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2010年11月26日 (金)

METの「トゥーランドット」今昔~NHKh放送版とDVD版

NHKハイビジョンで、「華麗なるメトロポリタンオペラ」と題して、
11月23日深夜から4夜連続で、
2009年にメトロポリタン歌劇場(以下「MET」)で上演されたオペラを放送していました。
私はヴェルディの「アイーダ」とプッチーニの「トゥーランドット」をそれぞれ途中まで観ました。
(「アイーダ」は第2幕の凱旋行進曲のところまででダウン・・・
なお、この記事はこのシリーズ最終夜「ホフマン物語」を聴きながら書いています。
あまりおもしろくなさそう・・・オランピア役のヴィジュアルはポップですが・・・)
こんなすばらしい舞台を、平日の夜中(午前0時~3時くらいまで)にやっているのは、
非常にもったいないし、こんな遅くにまともに観ていられないよ~というのが、
正直な感想でした。
せめて土曜日の夜10時ぐらいとかからにしてほしいものです。
(我が家ではまだデジタル放送対応のビデオ、レコーダーがありません。)

さて、今回書きたいのは、「トゥーランドット」についてです。
フランコ・ゼッフィレッリ演出の豪華絢爛たる舞台です。
1987年のMETでの上演は、DVD化されています。私も持っています。
オペラ演出の頂点のような舞台ではないでしょうか?
2009年版は、演じる歌手は違いますが、基本的には同じ舞台装置、演出でした。
少し変更されたのかな、という点はいくつかありますが、
視覚的に大きいのは、第2幕でトゥーランドットが謎かけをし、
カラフがそれを解いた後、
トゥーランドットの背中から羽根のような細長い幕(旗?)が出てくるところです。
DVD版では、
トゥーランドットの背中にガンダムのビームサーベルのような棒がいくつもあり、
それらが謎を解くたびに取り出されて拡げられていました。
2009年の演出では、背中のそれはなくなっていたようです。
(後で気づきました。)
細かい違いなど、実はどうでもいいことなのですけどね・・・
最近、「音楽の友」とかをまじめに読まなくなったせいか、
知っている歌手は、主役のマリア・グレギーナさんと、
ティムール役のサミュエル・レイミーさんぐらい・・・

「トゥーランドット」でいつも苦笑してしまうのは、
第1幕で、トゥーランドットの謎を解けなかったために、
処刑される運命にある異国の若い王子を見て、
カラフは「なんてひどい姫だ!罵倒してやりたい!」みたいな事を言った数分後、
トゥーランドットを一目見て、「なんと神々しい美しさだ・・・」と絶賛するところです。
トゥーランドット役は、失礼ながら、結構体格のいい方でないと勤まりません。
私が初めてMETの「トゥーランドット」(当時はLD!)を観た時、
誰が絶世の美女である(はずの)トゥーランドットかわからず、
トゥーランドットが出てきても、「あれはトゥーランドットのお母様かな?」と思ったほどでした・・・
(大変失礼!)
イタリア式恋愛は、瞬間湯沸かし器的に、すぐに火がつくのでしょうかね~
(あっ、舞台は中国でした・・・)
1987年のDVD版は、ヴィジュアルはともかく、歌としては、
エヴァ・マルトンさんの声が迫力ありましたし、
カラフはプラシド・ドミンゴさんだったので、文句なしでした。
2009年版のマリア・グレギーナさんもなかなかよかったですよ。
(後でDVDを改めて少し観直すと、1987年版の方が、若干キラキラ度が強い気がしますが・・)

テレビ放送の話に戻りましょう。
第2幕が終った時点で、既に1時半でした。
もう限界・・・
有名な「誰も寝てはならぬ」を聴く前に、
あきらめて寝てしまいました。
だって、「誰も寝てはならぬ」ですから・・・
(夜の1時半なら、よいこは「誰も起きていてはならぬ」ですね・・・)

「誰も寝てはならぬ」は、テノールのアリアとしては最も好きです。
荒川静香さんの金メダルですっかり一般的にも知れ渡るようになりましたね。
自分も輝かしい高音域が出るなら、ぜひ歌ってみたいな、と思っている曲です。
(残念ながら、二点F(F5)ぐらいが高音で出せる限界です・・・)

トゥーランドットは、よく考えれば、オペラ史上最強(というより最凶!)の、
「ツンデレ」キャラですね~
私は氷の姫君はゴメンですが、作品そのものはとても好きです。

ぜひこの放送、また別な機会に、もっと観やすい時間に、再放送してもらいたいものです。
舞台裏を垣間見せてくれたり、舞台真上のアングルがあったり、
歌手へのインタビューがあったりして、幕間も退屈することがありません。
(このシリーズ、映画館でやっていた「METライブビューイング」と同じものなのでしょうね。
私は映画館で観たことはありませんが・・・)

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コメント

オペラファン様、すてきなコメントありがとうございます。
貴ブログ拝見いたしました。フィギュアスケートもお好きだ、というところにまたまた共通点を感じました。
東京とかを除けば、日本のほとんどでは、オペラはDVDかテレビ放映でしか楽しむことができません。190万都市の札幌でさえ、本格的なオペラ公演は年数回程度です。だからこそ、もっとこのような良質な舞台が頻繁に放送されるといいですね。NHKさん、しっかり頼みます!

初めてお邪魔させて頂きます。
さて今回の放送と映画館での「METライブビューイング」は幕間のインタヴューも含めて全く同じでした。
9月に私のブログでも書きましたが、映画館の大きな画面で見たこの公演の映像は本当に物凄く、たいへんな贅沢をさせて頂きました。
1987年のMETでの上演は、おそらく新演出の頃かと思います。それから、20数年経っているので、かなり変化が出て来ているのは、しかたがないのかもしれません。
トゥーランドット役に関しては私はグレギーナの方が好きですが、カラフ役は、やはりドミンゴが最高でしょうね。
とにかく歌劇「トゥーランドット」は私の最も好きなオペラなので、この放送の余韻がしばらく続きそうです。

この記事へのコメントは終了しました。

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