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2011年3月の37件の記事

2011年3月31日 (木)

「そうだったのか!」が「うそだったのか!」になる時~池上彰さんの功罪

この記事を書くのは心苦しいです。
尊敬する池上彰さんへの批判を書くわけですから・・・

池上彰さんは、今月いっぱいでひとまずテレビ出演を降板しますね。
そろそろ潮時なのでしょう。

放送日と放送局を変えて、3時間の特番で、今回の大震災や、原発問題を番組で扱っていたのを見ました。
(よく同じような企画を、日をおかずに放送するものですね・・・これにもあきれますが・・・)
池上彰さんのニュース解説は、確かにわかりやすく、よく頭に入ります。
しかし、だからといって、池上彰さんのニュース解説が「絶対的に正しい」ものであるとは限りません。

池上彰さんの番組でも、御用学者サンが出てきて、放射能汚染の問題について、
影響を軽視し、基準値をゆがめる発言をしていました。
それに対して、反論は出ない・・・
池上彰よ、お前もか!」と思い、
悲しくなって、見るのをやめてしまいました。
原発利権の手先になり下っている姿など、見たくもありません。
テレビ局の罪はさらに大きいです。

そうだったのか!」とわかりやすいニュース解説が、
うそだったのか!」になるのを見るのは、大変残念です。
そう」と「うそ」は、一字違いで、ひっくり返しただけですね。

池上さん、どうぞ、しばらくは静養なさって、著作執筆に励んでくださいませ・・・
本当の「そうだったのか!」を追求してわかりやすい本を出してください。
そうだったのか!放射能汚染」とか、
そうだったのか!原発利権」とか・・・

「最小不幸時代」ではなく「宰相不幸時代」の到来!?

MSN産経ニュースで、秀逸な皮肉を見つけました。


首相は昨年6月の就任会見で「最小不幸社会」を目指すと宣言していたが、このままでは、首相自身が不幸の元凶となる「宰相不幸社会」が到来してしまう。」※下線筆者
(「船頭多くて…機能不全 内閣官房参与ついに15人目」3月29日記事)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110329/plc11032923540035-n1.htm


あえて、記事の文言を訂正するとすれば・・・
このままでは、首相自身が不幸の元凶となる「宰相不幸社会」が到来してしまう」という未来形ではなく、
既に、首相自身が不幸の元凶となる「宰相不幸社会」が到来してしまった」と過去完了形にした方がよかったのでは?
市民活動家としてならともかく、一国の首相が、今更原子力の専門家になる必要はありません。
また、参与の数を増やせばいい、というわけでもないでしょう。
原発問題だけでなく、他の被災地への支援や、震災前からの懸案事項も山積みです。
事件は原発だけで起きているのではない、東日本各地で起きているんだ」ですね。
まずは、岩手県や宮城県などの復興ヴィジョンを早々に示す必要があります。
この記事でも次のように述べています。


だが、首相に求められるのは自ら原子力の専門家になることではなく、最高指導者として的確な指示を出し、国民に前向きなビジョンを提示して安心感を与えることであるはずだ。


「前向きなビジョン」が、「ただちに健康に影響を与えるものではない」の連発と、
放射能汚染の隠蔽、
自衛隊の使い捨て(普段は「暴力装置」などと蔑みながら、困ったら自衛隊に丸投げ・・・)、
というならば、
菅内閣がさっさと退陣した方が、日本にとっての最大の貢献になります。
菅内閣の震災対応を見ていると、あたかも素人が精密機器を分解修理しようとして、
かえって使い物にならなくしているような感があります。
しかも、間違いを認めたがらない・・・
「一生懸命やってみたけど、やっぱりダメでした。「想定外」でした・・・」では済まないのです!
国民の安全・安心がかかっているのです。

立ち読み日記~『ウィキリークス以後の日本 自由報道協会(仮)とメディア革命』 (光文社新書)

「ウィキリークス」の創設者アサンジ氏のことよりも、
著者の上杉隆氏が創設した「自由報道協会」に興味を持って、立ち読みしてみました。
ウィキリークス以後の日本 自由報道協会(仮)とメディア革命』 (光文社新書)を紹介します。

この本、大震災がなければ、結構話題になっていたかな、とも思います。
前半のウィキリークスやアサンジ氏の話のよりも、
「記者クラブ」という自由な報道を妨げる日本の愚かな制度への告発は読みごたえがあります。
尖閣問題とか、小沢氏の問題とか・・・
記者クラブによる政府記者会見は、「記者会見ごっこ」だ、と断じるところなど痛快です。
なれあいで、鋭い質問をせず、当たり障りのない質問で、恥をかかせることがないような配慮。
「和」の国、日本的な、あまりに日本的なシステムです。

ただ、残念ながら、大震災で、一気に中身の価値が古くなってしまったかな、とも思います。
(1月か2月頃に執筆されたのでしょうね・・・)
上杉氏には、ぜひ、
今テレビ・新聞で行われている原発事故に関する「大本営発表」を告発した本を書いてほしいものです。
横並びの報道、空虚な「ただちに・・・」の繰り返し、御用学者の問題を、
バッサリと暴露してほしいです。

上杉氏は、ジャーナリストがありがちな、「反権力」、「反体制」でも、「御用ジャーナリスト」でもなく、
ジャーナリズムの国際標準的なあるべき姿を模索しているのでしょう。
私は「自由報道協会」に大いに期待しています。
一方、国民も、NHKが言ったから、エラい学者センセイが言ったから、官房長官が言ったから、といって、
なんでも情報を鵜呑みにするのではなく、情報を検証することが大切ですね。
従順すぎるのは、隷属への道です。

立ち読みにあたっては、前半のウィキリークスの記事はほとんど読んでいません。
評価は、後半に対してです。
買いたい度は・・・☆☆くらいでしょうかね。
著者の勇気に対しては、☆5つを喜んで差し上げたいです。


 ウィキリークス以後の日本 自由報道協会(仮)とメディア革命 (光文社新書) (新書) / 上杉隆/著

2011年3月30日 (水)

不思議の国の不思議な東京電力~放射能測定値だけでなく、社長動向まで隠蔽?

この会社の底なしの隠蔽体質は、手遅れ状態です・・・

東京電力の社長が、入院していたことが明らかにされ、
代わりに勝俣会長が会見する、という異例さ。
北朝鮮の将軍様じゃあるまいし・・・
(あっ、そういえば「将軍様」から多額の義捐金を賜ったと報道がありましたね・・・感謝!)

「雲隠れ」東電清水社長が入院 それでも「続投」のあきれた人事 (J-CAST)」という記事を読むと、
この会社は、放射能測定値だけでなく、ついには社長動向さえ「隠蔽」、「改竄」するつもりなのかと、
あきれてしまいます。
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/society/n_tepco_so__20110330_23/story/20110330jcast2011291734/

テレビでも会見が放送されていましたね。
あれで、一般の国民は納得するものでしょうか。

記事から、質疑応答の一部を引用します。
なお、「清水」は入院した清水社長のことです。


勝俣会長は

「基本的には、清水は社内にいた。そうしたことも踏まえて、私も常時、統合本部の席にいて、発電所、東京都、官邸などとのやり取りにかかわっていた」
「清水は、昼間は統合本部の会議にずっと出ている。私自身も、急に体調が悪くなったと聞いてびっくりしている。これまでの心労、過労がたまって、医師の診断を仰いだ。本当に(29日の)昼間は(会議に)出ていた」
とし、「問題なし」との主張を繰り返した。

さらに、

「オペレーションのまずさから来る『人災』だという指摘がある」
という指摘に対しては、

「私としては、まずさというものは感じられなかった。電気が通じないというなかで、色々な作業が予定よりも長くかかった。これまではボタンひとつで動いていたものが、手動でやらざるをえなくなった。その結果、意図せざる遅れがあった」
と反論。

「1号が爆発した時点で2~4号に海水注入を決断していれば、相次ぐ爆発は妨げられたのでは」
との追及に対しても、

「そういうお考えもありましょうけど、私どもとしては、運用にはベストを尽くした」
と正当化した。


運用にはベストを尽くした」・・・・
不思議の国の、不思議な東京電力・・・
「千と千尋の神隠し」ならぬ「測定値と社長の神隠し」?
原発現場で必死に働いている人たちは尊敬に値しますが、
経営陣は、道義的責任を追及されるべきでしょう。
1号機~4号機を廃炉にするのは当然です。
世界中を震撼させているのに、
この期に及んで、まだ経済の論理を振りかざすのでしょうか・・・

気象庁はなぜ放射能拡散予想を発表しない?~ドイツ気象庁が日本の放射能拡散予想を発表中

(4月9日追記)
下記記事は3月30日時点での話です。
4月7日以降は、「一応」気象庁HPでも放射能拡散予測を公開しています。
詳しくは、気象庁のHPをご覧ください。
なお、4月7日に、
NHKの屋外放射線量報道と、気象庁の放射性物質の拡散予測~
情報公開としては進歩したものの・・・

という記事を書きましたので、よろしければお読みください。
https://francesco-clara.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-6def.html

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

原発事故ニュースで、誰もが知りたいはずなのに、
情報統制で発表されないニュースの一つが、
放射能拡散予想」です。
最近、テレビ各局で、原発周辺の風向きについて、
天気予報コーナーで紹介するところも出てきましたね。
しかしそれだけではまったく不十分です。
気象庁は、やろうと思えばできるはずの、
放射能拡散予想」を、公表するつもりはまったくないのでしょうか?

そういう中で、先日、フランスの原子力機関が発表した、
3月23日までの放射線拡散のシュミレーションを紹介しました。
しかし、3月23日以後のデータは今のところ(3月30日現在)更新されていないし、
既に「過去」のことです。
知りたいのは、これからのことです。

ドイツ気象庁が、日本全体の「放射能拡散予想」を紹介しています。
私は、「書に触れ、街に出よう nico's blog」という政治的なブログで、
ドイツ気象庁による「放射能拡散予想」を知りました。
(そのブログについては、「ブログ名」で検索してみてください。)

さっそくアクセスし、ドイツ語のホームページを見たのですが、
なにぶん、ドイツ語なので、よくわかりません。
トップページに、「放射能拡散予想」が出ています。
遠い国の出来事なのに、トップページとは、破格の扱いですね。
残念ながら、日本語版はありませんでした。

しかし、いろいろ検索してみると、
ドイツ気象庁のデータの記事を、日本語訳している方がいました。
山本堪さんの、「with eyes closed. by Kan Yamamoto」です。
記事名は、「ドイツ気象庁(DWD)の粒子飛散シュミレーションの日本語訳」。
http://www.witheyesclosed.net/post/4169481471/dwd0329
3月30日~4月2日までの放射性粒子の飛散シュミレーションが掲載されています。

なお、これは実際の被曝量を表すものではありません。
わかりやすくいえば、
「原発から出る極めて高い放射性粒子の値をとりあえず「100」とした場合の、
風による拡散(色が薄くなるごとに、100→90→70→・・・1・・・)を表した、
相対的なもの」のようです。
詳しくはブログ本文をお読みください。
シュミレーション図について、ブログ本文から引用します。


この図は「福島から放出される放射性粒子の相対的な飛散図」と題されており、下部の小文字部分には「重要なお知らせ:放出源の濃度が明らかでないため、この予想図には空気中にある放射性粒子の実際の密度が反映されているとは限りません。発電所からの仮想上の放射が天候条件によってどのように拡散し薄くなっていくかのみが表現されます。」との注意書きがあります。放射能濃度の測定数値がこのシュミレーションには直接反映されていない為に「相対的」と前置きしている訳です。


この図で、「UTC」の時刻が出てきます。
これは「協定世界時」で、実際の日本時間は、UTCの時間に9時間を足したものです。

それぞれお住まいの地域の「放射能拡散予想」を見て、対策を考えてみてください。
ちなみに、北海道では、4月1日~2日が要注意のようです。
特に、道東地方がマズイです・・・
ここ札幌も、もしかすると、飛散があるかもしれません。

一応、文部科学省や各都道府県でも、放射線の測定値を公表していますが、
既に起きてしまったことの公表であって、危険値であっても、
結果を後で知るだけ、というのは、なんともコワイものです。

パニックを避けるためとはいえ、国民から自衛手段を奪うような、
本当に知らせるべき情報の隠蔽は、いい加減にやめてほしいものです。
気象庁は、国民にきちんと事実を公表すべきです!

