般論としてただちに影響がないと申し上げたのではなくて、放射性物質が検出された牛乳が1年間飲み続ければ健康に被害を与えると定められた基準値がありまして、万が一そういったものを一度か二度摂取しても、ただちに問題ないとくり返し申し上げたものです」

 開き直りもここまでくると見事である。

 仮に、一般論としての述べたのでなければ、なぜ一般論として報じ続けたテレビ・新聞などの記者クラブメディアに抗議を行わないのか。

 それこそ、国民の健康に害が及ぶ可能性のある「誤報」に対して、速やかな訂正を求めるのは政治家として当然の義務ではないか。しかも、それは自分自身の発言が根拠になっているニュースでもある。枝野氏が本当に、そう思っているのならば、大手メディアに対して訂正要求があってしかるべきだ。

 ところが、実際は、枝野氏はまったく逆のことをしでかしている。

 枝野氏は当時、大手メディアではなく、内部被爆の危険性を指摘したジャーナリストたち、とりわけ自由報道協会所属のフリーやネット記者たちの報道を「デマ」だと断定し、取り締まるよう宣言したのだった。

 筆者も当コラムで何度も指摘したように、枝野氏こそ「安全デマ」「安心デマ」を広めて、多くの国民を被曝させた張本人ではないか。何をいまさら、と情けなくなってくる。

 いつものように、マスコミの罪はいうまでもない。枝野氏の「デマ」をそのまま報じ、結果として多くの読者や視聴者を被爆させたのは疑いのない事実だ。マスコミの結果責任は、問われなければならない。だが、記者クラブ制度のある日本ではその望みも薄いだろう。

 よって、私たち日本人は、今後発生するであろう健康被害に関しては「泣き寝入り」するしかないのであろうか。

 枝野氏の「ただちに影響はない」という言葉は、震災直後、一種の流行語になった。その言葉を信じて、被爆してしまった国民がいったいどれほどいることだろうか。放射能の健康被害が明らかになりはじめる4、5年後を考えるだけで背筋が凍る思いである。
(中略)
 枝野氏はおとといの予算委員会の答弁の中で、改めて「これは『基準値超えの食品を一度か二度摂取した場合』に限られる」と説明し直している。

 では、枝野氏に言いたい。なぜ、当時、そのように説明しなかったのか。その同じ口からは一切そんな言葉は発せられなかったではないか。

 もちろん、問題は7回という回数ではない。放射能漏れによる食品汚染に不安を抱く国民に、結果として間違った情報を与えたことが問題なのだ。
(引用終)

ただちに影響がない」なんて・・・
政府によるまさに「安心・安全デマ」にすぎないのは、
テレビ・新聞の情報を鵜呑みにしなかったインターネット利用者にとっては常識でした。

TPP問題も含めて、民主党はどこまで日本を壊せば気が済むのでしょうか?
枝野前官房長官や、アキ菅前内閣当時の閣僚たちは道義的責任を取るべきです!
そして、我々日本国民は・・・
メディアリテラシーを持たずに、
大本営発表の垂れ流しである、
耳に快い「ただちに影響がない」を受け入れてきた恥ずかしい過去を反省すべきでしょう。
もう遅いかもしれませんが・・・

エダノ迷言集?
とんでも発言集 ただちに健康に影響はありません (ラピュタ新書)』
(立ち読みした記事を書いています。)

2011年11月10日 (木)

日経おとなのOFF2011年12月号「第九入門」~「第九」最高の名演奏は?

2011年11月6日の読売新聞朝刊に、
日経おとなのOFF12月号の新聞広告が出ていました。
今度は「第九入門」!しかもDVD付・・・
これは買わねば!と思い、11月8日に書店で手に入れました。
(北海道では雑誌が2日遅れで発売されることが多いのです。)

日経 おとなの OFF 2011年 12月号 [雑誌]

雑誌の記事のコンセプトは、ちょっと余裕のある大人の男性が、
「これから恋人(妻)と一緒に年末恒例の『第九』を楽しんでみようか」
といった感じで、いろいろな薀蓄・ネタを提供しています。
第九の全体像(各楽章、使用楽器、歌詞、演奏史、宗教性)や、
他の作曲家の最終交響曲、ベートーヴェンの略伝と言葉、
佐渡裕氏監修による完全歌詞BOOK、
著名音楽家へのインタビュー(佐渡裕氏、西本智実氏、小林研一郎氏)、
第九の名盤紹介、年末のコンサート情報とコンサートのマナーまで・・・
第九「入門者」にとっては、いたせりつくせりの内容といえます。
さらには、ティーレマン指揮ウィーン・フィルによる第九の第4楽章のDVDまでついています。
これから第九のコンサートに行ってみたい、CDを聴いてみたい、
という人にはオススメです。

ティーレマン指揮ウィーン・フィルのベートーヴェン:交響曲全集(DVD付)※CD

ティーレマン指揮ウィーン・フィルのベートーヴェン:交響曲第7番、8番、9番(DVD)

ちょうどこの雑誌を買った翌日(2011年11月9日)には、
NHKで2つの第九に関する番組をやっていました。
一つは、名曲探偵アマデウスの再放送(実際は5、6回目ぐらい?)です。
以前、再放送の一部だけ視聴し、
第九を演奏していた上岡敏之さん指揮NHK交響楽団の演奏を絶賛した記事を書きました。
(⇒指揮者・上岡敏之さんはスゴイ!
今回もやはりすばらしい演奏だと思いました。CD化してほしいぐらいです。
オペラのように鮮やかな演奏でした。
もう一つは、たけしアート☆ビートの第21回「小林研一郎」でした。
これについては昨日(11月9日)記事を書いていますので御覧ください。
(⇒NHKBSプレミアム・「たけしアート☆ビート」
第21回「小林研一郎」(2011年11月9日放送)

