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2011年1月13日 (木)

ルターの教えよりも「藁の書簡」の方が大事~信仰と行いは切り離せない

関西で放送伝道を行っている、とある団体から、メールマガジンが来ました。
(あえて、引用元は明記しません。)
その中で、気になる一文がありました。特に下線部です。
新約聖書の構造について述べているものです。


聖書を読む場合、注意すべき点の一つに、聖句(テキスト)には軽重の差があるということです。もちろん「神の書葉」としての権威はすべてにありますが、それでも重要度に差があります。

宗教改革者Mルターが、ヤコブ書を指して「藁(ワラ)の書簡」と評したことは有名ですが、それを主イエスの教えやパウロの手紙などより重視することは間違いだという意味です。

最も大切なのは主イエスの言動と教えです。次は、信仰の教えの基礎となるパウロの手紙です。その他の手紙と黙示録とは、それらに矛盾しないように理解し、実践する必要があります。


プロテスタント的に言えば、間違ったところはないのでは、と思うかもしれません。
しかし、下線部から判断すれば、結局ルターとか他の説教者が述べた事が、
聖書よりも権威があることにならないでしょうか。
私にとっては、ルターの教えよりも「藁の書簡」と評された「ヤコブの手紙」の方が大事です。
たぶん、上記の文章は、キリスト教入門の方向けに書かれたものなのでしょう。
そういう意味では、概ね正しい記述といえます。
しかし、わざわざ「ヤコブの手紙」を貶めるような記述をする必要はあったのでしょうか?

使徒パウロは「律法の行いによっては神には義(正しい者、合格点)とは認められない」
とは主張していますが、
プロテスタントで否定的に使われる意味での「行い」を決して否定していません。
行いを強調する「ヤコブの手紙」や、
使徒パウロの教えを曲解しないようにと勧める「ペトロの手紙Ⅱ」が書かれたのは、
初代教会の頃から、
信仰があれば行いはいらない」と勘違いする人が多かったからでしょう。
さらに時代がくだって、宗教改革以降になると、
本来「律法の実行によっては義とされない」(ローマ3:20、ガラテヤ2:16)が、
行いは不要」と短絡的に片づけられてしまいました。
キリストの教えも、手が全く届かない精神論と化してしまいました。

カトリックでは、「信仰と行いによって救われる」と考えますが、
私は、どちらかというとウェスレー的な考えをとります。
信仰は行いによって全うされる」と。
信じていれば、行ないが伴うはずです。

ウェスレーの研究家として知られる、インマヌエル高津キリスト教会牧師の藤本満氏は、
アナロギア・フィデイとウェスレーの神学原則」という神学論文において、


外側の実質を修練によって培うとき、内側の信仰は強められる、すなわち「信仰は行いによって全うされる」(ヤコ2:22)というのが、ウェスレー神学である。*28 行いを通して、信仰はさらに強められる。律法は常に人の罪深さ、無力さを指摘する要因となり、人はより密接にキリストの福音に信頼するように導かれ、その結果、福音から律法を全うする力を受けるという。このように、律法は人を福音へ導き、福音は人を律法の成就へと導く。*29

と述べています。(※ *28、29は原注)
(詳しくは、下記を御覧ください。かなり長くて難しいですが・・・)
http://www.tkchurch.com/spboard/board.cgi?id=treatise&action=view&gul=5&page=1&go_cnt=0
信仰と行いは切り離せない、と考えるべきでしょう。
ちょうどそれは、幼虫が成虫になるような、性質の変化を伴うもの、ともいえます。

使徒パウロの言葉で締めくくります。
キリスト・イエスに結ばれていれば、割礼の有無は問題ではなく、愛の実践を伴う信仰こそ大切です。
(新約聖書ガラテヤの信徒への手紙5:6新共同訳)
たゆまず善を行いましょう。飽きずに励んでいれば、時が来て、実を刈り取ることになります。
(新約聖書ガラテヤの信徒への手紙6:9新共同訳)

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