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2010年4月10日 (土)

書評:青木偉作著『頭が良くなるユダヤの勉強法』(中経の文庫)

書店で、ふとタイトルを見て、中を立ち読みし、
すぐに買ってみた本です。

タイトルは、『頭が良くなるユダヤの勉強法』ですが、
勉強法について、期待して読むなら、たぶん失望に終わるでしょう。
この本は、むしろ、ユダヤ人について知るための本です。
ユダヤ人が、長年の苦難の歴史を通しての、
トーラー(律法)を学ぶ情熱について知ることができます。
ユダヤ文化入門の本として、好著といえましょう。

あえて、「勉強法」というなら、表紙に書かれている、
分厚い本でも、ひたすら音読!考えるときは、体をゆらして脳を活性化!
ぐらいでしょうか・・・

この本には、安息日の意義について、よく書かれてあります。
家族そろって、安息日に、トーラーを学び続けるのが、
ユダヤ人の優秀さの基礎となっている、と著者は考えています。
キリスト教会でのように、聖職者が一方的に信徒に教え込む、
という形式ではなく、ディスカッション(討議)が大事です。
ユダヤ人が100人いたら、100の政党ができる、といわれるほど、
非常に議論好きの民族として知られていますね。

ユダヤ人の話だけではなく、ユダヤ人を通して、
日本と日本文化(とくに、日本語)を見直す、
いいきっかけになるかもしれません。
そういう意味では、一読をおすすめします。
なお、著者が本文で引用している聖書の訳は、
なぜか文語訳です。

ユダヤ人・ユダヤ文化を知らずして、聖書を語ることはできません。
ヨーロッパ・アメリカ経由のキリスト教よりも、
ユダヤ教・ユダヤ人・ユダヤ文化を通しての方が、
聖書はよく理解できますよ。
地上の氏族はすべて
あなた(直接にはアブラハム、間接的にはユダヤ人)によって祝福に入る。
(旧約聖書 創世記12:3新共同訳)
イエス様も、「救いはユダヤ人から来るからだ。」(ヨハネ4:22新共同訳)
と語られていますね。

同じ著者が訳した、元駐日イスラエル大使の、エリ・コーヘン氏による、
驚くほどよく似ている 日本人とユダヤ人』もすばらしい本です。
私は単行本の時に読みましたが、既に文庫化されています。
同じく中経の文庫です。
愛国心がある日本人なら、ぜひ読んでほしいです。

頭が良くなる ユダヤの勉強法 (中経の文庫)



頭が良くなる ユダヤの勉強法 (中経の文庫)


著者:青木 偉作




頭が良くなる ユダヤの勉強法 (中経の文庫)

驚くほど似ている日本人とユダヤ人 (中経の文庫 え 1-1)



驚くほど似ている日本人とユダヤ人 (中経の文庫 え 1-1)


著者:エリ・コーヘン




驚くほど似ている日本人とユダヤ人 (中経の文庫 え 1-1)

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