NHK「名曲探偵アマデウス」・ヘンデル「メサイア」※付:「メサイア」のおすすめCD
今回の「名曲探偵」は、ヘンデルの「メサイア」でした。
よくぞこの曲を取り上げてくれた!とまず拍手!!!
私にとっては、クラシックの声楽曲で最も好きな曲が、「メサイア」だからです。
番組では、楽しい構成の中にも、「メサイア」の本質である、
キリストの降誕、受難と勝利(復活・再臨)についても短いながら、きちんと触れていました。
罪の問題さえも・・・
また、ゴスペルの立場から見た「メサイア」というのも実に面白い視点だと思いました。
有名な「ハレルヤ・コーラス」などの「栄光」の部分のみならず、
特に第20曲"He was despised"など、
「メサイア」の「受難」の部分もきちんと取り上げ、
十字架の御業との関連を語っていたのがうれしかったです。
音楽を通して、福音を語っているからです。
番組中での「メサイア」の演奏団体は、
鈴木雅明さん率いる「バッハ・コレギウム・ジャパン」でした。
超一流です!
どこのホールで収録されたのかよくわかりませんでしたが、
非常に音響効果のいいホールだと思いました。
合唱も凛とした響きがあって、とても美しかったです。
見逃した方はぜひ再放送を御覧くださいね。
「メサイア」は昔10種類ぐらい聴き比べをしたことがあります。
聴くポイントは、有名な「ハレルヤ・コーラス」(第39曲)と、
第三部冒頭、"I know that my Redeemer liveth"(第40曲)、
全曲の最後を飾る"Worthy is the Lamb that was slain"(第47曲)の3つです。
モダン楽器演奏では、ショルティ指揮シカゴ交響楽団他、
ピリオド楽器(古楽器)演奏では、上述の鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン他が、
とてもすばらしい演奏です。
ショルティ指揮の盤は、バランスがとてもいいです。
重たくなりすぎず、変に「宗教曲」を強調しすぎず、
快活なテンポできびきびと曲の魅力を浮き上がらせています。
「ハレルヤ・コーラス」では理想の演奏といえます。
また、ソプラノのキリ・テ・カナワさんのクリーミーな声もステキです。
鈴木雅明さん指揮の盤は、「本場」のヨーロッパよりも「本場」といえます。
なぜなら、「魂」、「精神性」をすごく感じるからです。
たいていの古楽器演奏のは、ただの軽やかな音楽、で終っています。
「昔はこういう演奏だったんだ。へぇ~」・・・それでおしまい。
しかし、鈴木雅明さん指揮の盤は違います。
信仰者の響きがあります。
鈴木雅明さん指揮の盤では、「ハレルヤ・コーラス」は少人数なので、
迫力がやや物足りないですが、
(「ハレルヤ・コーラス」に限っていえば、
古楽器盤では、ウィリアム・クリスティ指揮レザール・フロリサンのが、
ユニークな表現で魅力的です。⇒現在、絶版・・・)
"I know that my Redeemer liveth"では、
ソプラノの純白の歌声が天上的な響きを醸し出しています。
なお、私は全曲版よりは、むしろ抜粋版の方が好きです。
さすがに2時間半は長いので・・・
モダン楽器演奏では、カール・リヒター指揮ロンドン・フィルのを評価する人も多いですが、
ヘンデルがバッハになってしまったような、重苦しい演奏です。
バッハでは最高なのですけど・・・
逆に、鈴木雅明さん指揮のは、「本業」のバッハ演奏よりも、
上述の「メサイア」やモーツァルトの「レクイエム」などの方が、
説得力があるように思えます。
(これは脱線でしたね・・・)
日本では、12月といえば「第9」が定番ですが、
欧米では「メサイア」が定番です。
12月と「第9」は、まったく関係がありませんが、
「メサイア」とクリスマスは密接な関係があります。
「ハレルヤ
全能者であり、わたしたちの神である主が王となられた。」(ヨハネ黙示録19:6)
「この世の国は、我らの主と、
そのメシアのものとなった。
主は世々限りなく統治される。」(ヨハネ黙示録11:15)
「王の王、主の主」(ヨハネ黙示録19:16)
(引用はすべて新共同訳)
「ハレルヤ・コーラス」の歌詞の聖書箇所です。
「ハレルヤ・コーラス」だけなら合唱団で何度か歌ったことがあります。
「メサイア」は、私にとって、特に作曲面で大きな影響を与えています。
聖書の言葉だけで美しく、ドラマティックで表現力ある讃美の歌を作りたい、
というのが、私の願いです。
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