こちらもすばらしい演奏でした(うなり声を除けば・・・)。

雑誌の中で「第九の名盤案内」(P.58~60)というコーナーがあります。
フルトヴェングラーやワルター、セル、バーンスタイン、カラヤンといった往年の名盤から、
ラトルやジンマン、ノリントン、ヤンソンスなどの現代の名演まで、
名盤(DVD・編曲含む)が30種類紹介されています。
詳しくはぜひ雑誌をお読みください。

第一にオススメな名盤は・・・
これは実にムズカシイ質問です。
百家争鳴状態?
ということで、一般的な名盤としては、
フルトヴェングラー指揮バイロイト祝祭管弦楽団の演奏を挙げておきます。
第3楽章の深遠さと第4楽章コーダの猛烈なプレスティッシモが凄まじい!
渦巻きを描いて全人類が天上へと上げられていくかのようなヴィジョン?
昔よく聴いていました。
(今は残念ながらありませんが・・・)

フルトヴェングラー指揮バイロイト祝祭管弦楽団盤


我が家に現在あるCDを紹介します。

ショルティ指揮シカゴ交響楽団
初めて買った第九のCDであり、
ステレオ録音では最上ではないかと未だに思っています。
高校時代の時、生きる気力を与えてくれた一枚です。
私の第九演奏評価の基準といえる演奏です。
ただし、たまにしか聴きません。年に1、2回程度・・・
思い出深い演奏です。

ショルティ指揮シカゴ交響楽団盤


ジンマン指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団
ベーレンライター新版を使用、という触れ込みで有名になったものです。
実に軽やかで、フルトヴェングラー流の重苦しい演奏が苦手な人にはオススメです。
第九を気楽に肩肘張らずに楽しんで聴けます。
ただ、「感動」にはほど遠いかも?
なお、現在は交響曲第9番単体での発売ではなく、
全集版としての発売だけとなっているようです。
(私もジンマンによるベートーヴェン交響曲全集を持っていますが・・・)
全集でも3000円以内です。

ジンマン指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団

シプリアン・カツァリス(ピアノ)
リスト編曲によるベートーヴェンの第九のピアノ独奏版。
ピアノでここまでやれるのか!というオドロキに満ちた演奏です。
合唱は入っていませんが、歌がなくても十分に楽しめます。
ただし、第九を何度も聴いている人向けかもしれません。

シプリアン・カツァリス(ピアノ)


雑誌の「名盤案内」中で、気になったCDは、
マリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団の2007年の演奏です。
ヴァチカン・コンサートのライブ盤。
DVDも出ています。
(追記:後日、このDVDを入手しました。

マリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団盤※CD

同上
ローマ教皇ベネディクト16世のためのコンサート マリス・ヤンソンスの第九 [DVD]

(追記:後日、このDVDを入手しました。合唱は最高、オケは合格点です。)

さて、ようやくタイトルの(「第九」最高の名演奏は?)について語ります。
「第九」最高の名演奏は?
もし、歌を歌える(カラオケでもいいのです!)なら、
自分自身が全国各地で行われる第九を歌う合唱団のどれかで歌うのが、
最高の名演奏となることでしょう。
ただ聴くだけよりも、実際に歌ってみる方が感動します。
まさに「苦悩から歓喜へ」です!
(練習はキビシイけど、ステージに立って歌うのは歓喜!)
実際、私も2回ほど第九を歌ったことがあります(バスパート担当)。
クラシック音楽の中の名曲中の名曲といえる曲ながら、
シロウトレベルでも(もちろん練習は数多く必要ですが)
実際に演奏に参加できるのが第九です。
首都圏の方なら、
第九を歌おう」というサイトで、
第九の合唱団募集を調べることができますよ。

歌うのはちょっと・・・と思う人なら、ともかく実際にコンサートに行ってみてください。
多少の演奏ミスや解釈の浅さがあったとしても、
ライブは十分に感動できるはずですよ。
(評論家的な人ならともかくとして・・・)

2011年11月 9日 (水)

NHKBSプレミアム・「たけしアート☆ビート」第21回「小林研一郎」(2011年11月9日放送)

指揮者・小林研一郎さんのファンはもちろんのこと、
クラシック音楽が好きな人なら存分に楽しめる番組でした。

2011年11月9日放送の、
NHKBSプレミアム・「たけしアート☆ビート」第21回「小林研一郎」は、
小林研一郎さんのベートーヴェン・第9の第1楽章の練習風景と、
実際の演奏を、ビートたけしさんに見せ、聴かせるという、なかなか贅沢な企画でした。
小林研一郎さんがなぜ指揮者になろうと思ったのか、という話も聞けました。

小林研一郎さんの練習風景と、実演では、
独特のうなり声が結構大きいですが、
音楽そのものは極上です。
(練習風景では、うなり声がオケの音を圧倒することもしばしば・・・)

観客はたけしさんだけ(放送クルーは含まないとして・・・)という、
贅沢なプライベート・コンサート。
オケは東京フィルハーモニー管弦楽団。
ベートーヴェンの「第9」の第1楽章(放送時間の都合上、抜粋でしたが・・・)は、
極めて録音状態がよく、名演だと思いました。
(うなり声はともかくとして・・・)
第1楽章の終盤の「タメ」もすばらしかったです。