佐藤栄佐久前福島県知事インタビュー(仏ル・モンド紙)と日本での報道

佐藤栄佐久・前福島県知事が、
フランスのル・モンド紙からのインタビューに答えた記事を、
先日紹介したブログ「FRANCE MEDIA NEWS フランスからのニュース」で読みました。
http://www.francemedianews.com/article-70468260.html

佐藤前知事は、東電や保安院のデータ改竄や内部告発を受け付けない体制に疑問を持ち、
『事故情報を含む透明性の確保』と、『安全に直結する原子力行政に対する地方の権限確保』を求めて、
東電に待ったをかけていました。
しかし、2006年に微罪(冤罪の疑い濃厚・・・)により知事を辞職、逮捕されてしまい、
現在上告中です。

ル・モンド紙では、原発利権について知事が告発していますが、
その記事を紹介した毎日新聞の記事では、キレイに、原発利権の話はカットされています。
参考までに、読み比べてみてください。
http://mainichi.jp/select/today/news/20110329k0000e040028000c.html
雑誌はともかく、テレビ・ラジオと新聞で、真っ向からの東電批判というのは、
タブー中のタブーなのでしょう。
(ジャーナリストの上杉隆氏が、最近、ラジオで東電批判をしたら、
今月いっぱいで契約を打ち切られた、とのこと・・・雑誌で読みました。)

佐藤前知事は、最近、週刊誌等で発言する機会が増えています。
いくつかの雑誌見出しを拾ってみると・・・
・週刊文春3月31日号
佐藤栄佐久前・福島県知事 決定的証言「東電が副知事を脅迫した!
・週刊エコノミスト4月5日特大号
インタビュー 佐藤 栄佐久・前福島県知事 「原発事故は起こるべくして起こった」
・サンデー毎日4月3日号
◇私に寄せられた内部告発の中身 佐藤栄佐久前福島県知事激白
「原発政策、政治家は関与できず霞が関の独裁だ」

このうち、サンデー毎日の記事は立ち読みして読みました。
原発政策は、国会議員は関与できないような仕組みになっている、というのはオドロキでした。

佐藤前知事の失職と、原発利権の不正については、
佐藤栄佐久前福島県知事は「反原発派」だったから逮捕されたのか
福島原発事故隠蔽で国と対立した直後に捜査
」という記事が詳しいです。
(伊藤博敏「ニュースの深層」3月17日記事)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2275
ちなみに佐藤前知事は、反原発派ではありません。
しかし、県民の安全を第一に考えたから、「待った」をかけたのです。

記事の中から、印象的な箇所を引用します。


佐藤氏は、まるで今日の事態を想定していたかのようである。

「この事故で、強烈な教訓として残ったのは、『国策である原子力発電の第一当事者である国は、安全対策に何の主導権もとらない』という『完全無責任体制』だった」

 この事故というのは、1989年1月6日に発覚した福島第二原発3号機の部品脱落トラブルである。原子炉冷却水再循環ポンプ内にボルトや座金が脱落、それが原子炉内に流入していた。前年暮れから3回も警報が鳴っていたのに東電は事故を隠し続け、1月6日の異常警報でようやく県に報告した。

 佐藤氏は、参院2期を経て、知事に就任2年目のこの事故で、原発が抱える根源的問題を直観、原発や原子力行政を学び、その在り方に批判的になっていく。


実に、東電の隠蔽体質は、今始まったことではなく、かなり前からの、
確信犯的・常習犯的なものといえましょう。
そして、本来厳しく監督すべき保安院も、検査を丸投げ状態・・・
(そのあたりについては、「原発関連団体は「天下り」の巣窟だった」という記事が詳しいです。)
http://news.nifty.com/cs/headline/detail/gendai-000141119/1.htm

この期に及んでも、住民、いや世界の危機よりも、
自らの保身を図る東電の大罪は、許しがたいです!
データの改竄、隠蔽、発表の遅さが、世界に恐怖をもたらしています。

そして、民主党サン・・・
子ども手当てのバラマキは残念ながら決まりましたが、
放射能もオマケにバラマクつもりですか?
無能力な党首は、もう「投手交代」すべき時です。

佐藤前知事の「知事抹殺」という本がにわかに注目されているようです。
興味のある方はどうぞ。(品薄状態だそうです。)
なお、氏の公式ブログもありますので、検索してみてください。

知事抹殺 つくられた福島県汚職事件

2011年3月29日 (火)

NHK・クローズアップ現代「いま、私たちにできること  ~被災地の外からも人々を支える~」(2011年3月29放送)

被災地外に住んでいる私たち一人一人の力は、微々たるものです。
大河の一滴、朝露のようなものかもしれません。
しかし、つながるなら、大きな力になり、やがては大海へとつながります。

今回のNHK・クローズアップ現代では、
いま、私たちにできること ~被災地の外からも人々を支える~」と題して、
ツイッターやフェイスブックなどの「ソーシャルメディア」が、
今回の大震災において果たした役割を肯定的に取り上げていました。
番組HPから、放送内容を転載します。


被災地の外で暮らす多くの人たちが「自分も何かの役に立ちたい!」と思いながら、「被災地に行っても邪魔になるだけではないか」と無力感を募らせる。そんな中、注目されているのが、ツイッターやフェイスブックなどの「ソーシャルメディア」を使った、これまでにない新たな支援だ。ツイッターでの安否情報、聴覚障害者へのインターネットでの手話放送、被災地への救援物資の運搬プロジェクト、節電の大規模な呼びかけ運動など、様々な取り組みが被災地の外にいる人たちによって自主的に生み出され、輪を広げている。国や行政・大手企業を批判したり任せっきりにしたりするのではなく、自らの発想で自分たちにできることをやろうというのだ。番組では、被災地の外側ではじまったソーシャル支援の最前線を追う。


番組では、節電を呼びかける「ヤシマ作戦」も、
「エヴァ」の映像付で紹介していました。
ユニークでユーモアある企画ですよね。
実際、「ソーシャル・ネットワーク」の力が、
大停電という「敵」を見事に撃退することさえできるのです。

私はツイッターのアカウントは持っていませんが、
「つぶやき」がたくさんの人々を動かす力になる、というのには感動を覚えました。
同時手話通訳とか、安否検索とか・・・
見ず知らずの人たちが、連帯しあえるというのは、すばらしいことですね。

一方、番組では取り上げられていませんでしたが、こういう取組には、
否定的なものもありますよね。
大震災後何日かして、NHKニュースがUstreamなどで動画中継されるようになると、
枝野官房長官の発表とか、自衛隊の放水の様子などの映像の横で、
さまざまな「つぶやき」が次から次へと流されていました。
これは私の主観的な判断で、正確な数字ではありませんが、見ていた限り、
3分の1はまともなもの、3分の1はガセネタ、3分の1は迷惑コメント・意味不明なものかな、
とも思いました。
何がホンモノか、見分ける情報リテラシーが必要ですね。

小さな力を、正しい方向につなげていけば、きっと大きな力になります。
被災地から離れている私たちも、募金以外にできることはいろいろあるはずです。
最後に、マザー・テレサの言葉を引用して終わります。


わたしたちのすることは
大海のたった一滴の水に
すぎないかもしれません。

でも
その一滴の水があつまって
大海となるのです

2011年3月28日 (月)

フランスからの勇気ある真実~おすすめブログ「FRANCE MEDIA NEWS フランスからのニュース」

原発問題の真実は、日本国内からは、見えないのでしょうか・・・

原発問題について、海外メディアからの情報の方が、
客観的で正確な情報を把握している場合があります。
特に放射能汚染の問題は、日本ではどう考えても矮小化された報道がほとんど、と言えます。
また、原発利権の問題は、結局どのメディアも触れません。
政財界と官僚の癒着構造により、国内では主要メディアが取り上げない構造になっているからです。

原発事故のニュースが世界中に伝わってから、
フランスにおいて、3月16日から、
フランスでの報道を日本語に翻訳して掲載しているブログを見つけました。
今回紹介します、「FRANCE MEDIA NEWS フランスからのニュース」です。
フランス在住の翻訳に携わる有志グループが
福島原発と東北関東大震災に関するフランスメディアのニュースをお知らせします。

という主旨で立ち上げたもの、とのことです。
原発報道について、「大本営発表」と化している日本では、貴重な情報源です。

記事は多々ありますが、
特におすすめ記事を2つ紹介します。

福島、非難すべき沈黙
*ル・モンド紙 3月26日13時59分(日本時間21時59分):

http://www.francemedianews.com/article-70295007.html

福島原発 「東電の罪」と「原子力ロビー」(仏ル・モンド紙報道)
3月26日 23時45分(日本時間27日7時45分)

http://www.francemedianews.com/article-70296514.html

どちらも、日本の「原子力ロビー」(原発利権)による事実の隠蔽や歪曲について、
日本では書けない、鋭い視点がある記事です。

2つのうち、下の記事から一部引用します。
ぜひ全文をお読みください。

仏日刊紙ル・モンドは26、27日版紙面で福島原発の状況と東京電力に関する特集記事を掲載している。「日本人は原子力災害を意識し始めているものの、未だ事故の重大性には気づいていないようだ」と冒頭で同紙の東京特派員は語る。特派員によれば、「新聞、民放テレビ局、インターネットのブログなどで語られる原子力専門家の話を聞いていると、この一連の悲劇の背景に「原子力業界のロビー活動」が見え隠れしている」という。

日本の「原子力ロビー」

 この「原子力ロビー」には原子力事業を総括する経済産業省と同省の管轄である原子力安全・保安院、電力各社、電気事業連合会(電事連)、そして発電所を建設する東芝や日立といった産業界の大企業が関与し、「非常に大きな資産と影響力」を誇っているという。また、原子力関連の官庁からの天下り社員が送られることにより、完全な「情報統制」を行うだけでなく、出版やテレビ局を通じて大規模な広告キャンペーンを繰り広げ「原子力は100%安全である」という神話を築いて来た。さらに、現在の与党民主党は原子力エネルギー業界出身の組合員が多い労働組合「連合」を支持層にしているため、2009年の政権交代後もこの状況に変化はなかった。同紙は、「この行政、監督官庁、原発建設企業そして電力会社間の緊密な関係が原発反対派を黙殺し、さらに原子力に関するあらゆる疑問を回避してきた」と指摘。電力各社は「1970年代以降から度重なる原発事象を隠蔽、改ざんし続けて来た。当時最も批判が集中したのは東京電力である」と付け加える。


原発報道に関しては、北朝鮮並みに報道の自由がない日本・・・
日本の深い闇です・・・

「Mr.サンデー」の放射能汚染を矮小化した報道は問題!~民放は結局、スポンサーが大事・・・

普段、「Mr.サンデー」という番組は観ていないのですが、
たまたまチャンネルを適当に変えていたら、
ちょうどホウレン草の放射能汚染について放映していました。
厚生労働省が最近密かに通達を出していた、
「放射能測定は水洗いしてから行う」等が書かれた文書を暴いたことや、
茨城県で出荷停止となった、放射能汚染されたほうれん草の実際の値を出したところまでは、
評価に値する報道だと思いました。

しかし、またまた御用学者の登場です・・・
大量に食べなければ安全を繰り返すだけ。
見る気が失せました。
その上、さらには、チェルノブイリ原発事故に詳しいという、ロシアの専門家なる人に、
「日本は騒ぎすぎだ」とまで言わせていました。
これはひどいなぁ・・・
完全に、チャンネルを別なところに切り替えました。

みなさんなら、下の2つの文章、どちらを信用しますか?

1.
千葉市の放射線医学総合研究所の環境放射線影響研究の専門家は
「このホウレンソウの数値を人体への影響を示す単位である「シーベルト」に換算した場合、0・24ミリシーベルトになる。
人体に影響があるのは一度に100ミリシーベルトを受けたときとされており、小鉢1人前のホウレンソウを100グラムと仮定すると、今回のホウレンソウは4200人分を口にしないと人体に影響を及ぼさない計算になる。」
と発言している.さらに、
この専門家は
「妊婦や子供など、放射性物質の影響が大きいとされる人たちについても、摂取しても問題がないレベルだ」
と言う。

2.
ほうれん草で内部被曝することと、1年に100ミリシーベルととは、人の健康に影響するのがまったく違う。
でも、ここではこの専門家の通りに、もしも一般の被曝と比較するならば、一般人の1年間の限度は1ミリシーベルトである。
この専門家が言っている100が1になるのだから、まったく違う
.
具体的にはほうれん草を小鉢一杯、42回食べたら、1年間の規制値になる(小鉢1杯で100グラムは少し重いが)。
つまり、このホウレンソウは1年に42回しか食べられない。
また、妊婦や子供についての内部被ばく量(限度)はハッキリ決まっていて、これも1年当たり1ミリで、こちらの方は単なる基準値ではなく、法律で定められている内部被ばく量の限度である。
従って、汚染されたホウレンソウの汚染度が少し高くなることがあり得る事を考えると、安全をみて1年に10回ぐらいに限定されるだろう

2つの文章、引用はどちらも中部大学の武田教授のブログからです。
(「原発 緊急情報(18) ほうれん草は食べられるか?」)
http://takedanet.com/2011/03/18_ba59.html

もちろん、1.をどうしても信用したい、カッコイイ枝野サマが「問題ない」と言ってるし、
天下のNHKでさえも、「ただちに健康に影響がない」と言ってるじゃないか、
風評被害で農家がかわいそうだ、と考えるのはご自由です。

結局、民放は、スポンサーが大事、というわけですね。
まぁ、NHKだって似たようなもの、そもそもの原因は、政府にあります。


余談ですが、こんなのどうでしょうか?

「党名変更のお知らせ」
(旧)民主党
(新)民苦党
「ただちに日本に影響を及ぼすわけではない」・・・


視聴者も、頭が悪くなっているのでしょうか?
池上彰さんを出さないと、ニュースを読み解くことすらできなくなってしまったのでしょうか。
(それだって、3月いっぱいですが・・・)
中国の「朝三暮四」という言葉がぴったりです。
やすやすとムードに流されやすい雰囲気というのは、危険な風潮ですね。

2011年3月27日 (日)

必読!「フランス原子力機関、日本語で放射能情報発信」~日本政府は何をやっている?

