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2011年10月30日 (日)

東大・児玉龍彦教授の主張・行動を大きく紹介~NHKEテレ・ETV特集「果てしなき除染 ~南相馬市からの報告~」(2011年10月30日放送)

NHKは、NHK総合では先日の「あさイチ」のたぐいの放送をしたりしますが、
Eテレでは、硬派でまっとうな意見を紹介することが多いですね。
(二枚舌的といえますが、まったく何もやらない民放よりはマシといえますけど・・・)

2011年10月30日放送の、
ETV特集「果てしなき除染 ~南相馬市からの報告~」は、
福島県南相馬市での除染の取組と、
良心的な科学者の一人で、内部被曝の専門家である、
東大の児玉龍彦教授の主張と行動を大きく取り上げていました。
番組HPから、放送内容を転載します。

(引用)
広島型原爆168個分の放射性セシウムが環境中にばらまかれた福島原発事故。住民が安心して暮らしていくためには、環境から放射性物質を取り除く「除染」が欠かせない。国は「放射性物質汚染対処特別措置法」を定め、年間放射線量が1ミリシーベルトを超える地域については国が責任をもって除染を行う方針を明らかにした。しかし、具体的な方策についてはまだ何も決まっていないのが現状だ。
福島県南相馬市では、いまも2万5千人以上が町を離れ、避難生活を続けている。とりわけ放射線量が高い山あいの地域では、影響を受けやすい子どもたちは避難させ、高齢者だけが放射能におびえながら暮らしている家庭も少なくない。原発事故による家族の分断が始まっているのである。
放射線量が下がらない限り、子どもたちは町に帰ってこられない。このままでは地域の衰退にもつながりかねないと危機感を深めた南相馬市では、国に先駆けて除染に乗りだしたが、市内すべてを浄化するには途方もない時間と費用がかかることがわかってきた。内部被ばくの専門家である東京大学の児玉龍彦教授は国の無策に怒りを隠さない。
なんとか地域を甦らせたいと願う南相馬の人々の除染への果てしない挑戦を描く。

(引用終)

番組での児玉教授の主張からは、
国の無策・口だけの除染約束への強い怒りが感じられました。
児玉教授の試算によると、
南相馬市の平均的な一戸建ての家屋・土地の除染費用は、
なんと1軒あたり560万円にもなるそうです・・・
南相馬市の全世帯約2万だとしても、
単純計算で1120億円になります。
(実際にはそれ以上・・・)
一方、南相馬市の除染予算は10億円・・・
国は除染費用の負担を約束しているものの、
よほどのところでなければ出すつもりがなさそうです。
結局、地方が負担したり、個人が負担してしまうことになります。
本来は、排出責任がある東電や、原発を推進してきた国が、
有無を言わずにきちんと負担すべき費用です。
個人や地方公共団体の努力だけでは、限界があります。
国は少しでも早く・多く、
除染費用の負担や、場合によっては移住の検討を行うべきです。
民主党政権になってからずっと続いている「やるやる詐欺」・・・
もういい加減にしてもらいたいものです!

除染の努力には頭がさがる思いですが、
一方、除染した土砂・草木をどこにもっていくのか、
費用の膨大さに対する効果の程度などを考えると、
課題が山積み状態です。
チェルノブイリ原発での旧ソ連のように、
強制移住を検討すべきレベルなのでは、とも考えます。
政府や御用学者の机上の検討という「幻想」ではなく、
5年後・10年後の未来をきちっと見据えた、
現実直視こそ必要です。
「優しさ」から気休めを言い続けて、あとで残酷な現実を招くよりも、
今は厳しくとも、長い目で見れば正しく、
命と健康を守る判断を受け入れたほうが賢明といえます。

番組で紹介されていた、児玉教授の著作です。


内部被曝の真実 (幻冬舎新書)
内部被曝の真実 (幻冬舎新書)

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