「プラハの春」でも振ったスメタナの「わが祖国」の中から、
「モルダウ」も演奏しました。
こちらはたけしさんもすごく感動していたようです。

続いて、ベルリオーズの「幻想交響曲」の第5楽章の演奏。
(小林研一郎さんのオハコの一つですね。)
たけしさんは、観客席ではなく、
オケの真ん中やコンサートマスターの横で聴くことになりました。
しまいには、第5楽章のエンディングにあわせて、
たけしさんが「座頭市」の殺陣やタップを演じる、
というユニークな試みも・・・
(小林研一郎さんが「座頭市 」のファンとのこと・・・)


座頭市 <北野武監督作品>

最後には、小林研一郎さんのコンサートのアンコール曲の定番曲、
「ダニーボーイ」でシメる、という豪華さ。

クラシック音楽に興味がない人も、結構楽しめる内容だったのでは、と思いました。
なお、小林研一郎さん(以下「コバケン」さん)については、以前記事を書いています。
NHK・ディープピープル「スーパー指揮者」(2011年8月1日放送)
NHKの「スーパー指揮者」の回でも、コバケンさんは「第9」を振っていました。

先日発売された、日経 おとなの OFF 2011年 12月号「第九入門」に、
コバケンさんのインタビュー記事が載っていました。


日経 おとなの OFF (オフ) 2011年 12月号

コバケンさん指揮による、番組で演奏された曲のCDです。

ベートーヴェン:交響曲第9番


スメタナ:連作交響詩「わが祖国」

ベルリオーズ:幻想交響曲

2011年11月 8日 (火)

J・S・バッハ:ヴァイオリン協奏曲集の聴き比べ~ヒラリー・ハーンと諏訪内晶子

アメリカの若手ヴァイオリニスト、
ヒラリー・ハーンのデビューアルバム「Plays Bach」(輸入盤)で、
すっかり彼女の演奏にトリコになった私・・・
ついつい、他の演奏もすぐに聴きたくなり、
CDを大人買い(というほどでもないですが・・・)。
(11月3日の記事に書いています。)

Plays Bach」(輸入盤)


バッハの無伴奏パルティータとソナタ、
バーバーのヴァイオリン協奏曲のアルバムに続き、
ドイツ・グラモフォンに移籍してからのアルバムである、
「バッハ:ヴァイオリン協奏曲集」と、「エルガー:ヴァイオリン協奏曲」という
2枚のCDを購入しました。


バッハ:ヴァイオリン協奏曲集(ヒラリー・ハーン)

エルガー:ヴァイオリン協奏曲

エルガーのヴァイオリン協奏曲のCDについては、
今回軽く触れるにとどめておきます。
チェロ協奏曲に比べるとかなり知名度が落ちる、
エルガーのヴァイオリン協奏曲・・・
ヒラリー・ハーンの演奏は極上の名演といえます。
ただし、曲自体、私は第2楽章の甘美さだけで十分かな・・・
(非常に美しい曲です。ブルックナーの交響曲のアダージョのような崇高さ・・・)

今回は、バッハのヴァイオリン協奏曲集のアルバムについて取り上げます。
実は、我が家には既に、諏訪内晶子さん(以下敬称略)のヴァイオリン・指揮による、
バッハのヴァイオリン協奏曲集のCDがあります。


バッハ:ヴァイオリン協奏曲集(諏訪内晶子)

ヒラリー・ハーンと諏訪内晶子のCDの収録曲はまったく同じです。
ヴァイオリン協奏曲第1番・第2番、2つのヴァイオリンのための協奏曲、
ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲、の4曲です。
演奏時間トータルでは、
ヒラリー・ハーンの演奏は57分42秒、諏訪内晶子盤では65分26秒です。
概してヒラリー・ハーンの演奏は勢いとスピード感があり、
諏訪内晶子の演奏は、優雅さと気品があります。
共に、聴いていて飽きない演奏といえます。
(以前、バッハのヴァイオリン曲集の名盤とされる、
ヘンリク・シェリングのCDも持っていましたが、
模範的すぎて、あまり楽しめませんでした・・・)


バッハ:ヴァイオリン協奏曲集(ヘンリク・シェリング)

改めて諏訪内晶子盤も聴き直してみました。
今の私にとっては、ヒラリー・ハーン盤よりも、
まだ諏訪内晶子盤の方がすばらしく思えます。
ヨーロッパ的な香りがする、とでもいいましょうか・・・
ヒラリー・ハーンの方は、アメリカ的・スポーツ的な演奏といえます。
重苦しいバッハ、という固定観念は見事にぬぐっています。

手元にあるCDで、
2つのヴァイオリンのための協奏曲」の演奏時間を比較してみましょう。
左が諏訪内晶子の演奏、
右がヒラリー・ハーンの演奏です。

第一楽章 3:49⇔3:15
第二楽章 6:37⇔6:50
第三楽章 7:19⇔4:13

第三楽章では、3分近くの差があります。
では、ヒラリー・ハーンのテンポは速すぎか、というと、
聴いている分には、それほど違和感を感じません。

諏訪内晶子の優雅な演奏か、
ヒラリー・ハーンの結晶化した演奏か・・・
あとは、好みの問題ですね。
両方持っていても損はないと思います。
(ヒラリー・ハーンのDGでのCDの録音は、
SONYでの録音より劣るのでは、と思いました。)
※ジャケット買いなら、諏訪内晶子盤!