原発事故による放射性物質の拡散について、
日本政府系機関ではなく、
フランスの原子力機関が、詳細なシュミレーションを発表しています。
以下のHPで知りました。

フランス原子力機関、日本語で放射能情報発信」(NIFTY 地球のココロ)
http://news.nifty.com/cs/economy/economyalldetail/chikyu-20110325-11014/1.htm

記事の一部を引用します。

東日本大震災にともなう東京電力福島第一原発事故で、放射性物質の大量拡散が問題となっていますが、フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)では3月22日より日本語で今回の事故に関する放射能情報の発信を行っています。(中略)
東京電力は福島第一原発の放射線モニタリングポストの測定データを11日の震災直後から「システム点検中」として公表していませんが、IRSNの公表資料「よくある質問」の中で12日から15日までのモニタリングポストのデータを掲載。東京電力が公表せず、フランスのIRSNが日本語版を公表しているのはなぜでしょうか。

東京電力は、データを隠蔽しているのでしょうか?
それよりも、3月26日の読売新聞朝刊(たぶん、他の新聞でも)で、
原子力安全委員会による放射線被曝の予測が図で発表されていました。
国は膨大な予算をつぎ込んでいながら、なぜ今までこういうデータを公開しなかったのでしょうか?
あまりにも遅すぎます・・・

さて、問題の、フランスの原子力機関、
フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)が発表しているシュミレーションをぜひご覧になってください。

2011 年 3 月 12 日より福島第一原子炉から放出された
放射能雲大気中拡散シミュレーション

http://www.irsn.fr/EN/news/Documents/irsn-simulation-dispersion-jp.pdf

このPDFファイルの中で、
2 –大気中に放出された放射性物質の拡散」と、
3 –放射能雲から人間が受けると考えられる放射線量の推定」が重要です。
アニメーション動画で、放射性物質の時間ごとの移動を見ることができます。

2 –大気中に放出された放射性物質の拡散」は、
私がいる北海道にも関係してきます。
微量な放射性物質が、風向きの関係で、
道東地方やえりも岬方面に、結構来ていたことがわかります・・・
特に釧路・根室方面は、内陸まで来ています。知床あたりまで・・・
動画は再生スピードが速いので、よく自分の住んでいる地域のところの色を注視してみてください。
なお、こちらは、「ベクレル」という単位を使っています。
「被曝」という観点から考えると、
「青色」であれば、さほど深刻に考えなくてもいいのでは、と思いますが、
黄緑や黄色の値があればかなりまずいのでは、と思います。

もっと直接的な、
3 –放射能雲から人間が受けると考えられる放射線量の推定」は、
さらに深刻に考えるべきでしょう。
単位はテレビでもよく使われる「ミリシーベルト」です。
原発周辺は当然のことながら、
黄色の範囲に該当する地域は、放射能汚染が深刻なレベルと考えられます。
避難が必要なレベルなのでしょう。
エメラルドグリーンの地域もかなりまずいレベルです。
海の汚染は深刻ですね・・・
北海道の釧路沖まで影響が出ているようです。
このデータは3月22日までのものです。
最新のデータを早く知りたいものです・・・

それにしても・・・
フランスの原子力機関が、こういうデータを、
わざわざ日本語版まで出しているのに、
当の日本政府は、いつまで「安全だ、ただちに影響はない」とゴマカシ続けているのでしょうか・・・
(もっとも、ようやく事態の深刻さを、ほんの少しずつですが、
現実に即して発表しようとしているようですが・・・あまりにも後手後手すぎます!)
フランス万歳~!Vive la France!感謝です・・・

ところで・・・
シェイクスピアの「リア王」では、主人公のリア王が、
3人の娘のうち、2人の娘による耳に快い甘言を聞き入れ、
率直な物言いをした末娘コーディリアは勘当されます。
甘言に唆されたリア王の行く末には、悲劇が待ち構えていました。
日本は、「リア王」の道を歩もうとしているのでしょうか?
「大本営発表」という、戦前の汚点はまったく忘れてしまったのでしょうか?

現在の東日本に必要なのは、「安全です」という甘言ではなく、
ましてや御用学者の気休めでもなく、
事実を冷静に見つめた正確な情報です。
巧言令色鮮(すくな)し仁」です。
(「普天間」や「尖閣」でさえもゴマカシを行った、
民主党政権には、無理なのでしょうけどね・・・)
残念ながら、もはやテレビニュースの報道は、
半分疑いつつ視聴すべきものになっています。
今こそ、「情報リテラシー」が必要なのです。

フランスの原子力機関の発表や、中部大学の武田教授のブログは、
正直言って、快くありません。
しかし、今知るべき放射線被害の範囲などを、冷静に知ることができます。
武田教授が、3月26日の「放射線の専門家に自重を求める」という記事で、

政治家やメディアでは「国民を安心させなければいけない」と言っていますが、現実に法律で定められた規制値を超えている状態を安全といい、それで安心していいというよりもむしろ、現実をそのまま伝えて判断を社会に任せるべきと思います。」と書いています。
http://takedanet.com/2011/03/post_aea1.html
甘い言葉の「安全サギ」よりも、たとえ耳に痛くとも、国民は事実を知りたいのです!
ノーモア「大本営発表」!

2011年3月26日 (土)

国内棄民政策?~国民の安全を守るよりも、原発利権を守ることを選んだ日本政府・・・

「屋内退避」から「避難」へ、ついに指示発令か、と少し期待していましたが、
なんともがっかりするような、いや、憤るべき発表が出ました。
「屋内退避」はそのままで、「自主避難を促す」とのこと・・・
どうしても、政府の過ちを認めたくないがゆえなのでしょうね・・・
しかも理由は、放射能汚染ではなく、物資が行き届かないため、だとか・・・
自主避難ということは、脱出は自己負担、ということでしょう。
「危ないところ」に自衛隊や警察を派遣したくない、という保身の論理が見え隠れします。
それ以上に、「なんで今まで退避指示を出さなかったのだ!」と責任追及を恐れているのでしょう。
いや、実は・・・

政府は、国民の安全・安心よりも、
巨大な原発利権を守ることを、最優先するつもりなのでしょう。
官・民の癒着や天下り、被曝の隠蔽など、
この国の最も触れられたくない場所が、原発のようです。
事故が起こる前から、「原発はクリーンなエネルギーです」とさかんに宣伝していましたが、
実態はどうでしょう?
復旧作業にあたっていた作業員が、重度な被曝をしましたが、
あれは実は氷山の一角にすぎないものなのでしょう。
福島県民で、脱出するすべを持たない人は、どうすればいいのでしょうか?
自治体が避難を勧めるレベルではもはやありません。
政府が動かないなら、政府が福島県民を棄民したのも同じです。

放射能汚染について、NHKなどを使って、
「安全、安全」と「大本営発表」を繰り返すのは、もはや聞く価値がありません。
最近、NHKニュースでさえも、「○○学者」が出てくるところはまったく見る気がしません。
よくもヌケヌケと、気休めを言えるものだ・・・とあきれかえるばかりです。
国民が知りたいのは、偽りの気休めではなく、客観的な事実です。

ジャーナリストの上杉隆氏が、枝野官房長官の定例会見(3月18日)の際に質問したやりとりから、
痛烈な記事を書いていますので、ぜひお読みください。
海外諸国と日本政府、避難範囲50kmの差――枝野官房長官に「安全デマ」を問い質す
(ダイヤモンド・オンライン「週刊上杉隆」【第168回】 2011年3月24日)
http://diamond.jp/articles/-/11596

文中から文章を一部引用します。


官邸、東電、経産省、記者クラブ、御用学者による「安全デマ」が、日本を滅ぼそうとしている。

「安心だ」「安全です」「ただちに影響を及ぼすことはありません」という根拠の薄い楽観論に拠って、国民を絶望の淵に連れて行こうとしている。

 戦前の日本が、敗戦という最悪の事態に言及する「非国民」を次から次へと抹殺し、鬼畜米英の合言葉のもと、国家の暴走を始めたのがちょうど70年前である。

 日本は再びその悪夢の道を歩もうとしているのか。


マスゴミの「安心、安全」の横並び報道を見ていると、
もはや日本は全体主義化しているのではないかと危惧しています。
(ただし、ヒトラーとかスターリンのような存在はいませんが・・・)
「責任逃れ」という暴君が、事実の隠蔽へとマスゴミや官僚・政治家を、
最悪の事態へと走らせているのでしょうね・・・

民主党の「仙・菅ヤマト」に日本を任せている限り、
放射能除去どころか、
日本が轟沈するのを、ただ眺めるだけになるのでしょうか・・・

2011年3月25日 (金)

速やかに「屋内退避」から「避難」へ!~政府は福島県民を見殺しにするつもりか!

下の図をご覧ください。
朝日新聞の記事から引用しました。
米軍などが独自に調査し、米エネルギー省が発表した、
原発周辺の放射線量の分布図です。
(原発の北西30キロ内、高い放射線量 米が空から測定【朝日新聞】)
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/world/n_the_states2__20110324_72/story/isports_inpb_2011032406/

20110324housyasenryou

図によると、政府が現在「屋内退避」指示を出しているところは、
高い放射線量を観測しています。
20~30キロ圏内どころか、50キロ圏内も危険な状態です。
この記事、アメリカのエネルギー省が発表したものに基づいています。
さすがにアメリカは、掛け算を忘れるという単純ミスはしませんね。
日本のテレビがさかんに強調する「1時間あたりの被曝量」ではなく、
時間の累計による被曝量にも触れています。

詳しくは記事そのものを読んでいただきたいですが、
一部引用します。


DOE(注:アメリカのエネルギー省)は「調査した全域で毎時300マイクロシーベルトを超えておらず、放射線レベルは低い」としつつも、高い線量の帯の中では8時間ほどで、一般市民が年間で浴びる人工放射線の線量限度1ミリシーベルト(1ミリは1千マイクロ)を超える計算になる。
(下線は私がつけました。)


ところで、Yahoo!Japanの記事へのコメントで、こんなユニークなものを見つけました。
ACのCMのパロディです。


「大丈夫?」っていうと、
「大丈夫」っていう。

「漏れてない?」っていうと、
「漏れてない」っていう。

「安全?」っていうと、
「安全」っていう。

そうして、あとでこわくなって、

「でも本当はちょっと漏れてる?」っていうと、
「ちょっと漏れてる」っていう。

こだまでしょうか。
いいえ、枝野です。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110323-00000110-jij-soci

政府もようやく自らの過ちを少しずつでも認めようとしています。
(やっぱり、ガイアツがないと、無理なのでしょうか・・・)
枝野官房長官が、やっと、「屋内退避」指示を見直す、と発表しましたね。
「見直す」ではなく、即、「退避」指示を出してほしいのです!
ついでに、退避指示地域を、少なくとも50キロ圏内に拡大すべきでしょう。
福島県民を見殺しにするつもりなのでしょうか?

原発について、どうしてこうも政府とマスゴミがグルになって、
被曝・放射能汚染を隠蔽しようとするのか、
いろいろ調べると、少しずつですが、わかってきました。
原発という巨大利権に群がる官僚と業界の癒着、そしてマスコミ操作というものが、
日本の暗部として、厳然と存在するのです・・・
(これについては、そのうち書きたいと考えています。)

NHKを含めて、テレビ・新聞による「ただちに影響なし」、「大丈夫です」コメントのほとんどは、
気休めにすぎないものです。
事実は、テレビや新聞には出ないことでしょう。
むしろ、週刊誌などには、結構真実が書かれているようです。
(昨日も2誌ほど立ち読みしました。放射能汚染の問題をきちんと書いていました。)

政府もマスゴミ(特にテレビ)も、責任を取ることを恐れています。
風評被害だ、とかの抗議や、原発利権が表沙汰にされるのが怖いからでしょう。
しかし、一方で、たくさんの人たちに、早ければ1か月後くらいから、
健康被害が出始めることが予想されます。
これは天災ではなく、完全な人災です!
政府が一刻も早く、「避難」指示を出すよう、祈らずにはいられません。
「検討」している余地などないのです。

参考までに・・・
以下のサイトの記事は読みごたえがありました。
ご一読をおすすめします。

金平茂紀氏
私たちは大震災と原発惨事のさなかで何を考えるべきなのか?」(The Journal 3月21日)
http://www.the-journal.jp/contents/kanehira2010/2011/03/post_3.html

菅政権は即刻退陣せよ、国民は皆殺し」(日刊ゲンダイ3月19日記事)
http://news.nifty.com/cs/headline/detail/gendai-000140607/1.htm

雨ざらし遺体、届かぬ物資…女性議員が見た「地獄絵図」」(夕刊フジ3月24日)
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/society/n_sanriku_earthquake_4__20110324_12/story/24fujizak20110324012/

2011年3月24日 (木)

NHK「名曲探偵アマデウス」・バッハ「マタイ受難曲」

NHKの「名曲探偵アマデウス」、どうやら4月以降は、
新作がひとまずお休みのようです。
4月以降は、初回からの再放送を、かなり微妙な時間帯に放送するそうで、
今までのようには、あまり観ることができないかもしれませんね・・・
(土曜日の午後1時前後とのこと・・・)

現在における、「名曲探偵アマデウス」の最終話は、
事件ファイル#89「ネット革命児の野望~バッハ「マタイ受難曲」です。
クラシック音楽の最高峰ともいえる、「マタイ受難曲」(以下「マタイ」と略記)で、
番組が終わっている、というのも何か象徴的な感じがします。

この回では、
フェイスブックとmixiを混ぜたような名称の、
「ミックスブック」(もちろん架空)の創設者が登場します。
現実のパロディですね。

ドラマもまあまあ面白かったですが、
やはり白眉は、「マタイ」の演奏そのものでしょう。
現在望みえる限りの、バッハ演奏の最高の団体である、
鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパンによる「マタイ」・・・
それと、日本におけるバッハ研究の権威、礒山雅氏の解説もよかったです。
カウンターテノールによるアルトのアリア「わが神よ、あわれみたまえ」(第39曲)も美しかったです。

