日経おとなのOFF 2011年3月号「聖書入門」~「レット・イット・ビー」も聖書の言葉?
2月6日の読売新聞朝刊1面の広告欄に、
「日経おとなのOFF3月号 特集『聖書入門』」というのがありました。
思わず、「おっ!」と目を見張りました。
早速書店に行って調べてみようと思いきや、北海道は発売日が何日か遅れるようで、
ようやく昨日、書店で見つけました。
手にとってパラパラめくってみると、なかなかよさそうだな、と思い、早速購入しました。
(日経おとなのOFF2011年3月号※リンク切れになっていたらゴメンナサイ・・・今月中ならOKかも?)
一般の雑誌がキリスト教や聖書について特集を組むのは、
別にこの号が初めてではありません。
昨年には、「pen」という雑誌(出版:阪急コミュニケーションズ)が、
「キリスト教とは何か」という画期的な特集を組んでいます。
続編として、今年の1月号も、「キリスト教とは何かⅡ」という特集を出しています。
そのほかにも、いくつかの出版社でキリスト教入門的な特集号を出しています。
(その他については、以下の記事をどうぞ。
「キリスト教ブーム到来?雑誌などで特集相次ぐ」(2010年7月8日 クリスチャントゥディ))
http://www.christiantoday.co.jp/culture-news-1772.html
(雑誌「pen」2011年1/15号※リンク切れになっていたらゴメンナサイ)
それらの雑誌にも一応、立ち読みで目を通しましたが、
それほど買いたい、という気にはなりませんでした。
雑誌の一般社会における知名度の問題、かもしれません・・・
(ただし、先ほどの「pen」などでも、7万部ぐらいの発行部数があるそうです。)
今回のは、「日 経」という2文字が非常にインパクトがありました。
(実際の発行部数は、「pen」とだいたい同じ程度だそうですけど・・・
水戸黄門の印籠みたいに、「日 経」は権威あるブランドですね。ハハ~_| ̄|○)
雑誌の内容に移りましょう。
まず冒頭。聖書の年代史や構成などがコンパクトにまとめられて、わかりやすいです。
次に、『超訳 ニーチェの言葉』(ディスカバー・トゥエンティワン)が大ベストセラーになった、
白取春彦氏による「超訳 聖書の言葉」として、
聖書全編(続編含む)からさまざまな美しい言葉を紹介しています。
たとえば、箴言17章から~
「信仰をみせびらかす多くの供え物があったとしても、
その家に争いがあるならば何になろう。
食べ物がいかに豊かでも、その家の人々が仲良くなかったらどうしよう。
今まさになければならないのは、固いパンのひときれと、平和なのだ。」
(P.19から引用)
従来の訳では、
「乾いたパンの一片しかなくとも平安があれば
いけにえの肉で家を満たして争うよりよい。」
(旧約聖書 箴言17:1新共同訳)ですね。
なかなかうまい意訳だと思いました。
特集の中でかなり長い記事の一つは、「名画で旅する旧約聖書」です。
20ページにわたり古今の名画から旧約聖書の物語を説明しています。
後半の聖母マリアの絵画特集と合わせて、美術ファンは必見ですね。
キリストの生涯についても10ページにわたって、活字中心で説明しています。
聖母マリアについては7ページ(大半が絵画)割かれています。
その他、ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」、
ミケランジェロの「最後の審判」などについても数ページずつ費やされています。
クラシックファンとしては、
「クラシックの名曲が描く聖書」という6ページにわたる記事も興味深いです。
(「メサイア」のおすすめCDはちょっと???ですが・・・)
今回の特集で、もっとも「へぇ~!?そうなの???」と思わされたのは、
「聖書×ポップス」。
ビートルズの名曲「レット・イット・ビー(Let it be)」の歌詞に、
聖母マリアが出てくる、というものです。
しかも、受胎告知を受諾する聖母マリアの言葉
「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」
(新約聖書ルカによる福音書1:38新共同訳)が背景にある、なんて・・・
確かに、歌詞の中に、「Mother Mary」という言葉が何度も出てきます。
雑誌の中では、
「Mother Maryは、聖母マリアとポール(マッカートニー)の早逝した母親の名との掛詞となっている。」
(P.98から引用)と書かれてあります。
ホントならスゴイけど・・・
調べてみると、ポール・マッカートニー自身は、
自分の母親を念頭において歌詞を書いているようですね。
ただ、公開された曲は、作曲者の意図を越えて、
聖書的な背景をもって歌うことも可能かもしれませんね。
おまけ記事としては、「聖書×フリーメイソン」、「聖書×エクソシスト」なんてものもあります。
(「ムー」とかのスピリチュアル系読者が好きそうなネタですね・・・)
余談ですが、立ち読みで『エクソシスト急募』(メディアファクトリー新書)なる本を読んだことがあります。
この雑誌でも記事を書いている、ノンフィクション作家の島村奈津氏が昨年出した新書です。
映画の世界の絵空事だと思いきや、実際に「エクソシスト」は存在するのですね。
(制度として実際にあるのはカトリックのみです。
プロテスタントでは、聖霊派の教会なら「悪霊追い出し」を行う場合があります。)
一般の人がオトナの教養として、聖書を少しかじるにはなかなかいい特集となっていました。
また、キリスト教(カトリック・プロテスタント・正教会問わず)の人にとっても、
非キリスト教の人に聖書をわかりやすく説明したり、
プレゼントとして、肩肘張らない伝道用に使うこともできると思います。
私は、一般の雑誌がキリスト教・聖書について特集を組んでくださるのは、
とても良い事だと思います。
狭いキリスト教書店(通販含む)で、
クリスチャン向けに細々とキリスト教雑誌を売っていても、
その反響は微々たるものです。
「百万人の福音」、「信徒の友」、「あけぼの」・・・
(ついでに言えば、カトリックの雑誌は1社・1誌にまとめたほうが良いのでは?)
もっと広くキリスト教・聖書について、一般の人に知ってもらいたいなら、
クリスチャンにしか通用しないものではなく、
一般の書店で堂々と売られるような雑誌作りを目指した方がいいのではないでしょうか?
なお、雑誌の詳細については、「日経おとなのOFF」HPか、
Amazonの「雑誌」→「日経おとなのOFF」でぜひ調べてみてくださいね。
(「日経おとなのOFF」で検索)
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