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2011年5月23日 (月)

小学校の外国語活動は本当に必要なのか?~NHK・クローズアップ現代「教壇に立つのはだれ?  ~小学校・英語必修化の波紋~」(2011年5月23日放送)

新学習指導要領実施により、
平成23年度から完全実施となった小学校の外国語活動。
しかし、この番組を観た限りでは、お金をたくさんかけてまでやる必要がないのでは?
と思わされました。

5月23日放送のNHK・クローズアップ現代では、
教壇に立つのはだれ?
 ~小学校・英語必修化の波紋~
」と題して、
小学校の外国語活動(実際は英語)を取り上げていました。
番組HPから、放送内容を転載します。


今年度から小学校5・6年生の授業で外国語活動が必修化(年35コマ)された。これまで、全国の自治体の3割以上が、外国語指導助手の調達を斡旋会社への業務委託でまかなっていたが、去年、千葉と愛知などでその業務委託が“偽装請負”だと労働局から指摘された。法律上、「業務委託」では、教室で担任が外国語指導助手に対して指導したり打ち合わせたりできない事になっている。その制約が守られていなかったのだ。杓子定規な法律の制約の下、現場ではどのように英語の授業を行おうとしているのか。本格的に開始したばかりの小学校英語を取り巻く、課題を見つめる。


番組では、まず、外国語指導助手(以下ALTと略記)の契約の問題について取り上げました。
斡旋会社と市町村の教育委員会との契約は、かなり高額なものです。
それでも、契約上、ささいな事ですら、斡旋会社を経由しないと指示・依頼を出せないとか、
学校に来るALTがコロコロ変わるなどの問題が浮き彫りにされました。
番組では取り上げていませんでしたが、
そもそもそんなにネイティブスピーカーが必要なのか、といった疑問さえ浮かんできました。
外国人=アメリカやカナダ、イギリス、オーストラリア国籍で、
白人や黒人の人、というステレオタイプを植え付けるような恐れさえあります。
(中国人や韓国人、フィリピン人だって外国人だし、
アジア系の人であっても、英語を話せる人はたくさんいます。)

実際、私は小学校での外国語活動の授業を何度か拝見したことがあります。
ALTではなく、普通の小学校教師による授業でしたが、
たいした内容ではなく(申し訳ありませんが、率直に言わせていただくと・・・)、
ABCの歌とか、簡単な英単語を発音してみる程度のものでした。
文部科学省の学習指導要領でも、高度な事は全然求めていません。)
いくら英語を専門にしていないとはいえ、
中学校、高校、大学と英語を学習してきた人なら、
十分に授業をこなせる内容のはずです。

ネイティブスピーカーにこだわるなら、
DVDを活用して全国一律にしたり、
あるいはNHKの基礎英語1とかテレビの「プレキソ英語」を活用する程度で
十分ではないでしょうか。
教育に関するカネは削減要求したくないのですが、
これに関しては税金の無駄ではないかな、と思っています。

番組の後半では、普通の小学校教師による授業の工夫についても紹介されていました。
試みとしては、工夫されているな、とは思いましたが、
これも、全国一律のマニュアル・教科書をつくればいいだけの話なのです。
(日本の小学校では、教科書があるのに、わざわざプリント学習をしたりするという、
悪しき習慣がはびこっています。教科書を使わないのが熱心さとか・・・
時間と紙の無駄で、大変馬鹿げたものです。)
いちいち悩まなくて済むわけです。
あるいは、小学校教員免許取得の際に、英検3級程度は必須とするとか・・・
(一番いいのは、小学校教員も、専科制にすることです。
これについては、拙ブログ記事を参考にどうぞ・・・
日本の小学校の問題点~土台がしっかりしなければ・・・」)

番組では、小学校の外国語活動の存在意義については微塵も疑問をもっていませんでしたが、
いまのようなやり方で、何か意味があるのでしょうか?
本当に、英語が話す基礎となるのでしょうか?
小学校での英語教育(外国語「活動」という位置づけではありますが・・・)は、
早急に見直すべきでしょう。
バイリンガルに育てたいなら、
小学校低学年(もっと言えば幼稚園ぐらいから)から、
ABCの歌とかアルファベットとかをもっと早い段階で授業した方がいいですね。
授業にしても、教師の思いつきに任せるのではなく、
体系的に、少なくともNHKの基礎英語1レベルまでを、
小学校の6年間で習得できるようにするなど、
費用対効果をきちんと検証すべきでしょう。
(文法的なことまでもっと踏み込むべきです。)
また、香港などのように、
諸外国での英語の授業(ネイティブでなくてもある程度英語が話せる国の教育)などを、
もっと参考にすべきです。
小学校段階からの英語教育に反対はしませんが、
もっとやり方・お金のかけ方を検証してほしいものです。

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コメント

ゴロ様、コメントありがとうございます。
外国語活動よりも、国語に力を入れることと、
英語教育自体の見直しを図る、という意見、
本当にそのとおりですね。
ありがとうございます。

お久しぶりです。私も前々から思っていて、全く同意見です。税金の無駄、その前にやることいっぱいあるだろうと・・・。

英語よりもまずは国語からだと思います。
現代の子供の国語力と言ったら、もうそれはそれはひどいものです。「走ります」と「走れます」の違いが分からない子が沢山いるような状況です。国語は早いうちに手遅れになってしまう教科ですから、小学校で力を入れるべきです。

また、英語の時間を増やすことよりも、英語教育の見直しだと思います。
そもそも日本は受験英語などと言われている様に、英語教育がまずいことは何年も前から言われていることです。そこを無視して、小学校に導入をして時間を増やしても何の意味もないはずです。

熱心な教師は英語の実力がないからと、自腹で専門学校に通ったりしているそうです。もっと報われる努力をさせてあげてほしいと思います。

というか、文科省は教育のプロがいるわけではないですから、まずはそこが問題ですよね。

ZAPPERさん、コメントありがとうございます。
中途半端な英語教育(外国語活動)に無駄な税金を投入するぐらいなら、
国語教育をしっかりやってほしい、というのが正直なところです。
その上で、必要ならば、きちんとした「英語教育」をやるべきでは、
と考えています。
今の内容なら「総合的な学習の時間」の範囲内で十分でしょう。
児童よりも、日本に住んでみたいという欧米人にメリットのある制度のようにも思えます。

お仲間にALT経験のある英語教育のプロがいるのですが、小学校教員の英語力のなさに心底から呆れ返っていますね。Mr.とMissの区別がつかない方が実際にいるとか。I can~ I can not~の単元において、I can not walk.と平気でやってしまい、そういった例文は不適切だと指摘してもその意味すら分からないそうです。ご指摘の通り、英検3級程度を義務化しなければ意味がないものになってしまうでしょうね。

私個人としては反対です。「まずは国語だろう!」と思いますので。

この記事へのコメントは終了しました。

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