なお、古楽器での演奏によるバッハが好き、という方には、
シギスヴァルト・クイケンの演奏がおすすめです。
(かつて所有していたこともあります。重たいシェリング盤よりオススメですよ。)
ただし、「ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲」は収録されていません。

バッハ:ヴァイオリン協奏曲集(シギスヴァルト・クイケン)

2011年11月 7日 (月)

NHKの隠蔽? データが番組HPからいつの間にか削除されていた!~続・「あさイチ」2011年10月17日放送「放射線大丈夫?日本列島・食卓まるごと調査」

先月10月20日に、
NHKの犯罪?~
「あさイチ」2011年10月17日放送「放射線大丈夫?日本列島・食卓まるごと調査」

という記事を書きました。
この記事では、NHKの番組HPに出ていた内容を転載しています。
私が引用した記事を改めて転載しましょう。
実は、以下の文章は、いつの間にか、NHKの番組HPから削除されているのです!

(引用)
それぞれの家族に一食分余分に食事を作ってもらい、一日分をまとめてミキサーにかけて完全にかき混ぜ、分析用のサンプルを作ってもらいます。それを一週間続けて東京の研究室に送ってもらいました。

分析をしたのは、首都大学東京・福士政広教授研究室です。精密に測定できる「ゲルマニウム半導体検出器」を用い、各サンプル7,200秒かけて分析しました。これは現在通常行われている食品検査より長く、より精度の高い測定ができます。さらに各家庭1サンプルは、30,000秒の追加測定を行いました。

今回、放射性セシウムが検出されたのは、7家族中、5家族。それぞれ一週間のうち1日から検出されました。

・札幌 セシウム134・・・5.69ベクレル/キログラム
・須賀川 セシウム134・・・3.66ベクレル/キログラム
・江戸川 セシウム134・・・4.05ベクレル/キログラム
・目黒 セシウム137・・・8.97ベクレル/キログラム

郡山と廿日市では、今回測った一週間では、放射性セシウムは全く検出されませんでした。
また、水と今年の新米は、各地で別に測定しましたが、今回の調査では放射性セシウムは全く検出されませんでした。

(引用終)

現在では、このような文章に差し替えられています。
(引用)
番組で行った『食卓まるごと調査』について、視聴者の皆様から多くの反響をいただきました。
その中で、データの精度についてのご指摘もありました。
そこで現在、調査を担当した首都大学東京と、外部分析機関の協力を得て、データの再検討を行っています。
結果が出次第、番組とホームページで公表いたします。

再検討したデータについては、12月15日の特集で詳しくお伝えすることにしています。
(放送日は変更の可能性もあります。「放送予定」のページでご確認ください。)

(引用終)

私がこのことを知ったのは、
それって本当!?」というブログの、
NHK「あさイチ」~放射線大丈夫?日本列島・食卓まるごと調査~」という記事から、
私のブログの「あさイチ」の記事にリンクして来た人が何人かいたからです。
上記記事から引用します。

(引用)
しかしながら、どういう経緯でその家族を選んだかも明確にされない中で、サンプルの数がこれほど少ない実験の結果にもかかわらず、どこの場所でも安全なんだというイメージを植え付けてしまうような放送は、およそ妥当なものとは言えないのではないでしょうか。
これは想像ですが、NHKは番組作成を決めた段階から、放射性物質による影響はないという結論に持っていこうという意図があったのではないかと思うのです。
なぜなら、仮に「放射線量に問題があった」という検査結果が出た場合、それをNHKが自発的に報道しようという考えがあたっとは到底思えないからです。
加えて、「気にしていると被爆する」という趣旨の発言さえあったとのこと。
とても信じ難い、とてもあり得ない内容です。
今回のこの番組には、恣意的なものを強く感じ、しかもNHKがこのような放送を行ったことを知り、マスメディアによる情報操作に対する危機感が更に強まりました。

この番組に対しては、きっと視聴者からもかなりの反響があったことでしょう。
どのような経緯・方法で実験をしたか、問い合わせも少なくなかったと思われます。
そしてデータに対して、科学的に客観的に見て不審な点があるとの声があちこちから上がったようです。

(中略)
すると暫く時間が経ってから、NHKの番組HPに掲載されていたデータは消され、「データの再検討を行っています」とHPの内容が書き換えられました。
国内でも非常に信頼の高い計測器だと強調していたほどの機器に問題があったと言うことでしょうか?
「測定した研究者に取材すると、機械の故障等で正確なデータではなく再分析中とのことだった。」という話もあります。
もし故障や異常があったというなら、1週間も測定していながら、プロが扱っていてその間、視聴者から指摘されるまでまったくデータの異常に気がつかないなどということがあるでしょうか。

これは人命や多くの人の健康に関わる重大な問題です。
殆どのほとんどの人に知られることのないところでHPをの内容を訂正したり削除すればいいという済ませられる問題ではありません。
12月15日の番組内でを再検討したデータについて報告すると、その後HPで説明していますが、誰もが納得できるような誠意ある対応を望みたいです。
取り繕うような内容やごまかしだけはしないでほしいです。
そして、全国の視聴者に与えた誤解を是非とも解くような内容であってほしいです。

(引用終)

上記記事でも紹介されている、
首都大学福士正弘教授のゲルマニウム半導体検出器は壊れていた。
そして、あさイチは番組ホームページを書きかえた。(追記:福士教授インタビュー)

(ブログ名:みんな楽しくHappy♡がいい♪)では、
次のようなコメントを書いています。

(引用)
NHKに言います。
この番組を見て、どれだけの国民が安心して、その辺に売っている物を買って食べている事でしょうか。
放送してから半月が経ちます。
検査結果をホームページで発表するだけではなく、
改めて、番組を作りなおして放送をするべきです。

そして、これは、大問題ではないんですか?
福士教授は機械が壊れていたことを知っていた。
それをNHKのスタッフには話したのでしょうか?