「マタイ」の名盤については、既に記事を書いていますので、
そちらをご覧ください。
J・S・バッハ「マタイ受難曲」のCDとDVD」(2010年4月4日)
https://francesco-clara.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/post-2a62.html

鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパンの演奏のCDも出ています。
ちょっとお高いですが・・・


私は「マタイ」は10種類以上聴いたことがあります。
メンゲルベルクやフルトヴェングラー、
カラヤン、クレンペラーなどのモダン楽器による厚ぼったい演奏から、
ガーディナーやアーノンクールなどの古楽器による軽すぎる演奏まで・・・
いろいろ聴いたけど、やはり落ち着くのは、
リヒター指揮の演奏です。


カール・リヒター指揮1958年録音版
(リヒター指揮のは何種類か出ていますので、録音年に注意を!)
(全曲盤)

(ハイライト盤)

カール・リヒター指揮のDVD盤
(演奏は上記より落ちますが、
ブックレット見ながらよりも字幕を見ながら聴いた方がいい、
という人にはピッタリです。)

今回はCDよりも、本を紹介したいと思います。
番組の中でも触れられていましたが、
バッハの作品は、ただ聴いただけではわからない「謎」がたくさん秘められています。
数の象徴的な使い方(番組中では「14」を紹介していました。バッハの数・・・)や、
楽譜に秘められた十字架・・・
究極的には、「ただ神の栄光のために」音楽が作られるべき、というバッハの信念があります。
だからこそ、楽譜からの「謎とき」という別な楽しみ方があるのでしょうね。

前述の礒山雅氏の著作から、実際に読んだことのある2冊を紹介します。
どちらも読みやすいですが、まずは、講談社現代新書の「J・S・バッハ」をおすすめします。
バッハ入門に最適な本です。
巻末にはおすすめCD一覧もあります。

もっと本格的に、バッハを知ってみたい、というなら、
バッハ=魂のエヴァンゲリスト」(講談社学術文庫)がオススメです。
本の中では、礒山氏は、「私は信仰を持っていない」と述べていますが、
ある意味クリスチャン以上にクリスチャン的な、とさえ言える魂の告白とも言うべき本です。


※こちらはまだ読んでいませんが、いつか機会があれば読んでみたい本です。
マタイ受難曲」(東京書籍)

2011年3月23日 (水)

詩篇70【自作曲】

神よ、救いに来てください。
神よ、わたしを助けに急いでください。

(詩編70:2カトリック訳)

ここ最近、この祈りが切実に心に響きます。
今回は、詩篇70全体への作曲を紹介します。
テキストは、詩編70のカトリック訳です。
カトリック以外の方には、
あまりなじみのない訳ですし、6節と短いですので、
全文掲載します。
(カトリックでも「なじみ深い」とはいえないと思いますが・・・)


神よ、救いに来てください。
神よ、わたしを助けに急いでください。
わたしのいのちを ねらう者は、恥をさらし、
災いを喜ぶ者は見捨てられて恥を受ける。
「それ見たことか」と あざける者は、
恥をさらして退く。

あなたを求める すべての者は
あなたのうちにあって喜び楽しみ、
救いの力を とうとぶ者は
「神は偉大なかた」と いつも たたえる。

わたしは弱く貧しい者。
神よ、わたしのもとに急いでください。
あなたは わたしの助け、救い主。
神よ、わたしを救いに急いでください。


曲の紹介に移ります。
「急いで」という言葉が何度も出てきますので、
全体的に、あわただしい、切迫したような印象の曲です。

ここでの詩人の叫びが、今の日本の叫びのようにも思えます・・・
神よ、救いに来てください。
神よ、わたし(たち)を助けに急いでください。」・・・

メロディ(midiファイル)と楽譜(PDFファイル)とは、
下記からダウンロード願います。もちろん無償です。

「20110323_psalms070allno01.MID」をダウンロード

「20110323_psalms070allno01.pdf」をダウンロード

2011年3月22日 (火)

指揮者・上岡敏之さんはスゴイ!

NHKの「名曲探偵アマデウス」で、ベートーヴェンの「第9」をやっていました。
新作ではなく、再放送でしたが・・・

「第9」の演奏は、上岡敏之指揮・N響でした。
都合上、番組は途中までしか見ていませんが、
断片的な演奏を聴いただけでも、
「この指揮者、スゴイ・・・」と思わされました。
音の情報量が違うといいましょうか・・・
「歓喜の歌」の部分などは、オペラ的とさえいえるほど、鮮やかな響きでした。

上岡敏之」の名は、音楽評論家・宇野功芳氏の大絶賛で知りました。
レコード芸術」誌の「樂に寄す」というコラム欄(必ずここは読んでいます)で、
しばしば登場してきます。
しかし、なかなか聴く機会がないので、
私としては、かの宇野センセイがベタ褒めであっても、
自分の耳で確かめない限りは、評価しようがありませんでした。

今回、断片的にでも聴く機会があって、
ようやく宇野センセイの絶賛がわかりました。

宇野功芳氏の最新刊『宇野功芳 樂に寄す』(音楽之友社)で、
上記のコラム欄に書かれたものがまとめて載せられています。


上岡敏之さんについて検索していたら、
ちょうどよいタイミングの記事がありました。
朝日新聞の特集記事です。
上岡敏之さんの半生について、読みやすくまとめてあります。
http://globe.asahi.com/breakthrough/100614/01_01.html

極度の人見知りゆえに、東京芸大では疎まれ、
一度は帝国ホテルに就職しますが、
一念発起してドイツに留学、
下積みから叩き上げで指揮者になった、というサクセスストーリーが書かれています。
普通、日本人の音楽家は、
「○○コンクール」とかを経由して、大物になっていくのですが、
今時珍しいですね。
指揮ばかりではなく、ピアノの腕前も相当なもののようですね。
(ぜひ弾き振りで聴いてみたいです!)
まだ若いのに、心筋梗塞で手術を受けたとかの話もあります。
「音楽するために生まれてきた」と宇野センセイが絶賛するとおりの人のようです。
これからの活躍に大いに期待しています。

上岡さん指揮のCDはいくつか出ていますが、いずれも私は聴いたことがありませんが、
参考までに4枚紹介しておきます。

チャイコフスキー「悲愴」

ブルックナー「交響曲第7番」(史上最長録音・・・)

マーラー「交響曲第5番」

シューベルト「ピアノソナタ第21番」他
(初のピアノ・アルバムでシューベルトのこの曲を選ぶのはスゴイ・・・)

2011年3月21日 (月)

「貧しい人々は、幸いである」の反対は、「金持ちは地獄行き」か?~教会学校で子どもの疑問に答える

教会学校で、「貧しい人々は、幸いである」(ルカ6:20新共同訳)の話が出ました。
すると、ある子が、「じゃあ、『金持ちは地獄行き』なの?」という質問が出ました。
その時の説教者はたじたじになってうまく答えられなかったので、
私が代わりに答えました。
それにしても、実に面白い質問ですね。
まずそれをほめました。

私の答えはこのようなものでした。
ちょっと聖書的でないですが・・・
「今、大震災で、食べるにも着るにも困っている人がたくさんいるよね。
その一方、東京などでは、「自分さえよければ・・・」とモノを買い占めている人がたくさんいます。
モノを買い占めたら、本当に必要なものが、
困っている人たちに届けられなくなるかもしれません。
「自分さえよければ・・・」という心そのものが、地獄なのです。」

子どもの素朴な質問でしたが、いろいろと考えさせられました。
実際、ルカ福音書には、
貧しい人々は、幸いである、
神の国はあなたがたのものである。
今飢えている人々は、幸いである、
あなたがたは満たされる。
今泣いている人々は、幸いである、
あなたがたは笑うようになる。
」(ルカ6:20~21新共同訳)に対応するように、
しかし、富んでいるあなたがたは、不幸である、
あなたがたはもう慰めを受けている。
今満腹している人々、あなたがたは、不幸である、
あなたがたは飢えるようになる。
今笑っている人々は、不幸である、
あなたがたは悲しみ泣くようになる。
」(ルカ6:24~25新共同訳)
と書かれています。

正統な聖書解釈ではありませんが、
私はある意味、「天国と地獄」とは、心の状態だと考えています。
天国は愛、喜び、平安があふれる状態で、困っている人がいれば、
喜んで分け与えたりすることができます。
自分の幸せよりも、他社の幸せを考えます。

地獄は、自分のことしか考えず、疑いや不平不満、
憎しみや嫉妬、怒りに満ち、
自分が幸福にならないどころか、人をも不幸にします。

今、日本では、「ヤシマ作戦」、「ウエシマ作戦」、「アオシマ作戦」の、
「三シマ作戦」が、ネットを中心に広がっていますね。
(「「三シマ作戦」が日本を救う!?」)
http://chikyu-no-cocolo.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-1271.html
これは天国の心を広げるものといえましょう。
こういうご時世、政治的立場や宗教なんて関係なしに、
多くの人が連帯して、東日本を復興していきたいものです。

2011年3月20日 (日)

「ただちに健康を害する恐れは無い」というゴマカシ~政府・テレビの被曝情報は正しいのか?

最近、NHKや民放での原発関連報道で、
被曝量についての報道が目に余ります。
完全に、大本営発表化しています。
ただちに健康を害する恐れは無い
この言葉、実に曲者です。

ただちに」というのは、「すぐに」ということで、
具体的には、数日~数週間程度を指すと考えられます。
しかし、裏を返せば、
長期的に見れば、健康を害する恐れがある」と読み替えることができるのではないでしょうか?

1時間あたりの被曝量をもって、
ただちに健康を害する恐れは無い」といえても、
単純に、被曝量×時間数をかけていけば、
当然、問題ある数値に達します。
1か月汚染地に住めば、被曝量は相当なものになります。
小学生でも計算できることを、
テレビに出てくる原子力の御用学者センセイ様は、
一切しようとせずに、
ただちに健康を害する恐れは無い」と繰り返すだけです。

ホウレンソウなどの食品の放射線値に関する報道を、
NHKニュースで観ましたが、
憤りさえ覚えました。
こんな詭弁をそのまま鵜呑みにするほど、日本国民はバカになったのでしょうか?
いつまで政府や記者クラブに支配されたマスゴミは、
ウソ・ゴマカシを垂れ流し続けるのでしょうか?
そんなに問題がないなら、堂々と売り、民主党の方々やお役人が率先して、
毎日食べ続ければいいのです。
絶好のパフォーマンスではありませんか!

中部大学の武田邦彦教授のブログは、
まやかしのマスゴミ報道で曇った目を、はっきり見えるようにしてくれるものです。

3月20日の記事、
原発 緊急情報(18) ほうれん草は食べられるか?」は、
ぜひ多くの人に読んでもらいたいものです。
http://takedanet.com/2011/03/18_ba59.html

その中から一部引用します。


放射線で汚れた農作物を捨てるというのは、それをつくった農家の人は断腸の思いだろう。また、経済的な損失も大きい。
でも、農作物に対する放射線で汚染されたものの規制値を決めた限りは、それを守るのが順当である。
また、医療行為の一つであるCTスキャン等と被曝量を比較するのは無意味で、いくら官房長官が素人と言っても政治家である.
国民の健康を守る見識がない。
すでにこの国の政府も専門家も、国民の健康を考えずに電力会社を助け、ひたすら「国民がじっと我慢して放射線物質で汚れたホウレンソウを食べ健康害すること」を望んでいるようだ。

当面、放射線で汚染された野菜は食べない方が良い。産地から出荷するのは「規制値以下のもので、良く水で洗浄して、汚染が採れることが分かっているもの」に限るべきだ。
消費者の防御としては、汚染野菜を買わないことしかない。仕方が無い。汚染しているのだから。

(下線部は私がつけました。)


国民の健康と安全を守るのが、政府の務めですね。
しかし、今や、原発産業を守ることと、
自らの誤りを認めたくないがゆえに、
大きな健康被害が出るまで、動こうとしない政府は、
福島県を巨大な難民キャンプにして、
見殺しにするつもりなのでしょうか?
既に菅首相は、「原子力問題担当相」を、
野党の自民党党首谷垣氏に丸投げしようとして失敗しました。
原発問題も東電に丸投げ、
物資輸送も自治体や民間に丸投げ、
なんでも丸投げで、怒鳴ってパフォーマンスするだけが能の、
責任逃れに終始する悪「漢」首相は、さっさと辞めるべきでしょう。
日本の復興の妨げになります。

原発問題で、武田教授の他に有意義な記事をいくつか紹介します。

原発学者たちの良心を疑う - 純丘曜彰
http://news.livedoor.com/article/detail/5412054/

広瀬隆さん 電力不足危機あおる東電に憤り
http://www.daily.co.jp/gossip/article/2011/03/15/0003867376.shtml

菅首相の危機管理がアメリカから批判された
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/2201418/
(あるアメリカ高官の話として、実に興味深い記事があります。
少し引用します。
オバマ政権の別の高官は実名を明かさない形で同日、ABCニュースに「米国は日本政府に福島原発の冷却に50人よりずっと多くの人員を投入することを緊急に要請し続けた。燃料棒の冷却には当面の48時間ぐらいが決定的に重要だからだ」と語り、菅政権がその要請を受け入れなかったことを批判した。
これによると、原発問題をここまでこじらせたのは、菅首相の判断ミスが大きいということになりますね。)

「安全、安全」という空しい「裸の王様」の言葉。
いつになったら、真実が公表され、
住民の避難が実現できるのでしょうか・・・
とにかく、1時間でも早く、
福島県や茨城県など、
原発周辺地域半径50~100キロ圏の人たちの疎開が始まることを願っております。

(追記)
武田教授がまたまた痛烈な一文を発表しています。
原発 真面目な話です  わかりやすいので」(3月21日記事)
http://takedanet.com/2011/03/post_41cc.html
短いですし、引用自由とのことですので、
ほぼ全文を引用します。


(ある読者からのご提案を受けて)
「(放射線が基準以上でも )直ちに健康に影響はありません」
「(タバコを吸っても   )直ちに健康に影響はありません」
「(発がん性食品を食べても)直ちに健康に影響はありません」
・・・直ちに影響がなければOK??
「(法律で1ミリと決まっていますが?)それは単なる目安です」
「(法律で制限速度が50キロですが?)それは単なる目安です」
「(法律で18才以下は禁煙ですが ?)それは単なる目安です」
・・・法律の数字は目安?
トリックがわかりやすいですね。それでも、主要メディアと専門家は同じ事を繰り返しています.詭弁にめげず、私たちは自分たちで守りましょう。

2011年3月19日 (土)

大災害時のテレビのあり方への3つの苦言~本当に必要な情報は何か?

