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2011年8月21日 (日)

札幌市の教育の学力危機を暴けるか?~読売新聞北海道版の連載「学力危機」(2011年8月21日~)

読売新聞北海道版で、実に興味深い企画連載が始まりました。
学力危機~第1部 札幌の格差

第1回目は、全国学力テストの札幌市での結果分析と、
序列化や競争を避けようとする札幌市教育委員会(以下「札幌市教委」と略記)の姿勢をあらわにしました。

記事はこのように始まります。

(引用)
 「勉強だけの子どもを育てたくありません。」
 「授業での学力向上を図りたい」と口にした校長に、ある教員がこんな言葉を返した。札幌市郊外の小学校に赴任した2年前。他の教員のいる前でのことだ。

(中略)
 「学力が上がれば子どもは学校が楽しくなる。楽しくなれば学校全体が落ち着く」。そう答えた校長は、教員の反発にもひるまず、授業改革に乗り出した。
(引用終)

この小学校は、業者テストの成績が高学年で全国平均よりも10ポイント以上低いとのこと。
授業中に子どもが立ち歩くなどの落ち着きのなさも目だっていたそうです。
(それにしても、教員が「勉強だけの子どもを育てたくありません。」というなら、
そんな教員は、さっさと退職した方がいいのではないでしょうか?)
教員は「この学校で学力向上なんて無理」と諦めていたのに対して、
校長はノートの書き方の指導を行うことによって、目に見える形で、
学力向上を果たしたそうです。

このエピソードの後、道教委が進める学力向上策の一つ、
学生ボランティア派遣による夏休みの補習実施に、
釧路市や新十津川町などは参加したのに対して、
札幌市は参加しなかったことを指摘しています。
(引用)
 格差を見せない姿勢を貫き、学テ(=学力テスト)の公表方法もあいまいな札幌市教委。格差の広がりを心配する教育関係者は市内にも多い。
(引用)

札幌市教委は、全国学力テストには消極的で、前回は抽出参加でした。
(引用)
 全校参加を序列化や競争と結びつけて批判する声があるため、札幌市は、結果の発表方法も、「序列化や過度の競争を避ける」という方針を徹底。市全体の教科別平均正答率など、数字で示せる結果は、設問ごとの無回答以外、非公表にしている。(中略)
 序列化や競争を避けようとする市教委の強いスタンスが、学力格差を見えにくくしている。
(引用終)

札幌市では、私立中学受験をするわけでもないのに、塾に行く子が多い傾向があります。
算数は、問題解決型学習のやり方で教える先生が多いようです。
基礎が定着していない中、教師はTT(チーム・ティーチング)で教えたがります。
学力テストの結果がきちんと公表されたら、いかにだらしない教育をやっているか、
一目瞭然となることでしょう。
だからこそ、市教委も、教員たちも、結果公表には恐れをなして、
変な言い訳をしている、とも思えます。

学校は、はっきりいって、勉強するために行くところです。
「しつけの場」などではないのです。
札幌市教委と各学校は、税金が有効に使われている(使われていない)ことを、
学力テストの成績公開という形で、きちんと目に見える形で提示してもらいたいものです。

読売新聞サン、グッジョブ!!!
続きが楽しみな記事です。

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コメント

ZAPPERさん、コメントありがとうございます。
札幌の学力格差にメスを入れた読売新聞のこの企画、実に楽しみですね。

記事のご紹介、ありがとうございます。
なるほどなるほど…
札幌の場合、市長の判断によるところが大きいのでしょうね。
何と言っても、北教組と表裏一体みたいなものですから。
なるほどなるほど。

この記事へのコメントは終了しました。

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