それとも、いい加減な数値を出して、それで国民をだませると思ったのでしょうか?
専門家なのだから、結果が間違っていること位分かる筈ですよね。
もし、その事さえ分からなかったのだとしたら
福士教授は放射線の専門家ではないですね。


福士教授がNHKに黙っていたとしたなら、虚偽の報告をし、専門家としての偽装罪?
機械が壊れたのを知りながらNHKが放送したなら、これも罪になりますよね。
番組の内容そのものが、命にかかわる問題だから。


今朝はフジテレビに出ていたし、数日前にはテレビ朝日にも出ていました。
こんなウソツキ教授はテレビに呼ばないでください。

(引用終)


科学者や政治家の詐欺師やペテン師、うそつきはもうたくさんです。
我々は気休めではなく、真実を知りたいのです・・・
NHKは「あさイチ」でのセシウム報道をきちんと検証・訂正すべきです!

2011年11月 6日 (日)

映画「レッスン!」(原題:TAKE THE LEAD)

2011年11月2日に、NHKBSプレミアムで、
アントニオ・バンデラス主演の映画「レッスン!
(原題:TAKE THE LEAD)が放映されていました。
(※原題を直訳すると「先導する」、「率先する」となります。)
録画して妻と一緒に観ました。
実は、この映画のことは、NHKが放送するまで知りませんでした。
教育関係の話らしい、ということで、一応録画しておいたものです。
実際、スポ根ものの社交ダンス版、という感じでした。
ダンスが好きな方にはおすすめな作品です。



ストーリーについては、Amazonの「内容紹介」から転載します。

(引用)
ニューヨーク、スラム街。社交ダンサーのピエール・デュレインは、ある日駐車中の車を壊して逃げ去る高校生・ロックと遭遇。翌日、その車の持ち主であり、問題児が多いことで有名な高校の校長でもあるオーガスティンを訪ねたピエールは、「生徒たちを社交ダンスで更正させたい」と申し出る。校長はきっと続かないと確信しながらも、彼を最も問題の多いクラスの特別講師として迎え入れる。そのクラスにはロックの姿も…。
ピエールは生徒たちに語りかけるが、HIP HOP専門の生徒たちはその声にまったく耳を貸さない。それでも毎日社交ダンスのステップやその魅力を伝えようとするピエール。さらに、社交ダンス教室の生徒と熱く官能的なタンゴを披露すると生徒たちの態度は一変!コンテストに向け特訓を開始したピエールと生徒たちは、全く違うカルチャーを互いに認め、刺激を与え合い、絆を深めていく。そしてピエールは社交ダンスを通して“相手を尊重する気持ち”を生徒たちに伝えていく。
迎えたコンテスト当日、生徒たちはそれぞれ自信を胸にコンテスト会場に足を踏み入れるが、ロックがギャングの思惑に巻き込まれ、会場に姿を現さない。ロックを信じて待つピエールと生徒たち。果たして彼らは輝くトロフィーを手にできるのだろうか?!

(引用終)

映画そのものは、なかなかの出来といえます。
主人公がどうして生徒たちに社交ダンスを教育したいのか、
理由づけがなんとなくわからないまま終ったりするなど、消化不足な面もありますが、
ダンスシーンが見事で爽快です。
(アントニオ・バンデラスが生徒たちの前で踊るところや、
社交ダンス競技会で、三角関係をテーマに踊るところなど・・・)
アントニオ・バンデラスのセクシーさが有無を言わせない、というか・・・
(なんとなく、NHK「サラリーマンNEO」の「セクスィー部長」を連想しました・・・
特に、生徒たちの保護者の前で、女性の校長先生と一緒に社交ダンスを踊るところなど。)

映画の詳しいレビューについては、以下のサイトがすばらしいです。
『レッスン!』(07.6.15)・GAGA試写室
弁護士坂和章平の映画評論
原題と邦題についての考察や、
社交ダンスの教育的意義についても若干の考察が書かれています。

アントニオ・バンデラスが演じた主人公ピエール・デュレインは、
実在の人物です。
(映画は実話にヒントを得たフィクションです。)
ピエール・デュレイン」で検索すると、次の記事を見つけました。
「レッスン!」のインスピレーションとなった社交ダンサー、ピエール・デュレイン
(読売新聞2007年7月13日)
本人へのインタビュー記事です。

記事から引用します。
(引用)
 質問: ダンスは言葉を超えた、さらに強い何かがあるのでしょうか?

 デュレイン:ダンスを通じて自分の知らない人のことをたくさん学ぶことができます。小さいとき、私はイギリスでよそ者扱いされていましたが、ダンスをやってると突然尊敬されるようになって、ほかの人が一緒に踊りたいって言い始めたんです。もうなまりがあるとかないとか、関係なくなっていました。私のボディー・ランゲージは喜びを伝えることができました。

 子供もそうです。ニューヨークに住む黒人や白人は敵だとは言いたくないのですが、人種間の緊張はよくあります。世界中そうです。しかし、黒人と白人が一緒に踊ると、新しい方法でお互いを知ることができます。社交ダンスの特殊な腕の組み方は embrace hold(抱擁組み)と呼ばれています。でも最近は1人でゲームボーイやテレビなどのテクノロジーのとりこになってしまって、他人に触れることや抱きしめることもありません。

 男の子と女の子が近くに立ちながら互いに敬意を払っていると、好感が生まれます。相手に対する尊敬、自尊心を学ぶことは、人生すべてに通用することです。背筋を伸ばして姿勢もよくなります。

 チームワークも学びます。そのチームとはレディーとジェントルマンです。ダンスの授業では女の子とか男の子とかとは呼びません。ladies and gentlemen です。子供たちの想像力とは本当に豊かなもので、自分で自分を ladies and gentlemenだと考えるようになります。一所懸命やれば社交ダンスが上手くなり、自分は優れているんだと気づくのです。そして同じようにがんばれば、ほかの教科も、歴史や数学だって得意になることを理解するようになるんですよ。
(引用終)