早いもので、東日本大震災が発生していから、
既に1週間経ちましたね・・・
それまでの平和な日本が一変して、
少なくとも東北地方に限っていえば、
目を覆うばかりの悲惨な光景が随所に広がっています。
テレビ受けしないせいか、あまり取り上げられていませんが、
茨城県も相当な被害が出ています。
(地元の人は「忘れ去られた」という思いが強いようです。)
“忘れ去られた”被災地から悲鳴「茨城は陸の孤島に…」 (夕刊フジ)」(3月18日記事)
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/society/n_ibaraki__20110318_9/story/18fujizak20110318002/
ここ北海道も、太平洋側沿岸部では、津波の被害で漁業が壊滅的な打撃を受けました。

さて、本題に移る前に・・・
最近、民放のCMは、軒並みACジャパンのものになっていますね。
(だいぶ回復しつつあるとはいえ・・・)
私が昨年の8月に書いた、
厄介者の活用~ACジャパンの北海道地域TVCM「見方を変えれば、味方に変わる。」(8月30日)
https://francesco-clara.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-f334.html
という記事が、突然アクセス数を上げています。
ACのCMばかり放送されるようになった日曜日あたりから、
ここ1週間で、その記事だけで1000アクセス以上になりつつあります。
Googleの検索で上位に入っているからなのでしょう。
アクセスされるのはうれしいことですが、複雑な心境です。
未曽有の災害により一般CMが自粛される、という形で、
突如注目されたことになりますから・・・

苦言の第一は、CMスポンサーが自粛したとはいえ、
ACのCM(穴埋め用)ばかり流し続けるTV局の意識に対してです。
いくらいい事であっても、何度も同じCMがどの局を見ても流れ続けるのは、
さすがにあきれるか、うっとおしくなります。
私も「♪こんにちは、ありがとう・・・魔法の言葉で・・・」とかが、
頭にすっかりしみついてしまいました・・・
ACジャパンはついに謝罪文を出しましたが、
とんだとばっちりといえます。
謝罪文を出すべきは、民放各局でしょう。

苦言の第二は、大震災当日、翌日ならともかく、
相変わらず津波の凄惨な映像を流し続けることに対してです。
精神科医の和田秀樹氏は、今回の被災者のみならず、
過去に災害に遭われた人たちに、
津波や地震の映像が、PTSDを起こすのでは、とブログで指摘しています。
記事の一部を引用します。

ところで、最近ほんの少し治まったが、テレビはテレビで、震災や津波の衝撃的な映像を流し続ける。

今回の悲惨者だけでなく、阪神淡路や中越地震で被災者になった方でPTSDにまだ苦しんでいる方がいたら、もちろん、トラウマを悪化させる。

広告の自粛で、仁科明子さんだけがすっかり有名になっているようだが、それでも視聴率競争が必要なのだろうか?

心のケアの大切さを訴える割には、心の傷に塩を塗りこむようなことを平気でやるのが『テレビの大罪』である。
(「地震の折の許せない人たち」3月16日記事から引用)
http://ameblo.jp/wadahideki/day-20110316.html
最後の一文など、まさにそのとおりですね。
夜、目新しい情報がなくなると、津波の映像をこれでもかと流し続けるのは、
犯罪に近いのではないでしょうか?

3つ目は、計画停電が行われているのに、
民放各局自体は、なぜ協力しないのか、ということです。
くだらない番組や、穴埋め用であるACのCMを流し続けるぐらいなら、
テレビ局自体が率先して、輪番で放送休止を実践すべきでしょう。
NHK教育とBS2は午前0時~午後5時まで放送停止です。
BSはNHK以外は不要といえますし、テレビショッピングしている場合ではないでしょう。
韓国ドラマや再放送、テレビショッピングを流し続けるなら、
特に昼間と深夜、しばらく放送休止してはいかがでしょうか。
緊急報道ならNHKだけで十分です。
(なお、大震災発生当日と翌日のように、
すべてのチャンネルが震災に塗りつぶされるのも行きすぎかな、とも思います。
テレビ東京系のように、早々にあえてアニメや旅行番組を流したのは、
なかなかいいと思いました。
必要な情報は、まとめた形で、画面下に表示されれば十分です。)

その他、報道のあり方(被災者にぶしつけな質問をしていた、
放送事故、取材ヘリが救助の邪魔になっている等々)そのものにも言いたいことがあります。
原発学者の説明も、なんだか信用できません。
本当にほしい情報とは何でしょう?
偽りの気休めでも、ショッキングな映像でも、お涙頂戴でもありません。
国民が自ら考え、何ができるかをきちんと判断できる材料です。
記者クラブ制度を維持する限り、真実を報道することは不可能なのでしょうね・・・
ここに、日本のジャーナリズムの病巣を見ます・・・

2011年3月18日 (金)

大災害と旧約聖書の「哀歌」~心の平安はどこに・・・

おとめエルサレムよ
あなたを何にたとえ、何の証しとしよう。
おとめシオンよ
あなたを何になぞらえて慰めよう。
海のように深い痛手を負ったあなたを
誰が癒せよう。

(旧約聖書 哀歌2:13新共同訳)


東日本大震災の三重苦の被害(地震・津波・放射能漏れ)を連日テレビで目にします。
自然の猛威と政府の無策・迷走ぶりをまざまざと見て、
私の心は憤りと叫びに満たされています。
愛する日本の荒廃を見て、胸が痛まずにおられましょうか!
おとめエルサレム」、「おとめシオン」の代わりに、
「東北」や具体的な県名・市町村名(仙台市など)を入れてみてください。

ここ数日、旧約聖書の「哀歌」の御言葉が心に響いています。
「哀歌」は外国の軍隊によるエルサレムの破壊と虐殺・略奪・飢餓などの、
まさにこの世の地獄を描いている、旧約聖書の中でも最も暗いところといえます。
3章を除く各章(全5章)は22節で構成されています。
ヘブライ語のアルファベットによる詩(日本でいえば、「いろは歌」のようなもの)です。
軍隊による横暴を極めた行為を、今回の津波の被害に置き換えて読むと、
何千年も昔の話が、今の出来事として、切実に響いてきます・・・

エルサレムの悲惨な様子は、罪の結果だとされています。
相手が人間ならば、そうかもしれません。
しかし、相手が大自然なら、どうなのでしょうか?


主はまことに敵となられた。
イスラエルを圧倒し
その城郭をすべて圧倒し、
砦をすべて滅ぼし
おとめユダの呻きと嘆きをいよいよ深くされた。

(旧約聖書 哀歌2:5新共同訳)


主はまことに敵となられた。」と言わざろうえないほど、
神様に「どうしてですか~!!!」と叫びをぶつけたくなります。
けれども、答えはこないのです・・・
「哀歌」の3章には、ふだんならすばらしい慰めになる御言葉が書かれています。
主の慈しみは決して絶えない。主の憐れみは決して尽きない。」(哀歌3:22新共同訳)
とか、
主は、決して
あなたをいつまでも捨て置かれはしない。
主の慈しみは深く
懲らしめても、また憐れんでくださる。
人の子らを苦しめ悩ますことがあっても
それが御心なのではない。
」(哀歌3:31~33新共同訳)など・・・
しかし、今はここでさえ、慰めを感じないほどです・・・

むしろ、
わたしの目は休むことなく涙を流し続ける。
主が天から見下ろし
目を留めてくださるときまで。
」(哀歌3:49~50新共同訳)や、

水はわたしの頭を越え
もう最期だとわたしは思った。
深い穴の底から
主よ、わたしは御名を呼びます。
耳を閉ざさず、この声を聞き
わたしを助け、救い出してください。
呼び求めるわたしに近づき
恐れるなと言ってください。
」(哀歌3:54~57新共同訳)といった言葉が、
私の今の心境を代弁しています。

この「哀歌」や、詩編の嘆きの言葉をもって、
心の痛みを、神に打ち明けてみましょう・・・
神の御心はしばしばわからないことがありますが、
「あえて」今このあるがままを、讃美します・・・

主に望みをおき尋ね求める魂に
主は幸いをお与えになる。

(哀歌3:25新共同訳)

以前、「哀歌」への作曲を紹介した記事を書いていますので、
よろしければお読みください。
「主の慈しみは決して絶えない」(哀歌3:22)【自作曲】
https://francesco-clara.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-1632.html

(参考)
「小さないのちを守る会」代表の水谷潔牧師が、
他者の「災害」を「天罰」と断言する程の「偉い人」には、
ルカ13章を読んで欲しい!
」(3月16日の記事)と題して、
大災害を「天罰」と断定することの愚かしさを聖書的に指摘しています。
ぜひお読みください。
http://blog.chiisana.org/?day=20110316

※今回で800本目の記事です。
神様に感謝・・・

2011年3月17日 (木)

「巨人」は料簡の狭いKYな「小人」?~セ・リーグの開幕日変更なし問題

初めに一言・・・
今回の記事の批判の対象は、セ・リーグのオーナーに対してのものです。
各球団の選手やファンの皆さんに対してのものではありません。
悪しからず・・・

日本全体が大変な時期、しかも、関東では計画停電が行われている中、
のんきにプロ野球だけがのうのうと、「日本を元気づける」と称して、
大量の電力を使う試合を行っていていいものでしょうか?
球場に向かうには、電車用の電力が余計に必要ですし、
テレビの視聴でも電力需要が上がるはずです。

もしどうしてもやりたいなら、西日本限定で試合するか、
あるいは、パ・リーグと同様に、4月12日開幕にしてもらいたいものです。

「巨人」といいながら、これでは料簡の狭いKYなだけの「小人」ではないでしょうか?
「栄光の巨人軍」の名が地に墜ちます。
計画停電が関東各地で実施されている中、
東京・横浜で試合をやるならば、
良心的なファンのみなさんは、試合を観にいくのをボイコットするか、
テレビを見るのもやめるべきでしょう。
これではますますプロ野球人気を下げるだけだ、というのが、
なぜナベツネさんはわからないのでしょうかね・・・

我が家では読売新聞を購読していますが、
こういう恥知らずな主張をしているなら、購読を中止したくなりますね。
(ほかに選択肢がないから、一応、続けますが・・・)

【緊急】福島県民全員を県外避難させるべき!

福島原発の状況は日に日に悪化しています。
原発周辺20~30㎞の人には、自宅待機の指示が出ています。
しかし、どれだけの期間自宅待機などできましょうか。
政府が言う、
「人体に影響のないレベルの放射線」であっても(だんだん信じられなくなりつつありますが・・・)、
長期間(1年間とか)にわたれば、大変な健康被害になるはずです。
既に福島県向けの物資は、運送業者が嫌がるか逃げている、とも聞きます。
きちんと救援物資やガソリン等が届かない可能性が出ています。
自宅待機中の餓死者や、避難所での健康被害が出てから、
ようやく政府が動き出すのでは遅すぎるのです。

地震・大津波・原発の被害で壊滅的な被害を、
福島県は受けました。
被災者たちの我慢と忍耐は限界に来ています。

もはや、救援物資を福島県に送るよりも、
福島県民全員を県外に輸送し、
当面の間、被害にあわなかった全国の各自治体で受け入れるなどの措置をとるべきではないでしょうか。
可能な限り、全国からトラックやバスなどの輸送手段を集め、
妊婦や子どもから優先的に県外脱出を図るべきです。
福島県民約200万人の生命を、政府は守ってほしいのです!

