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2011年9月25日 (日)

まだ終らないアメリカ合衆国の「西部開拓史」~「聖書と銃」から「民主主義と銃」へ、そして世界中へ・・・

先日(2011年9月23日)、NHKBSプレミアムで、
西部開拓史」という映画が昼間に放映されていました。
外出する予定があったので、録画しておきました。
1964年の米アカデミー賞3部門に輝く、
西部開拓時代を総括した教科書的な作品です。
3人の監督で5つの話をオムニバス形式でつないだ、
2時間半超の大作です。
(まだ観たことはありませんでした。)

(DVD版)
西部開拓史 特別版 [DVD]

(Blu-ray版)
西部開拓史 [Blu-ray]


もともと3つのスクリーンを1セットにして投影されていたもので、
DVD・Blu-ray用にデジタル加工してつなぎ目を修正したようです。
そのせいか、風景の映像は約50年前の映画とは思えないほど美しかったです。
オープニング曲も迫力満点でした。
しかし、なんとなく退屈な感じがして、途中大幅に飛ばして観ました。
(観ていない、に等しいかもしれません・・・)
最も印象に残ったのは、西部開拓時代が終って、
20世紀半ばの(当時の)アメリカ西部の様子
(ハイウェイを行き交う無数の自動車等)が映されたところと、
主題歌が流れるところでした。
こういう歌詞が歌われていました。

They came with Bible fist and gun
And they fought until the job was done
The winning of the West

(歌詞全体は⇒コチラ
日本語に訳すと・・・(かなり直訳ですが・・・)
「彼ら(西部開拓者たち)は来た、聖書と拳と銃を持って
そして彼らは戦った、業(=西部開拓)が終るまで
西部の勝利」
(テレビ版字幕はもっと上手な訳をつけていましたケド・・・)

聖書と拳と銃を持って」西部開拓は進められた、というワケです。
(確か、字幕では「聖書と銃」だけだったと思いますが・・・)
本来なら平和を願う「聖書」が、暴力の最たるものである「拳と銃」とペアになるとは・・・
ここに、アメリカの矛盾と皮肉があるわけです。
60年代冒頭の時は、まだ有色人種に対する差別が公然とあったような国なので、
白人中心主義のおかしさすら自覚していなかったのでしょうね。
もともとのタイトルは”How the West Was Won”(いかにして西部は勝利したか)。
インディアン(ネイティブ・アメリカン)や大自然の脅威に勝利した!
という幼稚な白人中心主義の世界観ですね。

歴史を振り返ると、「聖書と拳と銃を持って」の「西部開拓」は、
いまも続いています。
(ただ、今や「聖書」は「民主主義」に変わってしまいましたが・・・)
アフガニスタンやイラク、最近ではリビアに至るまで、
アメリカのおかしな「フロンティア・スピリット」なるものは、
世界中に流血を拡げつつ、「民主主義」という大義を広げたぞ、
という自画自賛を性懲りも無く続けています。
そういう意味で、「西部開拓史」は今も終っていないのかな~、
と映画のラストを観てあきれてしまいました。
負の遺産として、「西部開拓史」という映画を観た方がいいようです。

アメリカは、野蛮な「西部開拓史」の時代を卒業して、
聖書から、本当の平和を学んでほしいものです。

主は国々の争いを裁き、
多くの民を戒められる。
彼らは剣を打ち直して鋤とし
槍を打ち直して鎌とする。
国は国に向かって剣を上げず
もはや戦うことを学ばない。
ヤコブの家よ、主の光の中を歩もう。

(旧約聖書イザヤ書2:4~5新共同訳)

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