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2011年6月16日 (木)

給食食材の放射線物質検査は意味があるのか?

NHKニュースで、「給食食材の放射線物質を検査」という報道をしていました。
保護者からの不安の声にこたえるため、
横浜市が「小学校の給食で使われる野菜について、放射性物質の検査を、16日から始め」た、
というものです。
確かに、「被災地を助けよう」とかの名目で、
放射能汚染が疑われる福島県や茨城県産の野菜を積極的に使う動きがありましたので、
保護者の切実な声が教育の現場を動かした、といえるニュースです。
横浜市だけでなく、各地の自治体にこの動きは広がる気配です。
国の安全基準がいかに信頼されていないかの証拠ですね。
「風評被害」という言葉を盾に、安全・安心がおろそかにされていましたから・・・

しかし・・・
報道によると、給食のその日のメニューの中で、調べるのは1日1品目だけとか、
不備が多いと思います。
そもそも、市場で既に放射性物質調査をしてからまた調査するのは、
二度手間、過剰反応といえないでしょうか?
(そうでもしないとマズイ現実があるのは事実ですが・・・
安全・安心を売り物にしてきた日本も、落ちたものです・・・)
出荷検査がよくわからないものだから不安を招いているのです。

NHKニュースで、有識者の方(名前は忘れましたが)が言っていましたが、
政府の基準が信頼できないから、こういう事態になるのです。
ゴマカシに過ぎない暫定基準値をいつまでも基準にしないで、
外部被曝だけでなく、内部被曝も勘案した、
国際的に見ても妥当な基準値を迅速に定めて、
農産物をきちんと調査すればいいのではないでしょうか?
(セシウムやヨウ素だけではなく、他の放射性物質も・・・)
国民の安心・安全、
特に児童・生徒の健全な成長を保障するような早急な対策・対応が望まれますね。
もっといえば、放射能汚染が疑われる土地の農産物は、
完全に安心といえるまで、給食食材として使用しない、というのが、
一番安全といえましょう。

学校給食法第2条には、次のように書かれています。
(学校給食の目標)
第二条  学校給食を実施するに当たつては、義務教育諸学校における教育の目的を実現するために、次に掲げる目標が達成されるよう努めなければならない。
一  適切な栄養の摂取による健康の保持増進を図ること。
(以下省略)」
健康の保持増進」を図ることができない食材は、本来、給食にふさわしくないのです。

(参考:食育基本法前文から抜粋)
子どもたちが豊かな人間性をはぐくみ、生きる力を身に付けていくためには、何よりも「食」が重要である。今、改めて、食育を、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置付けるとともに、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てる食育を推進することが求められている。もとより、食育はあらゆる世代の国民に必要なものであるが、子どもたちに対する食育は、心身の成長及び人格の形成に大きな影響を及ぼし、生涯にわたって健全な心と身体を培い豊かな人間性をはぐくんでいく基礎となるものである。

中部大学の武田邦彦教授は、
6月16日のブログ記事「本当のことを「風評」という不誠実な政府」で、
次のように述べています。

(引用)
今、政府が「風評」と言っているのは、数100ベクレルの放射性物質が入った食材や物品を「放射性物質が入っているからイヤだ」というのが「風評」だというのです。
自分(政府)が決めたことを「守ろう」とすると、政府がその人に「風評被害を拡大するな!」というのですから、完全な言いがかりで、まるで政府がアウトローのような感じです.
また、マスコミは「政府が言ったから」という理由で、やはり「正しいことをしようとしているお母さん」を「風評を拡大する」と批判していますが、マスコミの記者さんもすでにおかしいことに気がついているのですから、控えてもらいたいものです。
・・・・・・・・
私は「愛する家族、信頼できる友、誠実な社会、誇りを持てる日本」と言っていますが、政府は「誠実さ」において「先頭を切ってもらいたい」と願います.
また農業や漁業の人が、後ろから圧力をかけているとすると、これまで「消費者ためにこだわりの食材」と言っておられたのですから、これも「誠実な社会」を作るために自粛して欲しいと思います.

(引用終)

食の安全は、命の安全につながります。
せめて子どもたちだけでも、安全・安心な給食を食べさせてあげたいものですね。
子どもたちは自ら選ぶことはできないのですから・・・

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