私は民主党と首相官邸に、各ホームページから、
この意見をメールで送りました。
一刻も早く手を打つ必要があります。
もはや、民主党だ自民党だ公明党だ、与党だ野党だと言っている場合ではありません。
挙国一致で、この国難を乗り越える必要があるのです。

報道によると、フランス政府は、自国民を日本から避難させるために、
特別便を日本に派遣し、既に帰国が始まっています。
人命重視のすばらしい決断だと思います。
イスラエルは、1991年5月に、内戦が悪化するエチオピアから、
エチオピア系ユダヤ人1万4千人を救出するため、
奇跡的ともいえるスピードでイスラエルから飛行機を相当な本数飛ばし、
わずか25時間で国外脱出させることに成功しています。
(以下のサイトで詳細を見る事ができます。静岡文化芸術大学の鈴木元子氏の記事です。
エチオピア・ユダヤ人の奇跡のアリヤ(帰還) -ソロモン作戦-」)
http://www.suac.ac.jp/library/bulletin/kiyo/vol5/P031-P039.pdf
不可能な理由を考えていたら何もできません。
できる方法を総力を挙げて考えていけば、必ず道は開けるはずです。

(参考)
中部大学の武田邦彦教授が、放射線被曝量を計算して公開しています。
NHKで言う1時間あたりの被曝量ではなく、
1か月単位での計算です。
福島県福島市ならば、1か月で白血病になるレベルです。
もっと原発に近いところならば・・・恐ろしい結果が書かれています。
ちなみに東京は今の状態が続いたとしてもまだまだ大丈夫なレベルのようですが・・・
http://takedanet.com/2011/03/11_0ba1.html
米軍は、原発の80㎞圏内に立ち入り制限をしています。
NHKと政府が「安全です」を繰り返すのは、もはや大本営発表と化しています。
原発近辺の風向きと、放射線量を、
ありのままに発表し(たとえそれが最悪の事態であっても・・・)、
国民の安全を守るのが、政府の務めではないでしょうか?

2011年3月12日 (土)

ブログ休止のお知らせ~大地震のあまりの被害に衝撃を受けて・・・

来週1週間、ブログを休止します。
東日本巨大地震のあまりの惨状に打ちのめされ、
テレビを食い入るように見続けるばかり・・・
1週間数日間のブログ休止という形で、哀悼の念を表明します。
激甚被災地の皆さまのために、お祈り申し上げます。
亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。

深い淵の底から、主よ、あなたを呼びます。
主よ、この声を聞き取ってください。
嘆き祈るわたしの声に耳を傾けてください。

(旧約聖書 詩編130:1~2新共同訳)

PRAY FOR JAPAN, ACT FOR JAPAN! 日本のために祈り、日本のために行動しよう!

愛する日本のために祈り、
愛する日本のために行動しよう!

今回の東日本巨大地震、言語を絶した被害に、打ちのめされていました。
ただ惨状をテレビで食い入るように眺めるのみ・・・

そんな中、あるサイトで知った、海外からの日本への祈りをまとめたサイトを見ました。
【prayforjapan】世界から届いた日本への祈り
http://matome.naver.jp/odai/2129985372846288901

世界中からの祈りの画像を見て、私は力づけられました。
私たちは祈ることができる!
幸いにも被害を免れた私たちは、それぞれの分に応じて、
義捐金や、人的支援・物資の支援などを通して、少しでも被災地を助けることができる!

だから、あえて言いたいのです。

愛する日本のために祈り、
愛する日本のために行動しよう!

日本はもう終わりだ・・・などとあきらめず、
私たちも痛みを共にし、できることを少しでもやっていきましょうよ!
私たちの父祖たちは未曽有の戦争被害をも克服してきました。
私たちにも、できるはずです!
愛する日本のために・・・

2011年3月11日 (金)

NHK・もっと「もしドラ!」~アニメでわかるドラッカー~(2011年3月10日、4月23日放送)

来週から、いよいよ「もしドラ」のアニメが放送されますね。
その長い予告編ともいうべき番組が、
3月10日(4月23日)放送の「もっと「もしドラ!」~アニメでわかるドラッカー~」でした。
30分で、ドラッカーの人と思想のエッセンスが凝縮され、
なおかつ、来週からの番組への期待を高める効果があるものになっていました。

ゲストとして、ドラッカーの翻訳者である上田惇生氏や、
もしドラ」の作者である岩崎夏海氏をはじめ、
各界の著名人が出て、ドラッカーの魅力を語っていました。
飯島延浩氏(山崎製パン代表取締役社長)、
志村なるみ氏(㈱ABC Holdings 取締役→ABCクッキングスタジオ)、為末大氏(陸上選手)、
堀田力氏(財団法人さわやか福祉財団理事長)、西本智実氏(指揮者)、
長谷川滋利(元大リーガー、野球解説者)、富野由悠季氏(ガンダム等のアニメ監督)・・・
会社経営、ビジネスだけでないドラッカーの魅力を物語っていますね。

番組ではドラッカーの金言を特に3つ紹介していました。
3つとも素晴らしいですが、
私は「人は最大の資産である」という言葉が強く心に残りました。
その言葉に、上田惇生氏は「人は凸凹した存在だ」と注釈をつけ、
「組織とは、個人の凸(長所)を伸ばす機関である」というような言葉を語っていたのは、
「なるほど~」と思わされました(上田氏の言葉は正確な引用でなくゴメンナサイ・・・)。

アニメそのものも、部分的にチラ見せしていました。
高校生がこんなこと話すかな~?とギモンはあるものの、
ムズカシイ概念を、人物を通してわかりやすく解説・具体的に応用してみせる、というのは、
非常に効果的だと感心しました。
本の表紙とアニメ版では、
若干アニメ版の方がみなみちゃんの顔がきついような気がしますが・・・(気のせい?)
声優さんも充実した顔ぶれのようです。
来週からの放送が楽しみですね。

(※3月からの放送予定が、大震災で4月からの放映に・・・今度こそ、楽しみにしています。)

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

2011年3月10日 (木)

時は満ち、神の国は近づいた/時は満てり(マルコ1:15)【自作曲】

今年(2011年)は、昨日(3月9日)から、四旬節に入りました。
伝統的な教会(カトリックや聖公会・ルーテル派の教会など)では、
「灰の水曜日」という儀式から、四旬節が始まります。
今回は、回心のときである四旬節を始めるにふさわしい、
「悔い改め」をテーマにした自作曲を紹介します。
新約聖書マルコによる福音書1:15のイエス様の言葉がテキストです。
新共同訳への曲と、文語訳への曲の2曲を紹介します。

時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい。」(新共同訳)
時は滿てり、神の國は近づけり、汝ら悔改めて福音を信ぜよ」(文語訳)

1曲目は、新共同訳がテキストです。
2曲目は、文語訳がテキストです。
どちらも「悔い改め」がテーマですが、優しさがあふれた呼びかけとなっています。

この御言葉は、イエス様が荒野での誘惑から戻られた第一声と言われています。
マルコ福音書では、イエス様の最初の言葉ですね。
この御言葉、ただ単に過去の出来事として、片付けてほしくないです。
聞く耳あるすべての者にとっては、「今も」、「今日」イエス様が呼びかけておられるのです。
悔い改めて福音を信じなさい。」と!
「悔い改め」とは、単に、悪い行いの反省、というよりは、
むしろ、神様の方へ向きを変える、神様を中心にして生きる、と考えた方がいいでしょう。
「改心」は「回心」であり、「開心」となり、「会心」へと向かいます。
喜びあふれた生き方をもたらすもの、それが「福音」です。

わたしは福音を恥としない。
福音は、ユダヤ人をはじめ、ギリシア人にも、
信じる者すべてに救いをもたらす神の力だからです。

(新約聖書 ローマの信徒への手紙1:16新共同訳)

メロディ(midiファイル)と楽譜(PDFファイル)とは、
下記からダウンロード願います。もちろん無償です。

「20110310_mark0115no01.MID」をダウンロード

「20110310_mark0115no01.pdf」をダウンロード

「20110310_mark0115no02.MID」をダウンロード

「20110310_mark0115no02.pdf」をダウンロード

(余談)
ちなみに、ルーテル派の教会で使われる「教会讃美歌」の中に、
時は満てり」(16番)という讃美歌があります。
J・S・バッハ編曲の、なかなかステキなクリスマス・キャロルですよ。
下記HPにて、歌詞の掲載があります。
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/cforum2000/comment/20080106/1199594546

「灰の水曜日」に関しては、
イギリスの詩人T・S・エリオットの「聖灰水曜日」という有名な詩がありますね。
英文の原詩が全文掲載されているHPを見つけました。
http://www.msgr.ca/msgr-7/ash_wednesday_t_s_eliot.htm
結構長くて難解ですが・・・

2011年3月 9日 (水)

家族の絆の再生~映画「リトル・ミス・サンシャイン」

NHKBS2で、2011年3月8日の昼間に、
映画「リトル・ミス・サンシャイン」を放送していました。
私は放送時間には観ていませんが、以前、DVDレンタルで妻と一緒に観たことがあります。
観たきっかけは、「幸せの1ページ」という映画の主人公役(アビゲイル・ブレスリン)が、
この映画でも主役ということを知り、興味を持ったからです。
(映画「幸せの1ページ」については、以前記事を書いています。)
https://francesco-clara.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/1nims-island-6b.html

ストーリー等については、既にいろいろな人が書いていますので、
あえて書きませんが、とにかく、ものすごく面白い映画です。
「家族の絆・家族の再生」というものを、逆説的に考えさせられました。

映画に出てくる家族は、崩壊寸前です。
「勝ち組」になることしか考えない父親、ニーチェに心酔して沈黙の行を貫く兄、
ゲイで自殺未遂の叔父、下品すぎだが孫娘を愛してやまないジイさん、
なんとか家族を取りまとめようとする母親・・・
バラバラで個性的すぎる一家が、
主人公であるオリーブちゃん(アビゲイル・ブレスリン)を、
なんとか美少女コンテスト「リトル・ミス・サンシャイン」に出場させようと、
ボロい車(途中でクラッチが効かなくなり、発進するには運転手以外の家族全員で車を押す必要あり・・・)で、
1200㎞以上の長旅に出る・・・というロードムービーです。
オリーブちゃん自体、ぽっちゃり系で、さほど「美少女」ではない、というのがミソです。

見どころはたくさんあるのですが、
「家族の絆・家族の再生」というところに焦点をあてるなら、
特記すべきは、前述のボロい車と、
ラスト手前の、コンテストのシーンでしょう。

ちなみに、最近、グリコのプリッツのCMで、
この映画へのオマージュ的映像が使われていますよ。
車を押して発進させて、押していた人たちが走って車に乗り込むシーンです。
家族が結束を強めるのは、否応なしに危機を乗り越えていくなどが必要なのですね。
嫌でも皆が協力しないと、車は進めない・・・
ボロい車が、家族というものを、実に象徴的な形で表しています。

コンテストのシーンは、腹がよじれるぐらい笑ってしまいましたが、
同時に、感動の涙もあふれるという、奇妙な体験をしました。
(どんなシーンかは、あえて書きませんが・・・ぜひ、見て、体験してみてください!)

家族って、ばかばかしいようなことであっても、決して見捨てられないから、
すばらしいのですね・・・

家族がメイン・テーマの映画ですが、いわゆる「ファミリー向け」の映画ではないことを、
あらかじめお断りしておきます。

リトル・ミス・サンシャイン [DVD]

2011年3月 8日 (火)

立ち読み日記~『新訳 赤毛のアン 』(集英社みらい文庫)

ある書店の入口のところに、「おやっ?」と思わせる表紙の本が・・・
今回紹介します、『新訳 赤毛のアン 』(集英社みらい文庫) です。
表紙が、『ハチクロ』(『ハチミツとクローバー』)化した、アンなのです・・・

新訳 赤毛のアン (集英社みらい文庫)

表紙を描いたのは、『ハチクロ』の作者、羽海野チカさん。
中のイラストは、残念ながら、羽海野さんではなく、「おのともえ」さん、という方です。
しかし、パッと見では、羽海野さんが描いたのかな、と思わせるような画風でした。

集英社みらい文庫」というのは、今年の3月1日に創刊されたばかりの、
小・中学生向けの文庫(実際は新書サイズ)シリーズです。
マンガをノベライズしたもの(「君に届け」や「ちびまる子ちゃん」、「One Piece」など)が多いようです。
マンガを活字で読んでみたい、というのは、良いことでは、と考えます。

さて、『赤毛のアン』に戻りましょう。
これは全訳ではなく、かなりカットされているようです。
本文そのものはほとんど読まず、ひたすら挿絵を眺める立ち読みとなりました。
アンやギルバートはまぁ合格点、残念なのはマリラの描き方でした。
かなり病的なキャラになっていました。
最終章の、すっかり大人びたアンとギルバートが和解するシーンは、
イケメンと美女のロマンティックな出会い・・・という感じでした。

この本に対して、Amazonでは、さっそく、ある人が酷評を載せていました。
(「酷評するぐらいなら、最初から買うなよ・・・」と言いたくなりますケド・・・)
村岡花子訳とか、その他の訳も熱心に読んでおられる方のようです。
オトナの基準からすると、物足りないのかもしれませんが、
コドモが初めて読む「古典」としては、このぐらいの親しみやすさで十分なのでは、と考えます。

余談ですが・・・
私は親戚のおばさんから勧められて(プレゼントされて)、
小学生のときに、夏目漱石の『吾輩は猫である』を読みました(「読ませられた」が正しいかも?)。
あまりの退屈さ、難解さ故に、すっかり夏目漱石の小説が嫌いになりました。
いくら良い本であっても、読むべき「時」というものがあると思います。
高校生ぐらいに読んでいたら、また違ったとらえ方ができたはずなのに・・・
(いまだに、明治の文豪の作品というのは、敬遠の対象になっています・・・)
※親戚のおばさんの名誉のために言えば、
おばさんがいろいろな本を買い与えてくれたからこそ、
私が今も読書好きになっているのです。

