NHK・「ヘルベルト・フォン・カラヤン ~その目指した美の世界~」(7月13日放送)
7月13日に、NHKのハイビジョンで放映された、
「ヘルベルト・フォン・カラヤン ~その目指した美の世界~」を観ました。
カラヤンは毀誉褒貶が激しかった人でしたが、
やはり、20世紀後半の巨匠の一人でしょう。
私は、R・シュトラウスやブラームスの一部、
あるいは新ウィーン楽派などの演奏では、
カラヤンの演奏を高く評価しています。
ドイツで作られたこのドキュメント番組では、
普段なかなか知ることができない、
カラヤンのリハーサルの様子や、プライベートの様子を多く使い、
また、カラヤンをよく知る有名な音楽家へのインタビューなどで構成されていました。
小澤征爾、マリス・ヤンソンス、ラトル、キーシン、ムター、
クリスタ・ルードヴィヒ、グンドラ・ヤノヴィッツ等、錚々たる人々が、
カラヤンとの関わりや印象などについて語っているところだけでも貴重な映像です。
カラヤン自身へのインタビューも貴重でした。
カラヤンを好むか好まないかを問わず、
クラシックファンとしては、実に貴重な番組でした。
すごく刺激的だったところは、
マーラーの交響曲第5番のリハーサル風景を、
バーンスタインによる同曲のリハーサル風景と対比させるように、
交互に見せていたところでした。
カラヤンとバーンスタインは、しばしばライバル関係のように言われていました。
それを、死後20年も経ってから、このような形で並べることができるのは、
時代の経過を感じました。
カラヤンの指揮する姿は、絵になる光景ですね。
「ザ・指揮者」そのものといった感じです。
カラヤン指揮ベルリン・フィルによる、
ベートーヴェンの交響曲第5番&第8番のCD(70年代の録音)が、
私にとっては、初めて手にしたCDでした。
(残念ながら、とうの昔に手放してしまいましたが・・・)
私の父が、はじめてラジカセを私にプレゼントした際、
ついでに、そのCDを買ってくれました。
そういう意味では、私にとってカラヤンは、
クラシックの門を開いた演奏家といえます。
ただ、その後いろいろな演奏家を知るにつれ、
カラヤンの重要性は私にとっては薄れていきました。
今でもカラヤン指揮のCDでとても好きなのを5つあげると・・・
1.R・シュトラウス「交響詩『死と変容』、『メタモルフォーゼン』、『4つの最後の歌』」
(70年代の録音。先日このCDについては記事を書きました。)
2.R・ワーグナー「『タンホイザー序曲』、『ジークフリート牧歌』、
『トリスタンとイゾルデ~前奏曲と愛の死』)(80年代の録音)
(『ジークフリート牧歌』の演奏では一番好きです。
『トリスタンとイゾルデ』の『愛の死』も絶賛に価します。)
3.シェーンベルク『浄夜』他(70年代の録音)
(シェーンベルクの『浄夜』の決定版ですね。
ただ、併録のベルク、ウェーベルンの曲は、
曲自体の価値が私にとってはいまだにわかりませんので、
ほとんど聞いていません。)
4.「バロック名曲集~アルビノーニのアダージョ、パッヘルベルのカノン他」
(時代錯誤はなはだしい、きわめて重苦しいバロック演奏ですが、
「アルビノーニのアダージョ」と「パッヘルベルのカノン」はすごく好きです。
映画音楽のように聞こえます。
ただし、コレッリやヴィヴァルディなど、他の曲は、論外といえましょう。)
5.ブラームス『ヴァイオリン協奏曲』他(ソリスト→ムター)
(カラヤンの重苦しい演奏が、きわめて成功した例といえます。
カップリングのベートーヴェン『三重協奏曲』は興味がないので、
きちんと聞いたことがありません。)
クラシックファンの間では、
カラヤンや小澤征爾氏の指揮をやたらとけなす傾向がありますが、
それぞれの演奏家に、向き不向きがあるのですから、
もっと公平な評価が必要ですね。
(とはいえ、私は別に、カラヤンファンでもアンチ・カラヤンでもありません。)
R.シュトラウス:死と変容/4つの最後の歌
R.シュトラウス:死と変容/4つの最後の歌
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ワーグナー・ライヴ・イン・ザルツブルク
ワーグナー・ライヴ・イン・ザルツブルク
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シェーンベルク:浄夜
シェーンベルク:浄夜
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アルビノーニ / 弦楽とオルガンのためのアダージョ
アルビノーニ / 弦楽とオルガンのためのアダージョ
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ブラームス:ヴァイオリン協奏曲、他
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲、他
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