母をたずねて三千里(完結版)
世界名作劇場の完結版シリーズの続きです。
シリーズ中の代表作の一つである、
「母をたずねて三千里」の完結版を観ました。
小さい頃から、とっても印象的なOP曲だけは知っていましたし、
度重なる再放送を何回か観たような記憶はかすかにありますが、
きちんと本編を観たのは、意外と最近で、
NHKのBS2で放映されていた時です。
ただ、どちらかというと、冗長な話が多いので、
きちんと観ていたわけではありません。
物語終盤のところは、だいたい観ていました。
(私にとっては、全編観たい、という作品ではありません。)
もともと、少ない分量の話を、かなり水増しして、
52話分の話にしていますので、
原作にない話が多いです。
ただ、ペッピーノ一座の話とかは、原作になくとも、
魅力的なのは確かです。
完結版の構成は、時系列順ですが、
かなり物足りない気がします。
本編第27話の「フィオリーナの涙」のところは、
さらっと触れられてはいますが、
もう少し、時間をとってほしかったかな、と思いました。
一番感動したシーンは、後篇の、
パブロとの友情のところでした。
お母さんと再会できたところは、
本来なら一番感動するところのはずですが、
なぜか今回は、それほど感動しなかったです。
「母をたずねて三千里」の入門編としては、
この完結版はいいと思いますが、
それ以上の存在ではありません。
ED曲は、本編ではあまり動きのない映像でしたが、
完結版では、アメディオのユーモラスな映像に差し替えられていました。
これはOKだと思います。
OP曲は、世界名作劇場シリーズ中、傑作の部類に入りますね。
この作品の魅力となるところは、人の助けあいです。
マルコは、一人で頑張ったから、
お母さんのもとへたどりつけたのではありません。
ひどい目にもあったけれども(盗難やウソなど)、
いろいろな人が、要所要所でマルコを助けてくれたからこそ、
たどりつけたのです。
だから、ラストシーンは、
アルゼンチンでお世話になった人々に、
各地で別れを告げるシーンになります。
人が人を信じあえる社会、これが理想ですよね。
「母をたずねて三千里」の原作は、
イタリアのデ・アミーチスの小説『クオレ』です。
(「クオレ」とはイタリア語で「心」などの意味。)
その物語の中の「おはなし」というものが、
「母をたずねて三千里」なのです。
原作は、一部の話が道徳の教科書に採用されるほど、
道徳的で、すばらしい物語です。
少年少女の読み物として、今も色あせない価値があります。
私が読んだのは、岩波少年文庫版です。
ただ、今はAmazonで取扱がないようです。
下に紹介したものは、まだ読んだことがありませんので、
無印としました。
児童向けの本では、上下巻にされることの多い本作ですが、
1冊で全体を読むことができます。
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クオーレ (平凡社ライブラリー)
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