羊のように(ゼカリヤ9:16~17)【自作曲】
明日(2010年11月21日)は教会暦で言えば年間最終主日。
カトリックでは「王であるキリスト」の祭日、
プロテスタントでは教派によって呼称はさまざまです。
いずれにせよ、「終末」や「最後の審判」を意識させるような朗読箇所が選ばれるようです。
何はともあれ、また一つ年は過ぎ行き、新しい年度を迎えます。
今回は、旧約聖書のゼカリヤ書から、終末的イメージの箇所への作曲を紹介します。
テキストは、旧約聖書ゼカリヤ書9:16~17新共同訳です。
ゼカリヤ書9章といえば、受難週の最初(枝の主日)の、
主イエスのエルサレム入城を預言した箇所として、9節がよく知られていますが、
今回の16~17節は、それほど注目されていない箇所かもしれません。
テキストを引用しましょう。
彼らの神なる主は、その日、彼らを救い
その民を羊のように養われる。
彼らは王冠の宝石のように
主の土地の上で高貴な光を放つ。
それはなんと美しいことか
なんと輝かしいことか。
穀物は若者を
新しいぶどう酒はおとめを栄えさせる。
参考までに、新改訳(第3版)の同じ箇所も引用しましょう。
その日、彼らの神、主は、彼らを主の民の群れとして救われる。
彼らはその地で、きらめく王冠の宝石となる。
それは、なんとしあわせなことよ。
それは、なんと麗しいことよ。
穀物は若い男たちを栄えさせ、
新しいぶどう酒は若い女たちを栄えさせる。
新共同訳のテキストで讃美する場合、
「彼らの」という言葉は、どうもよそよそしい響きになります。
そこで、楽譜では、「かれらの」の「か」の下に、
「(わ)」を補い、「われらの神なる主は・・・」と歌うことができるようにしてあります。
この箇所、「王冠の宝石」という、きらめくような言葉が使われていますね。
日本聖書協会の聖書本文検索サイトで調べてみましたが、
「王冠の宝石」という言葉は、聖書全体でもここにしか使われていません。
(似た表現としては、イザヤ書61:10に、
「わたしは主によって喜び楽しみ
わたしの魂はわたしの神にあって喜び躍る。
主は救いの衣をわたしに着せ
恵みの晴れ着をまとわせてくださる。
花婿のように輝きの冠をかぶらせ
花嫁のように宝石で飾ってくださる。」
というのがありますが・・・)
どれほど神様が私たち神の民を尊いものとして観て下さるか、というのが、
よくわかる表現ですね。
終末、最後の審判というと、どうしてもおどろおどろしい光景ばかりが強調されますが、
信じる者にとっては、究極の慰めの時となることでしょう。
あと、この箇所では、「穀物」と「新しいぶどう酒」という表現で、
キリストの御体と御血を指し示している(聖体拝領、聖餐式)とも言えますね。
「わたしの肉はまことの食べ物、わたしの血はまことの飲み物だからである。」
(新約聖書ヨハネによる福音書6:55新共同訳)
曲の紹介に戻ります。
なんとなく、クリスマス的な雰囲気が漂っているような感じの曲かもしれません。
柔和に、優美に歌うといいでしょう。
途中、私の作品としては非常に稀な、8分の7拍子が出てきます。
「新しいぶどう酒」が「おとめを栄えさせる」
という音楽的解釈にふさわしいかも・・・
メロディ(midiファイル)と楽譜(PDFファイル)とは、
下記からダウンロード願います。もちろん無償です。
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