映画の中で、
「社交ダンスでは、男性が女性をリードするが、
女性は自らの意思でそのリードを受諾する、
だから両性は対等なんだ・・・」
というようなセリフがありました。
なるほど・・・と思いました。
何でも平等だ、よりも、
両性の違いと役割をきちんと認めた方がすばらしいと思います。
お互いが違うからこそ、惹かれあい、
好意を得ようと品性や能力を向上させたりするわけですね。
いずれにせよ、主においては、男なしに女はなく、女なしに男はありません。
それは女が男から出たように、男も女から生まれ、
また、すべてのものが神から出ているからです。

(新約聖書コリントの信徒への手紙Ⅰ11:11~12新共同訳)

2011年11月 5日 (土)

北大のイチョウ並木(2011年11月)

今年も北海道では秋の終わりが近づいてきましたね。
家の窓から外を眺めれば、いつのまにか紅葉は散り、
ナナカマドの赤い実だけが木に残っていました・・・

北大のイチョウ並木が黄色に染まる季節です。
先日11月3日、妻と一緒に散策してきました。
イチョウ並木にはたくさんの人が見物に来ていました。

今年は11月なのに気温が高いせいか
(例年なら札幌にも初雪が降る頃・・・ここ数日は15度前後)、
例年よりも若干緑色の葉が多かったように思いました。
イチョウ並木の写真です。
3枚目の写真は、イチョウの「じゅうたん」の上で、
幼い子どもが寝転がっている様子です。


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神のなさることは、すべて時にかなって美しい。
(旧約聖書伝道者の書3:11新改訳)

2011年11月 4日 (金)

映画「シザーハンズ」と障がい者

2011年10月5日に、NHKBSプレミアムで、
ジョニー・デップ主演の映画「シザーハンズ」が放映されていました。
録画しておいたものをようやく観終わりました。
(録画しておくと、「いつでも観ることができるからアトで・・・」とつい思いがちになります。)
有名な映画なので、既に多くの人が感想やレビューを書いていますね。

造り主である博士の急死で、手がハサミのままになってしまった人造人間エドワード。
一人でお城に暮らしていたところ、お人よしの既婚女性に見つけられ、彼女の家庭へ。
最初は誰もが奇異の目で見ますが、
植木やペットのトリミング、はては女性の髪のカットまで、
芸術的な才能を発揮していきます。
(植木が実にユニーク!)
テレビにも取り上げられるほどの有名人になります。
エドワードは居候している家庭の娘、キムに恋します。
(その後はあえて筋は書きませんが・・・)
途中までは、ユーモア映画かな、と思えるぐらい楽しい展開です。
しかし、最後の方は、現実世界の反映ともいうべき、
少し物悲しい展開になってしまいます。

実に秀逸な、現代のおとぎ話であると同時に、
エドワードのハサミの手は、何かのメタファーなのでは?とつい考えたくなります。
ハサミは、肉体的な障がいや、知的障がいのメタファーなのでは?
そのように考えると、いっそう物語が切なく思えます。
ラストシーンのところは、涙がこぼれそうになりました・・・

映画「シザーハンズ」と障がい、というテーマで、
既に誰かが記事を書いていないか、と調べたら、
やっぱりありました・・・
あえて付け加えて書くことがないぐらい見事な内容です。
ぜひご一読を!
『シザーハンズ』(ネタバレ注意!)(ブログ名「映画兎」)

上記のブログ記事から引用します。
(引用)
エドワードを見る目線はそれぞれにある、という事です。お母さんにしてみれば、可哀想な捨て犬のような感じですし、お父さんにしてみれば一風変わったただの若者です。色情狂の中年女には刺激的な若い男で、身体が不自由な退役軍人のおじいさんにとってみれば、同じ身体障害者……この全てが間違っている訳ではありません。むしろどれも正しい。けれど、どれもエドワードの望む自分自身の姿では無いわけです。それが、お金の使い方をエドワードが考えるシーンに顕著に表れています。エドワードは「拾ったお金をどうする?」と質問されます。もちろん答えは「警察に届ける」な訳ですが、エドワードは「愛する人にプレゼントを買います」と答えます。こういった彼の美しくひたむきな言動一つ一つが、キムの心に染みていくのです。キムだけが、エドワードのあるべき姿を見抜きます。
(引用終)

観る人によってさまざまなエドワード像が形成される・・・
傑作という名にふさわしい作品です。
既に観た方も、「障がい者と社会」という視点で観てみると、
また違った相が見えてくるかもしれません。

(DVD版)


(Blu-ray版)

2011年11月 3日 (木)

ヒラリー・ハーンのバッハとバーバー

ヒラリー・ハーンというヴァイオリニスト。
名前はもちろん知っていましたが、
若手だし、テクニックばっかりの人なんでしょ・・・
という食わず嫌いの認識しかありませんでした。

先月、「An die MusikクラシックCD試聴記」というサイトで、
ヒラリー・ハーンを聴く-クラシック音楽を聴く楽しみに浸る-」という記事を読みました。
相当なクラシックマニアの方が、ハマってしまったヒラリー・ハーンの演奏とは?
私は興味を持ち、いくつか試聴してみました。
確かに、美音ですね~
ちょうど、HMVのサイトで、安いCDを見つけたので、
思い切って2枚購入してみました。
彼女のデビュー盤である、「Plays Bach」(輸入盤)
(※J・S・バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番・第3番と
無伴奏ヴァイオリンソナタ第3番)と、
CDジャケットが美しい、バーバーのヴァイオリン協奏曲他のCDです。


