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2011年1月25日 (火)

NHK・クローズアップ現代「問われる“夢の医療”  ~追いつめられる患者と財政~」(2011年1月25放送)

「カネの切れ目が縁の切れ目」ならぬ、「カネの切れ目が命の切れ目」・・・
1月25日放送のNHK・クローズアップ現代では、
問われる“夢の医療” ~追いつめられる患者と財政~」という題で、
最先端の医療が進む一方で、医療の高額化により、
経済的な理由から、治療をやむなく中断・・・そして死・・・
今後誰に起きてもおかしくないような、身につまされる内容を扱っていました。
番組HPから、放送内容を転載します。


いま、命を救うはずの夢の新薬によって、窮地に追い込まれる患者や家族が急増している。ここ数年、がん治療の最前線では、細胞中の分子をピンポイントで攻撃する「分子標的薬」が登場し、以前は助からなかった患者の延命治療が可能になるなど目覚ましい効果があがっている。しかし、薬には巨額の開発コストがかかるため、患者は一度使い始めたが最後、生涯、高額な薬代を負担し続けなければならず、経済的な理由から使用を中断する患者が後を絶たないのだ。患者団体は国に助成を求めているが、医療保険財政逼迫のため対策は容易ではない。番組では、“費用対効果”の観点から医療制度を大きく見直したイギリスの取り組みなども紹介しながら、高度医療と財源のバランスをどう取るべきなのかを考える。


番組前半は、高額な薬代(自己負担分年間50万円)を払えなくなり、
治療を断念した人の話でした。
夢の新薬で一命をとりとめ、劇的な回復を遂げたものの、
まともに払えば年450万円の薬代・・・
公費負担があっても、それでも年50万円の自己負担・・・
ついに、経済的に窮して、薬の使用をあきらめるしかなくなってしまいました。
薬で症状を抑えているだけなので、薬をやめるのは、死を意味します。
・・・これは、決して特殊なケースではないはずです。
「貧乏人は死ねとでも言うのか?」というようなコメントを、
遺族の方が述べていたのが印象的でした。

番組の後半は、医療の低コスト化を目指す取組も紹介されていましたが、
メインは、イギリスでの取組でした。
イギリスでは、番組前半に出ていた人が服用していた薬が無料な一方、
インフルエンザ治療薬のタミフルが全額自己負担など、
医療に対する優先順位がつけられているようです。
日本でそのまま導入できるかどうかはわかりませんが、
社会保障を考える上で大きなヒントになりそうです。

金持ちは可能な限りの医療を享受して長生きな一方、
貧しい人は生きるのをあきらめなければならない・・・
日本国憲法第25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

が保障される社会となるように、
国民の間で論議が必要ですね・・・

高齢者に出される山のような内服薬とかのムダを減らし、
経済的に困窮して、生きる、死ぬの選択にあえでいるような人を、
一人でも多く救うことができる社会になればいいと考えます。

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