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2010年7月20日 (火)

将棋新聞を読む小学生~職業観の形成

先日の日曜日、教会に行くために、地下鉄に乗っていると、
ある親子をみかけました。
お母さんと、小学生の男の子です。
その男の子は、なんと、将棋新聞(正確に言うと、「週刊将棋」)を読んでいました。
大人でも、将棋新聞を読んでいる人は、見かけたことがありません。
まして、小学生が読んでいるなんて、すごいな~と思いました。
その子が将来棋士になるかどうかは私には知る余地がありませんが、
その年齢で、やりたい事、進むべき道が見えているというのは、
すばらしいことです。

以前、小学校の卒業文集で、「将来の夢は?」というのに対して、
「生活保護を受けて楽に暮らしたい。」と書いた子がいた、
という新聞記事を紹介したことがあります。
https://francesco-clara.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/post-3075.html
小学校高学年にもなって、自分の能力を活かす道を見出せない、というのは、
すごく残念なことです。親や教師は、どんな働きかけをしていたのでしょうか。
「なりたい自分」、「あるべき自分」、「自分の向いていそうな分野」へ、
周りの人の助けをもらいながら、少しずつ目標に近づいていく。
そういった、職業観・労働観の形成こそ、教育において特に必要ではないでしょうか。
大学生になっても、自分が何をしたいのかわからないのでは、ちょっと遅すぎます。

いつもよく読むブログ「Meiko Aikoku Blog」で、
「勤労観・労働観教育こそ重要」という題の記事があります。
すばらしい内容ですので、ぜひご一読を。
http://blog.livedoor.jp/meiko_aikoku_blog/archives/51577670.html


最近、ある方からもらった宗教雑誌(※キリスト教のではありませんが・・・)に、
「働く」ということについて、なかなかすばらしいことが書いてありました。


人生相談コーナーでの質問。「何をやってもダメな自分。生きるのがつらい」という問い。
それに対して、相談者は、その宗教の創始者の著作から答えます。
あなたを地上に生みだしたその神さまのみ心のとおりに働く、すなわち『はた』を「楽にすることをお考えになっていただろうかどうかということが問題なのであります。『はた』を楽にする、すなわち『人のために仕える』精神が人間からなくなった時、働く場所がなくなるのでありまして(以下略)」
そして、「仕事を得るには、「はたを楽にする精神」---与える心や愛の心を起こせば良いのです。」(以下省略)と答えていました。(『いのちの環』P.47から一部引用)


私は、これは真理だと思います。
職業によって、金を稼ぐことや安定した生活を得る事も大事ですが、
それ以上に、「人の役に立つ」生き方をすること、
これこそが、職業の意味でしょう。
そういう事を、親から子へ、教師から生徒へ伝えるべきです。

職業観に対するしっかりした教育がないから、
簡単に挫折し、簡単に仕事を放り投げたり、
ひきこもり生活に入ってしまうのではないでしょうか。
これは、その人の人生においても、また社会にとっても大きな損失です。
また、「競走は悪だ」という教育観は、人生全体から考えると、
「小さな親切・大きなお世話」な考え方です。
実際は、世の中はどこでも厳しい競争社会にも関わらず、
競走を避けることによって、傷つきやすくなった若者が増殖しています。
100万人~300万人といわれる「ひきこもり」の若者を増やした要因の一つかもしれません。

以前、村上龍氏の「13歳のハローワーク」という本がベストセラーになりましたね。
今回、この本について検索してみると、
なんと「13歳のハローワーク 公式サイト」というのがありました。
(興味がある方は、ぜひご自分で検索してみてください。)
中学生になったら、少なくとも、
自分の進むべき道をある程度知っておく必要があると思います。
こういうサイトが、教育現場でも活用されるようになることを希望します。

私が教会学校で出会った子の中で、忘れられない女の子がいます。
将来の夢を聞いたとき、
「私は、将来ユニセフで働きたいです。世界中の困っている人を助けたいから。
だから、英語を学んでいます。」と答えてくれました。
当時、小学5年生でした。
今はもう、高校生ぐらいになっているはずです。
その夢がどうなっているかはわかりませんが、
人を幸せにする、不幸から救う仕事をやりたい、
と思う子が1人でも増えることを願わずにはいられません。

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コメント

zapperさん、コメントありがとうございます。まったく同感です。「何のために働くか」という勤労観は、親が本来、きちんと子どもに伝えるべきものですが、残念ながら、今の家庭には、あまり期待できそうもありません。親以外の「大人」(学校の先生等)の役割は大きいですね。

ご紹介ありがとうございます。
「世のため人のために、笑顔で仕事をしよう」
「そうやって、自分も幸せになるんだよ」
そういうことを、大人が学校が教えてあげたいものですね。
今後もよろしくお願い致します。(^^)

この記事へのコメントは終了しました。

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