Plays Bach」(輸入盤)※ジャケットは新聞記事みたいで貧相・・・
購入したのはコチラでした。


上記の国内盤「ヒラリー・ハーン デビュー! バッハ:シャコンヌ


バーバー : ヴァイオリン協奏曲 / エドガー・メイヤー : ヴァイオリン協奏曲
彼女のCDのジャケットでは、一番美しいのでは?
私もイメージ先行でつい買ってしまいました・・・

この2枚のうち、絶賛に価するのは、
もちろん、バッハのアルバムの方です。
正直に言えば、バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータというのは、
苦手な曲でした。
堅苦しくてつまらない、というイメージ・・・
聴いているうちに眠くなってしまうか、飽きて別なCDを聴くか・・・

一般的に、名盤として名高いのは、ヘンリク・シェリングのCDです。
何回か聴いたことがありますが、魅力を感じたことはありません。
(模範的・標準的な演奏ではありますが・・・)

シェリングのCD

2003年に、札幌コンサートホールKitaraで、
札幌古楽の夏音楽祭2003 コンサートシリーズIというコンサートをやっていました。
その時に、ルーシー・ファン・ダールという古楽のヴァイオリニストを知り、
NAXOSで販売していた4枚組のCDを買いました。
(現在は1枚もののみの販売のようです。)
時々、「シャコンヌ」だけ聴いていたアルバムです。


ルーシー・ファン・ダール
J.S. バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ BWV Volume2


しかし、ヒラリー・ハーンによるバッハのCDの前では、
シェリングやルーシー・ファン・ダールその他の演奏は、
色あせてしまった感があります。
たとえていえば、普通の特急の指定席と、
特急「北斗星」ぐらいの違いかもしれません。

手元にあるCDで、無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番の時間の比較をしてみましょう。
左がルーシー・ファン・ダールの演奏、
右がヒラリー・ハーンの演奏です。

①Allemande 4:19⇔5:13
②Courante  2:47⇔2:09
③Sarabande 3:18⇔4:44
④Gigue    4:28⇔3:23
⑤Chaconne 12:13⇔17:52

シャコンヌではなんと5分以上の差があります。
さすがに、ヒラリー・ハーンの「シャコンヌ」の演奏を初めて聴いたときは、
遅すぎる、と思いましたが、
シャコンヌの部分だけつまみ食い的に聴くのではなく、
アルバム全体として聴くと(あるいは、無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番全体で)、
違和感はすぐに消えてしまいました。

ヴァイオリン一挺で、こんなに豊かな音楽を奏でることができるんだ~
無伴奏ヴァイオリンの曲は退屈、という私の固定観念を見事に覆してくれました。
ここ数日、続けてヒラリー・ハーンのバッハのCDを聴き続けています。
私もハマってしまいました・・・

いままで魅力を感じたことがなかった、
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番もすばらしいです。
「ヴァイオリンでフーガができちゃうんだ、へぇ~」で終わっていた曲でしたが、
楽しんで聴くことができます。
そう、ヒラリー・ハーンのバッハのCDに言えることは、
「堅苦しいバッハ」ではなく、「優雅に楽しめるバッハ」なのです。

バーバーのCDについては、演奏自体はもちろん絶品です。
曲自体の印象の薄さをぬぐうまでには至らないようですが・・・
CDジャケットの写真から出発して、
秋の公園・野山を散策して、きれいな紅葉を眺めるような気持ちで、
ゆったりした気分で聴いてみると、心に沁みるでしょう・・・
エドガー・メイヤーのヴァイオリン協奏曲は・・・
BGM程度に聴くならいい曲だといえます。

2011年11月 2日 (水)

洞爺湖・ニセコ 気まぐれな秋の日帰り旅(2011年10月末)

先日、妻と一緒に、車で洞爺湖・ニセコ方面を旅してきました。
当初の旅行計画は、
洞爺湖→支笏湖→恵庭、というルートを考えていました。
しかし、洞爺湖に行った段階で、
ゴマ粒よりも小さいたくさんの虫の大群とあちこちで遭遇しました。
妻は虫が苦手で、妻の発案により、支笏湖へ行くのは諦め、
急遽、羊蹄山一周
(留寿都村→真狩村→ニセコ町→倶知安町→京極町→喜茂別町)の旅プラス、
定山渓温泉、という旅程となりました。

旅行当日は天候に恵まれました。
旅行のお伴に、3枚のCDを持参しました。
そのうち、特に天気と紅葉の風景にピッタリだったのは、
先月購入した、小山実稚恵さんのベストアルバム。
ショパンやリストの曲が、色鮮やかな秋を思わせました・・・


小山実稚恵:ベスト・アルバム


朝8:30頃札幌を出発し、中山峠で小休止。
中山峠といえば、「あげいも」で有名ですが、
新商品(?)の「あげかぼちゃ」を食べてみました。
ちょうど旬なので、甘くておいしく、「あげいも」以上のおいしさかも?
中山峠からは、羊蹄山が少しだけ見えましたが、
頂上は雲に隠れていました。

その後、喜茂別町の「きのこ王国」で少し遅い朝食。
きのこ王国」は、本店が支笏湖近くの伊達市大滝区(旧大滝村)にあります。
その他に、今回行った喜茂別店など、計4店舗あります。
(「きのこ王国」で検索を!)
100円で味わえる「きのこ汁」が絶品ですよ。
1階がレストランコーナー、2階がおみやげコーナーとなっています。

