リコール?リコール!~泊原発3号機の営業運転再開に思う
北海道の高橋はるみ知事が、泊原発3号機の営業運転再開を許可してしまいました・・・
福島原発事故の傷がまだ生々しい中、
かの菅首相でさえ(大衆迎合とはいえ)原発再開にストップをかけている中、
高橋知事の判断は正しかったのでしょうか?
「北海道の母」のように道民に親しまれていた高橋知事だけに、
今回の件は大変残念に思います。
(原発推進や、地方分権強化、という観点からなら、
「英断!」という評価もあるのでしょうけど・・・)
ジャーナリストの上杉隆氏は、「週刊・上杉隆」にて、さっそく批判を展開しています。
「泊原発3号機、営業運転に移行――
世界のどの国よりも早く原発再開に踏み出した「事故当事国」日本」【第188回】 2011年8月18日
記事の要点を引用します。
(引用)
菅首相自らが求めていたストレステストや他国のような国民投票もなく、いきなり営業運転の再開を決めたのである。しかも、地方自治体の意思による決定である。
福島第一原発の事故はいまだ収束していない。日々、放射能汚染水を海洋に流出させ、夜な夜なベントらしき水蒸気を発生させているのが事実だ。にもかかわらず、日本は原発再開へ、どの国よりも早く踏み出してしまった。いったい政府は何を考えているのだろうか。(中略)
いずれにしろ、高橋知事は原発再開へ舵を切った日本で最初の「政治家」となったのである。
きょう、筆者がMCを担当する東京FMの番組「タイムライン」に北海道大学大学院の吉田文和教授が電話で出演した。
吉田氏は、営業再開の決定直前の15日、道内の学識経験者による泊原発再稼動の反対署名を集め、そのアピールを行なった代表者でもある。その吉田氏はこう話した。
「明確な安全基準と原発再開の規制を国が決めないまま高橋知事は判断を下してしまいました。近くにあるとされる活断層に対する第三者機関の判断も、60キロメートルしか離れていない札幌市を含めた周辺自治体の参加もないまま、泊村周辺の4自治体のみの賛成で決定されてしまったのです。それは大きな問題です。とくに来年以降のプルサーマルの開始は、充分な話し合いと安全対策がなければ容認できないのです」
にもかかわらず、北海道、いや日本は原発再開へ強引に舵を切った。いったいそれはなぜか。
15日、北海道のローカル番組「U型テレビ」(UHB)のキャスター大村正樹氏は、当日の生放送の中で、その理由を次のように解説している。
「原発立地による地方交付金が232億円も泊村に落ちているんです。そのおかげで、漁業しかなかった過疎の村は道内でももっとも裕福な自治体になったのです。医療費は無料、子ども手当ても国からとは別途支給、ゴルフも無料、村民は、道内でももっとも裕福な生活を送ることができるのです」
まさしく札束で頬を叩くような仕業である。だが、タダより高いものはない。それはチェルノブイリやフクシマが証明しているはずだ。
それでも、日本は原発マネーから脱却できそうもない。
東京電力が事故処理の失敗と情報隠蔽を繰り返し、人類史上最悪の人災事故を起こしても、政府は損害賠償を求めないどころか、むしろ国費で東電を救済さえしようとしている。
霞ヶ関はいわずもがなである。経産省、原子力保安院は事故の過小評価に終始し、これだけの犯罪を犯しながら、検察当局は捜査どころか証拠保全さえ行おうとしない。
また、電気事業連合会から年間800億円以上の広告費で「買収」されているテレビや新聞の大手メディアは、東電の腐敗の本質をなにひとつ追及できずに、「安全デマ」を流すことで汲々としている。
もはや日本は民主主義国家ではない。先進国とは言いがたい原発マフィア国家に成り下がったのである。いや、とうの昔に、その内奥まで原発マネーに冒された犯罪国家だったのかもしれない。
だから、泊原発の営業運転再開という世界の認識から180度遊離しているような判断が普通にできてしまうのであろう。
日本人はいったいいつになったら、世界の厳しく冷たい視線に気づくのだろうか。
(引用終)
「もはや日本は民主主義国家ではない。先進国とは言いがたい原発マフィア国家に成り下がったのである。いや、とうの昔に、その内奥まで原発マネーに冒された犯罪国家だったのかもしれない。」
という指摘は、強烈ですね。
「民主主義」ならぬ「金主主義」でしょうか・・・
原発はコワイけど、交付金はヤメラレナイ・・・
セレブが麻薬におぼれるような悪循環なのでしょう。
「金主主義」から「民主主義」を取り戻すには、
伝家の宝刀「リコール」を使う時期ではないでしょうか。
(北海道では、83万人ぐらいの署名があれば、リコール請求できるそうです。)
みなさんはどう思いますか?
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