「五十音順」という語がわからない大学生
先日、ある大学の図書館に勤務している方とお話する機会がありました。
(○○医療福祉大学、とのこと・・・「○○」はあえて書きませんが・・・)
話の中で驚かされたことは2点ありました。
まず第1は、「五十音順」という語がわからない大学生がいる、ということでした。
大学図書館の本の探し方についてたずねてきた学生に対して、
その方は「本の並びは五十音順になっています」と説明すると、
「五十音順、って何ですか?」と質問されたそうです。
仕方なく、「あいうえお順のことですよ。」と説明すると、
ようやくその学生は理解できたそうです。
「分数ができない大学生」はさらに進んで、「五十音順がわからない大学生」へと、
「進歩(退歩)」したのでしょうか?
第2は、
「明らかに自閉症ではないかと思われる学生が、
毎日同じ時刻(しかも大学講義時間中)に図書館にやってきて、
毎回図書館のごみ箱を覗いて帰る。」という話でした。
(誤解のないように言えば、自閉症やアスペルガー症候群の人たちが、
大学に行っているのがおかしい、と言いたいのではありません。)
AO入試などにより、今やカネさえあれば誰でも大学に行ける時代になりました。
その分、大学と大学生の質の低下は否めません。
前述の学生であれば、「出席単位が取れないのではないか」と、
大学図書館勤務の人は推測していました。
私はその話を聞いて、何ヶ月か前に立ち読みした本の話をしました。
その時は本のタイトルが思い出せませんでしたが、
後で調べたら、『キャンパスの中のアスペルガー症候群』(講談社)という本でした。
大学入学しても、発達障害ゆえに不可解な行動をとって対人関係を築けなかったり、
単位がとれなかったり・・・の実例と、専門的な分析が書かれた本です。
簡単にアスペルガーだとか発達障害とかのレッテルを貼る危険についても書かれています。
今ドキの大学事情を知る好著といえます。
誰でも大学に行ける、というのは、一見よさそうに見えますが、
問題を先延ばしにしているだけ、という面もありますね。
大学、という聖域はまだまだ伏魔殿といえますね。
発達障害の問題は、本人が自覚していない場合も多く、
これからもっと顕在化していくことでしょう。
実際、教育現場でも、明らかな特別支援教育の範疇に入る子よりも、
グレーゾーンの子が通常のクラスに何人かいることの方が、
いろいろなトラブルの元になっている場合が多いようです。
その子たちにも、教育を受ける権利があります。
しっかりとした未来を築けるような、きめ細かい対応が必要ですね。
(追記)
10月13日の読売新聞掲載の「週刊ポスト」広告に、
「教育の今を考える~本当にあった!?『バカ田大学』
”偏差値測定不能”とまでコケにされて」という見出しがありました。
その見出しに続いて、
『「授業内容はアルファベットの書き方・読み方」、「辞書の使い方」使用教材は「中1英文法」
「授業の受け方」「ノートの取り方」まで-だが冗談ではない。
これこそ学力崩壊時代の覚悟の真剣教育なのだ」と吊り文句が書かれていました。
既に実際にその記事を読んだ人がブログ記事を書いていますので紹介します。
「本当にあった!?バカ田大学の烙印を押された日本橋学館大学」
(ニュース情報をいろいろと紹介するブログ)
情報公開した大学は、立派だと思います。
その記事から少し引用すると・・・
(引用)
「入学初年度の履修科目である
基礎カリテラシーの内容は驚くべきもの。
英語は英語を好きになると題して
前期は全部で15回授業が開かれますが・・・
第1回目は授業の進め方で終わり、
2回目はアルファベットの書き方と読み方、
3回目は辞書の構成・辞書の使い方と進み、
10回目でやっとbe動詞が出てくるという。
そして高校までの算数・数学をみなおし
数学的思考を身に付けると題した数学では、
小数や分数の計算や円の面積が出てきます…
日本語会話の授業では2回目がクラスで自己紹介、
3回目は目上の人を~~に誘う、
4回目は目上の人の誘いを断るという内容。
実際に中学1~3年の参考書を使うので
正に中学生レベルのような授業内容です・・・
数学にいたっては小学生で習う内容かと。」
(引用終)
絶句・・・
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