五重奏曲(クインテット)の名盤CD3枚~モーツァルト、ブラームス、シューベルト
最近、室内楽のCDをよく聴くようになりました。
理由はいろいろありますが、最大の要因は、音を絞って聴いても楽しめることでしょう。
今これを書きながらも、室内楽のCDをかけています。
オーケストラの曲だと、やはりボリュームを小さくすると、
聴く喜びが半減します。
(例外的に、シベリウスの交響曲などは、低音量でも楽しめますが・・・
先日シベリウスの交響曲第6番を夜中に小さいボリュームでかけてみました。
ささやくように響いてくる音が、かえってシベリウスの本質を表していました。)
最近特に好きなのは、シューベルトの「ピアノ五重奏曲『ます』」と、
モーツァルトとベートーヴェンの「ピアノと管楽のための五重奏曲」です。
CDは、どちらもアルフレッド・ブレンデルのピアノです。
シューベルトのこの作品は、とても楽しく、演奏もこれ以上望めないほど、
愉悦感に満ちています。
第4楽章が歌曲「ます」の主題を使った変奏曲になっています。
ここだけではなく、第1楽章からステキなメロディの連続です。
ホームパーティーに招かれたような気分、とでもいいましょうか・・・
モーツァルトの「ピアノと管楽のための五重奏曲 K.452」は、隠れた名曲です。
モーツァルトの室内楽では、「クラリネット五重奏曲 K.581」(後述)と並んで、
最も好きな曲です。
モーツァルト自身、初演した際の父親宛の手紙で、
「この曲はぼくがこれまでに作曲した最高の作品だと思います。」と書いているほどです。
ピアノとオーボエ、クラリネット、ホルン、バスーンといった、ちょっと変わった楽器構成です。
ブレンデルがピアノを弾いているCDは、ホリガー(オーボエ)他名手揃いで、
やわらかな響きに包まれて、夢のような時間を過ごせます。
カップリングの、ベートーヴェンによる同じ楽器編成の曲も、
知名度が低い作品ですが、楽しく聴くことができます。
ブレンデルのピアノは、どちらかというと気難しい・理屈っぽい感じがして、
私はそれほど好きではありませんが、
上記の2枚のCDでは、そういう面が目立たず、楽しげでありながら芯がある名演となっています。
ここ最近はちょっと聴く機会が減っていますが、
モーツァルトとブラームスのクラリネット五重奏曲をカップリングしたCDも大好きです。
家にあるのは、
ペーター・シュミードル(クラリネット)と、ウィーン・ムジークフェライン弦楽四重奏団によるCDです。
プラッツというレーベルです。
ただこれは、CDショップでは入手が難しいかもしれません。
容易に手にいれるとしたら、
アルフレート・プリンツ(クラリネット)と、ウィーン室内合奏団のCDあたりがおすすめです。
(はじめて買ったのがこの演奏CDです。今は手元にありませんが・・・)
モーツァルトのクラリネット五重奏曲は、室内楽の入門曲として真っ先に挙げたい曲です。
これぐらいわかりやすく、楽しく、美しい曲は、他にないのでは?
余計なコメントが不要なほど、ステキな曲です。
あまり演奏家を選ばなくても、十分楽しめるでしょう。
ブラームスのクラリネット五重奏曲は、10代、20代のときにはただ暗いとしか感じず、
価値がわかりませんでしたが(好きではありませんでした)、
ここ数年になって、よくわかるようになりました。
11月の孤独と憂愁・・・
秋によく聴くCDです。
枯葉が舞い落ちる風景か、あるいは枯れ木の並木道が見えてきそうな曲です。
五重奏曲では、他にブラームス、フォーレ、ショスタコーヴィチのピアノ五重奏曲もおすすめですが、
またの機会に・・・
弦楽五重奏曲は・・・今のところ、好きな曲はありません。
(弦楽四重奏曲、弦楽五重奏曲ともに、「モノトーン」な感じがして、
最近ではほとんど聴いていません。)
弦楽四重奏という同質な響きに、ピアノやクラリネットという異質な響きが入ることによって、
あたかも小さな協奏曲のような、豊かな世界が展開できます。
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