同様に、本来楽しいはずの『赤毛のアン』も、
変に、全訳とか訳注にこだわるあまり、難しい注釈や引用句の煩わしさで、
小・中学生を読書から遠ざけるよりは、間口を広げた方がいいのではないでしょうか。
「古典は楽しい!」と思えるようになれば、自らもっと知りたいと思い、
他の訳や、はては原文で読むようにさえなるものです。
そういう意味で、『新訳 赤毛のアン』のような本があってもいいと考えます。
もっといえば、羽海野版の『赤毛のアン』、マンガかアニメにしてほしいな、とも思いました。
世界名作劇場の「アン」だけが、絶対的なイメージではないはずですよね。

ちなみに、『ハチクロ』は結構好きで、全巻持っていますよ。

2011年3月 7日 (月)

JRタワー 8周年記念『世界名作劇場展』に行ってきました

妻と一緒に、札幌駅のJRタワー1F東コンコースで開催されている、
「世界名作劇場展」に行ってきました。
会場では、「あらいぐまラスカル」、「母をたずねて三千里」、
「赤毛のアン」、「フランダースの犬」、「トム・ソーヤの冒険」の立体展示や、
たくさんのセル画などが展示され、世界名作劇場ファンはもちろんのこと、
ちょっとだけ見たことがある若い世代の人にも、十分楽しめるものになっていました。
下は、その中で写した立体展示の一部です。

(ラスカルの巣。自動的に、ラスカルが木の穴から出たり引込んだりしていました。)
20110307_rascal


(赤毛のアン。第1話のイメージでしょうか?)
20110307_anne


(フランダースの犬。涙モノの最終話・・・横には天使のライトがお出迎え?)
20110307_nero


この「世界名作劇場展」、全国各地で開催されているようですね・・・
日本アニメーションのサイトで、名古屋での開催のものを紹介していました。
http://www.nippon-animation.co.jp/news/detail.php?id=269
ちなみに、そのHPの右側にある絵、今回のJRタワー会場にその大きな絵が2枚飾られていました。
(撮影しましたが、掲載は遠慮しておきます・・・)
絵の中には、世界名作劇場全26作の主人公たちが画面いっぱいに描かれています。
ところで質問です。
その絵の中に、2人、同じ人物が描かれています。誰でしょう?
(世界名作劇場ファンなら、すぐわかりますね・・・ヒントは「若」と「赤」)

ところで、NHKBS2で、長いこと「世界名作劇場」シリーズの再放送をやっていましたが、
どうやら、しばらくは放映されないことになりそうです・・・
残念ですね・・・

2011年3月 6日 (日)

テレビ東京系・美の巨人たち「シャガール『イスラエル12部族のステンドグラス』」(2011年3月5日放送)

テレビ東京系(北海道では「テレビ北海道」)の「美の巨人たち」はたまに観る番組です。
たまたまテレビをつけていたら、「美の巨人たち」が始まり、
すぐに、画面に釘付けになりました。
今回紹介されたのは、シャガール作「イスラエル12部族のステンドグラス」。
シャガールの名はもちろん知っていますが、
彼がこういう作品を作っていた、というのは、今回初めて知りました。
何が描かれているのかよく見ないとはっきりしないのですが、
光の洪水、観るパイプオルガンの音色、といった感じでした・・・
現代アートで、久々に感動しました。
いつかエルサレムに行く機会があったなら、ぜひこの目で見てみたいものです・・・

イスラエル12部族のステンドグラス」は、
エルサレムのヘブライ大学付属ハダッサ医療センターの、
病院関係者と患者の為の祈りの場として建てられたユダヤ教の会堂シナゴーグの中にあります。
場所が場所だけに、地元の人にもあまり知られていないようです。
シャガールは、2年半もの歳月をかけ、無償でこの作品に取り組んだそうです。
(ちなみに、「ハダッサ」(ハダサ)は、ヘブライ語で「天人花(てんにんか)という植物を意味する」名で、
旧約聖書の「エステル記」の主人公、エステルと同一人物の名でもあります。
「エステル」はペルシャ語で「星」。→エステル記2:7)

この作品は、イスラエルの十二部族の祖となった、
ヤコブ(イスラエル)の子ら十二人を、シンボルなどを用いて、
一人=一枚のステンドグラスとして表し、
シナゴーグの東西南北四方を、それぞれ3枚ずつの極めて美しいステンドグラスで彩っています。
ユダヤ教のシナゴーグにふさわしく、人物・偶像崇拝につながるような、
人物像を一切描かない、シンボリックな作品です。

作品は1962年に完成しましたが、
不幸にも、1967年の第3次中東戦争で、12枚のうちの4枚が破損してしまいました。
シャガールは1年近くかけて修復しました。
そのうちの1枚に、あえて、欠けているところを残しています。
平和への願いをこめて・・・

文字だけで、その美しさを伝えるのは不可能です。
ぜひ、番組HPを御覧になってみてください。
(「美の巨人たち」で検索)

美の巨人たち」では、いつもはストーリーテラー(狂言まわし的人物)が登場するのですが、
今回は、あえてそれを登場させない演出にしたそうです。
そのおかげで、作品をじっくりと堪能することができました。
どのステンドグラスが一番好きか・・・
どれが好き、というのではなく、ただただ圧倒的な光の饗宴に見惚れるばかり・・・

英文ですが、この作品について書かれたブログ記事を見つけました。
写真掲載多数です。
"Erin in Israel"~"Chagall's Stained Glass Windows"
http://erinamsili.blogspot.com/2010/12/chagalls-stained-glass-windows.html

見よ、兄弟が共に座っている。
なんという恵み、なんという喜び。

(旧約聖書 詩編133:1新共同訳)

2011年3月 5日 (土)

「京大入試ネット不正事件」はそんなに騒ぐべきことなのか?~過剰報道への疑問

「京大入試ネット不正事件」が、ここ最近、連日のように報道されていますね。
まるで、連続殺人犯並みの扱いで・・・
容疑者のプライバシーをこれでもかと暴き立てるような過剰な報道。
しかし、考えてみると、たとえ裁判になっても、せいぜい執行猶予か、
罰金程度で片付くような話なのです。
入試の不正は問題ですが、微罪で前途ある若者をつぶしていいのでしょうか?
NHKから民放まで、ニュース番組のTOP扱いにするのは、異常です。
他に報道することはないのでしょうかね・・・
大学側だって、もう少し太っ腹な態度を見せてほしかったです。
(だから、非難の電話が鳴りやまないのでしょうね・・・)
(※3月8日追記:同志社大学は被害届を撤回したそうです。
さすがキリスト教系の大学!「本人の更生にも期待・・・」とのこと。)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110308/crm11030812420015-n1.htm

この事件に関してはいろいろな記事がありますが、
注目したいブログ記事を2つ(計4本)紹介します。

大学側の監督態勢の問題と、
この事件があったからといって、「日本の受験生のモラルが低下した」などと言うべきではない、
という記事を書いているのは、受験に詳しい精神科医の和田秀樹氏です。
入試問題漏えい事件に思う」(2011年3月1日)
入試問題漏えい事件に思う その2」(2011年3月2日)
テレビと金が罪を決める国」(2011年3月4日)
http://ameblo.jp/wadahideki/day-20110301.html
http://ameblo.jp/wadahideki/day-20110302.html
http://ameblo.jp/wadahideki/day-20110304.html

そのなかから一部引用します。

ただ、韓国などではすでに何度も起こっていることであるし、今回が初めてならば、むしろ日本のほとんどの受験生のモラルが高いことをほめるべきで、一人のおかしな人間のために、受験生のモラルまで下がったなどと、まともな感覚の大人は言うべきでない。多くのまじめに勉強している受験生は自分たちのほうこそ被害者と思っているのだから。」(3月2日の記事から)
同感です。
なんでもかんでも、「今の若者は・・・」とか、「日本はダメだ・・・」というのは異常ですね。

今回の問題から、そもそも、「ペーパー一発勝負」の受験制度と、
日本の大学の問題(入るのは難しいが、出るのは容易)を根本から問い直しているのが、
ニューズウィーク日本版に連載されている、作家の冷泉彰彦氏です。
「プリンストン発新潮流アメリカ」~
「京大入試ネット不正事件」に見る入試制度の限界」(2011年2月28日の記事)
http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2011/02/post-265.php
今回の事件にあまり関係ないですが、「学歴ロンダリング」なる言葉も紹介しています。

心に残ったところを引用します。

いい加減に「入試イコール基礎能力判定の科挙試験」といった権威付けはやめて、各大学が文系も含めて「入るのは簡単だが出るのは難しい」という制度に改め、その上で「ちゃんと卒業できそうな人材を選別する合理的な入試」へとシフトすべきだと思います。大学の国際競争力ということから考えると、もう余り時間は残っていません。昨年あたりから東大が高校生向けの説明会を始めましたが、合格者の海外流出を懸念する危機感は良いのですが、本当に危機感を持っているのなら入試と学部教育の改革スピードを上げるべきだと思います。

厳しい入試が機能しているなら、まだマシですが、
AO入試で、ひどいところだと学校見学しただけで合格、なんてところもあるようです。
(以前、記事を書きました。)
大学の価値のインフレ化を感じさせる記事2つ」(2011年2月19日の記事)
https://francesco-clara.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-2bee.html
入口は、本当に学びたい人なら誰にでも開かれて、
出るときは、真に学んだ者しか出られない・・・
アメリカの大学などは、そのようなシステムになっていると聞きます。
日本の大学も、そういう制度に変えた方がいいのでは、と考えています。

「女性教諭、児童の両親提訴」のその後~ほとぼりが冷めてからの記事2つ

今年の1月に、
女性教諭、児童の両親提訴~埼玉県での事例」と題して、
埼玉県の女性教諭が児童の両親を提訴した、という報道について記事を書きました。
https://francesco-clara.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-26bd.html
大変反響が大きかったです。

3月4日に、この問題について、
産経新聞と、週刊ダイヤモンド(オンライン版)が改めて取り上げていました。
興味深かったので紹介します。

(MSN産経ニュース)
【金曜討論】教師VSモンスター親 「筋違い」か「最後の手段」か…尾木ママら激突
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110304/edc11030414490002-n1.htm

(週刊ダイヤモンド)
“モンスターペアレント”に反旗を翻す教師たち
前代未聞の訴訟で議論が紛糾する「教育現場の混沌」

http://diamond.jp/articles/-/11369

まず、【金曜討論】の方から。
日本教育大学院大学の河上亮一教授と、
法政大学の尾木直樹教授の意見の相違が面白いですが、
軍配は、河上教授にあがりますね。
「性善説」や「金八先生もどき」では、もう通用しないところにまで来ていたからこそ、
裁判で訴える、という事態になったのでしょう。
河上教授の主張する、
「・・・教師の権威の回復と、たとえば出席停止処分を実現しやすくするためのシステムの整備など教育力を保障する法律上のバックアップが必要だ」という意見には同感です。
尾木教授の意見は、人情家や理論家にはウケルかもしれませんが、
現実離れしたものだと思います。
(ただ、こういう考えも、あって当然でしょうけど・・・)

週刊ダイヤモンドの記事は、総括的な記事となっています。
教師の学力低下(!)や、マスコミの興味本位の報道への批判まで書いています。
あえて、どちらが問題か、ということに対して中立的な意見をとることで、
幅広い視点で、この事件を眺めることができている、良心的な記事だと思います。

ぜひ、この2つの記事、読んでみてください。

2011年3月 4日 (金)

立ち読み日記~『ひびわれ壺 子育てに大切なことがわかる小さな物語』(二見書房)

書店の教育書・保育書コーナーのところを歩いていると、
すてきな表紙の絵本に出合いました。
タイトルを見て、「あっ、あの話?」とすぐわかりました。
子どもの心のコーチング―一人で考え、一人でできる子の育て方』 (PHP文庫)
で知られる、菅原裕子さんの
ひびわれ壺 子育てに大切なことがわかる小さな物語』(二見書房)です。


この物語は、前述の『子どもの心のコーチング』の、
「おわりに」というところに書かれている話を絵本化したものです。
もともと、文庫本で4ページほどの分量なので、
立ち読みとはいえ、全部読み終えてしまいました。
絵が実にステキです。
最後の方など、思わず涙腺がゆるみそうになったほどです・・・
教会学校などでの読み聞かせに最適な、すばらしい本だと思います。
欠点や短所を責めるのではなく、長所として見てあげることができるなら、
どんなに子どもにとって幸せなことでしょうか。
いや、子どもだけではありません。
大人だって、そうなのです・・・

著者がこの物語に託した思いを、
子どもの心のコーチング』の「おわりに」から引用します。


私たちはみな、それぞれユニークなひび割れをもっています。
私たち一人一人がひび割れ壺なのです。
私たちの仕事は、子どものひびを責めることではありません。
自分のひびを責めることでもありません。
子どものひびのために花の種をまくこと、それこそが親の仕事です。
子どもたちはどんな花を咲かせてくれるでしょう。
そして、私たち親はどんな花を咲かせるでしょう。

(『子どもの心のコーチング』P.251から引用)

以前、『子どもの心のコーチング』について記事を書いていますので、
よろしければそちらもお読みください。
書評:菅原裕子著『子どもの心のコーチング』(PHP文庫)」(2010年6月22日の記事)
https://francesco-clara.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/post-ae94.html


NHK「名曲探偵アマデウス」・シベリウス「交響詩『フィンランディア』」

今回の「名曲探偵」は、再放送で、
シベリウスの交響詩「フィンランディア」でした。
事件ファイル#8・・・初期の放送ですね。
番組最後の「オチ」がちゃんとついています。
(杜氏の「ゲンさん」は、実はフィンランド人だった・・・)

