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2010年10月17日 (日)

あなたの御言葉は(ヌン)(詩篇119:105~112)【自作曲】

今回の記事で、通算600本目となります。
神様に感謝!

ということで、記念として、
詩篇119:105~112による自作曲を紹介します。
テキストは、旧約聖書 詩編119:105~112新共同訳です。
ロ短調で始まりますが、111節の御言葉から、ロ長調に変わります。
嘆きから確信に変わる曲です。

長大な詩篇119は、全聖書の中で最も多い節数がありますね。
176節にも及びます。
新共同訳では、(アルファベットによる詩)という見出しがつき、
8節ごとに、(アレフ)、(ベト)、(ギメル)・・・とつけられています。
これは、ヘブライ語のアルファベットの順です。
日本でいえば、「いろは歌」みたいなものでしょうか。
(ヌン)は、第14番目に位置します。
冒頭の、
あなたの御言葉は、わたしの道の光 わたしの歩みを照らす灯。
(旧約聖書 詩編119:105新共同訳)は有名で、
この箇所を座右の銘にしている人も多いかもしれません。

この御言葉を読む時、私はジョン・ヘンリ・ニューマンの詩を思い出します。
(ジョン・ヘンリ・ニューマンといえば、つい最近、イギリスで、
ローマ教皇により聖人の一歩手前である「福者」とされましたね。
19世紀イギリスにおけるカトリック復活において非常に大きい役割を果たした人です。)
導き給え、光なる主よ」という詩です。
たえなるみちしるべの」という題で、讃美歌の288番として親しまれています。
今回は、『イギリス名詩選』から邦訳を引用しましょう。


導き給え、光なる主よ」 ジョン・ヘンリ・ニューマン

導き給え、恵み深き主よ、われ今闇にかこまる、
 光なる主よ、願わくばわれを導き給え!
夜の闇いよいよ深く、われ故郷を離るること遠し、
 主よ、われを導き給え!
わが歩みを乱し給うことなかれ、わが願いは、遠くを
見ることにあらず、---ただ一歩を照らし給わばたれり。

かつてのわれは今のわれと異り、主よ導き給えと、
 祈りしことなし。わが道を自ら選び、
自ら行かんとせり。されど、今は、祈る、
 主よ、導き給え、と!
かつてのわれは華やかなる日々を愛し、内心戦きつつも、
わが思いは傲りに溺れたり。主よ、わが過去を忘れ給え。

御力により、われ長き歳月に恵まれ今にいたる、---この後も、
 なお、主の導きにより生き続けん。
深き沼と沢をこえ、険しき山と滝をこえ、
 夜の明くるまで、主の導きあるを信ず。
曙きたれば、かつてわが久しく愛し、しばし見失いたる
親しき者たち、天使の如き笑みを浮かべ、われを迎えん。

(平井正穂編『イギリス名詩選』(岩波文庫)P.228~231から引用)


ただ一歩を照らし給わばたれり。」のところ、原文では、
"one step enough for me."となっています。
ここに、詩編119:105のエコー(「わたしの歩みを照らす灯」)があると思います。

参考までに、讃美歌288の歌詞の1、2番だけ引用しましょう。
元の詩との違いを見比べてみてください。


(1番)
たえなるみちしるべの ひかりよ
家路もさだかならぬ やみ夜に、
さびしくさすらう身を
みちびきゆかせたまえ。

(2番)
ゆくすえとおく見るを ねがわじ、
主よ、わがよわき足を まもりて、
ひとあし、またひとあし、
みちをばしめしたまえ。


人生は時には一寸先は闇だったり、
明るいと思っていた空がいつの間にか雨模様になったりと、
絶えず変わりゆくものです。
それだからこそ、
光そのものである神様の照らし、導きが必要なのです。
神は光であり、神には闇が全くない。
(新約聖書 ヨハネの手紙Ⅰ1:5新共同訳)

メロディ(midiファイル)と楽譜(PDFファイル)とは、
下記からダウンロード願います。もちろん無償です。

「20101017_psalms119105no01.MID」をダウンロード

「20101017_psalms119105no01.pdf」をダウンロード

イギリス名詩選

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