腹を満たして、さらに洞爺湖へと向かいました。
洞爺湖畔にたどり着く前に寄りたいおすすめスポットは、
国道230号線沿いの洞爺湖町にある「サイロ展望台」です。
(「サイロ展望台」で検索を!)
洞爺湖を高台から一望でき、羊蹄山も見ることができます。
近年では観光バスツアーが休憩・お土産を買うために立ち寄っています。
当日は、韓国からの旅行者もいました。
ここでは、ヒグマ2頭の剥製の間に挟まって、
記念写真を撮ることもできますよ。

サイロ展望台」で撮った洞爺湖の写真です。


201110_toyako1


201110_toyako2


サイロ展望台」を後にして、洞爺湖畔へ。
洞爺湖のおみやげの定番、わかさいもで有名な、
わかさいも本舗洞爺湖本店に立ち寄り、昼食前におやつ・・・
焼きたての「いもてん」などを試食することができます。
私どもは、店頭で売っていたスイートポテトを買い、
店内の大きなガラス越しに洞爺湖を眺めながら、おいしく味わいました。

わかさいも本舗洞爺湖本店のすぐ近くに、
洞爺湖を巡る遊歩道があります。
遊歩道から妻が撮った写真です。
特に、かもめが舞っている写真はステキだと思いました。


201110_toyako3


201110_toyako4


遊歩道では、美しい紅葉と、静かな湖面を堪能することができましたが、
その一方で、小さな虫の大群に悩まされました・・・
服にいつの間にかくっついて、なかなか離れません。
妻は虫が苦手なので、湖畔の散歩は途中で断念しました。

昼食は、洞爺湖町のすぐ隣、壮瞥町の、
昭和新山に行く道の入口近くにある、
レストラン バイエルン」で。
ちょっとお高め、かな・・・

ここで、来年1月に公開予定の映画のチラシが置いてありました。
大泉洋さん、原田知世さん主演の「しあわせのパン」という作品です。
洞爺湖畔を舞台にしています。
チラシの写真(上記リンク先で見ることができます。)が
実にさわやかで魅力的に思えました。

映画の予告編です。

昼食の後、妻から提案があり、
急遽、旅程が支笏湖からニセコに変わりました。
洞爺湖からニセコは意外と近く、60kmほどです。
(北海道の田舎を走るなら、60kmは「近い」と感じるのです・・・)
真狩村を過ぎ、ニセコ町に入ったあたりで、
実にタイミングよく、羊蹄山の頂上が雲間から顔を出しました。

ニセコ町のニセコミルク工房から撮った写真です。
午後3時頃。
この写真を撮った10分後くらいには、羊蹄山は再び雲の中・・・
神様に感謝!


201110_niseko1


201110_niseko2


ニセコミルク工房では、「のむヨーグルト」を買って飲みました。
ここに来たら、必ず味わう一品です。
今回は食べませんでしたが、「ニセコほろけるチーズケーキ」もオススメですよ。
もちろん、ソフトクリームも絶品です!

ニセコを後にして、倶知安駅を目指しました。
今年7月に鉄道旅行をした際、
(記事→「一日散歩きっぷで札幌~ニセコ~小樽~新千歳空港の旅!(2011年7月29日)」)
たまたま見つけた「お菓子のふじい」の、
「注文を受けてからクリームを入れるサクサクシュークリーム」を再び味わうためです。
やっぱり、絶品・・・サクサク感と濃厚なカスタードクリームがたまりません・・・

倶知安町を出て、京極町の「ふきだし公園」に寄り道し、
定山渓温泉の「定山渓グランドホテル瑞苑」で日帰り入浴。
広い露天風呂、と観光ガイドブックに書いてあったので、
期待していましたが、
なんと、昼~夜の時間帯の大露天風呂は、女性のみ・・・
男性の浴場は、内風呂は大きいものの、露天風呂はこじんまりしていました。
その代わり、妻は大満足でした・・・
気まぐれな日帰り旅行が終わりました。
また旅に行きたいなぁ・・・

2011年11月 1日 (火)

2011年10月のアクセス数ベスト10記事一覧

2011年10月のアクセス数ベスト10記事は以下のとおりです:
(※トップページを除く)
ベスト3までは記事リンクをつけています。

一位. ウコンは肝臓に悪い?~NHK・ためしてガッテン「肝臓の健康を守れSP」
(2011年6月29日放送)

二位.大金星であり大黒星でもある番組~NHK教育・ETV特集
「ネットワークで作る放射能汚染地図 福島原発事故から2か月」
(2011年5月15日放送)

三位.血液検査から人工透析を防げるかも?
~NHK・ためしてガッテン
「腎臓が突然ダメになる 急増!沈黙の新現代病」(2011年9月14日放送)

四位.「代受苦」と十字架~瀬戸内寂聴さんの青空説法から
五位. NHKの犯罪?~「あさイチ」2011年10月17日放送
「放射線大丈夫?日本列島・食卓まるごと調査」

六位.「家政婦のミタ」第1話ミタ?
七位.NHK・クローズアップ現代「大人がハマる“数学ブーム”の謎」
(2011年7月27日放送)

八位. 「おひさま」最終回と「サザエさん」~妻の感想
九位.NHK・クローズアップ現代
「世界を変えた男 スティーブ・ジョブズの素顔」(2011年10月12日放送)

十位. 「五十音順」という語がわからない大学生

NHKネタが相変わらず圧倒的に強いですね・・・
(ベスト10中8つ・・・しかもそのうち4つは10月以前の記事・・・)
ちなみに、7位の記事は、先月と同じ順位でした。
キリスト教関係の記事が4位に入ったのは嬉しいです。
2011年11月もご愛読よろしくお願いします。

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