« 読売新聞「編集手帳」欄で映画『アメイジング・グレイス』を紹介(2011年2月6日) | トップページ | 2011年2月の六花亭「おやつ屋さん」~バレンタインデー風のケーキ »

2011年2月 7日 (月)

NHK「名曲探偵アマデウス」・ブルックナー「交響曲第7番」

今回の「名曲探偵」は、ブルックナーの交響曲第7番でした。
長大で崇高なこの曲を、どのように解き明かすのか、ナカナカ見ものでしたが・・・
ブルックナーの作品なんて全然知らない、興味が無い、むずかしいか退屈そう、
というような人には、格好の番組だったかもしれません。
ただ、ブルックナー「信者」(コアなファン)の人にとっては、
「憤死」モノの内容だったかな、とも思います。
ブルックナーの曲を聴いて、「眠たくなってしまう・・・」というのが何度も出てきます。
(それは、言いたくても禁句じゃないの~~。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。)
番組のオチも、
「ブルックナーの交響曲第7番のコンサートに、好意をよせている人と一緒に行ったら、
コンサート途中で寝てしまって、見事にフラれた・・・」というものでした。
番組内のドラマの中でも、ブルックナーの曲を聴いているうちに、
依頼人や助手の響さんが寝てしまう、とか・・・
(確かに、どれほどブルックナーの曲が好きでも、たまに寝てしまう事だってありますケド・・・)
私にとっては、結構ツボにはまって、かなり面白かった回となりました。

番組では、「長くて雄大で、つい眠くなってしまう」という、
曲にとってはマイナスな紹介を補うかのように、
日本の映画音楽の巨匠、久石譲さんを引っ張り出して、
久石さんのもともとの専門であるミニマル・ミュージックとの共通点とかで、
なんとかブルックナーをヨイショしていました。

楽曲分析のところは興味深かったです。
第1楽章冒頭の主題では、22小節で11回も転調する、というのと、
ブルックナーの長大な主題は、山道を行くハイキングコースのようだ、というたとえは、
なるほど!と思いました。
また、久石さんは、ブルックナーの曲では反復が多いが、
反復というのが音楽の魅力だ、とも語っていました。
確かに、ブルックナーの曲は雄大複雑で、反復が多く、
古びた大聖堂のような佇まいです。
入るのをためらうか、入っても、古すぎて価値がよくわからないか・・・
しかし、その魅力に気づくことができれば、そこに「宇宙、聖なる世界」が見えてきます。

実際、私も10代後半~20代前半まで、ブルックナー「信者」でした。
ブルックナーの交響曲全集だけで、何セットも所有していましたし、
ブルックナーの曲のCDだけで、おそらく100枚近く持っていたと思います。
しかし今では・・・ほとんど手放してしまいました。
何とか、交響曲全集を1セットは持っていますがほとんど聴く機会はありません。
(オイゲン・ヨッフム指揮のEMI盤。
輸入モノで、すごく安かった、という理由だけで購入しました。全集なのに確か数千円・・・)
交響曲単独では、ギュンター・ヴァント指揮ベルリン・フィルのが2枚(8&9番)、
他は6番が2枚、7・8・9番がそれぞれ1枚ずつあるぐらいです。
いずれも、滅多に聴くことはありません。
せいぜい、6番の第2楽章アダージョを、たまに聴く程度です。
(オイゲン・ヨッフム指揮のDG盤。すぐ下のCDジャケット。)
最近では、1つの楽章が30分近くもかかるのは、さすがに長すぎるな、と感じます。


急に熱が冷めた原因は・・・
キリスト教の洗礼を受ける前に、ちょうど四旬節の間、
大好きなブルックナーの曲を聴くのをガマン(節制?)してみようと思い立ちました。
1ヶ月以上も、ブルックナーの曲を聴かないで過ごしました。
洗礼を受けてから、「ブルックナー解禁」としましたが、
前ほどのめりことはなくなってしまいました・・・
しばらくは「余熱」がありましたが、いつの間にか特別な存在ではなくなりました。
芸術を通して間接的に神を知るのではなく、
直接に神を知る道に至ったからでしょうね・・・

ブルックナーの交響曲第7番のおすすめCDは、2つ挙げておきます。
一つは、朝比奈隆指揮大阪フィルが、作曲者ゆかりの聖フロリアン教会で演奏したCD。
非常な名演です(残念ながら、今手元にCDはありませんが・・・)。
残響の豊かさもあり、宇宙的な聖なる世界が広がります。

もう1枚は、もっと通俗的でわかりやすい、甘口の演奏。
カラヤン指揮ウィーン・フィルもオススメです。カラヤン最後の録音としても有名ですね。
第1楽章は、目を閉じて聴くと、オーストリアの森と湖の情景が広がってきそうです。
「壮麗・華麗・綺麗」だけを求めるなら、こちらの方がいいかもしれません。

かなり脱線しましたが、番組の内容に戻りましょう。
チョン・ミュンフン(ミョンフン)さん指揮N響の演奏は、あまりピンとこない演奏でした。
可も無く不可も無し、くらいかな・・・
あと、オルガニストの松居直美さんも出演されていました。
10年くらい前、Kitaraでオルガン演奏を聴いたことがあります。
濃密な、と言う形容詞がふさわしい、充実した演奏でした。
彼女の演奏でブルックナーの交響曲のオルガン版を聴いてみたいものです。
CD出してくれないかな~

(追記)
久しぶりに、ブルックナーのCDを新たに購入してみました。
かねてから気になっていた、ギュンター・ヴァント&ベルリン・フィル盤です。
強奏しても少しもうるさくならず、濃密な音の世界が実に心地よい、すばらしい演奏です。
再びブルックナーの世界にハマリそう・・・

« 読売新聞「編集手帳」欄で映画『アメイジング・グレイス』を紹介(2011年2月6日) | トップページ | 2011年2月の六花亭「おやつ屋さん」~バレンタインデー風のケーキ »

映画・テレビ」カテゴリの記事

音楽」カテゴリの記事

NHK」カテゴリの記事

名曲探偵アマデウス」カテゴリの記事

クラシック音楽・ブルックナー」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

2025年2月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28  

カテゴリー

にほんブログ村

  • クラシックCD鑑賞
  • にほんブログ村
無料ブログはココログ