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2011年3月 8日 (火)

立ち読み日記~『新訳 赤毛のアン 』(集英社みらい文庫)

ある書店の入口のところに、「おやっ?」と思わせる表紙の本が・・・
今回紹介します、『新訳 赤毛のアン 』(集英社みらい文庫) です。
表紙が、『ハチクロ』(『ハチミツとクローバー』)化した、アンなのです・・・

新訳 赤毛のアン (集英社みらい文庫)

表紙を描いたのは、『ハチクロ』の作者、羽海野チカさん。
中のイラストは、残念ながら、羽海野さんではなく、「おのともえ」さん、という方です。
しかし、パッと見では、羽海野さんが描いたのかな、と思わせるような画風でした。

集英社みらい文庫」というのは、今年の3月1日に創刊されたばかりの、
小・中学生向けの文庫(実際は新書サイズ)シリーズです。
マンガをノベライズしたもの(「君に届け」や「ちびまる子ちゃん」、「One Piece」など)が多いようです。
マンガを活字で読んでみたい、というのは、良いことでは、と考えます。

さて、『赤毛のアン』に戻りましょう。
これは全訳ではなく、かなりカットされているようです。
本文そのものはほとんど読まず、ひたすら挿絵を眺める立ち読みとなりました。
アンやギルバートはまぁ合格点、残念なのはマリラの描き方でした。
かなり病的なキャラになっていました。
最終章の、すっかり大人びたアンとギルバートが和解するシーンは、
イケメンと美女のロマンティックな出会い・・・という感じでした。

この本に対して、Amazonでは、さっそく、ある人が酷評を載せていました。
(「酷評するぐらいなら、最初から買うなよ・・・」と言いたくなりますケド・・・)
村岡花子訳とか、その他の訳も熱心に読んでおられる方のようです。
オトナの基準からすると、物足りないのかもしれませんが、
コドモが初めて読む「古典」としては、このぐらいの親しみやすさで十分なのでは、と考えます。

余談ですが・・・
私は親戚のおばさんから勧められて(プレゼントされて)、
小学生のときに、夏目漱石の『吾輩は猫である』を読みました(「読ませられた」が正しいかも?)。
あまりの退屈さ、難解さ故に、すっかり夏目漱石の小説が嫌いになりました。
いくら良い本であっても、読むべき「時」というものがあると思います。
高校生ぐらいに読んでいたら、また違ったとらえ方ができたはずなのに・・・
(いまだに、明治の文豪の作品というのは、敬遠の対象になっています・・・)
※親戚のおばさんの名誉のために言えば、
おばさんがいろいろな本を買い与えてくれたからこそ、
私が今も読書好きになっているのです。

同様に、本来楽しいはずの『赤毛のアン』も、
変に、全訳とか訳注にこだわるあまり、難しい注釈や引用句の煩わしさで、
小・中学生を読書から遠ざけるよりは、間口を広げた方がいいのではないでしょうか。
「古典は楽しい!」と思えるようになれば、自らもっと知りたいと思い、
他の訳や、はては原文で読むようにさえなるものです。
そういう意味で、『新訳 赤毛のアン』のような本があってもいいと考えます。
もっといえば、羽海野版の『赤毛のアン』、マンガかアニメにしてほしいな、とも思いました。
世界名作劇場の「アン」だけが、絶対的なイメージではないはずですよね。

ちなみに、『ハチクロ』は結構好きで、全巻持っていますよ。

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