結婚の本質~結婚式の讃美歌からの考察(主は教会の基となり/いのちとひかりたもう神よ)※midi付
日本キリスト教団の「讃美歌」には、
結婚式用の讃美歌が3曲掲載されています。
428「またきあいたまうかみよ」、429「あいのみかみよ」、430「いもせをちぎる」です。
全567曲中の3曲ですから、割合としては約0.5%です。
「讃美歌第二編」では、わかりにくいですが、何曲か掲載されています。
ただし、使用されることはきわめて稀だと思われます。
「讃美歌21」では、4曲掲載されています。
「讃美歌」の428、429の言葉遣いを現代的にした、
101「いのちとひかりたもう神よ」(今回紹介します)、
102「全き愛与える主よ」、
それと、103「主よ、いま二人は」(「讃美歌」13のメロディを使用)、
現代の讃美歌である104「愛する二人に」(歌詞とメロディがステキな曲です。)
ただし、103、104はあまり使われないのではないでしょうか。
割合としては、約0.7%です。
改めて考えてみると、意外に少ないものですね。
(ただし、讃美歌312「いつくしみふかき」も使う場合が多いようです。)
これらの讃美歌のうち、同じメロディで結婚式にも一般讃美歌として使われるのは、
讃美歌21・101(讃美歌429)の「いのちとひかりたもう神よ」(愛のみかみよ)だけですね。
讃美歌21・390の「主は教会の基となり」(讃美歌191「いともとうとき」)は有名な讃美歌です。
結婚式の時によく朗読される、エフェソの信徒への手紙5:21~33を、
エマオ出版訳で引用します。
下線部は、この訳独特の特長あるいいところだと私が思った箇所です。
「キリストを恐れ敬う心をもって、お互いに服従しなさい。妻たちよ。主に従うように、自分の夫に対しても(服従しなさい)。それは、実にキリストが教会のかしらであられ、またそのからだの救い主であられるように、夫は妻のかしらだからです。教会がキリストに服従しているように、妻も全てのことで、夫に服従すべきです。夫たちよ。自分の妻を愛し続けなさい。実にキリストが教会を愛され、そして教会のためにご自身を捨てられたごとくにです。キリストがそのようにされたのは、ことばによる水の洗いによって教会をきよめて聖くするためであり、そして、しみや、しわや、それに類するものを何一つ持たないばかりか、聖く傷のない栄光の教会を、ご自身で、ご自身の前に立たせるためであったのです。夫たちは、このように自分の妻を自分自身のからだとして、愛さなければなりません。自分の妻を愛する者は自分を愛しているのです。未だかつて自分のからだを憎んだものはいません。かえってそれを養い、大事に育てます。そのようにキリストも教会に対して同じようにしておられます。なぜならば、私たちがキリストのからだの構成部分であるからです。このために人はその父と母を離れ、その妻と結び合わされなさい。そしてその二人は一心同体となりなさい。この奥義は偉大です。実に私はキリストと教会について語っています。いずれにしてもあなたがた各人は、自分自身の妻を自分自身として愛しなさい。そして妻も夫を敬うようになりなさい。」
参考までに、口語訳の同じ箇所も掲載しておきます。
(口語訳)
妻たる者よ。主に仕えるように自分の夫に仕えなさい。キリストが教会のかしらであって、自らは、からだなる教会の救主であられるように、夫は妻のかしらである。そして教会がキリストに仕えるように、妻もすべてのことにおいて、夫に仕えるべきである。夫たる者よ。キリストが教会を愛してそのためにご自身をささげられたように、妻を愛しなさい。キリストがそうなさったのは、水で洗うことにより、言葉によって、教会をきよめて聖なるものとするためであり、 また、しみも、しわも、そのたぐいのものがいっさいなく、清くて傷のない栄光の姿の教会を、ご自分に迎えるためである。 それと同じく、夫も自分の妻を、自分のからだのように愛さねばならない。自分の妻を愛する者は、自分自身を愛するのである。 自分自身を憎んだ者は、いまだかつて、ひとりもいない。かえって、キリストが教会になさったようにして、おのれを育て養うのが常である。わたしたちは、キリストのからだの肢体なのである。 「それゆえに、人は父母を離れてその妻と結ばれ、ふたりの者は一体となるべきである」。 この奥義は大きい。それは、キリストと教会とをさしている。いずれにしても、あなたがたは、それぞれ、自分の妻を自分自身のように愛しなさい。妻もまた夫を敬いなさい。
地上の結婚の本質は、天上におけるキリストと神の民との愛にあるのです。
聖書と信仰という二つの視点で物事を見ると、3Dメガネで見るように、
現実が立体的で生き生きと喜びに満ちたものになります。
それにしても、聖書のこの箇所は、何度読んでも、すばらしさを覚えます。
夫は妻に対する愛を、妻は夫への尊敬を求められています。
折りあるごとに読み返す必要がありますね。
エマオ出版訳では「服従」と訳されているところは、
新共同訳では「仕える」と訳されています。
エマオ出版訳では、夫は妻を「愛しなさい」(一般的な訳)ではなく、
「愛し続けなさい」となっています。継続を表していますね。
「釣った魚にエサをやらない」ではいけないのデス。
あと、「妻もまた夫を敬うようになりなさい。」というのも面白いですね。
最初は尊敬できなくても、少しずつでも相手のいいところをさがし続ける・・・
愛は結婚式で完成なのでありません。むしろ、スタートラインに立っただけなのです。
ちょうど、教会における洗礼式がそうであるように・・・
今回、「主は教会の基となり」と「いのちとひかりたもう神よ」の歌詞を、
ひとつの楽譜にまとめてみました。
ぜひ楽譜を眺めながら、味わってみてはいかがでしょうか。
メロディと伴奏もつけてみました。
伴奏の低音部分に、楽譜にはない装飾音を少しつけています。
ちなみに、讃美歌は古い歌詞の方がいいという人が多いですが、
この曲(讃美歌21・101/390)は現代版(讃美歌21)の方がすばらしいと思います。
古い方の讃美歌の歌詞を1番だけ書いておきましょう。
(讃美歌429→讃美歌21・101)
あいの御神よ、みまえに立つ
この妹(いも)と背を めぐみ祝し、
いとうるわしき 愛のころも
よそわせたまえ とこしなえに
(讃美歌191→讃美歌21・390)
いともとうとき 主はくだりて
血のあたいもて 民をすくい
きよき住居(すまい)を つくりたてて
そのいしづえと なしたまえり
おまけとして・・・
讃美歌21の104は先ほども触れましたが、
すばらしい歌詞とメロディです。
もっと歌われていい曲だと思います。
愛の喜びと、試練を超える愛の強さ、信仰の大切さを歌い上げています。
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