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2010年6月25日 (金)

書評:松島修著『聖書に隠された成功法則』(サンマーク出版)

タイトルを読んで、あなたならどう思うでしょうか?
トンデモ本か、牧師さんが書いた本か、ビジネス書か・・・

本文を読んでみると、いきなり、
「聖書に隠されてきた4つのタイプ別診断チェックリスト」なるものがあります。
お堅い教派のクリスチャンなら、「占いじゃないの?」と勘繰りたくなります。
人間のタイプを、4つの福音書のシンボルである、
「人」、「獅子」、「雄牛」、「鷲」に分けています。
このシンボルの根拠は、旧約聖書のエゼキエル書1:10です。
教会では伝統的に、
この4つを福音書の記者(マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ)にあてはめています。
それはさておき、これは動物占いのたぐいではない、と著者もことわっています。
(P.146~147)
私はこの本によると「人」タイプだそうです。

人間のタイプを知ってそれにあった生き方を知る、というのは、
占いの本などでは常套句ですね。
キリスト教関係の本で、こういうのを見たのは、
カトリックのシスター鈴木秀子さんのでしか見たことがありません。
(こちらは、「エニアグラム」というやり方で、人間を9つのタイプに分けています。)
ただ、実際読み進めてみると、人間を4つのタイプに分けるというのは、
実はこの本の中でさして重要なことではないような気がします。
「6000年の時を経て解き明かされた4つのタイプ別診断とは?」
といった、怪しげなキャッチコピーはともかく・・・

この本の重要な主張は、
聖書は「宗教書」ではなく、人生の指南書である、というものです。

本文から引用してみましょう:
聖書は、宗教書ではありません。聖書は人生の指南書であり、普遍的な法則と、私たちの生きる意味と価値について書かれたものです。神への信頼(信仰)について書かれた書物です。宗教活動と、神への信頼は、一見似ていますがまったく異なるものです。
むしろ聖書を読めば、宗教が大きな間違いを犯しやすいことや、宗教活動をすることで成功するわけではないこともよく分かります。宗教は人を束縛するものですが、聖書は人を自由にするものです。宗教が聖書の大事な真理を隠してきたのかもしれません。聖書から宗教のベールをはがした時に真理が光り出します。

(同著P.17から引用)

私はビジネス書の自己啓発本の類が実は結構好きで、たまに読みます。
そういう類の本の要点は、実は聖書に書いてある場合をよく見つけます。
教会が、宗教というベールで、真理を見えなくしているのかもしれない・・・
その点では、上記に引用した意見に同意します。
大きな宝が首につけられているのに、
それに気がつかないまま過ごしているような人みたいですね。
(これは、法華経の中にあるたとえです。)

この本では、「教会に行き、礼拝に参加し、洗礼を受けましょう」
のようなことは言っていません。
広く、普遍的な価値として、聖書の中に示されている真実に気付くことが、
成功の秘訣だ、と結論しているのでは、と思います。
ビジネスパーソン向けの聖書入門にはちょうどいいのでは、と思います。
反面、教会の人にとっては、ちょっと怪しげな本と思えるかも?

私としては、
聖書を「成功法則」という視点でとらえた本書はすばらしいと思います。
また、牧師や司祭が書いたのではなく、
一般の人(投資コンサルタント)が書いたというのも注目に値します。
ビジネスパーソンとして成功したような人が、
どんどんわかりやすい聖書入門、信仰入門の本を書いてほしいものです。

この律法の書をあなたの口から離すことなく、
昼も夜も口ずさみ、そこに書かれていることをすべて忠実に守りなさい。
そうすれば、あなたは、その行く先々で栄え、成功する。
(旧約聖書 ヨシュア記1:8新共同訳)

聖書に隠された成功法則



聖書に隠された成功法則


著者:松島 修




聖書に隠された成功法則

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