おすすめWEB記事~科学ジャーナリスト・塩谷喜雄氏の記事(フォーサイト)
先月(8月)、
「原発排気筒の底部で毎時1万ミリシーベルト以上という極めて高い線量が観測された」
とする、8月1日の東京電力発表のニュースがありましたね。
しかし、どうしてこのタイミングに発表されたか、ということに対して、
マスコミは全然疑問を持たずに、ニュースを垂れ流していましたね。
今回紹介します、科学ジャーナリスト・塩谷喜雄氏のWEB記事、
「中国鉄道事故より悪質な日本の事故隠蔽――「3.11の真実」埋葬を許すな」は、
実に鋭く、マスコミの怠慢を指摘しています。
記事から引用します。
(引用)
1万ミリシーベルト超の高線量区域はなぜ突然出現したのか
恣意的な断片情報による世論操作の典型例が、原発排気筒の底部で毎時1万ミリシーベルト以上という極めて高い線量が観測されたとする、8月1日の東京電力の発表である。
福島第一原発の1号機と2号機の排気筒底部で、1万ミリシーベルトまでしか測れない線量計が振りきれたという。また4日には、そこにつながる配管付近でも毎時3600ミリシーベルトが観測されたと発表した。メディアはこぞって「原発サイト内で最強の放射線」と大きく報じた。
何の疑問も持たずにこの数字を垂れ流した時点で、報道機関としては失格である。無能といってもいい。広報機関に徹していて、報道なんかとっくに放棄しているというのであれば別だが、いささかの自負が残っているなら、数字の意味と発表の意図を問いただし、ニュースとしての価値を評価せねばならないはずだ。
東電は3月12日のベントの際に付着したとするが、事故から5カ月もたってから、1時間浴びたら死に至るような高線量区域が突然「出現」したのはなぜか。本当に8月1日に新たに見つかったのか。同じ区域の7月1日の線量はどうだったのか、6月1日、5月1日、4月1日には、それぞれどうだったのか。そこを確認せずに「高線量区域見つかる」と報じたとしたら、お粗末というほかない。
(引用終)
「何の疑問も持たずにこの数字を垂れ流した時点で、報道機関としては失格である。無能といってもいい。広報機関に徹していて、報道なんかとっくに放棄しているというのであれば別だが、いささかの自負が残っているなら、数字の意味と発表の意図を問いただし、ニュースとしての価値を評価せねばならないはずだ。」
という指摘はもっともです。
3.11で、日本のマスコミは、政府の広報機関に成り下がりました。
しかも、自主的に・・・
また、ネット住民の一部は別とすれば、一般の日本人も、
思考停止状態に陥って、政府・東電のウソを信じ込んでしまいました。
事故後半年もたって、
実は保安院は、メルトダウンを予想していた、というのが明らかになりました。
「当日に2号機溶融を予測」
多くの人は、最悪の事態を直視できず、楽観的な考えに立ってしまったため、
政府批判さえしませんでした。
政府を追い詰めなかったのは、マスコミの責任であると同時に、
声をあげなかった我々国民の責任でもあるのです。
「フォーサイト」に掲載されている、塩谷氏の記事はどれも読み応えがありますので、
ぜひ一読をおすすめします。
塩谷喜雄 記事一覧
特に、
「「本当の原発発電原価」を公表しない経産省・電力業界の「詐術」」もおすすめです。
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