詩篇142【自作曲】
前回に引き続き、詩篇142への作曲を紹介します。
前回は、8節(7節)だけでしたが、
今回は、詩篇142全体に対するものです。
テキストは、詩編142新共同訳です。
ニ短調から始まり、最後はニ長調で終わります。
孤独と嘆きが、やがて明るい讃美へと変えられます。
詩篇によくあるパターンですね。
ベートーヴェン風に言えば、「苦悩から歓喜へ」でしょうか・・・
バルバロ訳で8節(7節)は、
「私の魂を牢から解き、
み名をたたえさせたまえ。
正しい者は私のまわりに押し迫り、
主が私を恵まれるようにと願う。」
(旧約聖書 詩篇142:8バルバロ訳)
となっていましたが、
新共同訳では、
「わたしの魂を枷から引き出してください。
あなたの御名に感謝することができますように。
主に従う人々がわたしを冠としますように。
あなたがわたしに報いてくださいますように。」
となっています。
イメージが少し異なりますね。
新改訳では、
「私のたましいを、牢獄から連れ出し、
私があなたの御名に感謝するようにしてください。
正しい者たちが私の回りに集まることでしょう。
あなたが私に良くしてくださるからです。」となっています。
チェーン式新改訳(第2版)の7節(8節)への欄外註には、
「私のたましいを、牢獄から連れ出し」の所に対して、
「死の願望ではない。不当な投獄(または逆境の比喩)からの解放を願っている。」
と書かれてありました。
旧約聖書的な世界観では、死後の世界は問題ではなく、
ひたすら生の世界、この世でどう生きるかが問題です。
「命あるもののうちに数えられてさえいれば まだ安心だ。
犬でも、生きていれば、死んだ獅子よりましだ。」
(旧約聖書 コヘレトの言葉9:4新共同訳)という御言葉に端的に表されています。
「天国=死後の世界」ということは、あまり考えない方が健全なのでは、と思います。
この世でどう生きたか、というのが、死後の世界につながりますが、
「死んでからのお楽しみ」で十分なのでは、と私は考えています。
「あの世」のことを考えすぎると、不健全で不活発になりやすいものです。
愛すること、感謝することを通して、既にこの地上から、天国は始まっているものです。
神様のすばらしい恵みに気づくことです。
(この主題については、またの機会に・・・)
メロディ(midiファイル)と楽譜(PDFファイル)とは、
下記からダウンロード願います。もちろん無償です。
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