全国学力テスト~北海道の結果をみて(2010年)
今年(2010年)の全国学力テストの結果が公開されましたね。
北海道は・・・残念ながら、というか、予想どおりというか、
最下位をのたうち回るような結果でした。
特に、小6では、4科目(国語A・B、算数A・B)で全国最下位でした。
さらには、家庭学習が十分でない、という結果も出ています。
算数能力の低下は憂慮すべき事態ですね。
北教組の影響も大きいですが、
それ以上に、「算数の問題解決型授業」が何の疑問もなく、
当たり前のように行われているところが多いからではないでしょうか。
算数の問題解決型授業は、「問題解決」というものをはき違えています。
真の「問題解決」とは、知識をしっかりと身につけてから、
学んだ知識を応用できる、ということではないでしょうか。
ただ「自分で考えて、自分で解け」、「教科書は見るな」みたいなのは、
「育児放棄」ならぬ「教育放棄」です。教育版ネグレクトです。
(教科書こそ、もっともわかりやすい「型」なのに・・・
教科書を、教科書通り教えず、余計な回り道をさせるから、
算数はムズカシイ、ワカラナイ、ムリ・・・という気持ちを増幅させるのです。)
算数は、基本の「型」を見につけて、あとは練習がものをいいます。
「算数の問題解決型授業」のように、
1時間の授業で1つか2つの問題だけしかやらないような授業方式では、
当然、練習問題に取り組む時間がありません。
1時間で1つか2つの問題であれば、
わかる子には数分で解けても、わからない子は絶望的にわからないままで終わってしまいます。
できない分は宿題、となると、さらに、算数が嫌になります。
勉強するのが嫌だから、当然、家庭での学習習慣は身につきません。
(本州の有名な教育大学の附属小学校のようなところなら、もともと児童が優秀ですから、
そんなやり方でも、十分に児童は対応できますが、
一般的な公立学校では、算数嫌いを増やすだけです。)
教育格差を、教師自ら広げているようなものです。
「わからない人は、どうぞ塾へ行って勉強してください。
ここ(公立学校)は勉強を教えるところではないので・・・」とでも言いたいのでしょうか。
わからないものをわかるようにさせるのが、教師の務めです。
教師の自己満足的な「教育実践」のために、子ども達の将来を犠牲にするのでしょうか。
「学力はテストで測ることはできない」のレトリックでごまかすのでしょうか。
今回の結果は、「子ども達の学力低下」ではなく、
本当は、「教師の指導力低下」だと思います。
算数の問題解決型授業では、決して、算数の学力向上は望めません。
「問題解決型」は、実際は「問題未解決型」いや「問題無解決型」なのです。
(実際は、これは高校生や大学生、あるいはすごく優秀な児童・生徒に適用されるべきであって、
一般の小学生をこのやり方で指導しようとするのは、教育の自殺行為ではないでしょうか。)
子ども達のテスト結果という形で、北海道の教師が評価されているのです。
「今の子どもたちは・・・」、「地域や親の責任」を言う前に、
まず、教師自らが、結果を深く受け止め、反省すべきではないでしょうか。
教師は、教育のプロですよね。
たとえば、医者が、「私が病気を治せないのは患者が悪いからだ。」などと言ったら、
どうでしょうか。
保険のセールスマンの成績があがらないのは、お客さんのせいでしょうか。
そんなこと言ったら、「やめちまえ!」と一喝されるのがオチですね。
教師も同じです。
学力の問題は、単にテストの成績だけではなく、
社会に出てからのことにも関わります。
字が読めない、計算できない、忍耐や向上心がない・・・
これでは、労働力の質の低下であり、引きこもり、ニートの増加にもつながります。
子ども達の未来のために、道教委と各学校はきちんとした対策をしてほしいものです。
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