シベリウスによるクリスマスの讃美歌~喜びはむねに(讃美歌21・271番)※midi付
いよいよ12月、師走です。
一年が経つのは早いですね・・・
昨日の朝、窓の外はクリスマスを思わせるような雪景色でした。
その光景を見ながら、私の頭の中で響いてきたのは、
今回紹介します讃美歌「喜びはむねに」です。
作曲者を見るとあの「シベリウス」の名が・・・
讃美歌21独自採用のものとしては、とても好きな讃美歌です。
雪景色の中、厳かなクリスマスを迎える北欧のイメージがあります。
(讃美歌第三編といえる「ともにうたおう」42番として採用されていますが、
讃美歌21と若干歌詞が異なります。讃美歌21の方がすばらしい歌詞です。)
歌詞を引用してみましょう。
(1番)
喜びはむねに 満ちあふれる、
あまりに大きい この恵みよ。
神のひとり子が この世に生まれて
わたしの兄弟となられたから。
(2番)
悲しみうれいに 沈むときも、
ささえてくださる 神の恵み。
み子なる主イェスは 神のみもとから
愛のまなざしで みまもられる。
(3番)
主イェスを離れて ただひとりで
どうしてわたしは 生きられるか?
はかりも知られぬ 深い罪さえも、
主イェスの恵みは おおい包む。
(4番)
喜びはむねに 満ちあふれる、
すべての人々 主をあがめよ。
栄えの座を捨て 神のひとり子は
馬槽(うまぶね)のなかに 身を置かれた。
歌詞を読むだけで、じ~んと来てしまいそうです。
ご降誕の神秘のみならず、フィリピ2章の「ケノーシス」をも連想させます。
神が人の姿となってこの地上に来てくださった事を、"Incarnation"(受肉)といいますが、
日本語では「受肉」というとなんとなく響きが悪く、
それよりは、カトリックの古い用語の「託身」という語の方がふさわしいですね。
1番の歌詞に出てくる「わたしの兄弟となってくださった」という言葉から、
ヘブライ2章に3回出てくる「兄弟」の言葉の重さを思います。
「事実、人を聖なる者となさる方も、聖なる者とされる人たちも、
すべて一つの源から出ているのです。
それで、イエスは彼らを兄弟と呼ぶことを恥としないで、
「わたしは、あなたの名を/わたしの兄弟たちに知らせ、
集会の中であなたを賛美します」と言い、(中略)
それで、イエスは、神の御前において憐れみ深い、忠実な大祭司となって、
民の罪を償うために、
すべての点で兄弟たちと同じようにならねばならなかったのです。」
(新約聖書 ヘブライ人への手紙2:11、12、17新共同訳)
ヨハネ福音書では、荘厳な響きでこの事実を伝えています。
「言は肉となって、わたしたちの間に宿られた。
わたしたちはその栄光を見た。
それは父の独り子としての栄光であって、恵みと真理とに満ちていた。」
(新約聖書 ヨハネによる福音書1:14新共同訳)
ムードに流されるクリスマスではなく、
神の独り子がこの地上に来てくださった神秘を静かに思い巡らすクリスマス・・・
そうありたいものですね。
この曲を知ったのは、日本キリスト教団の讃美歌21のCDだったかな、
と記憶していましたが、改めて調べてみると、記憶違いでした。
(讃美歌21のクリスマスCD《現在、2枚あります。》には含まれていませんでした。)
青山学院大学聖歌隊による、ミクタムレコードから出ていたCDでした。
『「イエスはうまれた」 青山学院大学聖歌隊 -クリスマスキャロル集-』というCDでした。
(だいぶ前に誰かに貸してから、散逸しました・・・)
残念ながら、現在、入手困難のようです。
発声などは、プロの合唱団レベルには及びませんが、真摯な歌い方が特長でした。
概要については、ミクタムレコードのHPで確認できます。
http://www.michtam.com/lineup_will01.html
シベリウスの曲による讃美歌としては、
交響詩「フィンランディア」の美しい中間部を利用した、
「やすかれ、わがこころよ」(讃美歌298番、讃美歌21・532番)があまりにも有名ですが、
この「喜びはむねに」も隠れた名曲です。
メロディもさることながら、歌詞が秀逸です。
歌詞だけのPDF版と、伴奏付のmidi版を用意しました。
下記からダウンロード願います。もちろん無償です。
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