「京大入試ネット不正事件」はそんなに騒ぐべきことなのか?~過剰報道への疑問
「京大入試ネット不正事件」が、ここ最近、連日のように報道されていますね。
まるで、連続殺人犯並みの扱いで・・・
容疑者のプライバシーをこれでもかと暴き立てるような過剰な報道。
しかし、考えてみると、たとえ裁判になっても、せいぜい執行猶予か、
罰金程度で片付くような話なのです。
入試の不正は問題ですが、微罪で前途ある若者をつぶしていいのでしょうか?
NHKから民放まで、ニュース番組のTOP扱いにするのは、異常です。
他に報道することはないのでしょうかね・・・
大学側だって、もう少し太っ腹な態度を見せてほしかったです。
(だから、非難の電話が鳴りやまないのでしょうね・・・)
(※3月8日追記:同志社大学は被害届を撤回したそうです。
さすがキリスト教系の大学!「本人の更生にも期待・・・」とのこと。)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110308/crm11030812420015-n1.htm
この事件に関してはいろいろな記事がありますが、
注目したいブログ記事を2つ(計4本)紹介します。
大学側の監督態勢の問題と、
この事件があったからといって、「日本の受験生のモラルが低下した」などと言うべきではない、
という記事を書いているのは、受験に詳しい精神科医の和田秀樹氏です。
「入試問題漏えい事件に思う」(2011年3月1日)
「入試問題漏えい事件に思う その2」(2011年3月2日)
「テレビと金が罪を決める国」(2011年3月4日)
http://ameblo.jp/wadahideki/day-20110301.html
http://ameblo.jp/wadahideki/day-20110302.html
http://ameblo.jp/wadahideki/day-20110304.html
そのなかから一部引用します。
「ただ、韓国などではすでに何度も起こっていることであるし、今回が初めてならば、むしろ日本のほとんどの受験生のモラルが高いことをほめるべきで、一人のおかしな人間のために、受験生のモラルまで下がったなどと、まともな感覚の大人は言うべきでない。多くのまじめに勉強している受験生は自分たちのほうこそ被害者と思っているのだから。」(3月2日の記事から)
同感です。
なんでもかんでも、「今の若者は・・・」とか、「日本はダメだ・・・」というのは異常ですね。
今回の問題から、そもそも、「ペーパー一発勝負」の受験制度と、
日本の大学の問題(入るのは難しいが、出るのは容易)を根本から問い直しているのが、
ニューズウィーク日本版に連載されている、作家の冷泉彰彦氏です。
「プリンストン発新潮流アメリカ」~
「「京大入試ネット不正事件」に見る入試制度の限界」(2011年2月28日の記事)
http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2011/02/post-265.php
今回の事件にあまり関係ないですが、「学歴ロンダリング」なる言葉も紹介しています。
心に残ったところを引用します。
「いい加減に「入試イコール基礎能力判定の科挙試験」といった権威付けはやめて、各大学が文系も含めて「入るのは簡単だが出るのは難しい」という制度に改め、その上で「ちゃんと卒業できそうな人材を選別する合理的な入試」へとシフトすべきだと思います。大学の国際競争力ということから考えると、もう余り時間は残っていません。昨年あたりから東大が高校生向けの説明会を始めましたが、合格者の海外流出を懸念する危機感は良いのですが、本当に危機感を持っているのなら入試と学部教育の改革スピードを上げるべきだと思います。」
厳しい入試が機能しているなら、まだマシですが、
AO入試で、ひどいところだと学校見学しただけで合格、なんてところもあるようです。
(以前、記事を書きました。)
「大学の価値のインフレ化を感じさせる記事2つ」(2011年2月19日の記事)
https://francesco-clara.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-2bee.html
入口は、本当に学びたい人なら誰にでも開かれて、
出るときは、真に学んだ者しか出られない・・・
アメリカの大学などは、そのようなシステムになっていると聞きます。
日本の大学も、そういう制度に変えた方がいいのでは、と考えています。
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