NHK・世界遺産への招待状「イタリアが愛した男~アッシジ~」(10月9日再放送)
アッシジ・・・
十数年前、一人でイタリア旅行をした時に訪れました。
バチカン、ルルドといった「聖地」にも行きましたが、
アッシジこそ、私にとっては今のところ最高の「聖地」です。
聖フランチェスコ大聖堂地下にある、
聖フランチェスコの墓の前で、思わず涙があふれたことを、
今でもはっきりと覚えています。
機会があれば、またぜひ行ってみたいところです。
NHKの「世界遺産への招待状」で、アッシジを取り上げていました。
(本放送は6月で、今回は「特選」という形の再放送でした。)
聖フランチェスコの生涯について大きく時間を割いた構成は、
はからずも立派な「キリスト教番組」となっていました。
「彼(聖フランチェスコ)はキリストと出会った。」・・・
取材者のインタビューに答えたフランシスコ会の修道士のコメントです。
この「キリストと出会う」ということが、取材者にはどうも理解できなかったようでした。
確かに、これは説明が難しいものですね。
合理主義的思考からすると、「神の呼びかけ」と言われても、
疑問しかわかないことでしょう。
そこは、一般日本人の代表として、正直だったと思います。
しかしこの番組は、「キリストと出会う」ということを、
聖フランチェスコという一人の熱烈な信仰者の生き様を通して、
間接的に、示唆的に語っていたといえます。
私が聖フランチェスコに興味を抱いたのは、高校生の頃でした。
聖書やいろいろな哲学書、宗教書を読みふける中、
物足りなく思ったのは、キリストの言葉をあれこれ論じている人は多いけど、
キリストの言葉そのものを「生きた」人が皆無でした。
しかし、聖フランチェスコはまさにキリストの言葉を「生きた」!
これをきっかけに、ますますキリスト教へ傾倒していきました。
20代前半頃まで、すっかり聖フランチェスコに魅了されていました。
「聖フランシスコの小さき花」とか、伝記などいろいろ読み、
ついにはアッシジまで行きました。
ジオットの絵の素朴さと真実さにも魅了されました。
私にとっては、聖フランチェスコは、キリスト教の真実さを力強く証しし、
真の信仰へと導いてくれた大きな恩人の一人です。
残念ながら、1997年の大地震によって、
聖フランチェスコ大聖堂のフレスコ画は甚大な被害を受けました。
番組では、その修復についても触れていました。
気の遠くなるような地道な作業でした。
(私が行ったのは、大地震の数年前でした・・・)
今回は、おまけとして、
聖フランチェスコの「太陽の賛歌」を転載します。
女子パウロ会のサイトからの引用です。
いと高い、全能の、善い主よ、
賛美と栄光と誉れと、
すべての祝福は
あなたのものです。
いと高いお方よ、
このすべては、あなただけのものです。
だれも、あなたの御名を
呼ぶにふさわしくありません。
私の主よ、あなたは称えられますように
すべての、あなたの造られたものと共に
太陽は昼であり、
あなたは太陽で
私たちを照らされます。
太陽は美しく、
偉大な光彩を放って輝き、
いと高いお方よ、
あなたの似姿を宿しています。
私の主よ、あなたは称えられますように
姉妹である月と星のために
あなたは、月と星を
天に明るく、貴く、
美しく創られました。
私の主よ、あなたは称えられますように
兄弟である風のために。
また、空気と雲と晴天と
あらゆる天候のために
あなたは、これらによって、
御自分の造られたものを
扶け養われます。
私の主よ、あなたは称えられますように
姉妹である水のために
水は、有益で謙遜、
貴く、純潔です。
私の主よ、あなたは称えられますように
兄弟である火のために。
あなたは、火で
夜を照らされます。
火は美しく、快活で、
たくましく、力があります。
私の主よ、あなたは称えられますように
私たちの姉妹である
母なる大地のために。
大地は、私たちを養い、治め、
さまざまの実と
色とりどりの草花を生み出します。
私の主よ、あなたは称えられますように
あなたへの愛のゆえに赦し
病いと苦難を
堪え忍ぶ人々のために。
平和な心で堪え忍ぶ人々は、
幸いです。
その人たちは、
いと高いお方よ、あなたから
栄冠を受けるからです。
私の主よ、あなたは称えられますように
私たちの姉妹である
肉体の死のために。
生きている者はだれも、
死から逃れることができません。
大罪のうちに死ぬ者は、
不幸です。
あなたの、いと聖なる御旨のうちにいる人々は、
幸いです。
第二の死が、その人々を
そこなうことは、ないからです。
私の主をほめ、称えなさい。
主に感謝し、
深くへりくだって、主に仕えなさい。
(訳:石井健吾)
※聖フランチェスコの生涯を描いた映画、
「ブラザーサン・シスタームーン」はオススメです!
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