ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番って、こんなに美しかったの?~NHKBSプレミアム・特選オーケストラ・ライブ -札幌交響楽団演奏会-(2011年8月28日放送)
NHKBSプレミアムで日曜早朝に放送している「特選オーケストラ」。
今回は、札幌交響楽団(以下「札響」)の
「札響50周年ヨーロッパ公演・帰国記念演奏会」が放映されました。
演奏者・曲目等をNHK番組表から転載します。
<出演>管弦楽:札幌交響楽団
バイオリン:諏訪内晶子、指揮:尾高忠明
「オーケストラのための ハウ・スロー・ザ・ウィンド」 武満徹・作曲
「バイオリン協奏曲 第1番 ト短調 作品26」 ブルッフ作曲
「無伴奏バイオリン・ソナタ 第2番BWV1003からアンダンテ 」バッハ作曲
(バイオリン)諏訪内晶子
「交響曲 第6番 ロ短調 作品74“悲愴”」 チャイコフスキー作曲
「変奏曲“なぞ”から 第9変奏」 エルガー作曲
~札幌市・札幌コンサートホールKitaraホールで収録~
<収録:2011年6月4日(土)>
私は早朝に起きて少し観ていましたが、
早々に武満徹の曲で眠りこけてしまいました。
よくわからない曲です。
(時折「ピー」とかいう音で目が覚めるのでしたが・・・)
後で触れるブルッフの曲も、
早朝なのでボリュームを絞っていたせいか、あるいは寝ぼけているせいか、
さほど感銘を受けませんでした。
真っ赤なドレスの諏訪内さんがキレイ、しか印象に残らない・・・
チャイコフスキーの「悲愴」も、その時はイマイチに思えました。
念のため、あらかじめ録画予約をしておいて正解でした!
録画を少し編集(武満徹の曲をカットしたり・・・)した上で、改めて視聴しました。
テレビのスピーカーではなく、オーディオのスピーカーを通して聴きました。
すると・・・
退屈な演奏などではなく、お宝のような演奏だったのです!
この放送で絶賛すべきは、
諏訪内晶子さん独奏によるブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番です。
Kitaraホールの空気感まで伝わるような優秀録音に助けられているせいもあり、
諏訪内さんの独奏ヴァイオリンが極限までの美音を響かせていました。
「ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番って、こんなに美しい曲だったの???・・・」
そう思わずにはいられませんでした。
もちろんこの曲(ヴァイオリン協奏曲第1番)は、何度か聴いたことがあります。
しかし、たいして感銘を受けませんでした。
家にもCDがあります。
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲のカップリングに収録されているものです。
チョン・キョンファ(Vn)、
クラウス・テンシュテット指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
このCD、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を聴くために買ったものなので、
ブルッフの作品は、「刺身のツマ」程度にしか考えていませんでした。
一応、聴いたことはありますが、さして印象に残らないものでした。
しかし今回、諏訪内さんのヴァイオリンと尾高さん指揮札響の演奏を聴いて、
ようやく素晴らしい名曲なのだ、ということに開眼しました。
諏訪内さんは、とりたてて自己主張しているワケでもないのに、
音が純粋な結晶のようにキラキラと輝き、甘美なメロディを奏でていました。
演奏者の存在を忘れるような、美音の饗宴・・・
サポートする札響も熱演でした。
このままCD化できそうなぐらいのハイレベルな演奏でした。
諏訪内さんはデビューCDに、ブルッフのこの曲を選んでいます。
その演奏から15年・・・
私はそのCDを聴いていませんが、
おそらく今回の方が素晴らしいと確信しています。
諏訪内さんといえば、資生堂のCMに出るくらいの美女ですね。
今年の7月に、「脱税報道」がされて幻滅された人も多いかもしれません。
(ちなみに今回の演奏は今年の6月)
しかし、演奏はベツモノと考えた方がいいのです。
(公認会計士の方が、その報道に対して、
同情的な記事を書いていますので紹介します。
→諏訪内晶子さんの脱税の報道を読んだ個人的感想(2011年7月12日)
(公認会計士・金井正美の独立開業支援ブログ)
※某週刊新潮のように悪人呼ばわりして叩くよりも、
法に従って追徴課税で一件落着、でいいのではないでしょうか?)
ブルッフのこの曲は、一瞬一瞬が美しいのですが、
メロディとして口ずさめるものが少なく(第3楽章冒頭は例外ですが)、
よほどの演奏でないと印象に残らないのかもしれません。
その「よほどの演奏」にめぐり合えて、うれしい~ヽ(´▽`)/!!!!
諏訪内さんのCDでは、シベリウスのヴァイオリン協奏曲と、
バッハのヴァイオリン協奏曲集のCDがオススメです。
ジャケットもスバラシイ~
(シベリウス ヴァイオリン協奏曲他)
※併録のウォルトンのヴァイオリン協奏曲は、未だに聴いたことがありません・・・
(J・S・バッハ ヴァイオリン協奏曲集)
チャイコフスキーの「悲愴」の演奏は、結構すばらしかったです。
札響は、今まで実演で聴いた限りでは、
ブラスセクションに問題があり(弦はとても美しいのに・・・)、
チャイコフスキーのこの曲での金管強奏など、あまり期待していなかったのですが、
予想外の出来でした。
ブラスセクションや打楽器が迫力をもって鮮明に録音されていました。
本場ロシアの演奏にも負けず劣らずぐらいのレベルかも?と思ったほどです。
冒頭のファゴットにもう少しドスをきかせてもらいたかった、ぐらいで、
少なくとも演奏自体は、十分に合格点でした。
札響って、実はスゴイじゃん!(今頃気づいたの?とお叱りを受けそう・・・)
とはいえ、ブルッフの後では、影が薄くなってしまいました・・・
「悲愴」における私の基準となる演奏は、
やはりムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルの演奏です。
ただし、チャイコフスキーの「悲愴」はどうも暗~い曲なので、たまにしか聴きません。
アンコール曲の「エニグマ変奏曲」の「ニムロッド(第9変奏)」も素晴らしかったです!
NHKさん、これからも地方で頑張っているオケをどんどん取り上げてくださいませ・・・
(もちろん海外オケも!)
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