番組で演奏していたデュトワ指揮N響は、
ミスはないものの、感動はあまりない感じでした。
デュトワの指揮は、フランスものでは他の追随を許さないものですが、
それ以外は、ちょっと微妙ですね・・・

番組では、中間部の美しいメロディに、愛国的な歌詞をつけた
フィンランディア賛歌」も紹介されていました。
アカペラの男性合唱は、実に美しいものでした。
(「フィンランディア賛歌」の歌詞対訳と由来については、
松村一登氏のHPが詳しいですよ。以下参照。)
http://www.kmatsum.info/suomi/essays/finlandia.html

フィンランディア」といえば、クリスチャンにとっては、
やすかれ、わがこころよ
(讃美歌298、新聖歌 303、讃美歌21・532)の原曲としてなじみ深いです。
1番の歌詞だけ引用します。

かれ わが心よ 主イエスは ともにいます
痛みも苦しみをも おおしく 忍び耐えよ
主イエスの ともにませば 耐ええぬ 悩みはなし
(※讃美歌21では下線部は「しずかに」)

あと、世界名作劇場で、
フィンランドを舞台にした作品「牧場の少女カトリ」でも、
フィンランディア」がBGMとしてよく使われています。

フィンランディア」の演奏CDの演奏時間を、店頭で比較してみると、
短いのは7分台、長いのは9分台となっていました。
短いのはこれから紹介するベルグルンド盤、長いのは、カラヤン指揮BPOなどです。

我が家にあるのは、ベルグルンド指揮ヘルシンキ・フィルのEMI盤です。
美しい中間部など、もうちょっと盛り上げてほしいかな、とも思いますが、
あっさりした中でも十分に音楽の美しさを堪能できます。
2枚組で1200円程度(Amazonにて。※2011年3月4日現在。輸入盤)というのは、非常にオトクです。
交響曲5~7番の超名演を楽しむついでに、
「フィンランディア」も楽しむ、と考えた方がいいかもしれません。

2011年3月 3日 (木)

ヘイリーの"The Water is Wide"と讃美歌21・104「愛する二人に」※MIDI付

妻が、CDをプレゼントしてくれました。
ヘイリーの「River of Dreams」(輸入盤)というCDです。
(国内盤は、「アメイジング・グレイス~ベスト・オブ・ヘイリー」という題です。
曲の順番が違うのと、収録曲が若干違います。
下の2種類のジャケット、上が輸入盤、下が国内盤です。)

輸入盤

国内盤


どの曲も美しく、聴きやすいものばかりです。
テレビのCMに使われたものや、
ドラマ「白い巨塔」で使われた「Amazing Grace」も収録されています。
クラシックの曲に歌詞をつけたものとしては、
River Of Dreams」(ヴィヴァルディの「四季」の「冬」第2楽章)、
Never Say Goodbye」(ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」)があり、
O Mio Babbino Caro」(プッチーニの有名なアリア)、
Ave Maria」(カッチーニと、グノー&バッハ)も収録されています。

このアルバムで今回取り上げたいのは、「The Water is Wide」という曲です。
(輸入盤・国内盤共に収録されています。)
初めて聴いた時に、「あっ、あの曲だ!」と思いました。
讃美歌21にある結婚式用の讃美歌「愛する二人に」(讃美歌21・104)です。
(なお、ヘイリーが歌っている歌詞は、「愛する二人に」とは全然別なものです。
曲はイギリス民謡です。)
讃美歌・讃美歌第二編」から「讃美歌21」になった際、
新たに収録された讃美歌としては、最も美しいものの一つではないでしょうか。

歌詞が実に秀逸です。

歌詞は5番までありますが、
その中から1番と3番、4番の歌詞を引用します。
(詞:Brian Wren

(1番)
愛する二人に あふれるよろこび
  造られた神を たたえて歌おう。 

(3番)        
試練の嵐に 出会ったときこそ、
  互いに受け入れ 心を開こう。

(4番)
互いを引き裂く 痛みの中でも、
  よみがえる愛を 信じて祈ろう。


他の結婚式の讃美歌と比べると、
少し苦さが混じっていますが、むしろ現実的なものといえましょう。
結婚生活というのは、決して甘いだけでは乗り越えられませんから・・・
特に3番、4番は、感動的ではないでしょうか。
結婚式だ、わぁ、おめでとう・・・で終るのではなく、
むしろ、何十年もこれから寄り添って歩む二人の姿を描いているからです。
もっともっと、この曲が日本の教会の結婚式で歌われるようになれば・・・と願っています。

今回、ヘイリーの歌声に感動したのと、もともとこの「愛する二人に」が好きだったので、
愛する二人に」のMIDIを作成しました。

歌のメロディーが入ったものと、ピアノ・ソロの2種類あります。
お好きな方で楽しんでください。
なお、歌は2番までにしてあります。
上が歌付、下がピアノ・ソロです。
MIDIは下記からダウンロード願います。もちろん無償です。


「20110303_o_waly_waly_with_song.MID」をダウンロード

「20110303_o_waly_waly_solo_piano.MID」をダウンロード


この「愛する二人に」が含まれた讃美歌のCDが発売されています。
讃美歌21 主よ、終わりまで」です。
Amazonでは試聴もできます。1番は丸ごと聴けます。
(オペラ的な歌い方をしているのが残念ですが・・・)

讃美歌21・主よ、終わりまで―恵みに生きる(CD)


愛する二人に」の1~5番までの歌詞と、経緯などについては、
以下のサイトが詳しいですよ。
http://yassan71.web.fc2.com/yassan.files/hym.files/hym199.files/hym104.htm

ヘイリーのCDについては、以前記事を書いていますので、
よろしければ御覧ください。
ヘイリー"Winter Magic"(冬の輝き~恋人たちのピュア・ヴォイス)」(2009年12月26日の記事)
https://francesco-clara.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/winter-magic-63.html

ところで、ヘイリーさん(ここからは「さん」をつけます。)の出身は、
ニュージーランドのクライストチャーチです。
大地震の被害地ですね。
ヘイリーさんの公式HP(英語)によると、
大地震の数日前に、クライストチャーチの家族の所へ行ったそうです。
その後、大地震がありましたが、ヘイリーさんの家族は無事だったとのことです・・・

(追記1)
2014年4月9日(火)のNHK朝ドラ「花子とアン」で、
この曲が使われていました。
(追記2)
NHK朝ドラ「マッサン」2014年11月第4週の放送でも、
この歌が使われていました。2作連続!

2011年3月 2日 (水)

「カトリック」か「カソリック」か?~誤用に潜む軽蔑と無知

よく、「カトリック」のことを、
リック」と言ったり、書いたりする人がいますね。
どちらが正しいのでしょうか。
結論から言えば、日本では「カトリック」が正しいのです。
英語読みでは、「カリック」に近い発音になりますが、
やはり、正しい呼称を使ってほしいものです。

 

今回、この言葉を取り上げたのは、ある本を立ち読みしていた時に、
ふと考えさせられたらからです。
その本とは、
葬式にお坊さんは要らない―日本の葬式はなぜ世界で一番高いのか』 (日文新書)です。

 

その本の中に、確かこういう一文がありました。
リックは、火葬を嫌う」・・・
少なくとも、日本では、葬儀のあり方が、土葬ではなく火葬ですので、
これは誤りといえましょう。
(ヨーロッパやアメリカなら、土葬が主流ですから、確かにそうと言えますが・・・)
(※キリスト教に関する以外なら、興味深いこともいろいろ書いていました。
日本の葬儀のあり方・仏教のあり方を考えるのには、一読の価値がありそうです。
あと、『葬式をしない寺―大阪・應典院の挑戦』 (新潮新書)という本も、
なかなか興味深かったですよ。
葬式仏教から、魂の救いとしての仏教へ・・・
江戸時代に、キリスト教弾圧の道具と、信仰の角を矯めるために、
檀家制度が設けられたことが、現在の仏教堕落の始まりでした・・・
ちょうど、3月1日放送のNHK・クローズアップ現代でも、
岐路に立つお寺 ~問われる宗教の役割~」という内容で、
日本の仏教のあり方について問いかけるような放送をしていました。
ビジネスとしての仏教は、お釈迦様の心からほど遠いと思います。)

 

 

葬式にお坊さんは要らない―日本の葬式はなぜ世界で一番高いのか (日文新書 64)

 

 

葬式をしない寺―大阪・應典院の挑戦 (新潮新書)

 

 

ちょっと寄り道をしてしまいましたね・・・
本題に戻りましょう。
「カリック」と使われる場合は、一般に、どのような時でしょうか?
私の知っている限りは、主に3つの理由によります。
1・軽蔑的な意味で使う(特にプロテスタントの方)
2・知的に気取って、あえて英語読みを使う(いわゆる「知識人」と自称している人々に多いです。)。
3・上記両方の理由が意識の中で混じっている。

 

戦前の文学者が気取って「カリック」と書いているならまだしも、
どこのカトリック教会も使っていない「カリック」なる名称を未だに使うのは、
知的怠惰といえましょう。
「キリスト教」を「ヤソ教」とか「バテレン」と言うようなものです(隠れキリシタン時代?)。
仏教の世界においても、東南アジアの仏教を、「小乗仏教」とは言わずに、
今では「上座部仏教」という用語を使っています。
(「小乗」とは「小さい乗り物」という意味で、大乗仏教から観た軽蔑的な用語です。)
カトリック教会に対して、それぞれの宗教的・哲学的立場から、どう見るかはいろいろあるでしょう。
しかし、たとえ反対意見や軽蔑の思いがあったとしても、
少なくとも、正式な呼称を使うべきだと思います。
「カリック」なる語を使うのは、自らの無知をさらけ出すようなものです。
ちょうど、「小乗仏教」という言葉を平気で使うかのように・・・

 

ちなみに「カトリック」とは、ラテン語で「普遍」を表す言葉です。
ラテン語の使徒信条にも出てきます。
Credo in Spiritum Sanctum, sanctam Ecclesiam catholicam, sanctorum communionem, ・・・

 

 

 

2011年3月 1日 (火)

2011年2月のアクセス数ベスト10記事一覧

2月のアクセス数ベスト10記事は以下のとおりです:
(※トップページを除く)

一位.NHKスペシャル「無縁社会 新たな“つながり”を求めて」(2011年2月11日放送)
二位.NHK・特集ドラマ「風をあつめて」(2011年2月11日放送)
三位.サンデル教授、バラエティ番組で「正義」を語る~
    「たけしのIQ200~世界の天才が日本を救う~」(2011年2月21日放送)
四位.中世の教会の描かれ方~
      NHK・ダークエイジ・ロマン 大聖堂(1)「無政府時代」(2011年2月5日放送)
五位. 「預言カフェ」から考える聖書的預言の原則
六位.「愛追い」から「相生」へ~NHK・恋する日本語「いい男の条件」(2011年1月28日放送)
七位.第62回さっぽろ雪まつり(2011年)の写真
八位.NHK・クローズアップ現代「学ぶことは、生きること~夜間中学の現場から~」(2011年2月15放送)
九位.NHK「名曲探偵アマデウス」・チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」
十位.NHK・ハイビジョン特集「パイプオルガン誕生」
    -イタリア~東京・500日の物語-(2011年1月27日再放送)

相変わらず、NHKネタが多くて恐縮です・・・
テレビネタ以外では、「預言カフェ」と「雪まつり」がアクセス数で健闘しました・・・

3月もご愛読よろしくお願いします。

マリアは良い方を選んだ(ルカ10:41,42)【自作曲】

主はお答えになった。
「マルタ、マルタ、あなたは多くのことに思い悩み、心を乱している。
しかし、必要なことはただ一つだけである。
マリアは良い方を選んだ。それを取り上げてはならない。」

(新約聖書 ルカによる福音書10:41~42新共同訳)
今回は、この聖書箇所への作曲を紹介します。

「マルタとマリア」の姉妹は、
活動的な信仰と、観想的・黙想的な信仰の対比として、
説教で取り上げられることが多いですね。
下は、フェルメールの「マルタとマリアの家のキリスト 」という作品です。
パンを持っているのがマルタ、イエス様の足元に座っているのがマリアです。
忙しく立ち回るマルタに、慈しみの眼差しを注ぎながら、
マリアを弁護している光景です。

20110301_martha_and_mary_and_christ


教会は、マルタのように献身的に働く人がいなければ成り立たないし、
一方、マリアのように、主の御声に聞き従うことを、何よりも喜べないならば、
何のための信仰か、わけがわからなくなります。

象徴的に考えるなら、マルタとマリアは表裏一体です。
どちらかが欠けてもいけないのです。

今回紹介します自作曲は、
直接はマルタへの呼びかけです。
しかし、マルタやマリアというよりも、
むしろ、私達の心の中の、マルタとマリアに呼びかけているもの、と考えた方がいいでしょう。
教会の様々な働きに熱心になる一方、何か大切なものを忘れてはいないか?・・・
自分自身の「思い悩み、心を乱している」こと、
必要なこと」、「良い方」とは何かを問いかけつつ、
優しくおだやかな声で讃美してみるといいでしょう。
活動・行動も大事だが、それ以上に、主の御言葉に聞きほれることは、
もっともっと大事なんだよ・・・
そんな愛のこもった諭し・・・
この曲のイメージです。
2008年に与えられた作品です。

メロディ(midiファイル)と楽譜(PDFファイル)とは、
下記からダウンロード願います。もちろん無償です。

「20110301_luke1041no01.MID」をダウンロード

「20110301_luke1041no01.pdf」をダウンロード

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