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2010年9月 7日 (火)

NHK・クローズアップ現代「奨学金が返せない~若者たちの夢をどう支えるか~」(2010年9月6日放送)

9月6日放送のNHK・クローズアップ現代では、
「奨学金が返せない~若者たちの夢をどう支えるか~」という題で、
大学の奨学金返済に苦しむ若者たちの問題について放送していました。
番組HPから、放送内容を転載します。

今、奨学金の返済に苦しむ若者が急増している。大学の授業料が高騰し、返すべき奨学金の額が500万円を超えるケースもあるなか、正社員の職を得られない若者が増えているためだ。奨学金を貸している日本学生支援機構は一定の期間、返済を猶予する一方、期限を過ぎた若者たちに対しては取り立てを強化し、返済を求めて年間4000件以上の訴訟を起こしている。非正規の職をかけもちしても返しきれないローンを背負い、途方に暮れる若者たち。「貸与型(ローン)」ではなく、欧米で主流を占める「給付型(返済不要)」奨学金を国レベルで立ち上げるべきだとの声も高まっている。若者の可能性を広げるはずの奨学金が、夢を奪いかねない現状をどう打破できるか、その方策を探る。

この番組では、「困った、困った」だけで終わらず、
東京大学の画期的な取り組みについても報じていました。
経済的な事情により、授業料を納めるのが困難な家庭で、
成績優秀者であれば、授業料が免除されるというものです。
この制度を使って、親からの仕送りに頼らず、
寮生活をしながら、バイトで生活費を稼いでいる苦学生が招介されていました。
こういう人は、ぜひ応援したいものですね。

日本の未来を築くのは、教育です。
その教育が、あまりにも金がかかりすぎるため、
貧富の格差を固定化するものになりつつあります。
塾に通わないと小学校の勉強さえわからない、
経済的に厳しい家庭は挽回のチャンスがないまま、
低学力に甘んじてしまう・・・
「自己責任」、「規制緩和」などのもっともらしい言葉の中で、
もがき苦しんでいる人が数多くいます。

勉強する気がない人まで応援するつもりはありませんが、
一生懸命がんばっている人、才能・能力がある人は、
家族だけでなく、さまざまな奨学金制度などで支援すべきです。

ちょうど、OECDによる日本の教育への公的支出についての最新ニュースがでましたね。
毎日新聞と産経新聞の記事を引用します。
同じニュースでも、新聞によって扱い方が微妙に違いますね。


(毎日新聞~Yahoo!ニュースから引用)
<OECD>教育への公的支出、日本最低、家計負担は重く
毎日新聞 9月7日(火)19時30分配信
 経済協力開発機構(OECD)は7日、加盟各国の教育に関する予算や政策などのデータを比べた「図表でみる教育10年版」を公表した。07年の国内総生産(GDP)に占める、教育機関に対する公的支出の割合はOECD平均が4.8%。これに対し、日本は3.3%と比較可能な28カ国中最下位だった。

 日本は06年がワースト2位、05年が最下位と毎年低迷している。公的支出の割合が最も高いのはアイスランドの7.0%で、以下、デンマーク(6.6%)、スウェーデン(6.1%)と続き、北欧諸国の教育に対する積極投資が際立った。

 一方、日本の教育支出に占める家計負担(授業料など)の割合は、OECD平均(17.4%)の2倍近い33.3%で、24カ国中4番目に負担が重かった。特に幼稚園などの就学前教育段階(56.2%)と、大学などの高等教育段階(67.5%)の家計負担が重い。

 日本以外に家計負担が50%を超えたのは、就学前教育段階がオーストラリア、韓国の2カ国、高等教育でもチリや韓国など5カ国だけだった。

 また、08年の小学校1クラス当たりの児童数(OECD平均21.6人)を比べたところ、データがある27カ国のうち、日本は韓国、チリに次いで3番目に多い28人だった。中学校の生徒数(同23.7人)は33人で、韓国に次いで23カ国中2番目に多かった。

 民主党は野党時代から「OECD並み教育の実現」を掲げ、今年度から高校無償化を実現したが、今回の調査結果に政権交代後の施策は反映されていない。OECDは「他の多くの国でも教育支出が増大しており、日本の政策変化が反映されてもOECD全体での相対的な位置がどうなるかは分からない」としている。【井上俊樹】


(産経新聞~msn産経ニュースから引用)
日本は教育後進国? 公財政支出の教育費割合28カ国中最下位 OECD
2010.9.7 18:40
 経済協力開発機構(OECD)は7日、2007(平成19)年の加盟各国の国内総生産(GDP)に占める教育費の公財政支出の割合を公表した。日本は3・3%で28カ国中、最下位だった。
 日本は比較的、GDPが高いため、教育費そのものの額は大きい。ただ、同じようにGDPが高い米英仏独は、いずれも日本より高く、特にフランスは5・5%に上っている。トップはアイスランドで7・0%。
 文部科学省は「日本は私立学校に在籍する子供や学生も多い。少子化で教育費の公的支出が抑制されている面もあり、一概に日本が教育に力を入れていないとはいえない」としている。
 日本の教育費全体のうち、公費が占める割合は66・7%で、家計や企業など私費が33・3%。一方、フランスでは公費の割合が91・0%に上っており、ほかの英独と比べても、日本は公費の割合が低かった。
 1学級の平均的規模は日本は小学校が28・0人、中学校が33・0人。加盟国平均は小学校で21・6人、中学校で23・7人で、いずれも日本より少なかった。文科省は来年度から順次、全国で1学級が35人を超えることのないように、少人数化を進める方針。

(文部科学省のHPで資料を公開しています。)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/21/09/__icsFiles/afieldfile/2009/09/14/1284648_1.pdf

教育に公費を多く使うと、なぜか叩かれ、
無駄な公共事業をやれば、拍手喝采です。
公務員が高級取りだと騒がれます。
しかし、本当に必要であれば、賃金カットの世の中に反してでも、
教師の賃金を上げるとか、増員するなどの処置はなされるべきです。
教育を軽んじるのは、国力の減退につながります。

教育に金がかかりすぎる日本の制度そのものの見直しと、
奨学金制度の抜本的改革、
そして志のある企業経営者や資産家が、
苦学生たちに寛大な手を差し伸べてくれることを期待しています。

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