R・シュトラウス「変容(メタモルフォーゼン)」
だいぶ前ですが、PMFの初年度(1990年)に千歳市で、
マイケル・ティルソン・トーマス指揮ロンドン交響楽団の演奏を聞いたことがあります。
曲目は、たしかベートーヴェンの「レオノーレ第3番」と、
R・シュトラウスの「英雄の生涯」でした。
「英雄の生涯」を聴いているうちに、いつの間にか寝ていました。
「英雄の生涯」の冒頭は、勇壮な響きがあって好きですが、
それ以降は、今だきちんと聴いたことがありませんし、
聴かなくても、別にかまわないと思っています。
R・シュトラウスといえば、交響詩「ツァラトゥストラかく語りき」とか、
派手な交響詩や、「ばらの騎士」などのオペラが有名ですが、
私にとっては、R・シュトラウスの交響詩は退屈なだけです。
交響詩「ツァラトゥストラかく語りき」も、冒頭はものすごく有名ですが、
後の部分は、退屈すぎて、全然覚えていません。
しかし、R・シュトラウスの作品で、すごく好きなものが3つあります。
どれも、晩年の作品です。
「4つの最後の歌」、「オーボエ協奏曲」、
そして今回取り上げる「変容(メタモルフォーゼン)」です。
「変容」は、23の弦楽器だけで演奏されます。
華麗なオーケストレーションを誇るR・シュトラウスの作品としては異色です。
外面的な派手さはないですが、味わい深さは格別です。
私はこの作品を聴くたびに、廃墟に佇んで呆然としている人の姿が目に浮かびます。
そこから、過去の甘美な回想が始まり、
最後には、現実に立ち返る・・・
そんな様子が見えてきます。
曲の終りに、ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」第2楽章からの引用が、
とても印象的です。
我が家には、「変容」では2種類のCDがあります。
ぜひともおすすめは、カラヤン指揮ベルリン・フィル(70年代)ので、
カップリングは交響詩「死と変容」と、「4つの最後の歌」です。
この盤は、「4つの最後の歌」の最もすばらしい演奏が入っているので、
私にとっては、お宝盤の一つです。
(ただし、私はいまだに交響詩「死と変容」は聴いていません。
※2010年7月時点)
今回、この記事を書く前に聴いたのは、もうひとつの盤、
ケンペ指揮ミュンヘン・フィルハーモニックの演奏です。
理由は・・・カラヤン盤より3分ほど短いから(^-^;
聴き比べてみると、カラヤンの指揮を「絹」とすれば、
ケンペの指揮のは「木綿」のようです。
しかし、味わいはそれぞれ独特です。
ケンペ指揮のもおすすめです。
ちなみに、併録(というより、こちらがメインなのですが)の、
シューベルトの「ザ・グレイト」は、まあまあぐらいの演奏です。
過去何種類か、聴き比べてみましたが、
上記以外でおすすめは、カラヤン指揮の80年代の録音ぐらいです。
「変容」は、気分が落ち込んでいる時に聴くのがすごくオススメです。
私も、昨日はこの曲が聴きたくなるような状態だったので・・・
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